2016年06月28日

「争点隠し」=「国民をいつわり騙す」自民公明党

 平成二十八年六月二十四日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「「争点隠し」=「国民をいつわり騙す」自民公明党」


 を企画、取材、執筆しました。



23日付の日本経済新聞朝刊に、「『安倍1強』の行方左右、議席数3つの攻防ライン――自公61、自民57、改憲勢力782016参院選)』」という見出しがある。同記事では、「獲得議席によって政権の体力は大きく変わり、安倍晋三首相(自民党総裁)が意欲を示す憲法改正も現実味を帯びてくる」とし、来る参院選について、自公で改選議席121の過半数となる61議席を取るのは、615778議席の三つのラインがあるという。記事によると、安倍氏は、自公で61議席を目指す方針と言い、21日の党首討論では「目標を定めた以上、それに責任が伴うのは当然のことだ」と述べたという。ちなみに、自公で61議席というのは、かなり楽に取れる数字なのだという。

 「このため自民党内で『事実上の目標』とされているのが自民党だけで参院の単独過半数に達する57議席だ。実現すれば1989年以来、27年ぶり。大勝した13年の前回選では自民だけで65議席をとった。首相はいまのところ『とてもそこまでは届かない』と語るが、党内では『不可能な数字ではない』との声があがる。参院選は全国に32ある改選定数が11人区の勝敗が選挙全体を左右する。党内では『1人区での負けを5つ程度に抑えれば射程圏内』との声もある。単独過半数が実現すれば、政権内の首相の求心力は一層強まる」という。

 もう一つは、GWに当コーナーで報じた通り、改憲勢力による「78議席」。記事では「首相の念願である憲法改正にこぎ着けるためには、国会発議に必要な衆参両院でそれぞれ3分の2の勢力の確保が必要となる。衆院はすでに与党で3分の2を持っているが、参院では足りない。自公だけなら86議席必要になるが、改憲に前向きなおおさか維新の会(非改選5議席)と、日本のこころを大切にする党(同3議席)と連携すればあと78議席で実現性は高まる。非改選組の無所属議員のなかには、安倍政権下での改憲に賛意を示す人も複数いる。選挙結果次第では、首相在任中に改憲に向けた扉が開く展開もありうる」とある。

 一方、野党はどうか。記事では「『与党が過半数をめざすのなら打ち砕くのが私たちの目標だ』。民進党の岡田克也代表は22日、甲府市での公示後第一声でこう訴えた。『私たち』とは民進に共産、社民、生活を加えた野党4党を指す。自民党が政権を奪還した2012年の衆院選以降の国政選挙はいずれも野党候補が乱立。互いの票を食い合い、結果として自民党の大勝に結びついた。今回は32ある改選定数が11人区すべてで、無所属を含む野党統一候補を並べた。候補者をすみ分けたことでどれだけ議席増につながるかがポイントだ」といいつつ、こんなふうに書いている。

 「とはいえ野党で改選議席の過半数をとるのは至難の業だ。5月の日本経済新聞の世論調査では、参院選で投票したい政党のトップは自民党の44%。野党4党はすべて足しても20%にとどまる。選挙区では北海道や東北地方などで善戦しているとされるが、全国規模の勢いとはいいがたい。より現実的な目標は、改憲勢力の3分の2阻止。裏を返せば3分の1超(81議席)を野党4党で確保することだ。非改選議席の4党議席は合計で27議席。これを差し引いた54議席が必要となる」という。

 つまり、改憲を阻止するためには、野党4党で「54議席」を取らなければならない、ということになる。

 このように、改憲が争点となる中、自公政権が「争点隠し」をしている、ということは13日付の当コーナーで伝えたが、その後、ますます自公は改憲をひた隠しにしている。

 例えば23日付の朝日新聞朝刊の記事「首相、改憲主張を“封印”」によると、安倍首相は21日の党首討論会で、改憲について、「条文をどのように変えるかを決めるのは選挙ではなく国民投票だ」などと詭弁を弄したという。いうまでもなく国民投票をするためには、参院で改憲勢力による参院議席の三分の二が必要で、それを決するのが710日の参院選なのだから、それを今回の参院選が改憲につながらないかのように言うのは、安倍首相が国民を馬鹿にしきっていることの証と言わざるを得ない。

 また、公約で改憲について一字も触れいない、という、無責任な体質を露わにした、自民党のジュニアパートナー公明党は20日、同党の山口那津男代表が都内の日本外国特派員協会で記者会見し、憲法改正について「首相といえども憲法を順守する義務が課せられている。政府の立場で意見を出すべきではない」と、いけしゃあしゃあと言ったという。(621日付日本経済新聞朝刊)

 ちなみに、この山口代表は、これまでも、“二枚舌”を使って一部の国民を惑わしてきた歴史がある。例えば、集団的自衛権容認の解釈改憲について、山口氏は、「国民議論というプロセスなしに政府が勝手に決めてはいけない」(14314日付朝日新聞)、「憲法改正が筋。国民に問わないといけない。政府が勝手に決めたなんて、到底許されない」「憲法改正のいとまはないから近道で解釈を変えちまえと。国民に気付かれないように密かにやってしまえという考えがもしあるとしたらダメだ」(14413日付同紙)などと言っていたが、豹変し、解釈改憲をして安保法制を通して居直っているという前歴がある。

 要するに、山口氏はウソつきなので、今回言っていることも到底信用できない。

 もはや争点を隠し続ける自民・公明党は、国民をだまして選挙をしているに等しい。こんな「子供騙しの政治」を続けてよいのだろうか?(佐々木奎一)




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2016年06月27日

いつもの「争点隠し」をする安倍自公政権

 平成二十八年六月十三日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「いつもの「争点隠し」をする安倍自公政権」


 を企画、取材、執筆しました。



12日付の日本経済新聞朝刊に「与党、改憲の争点化回避」という記事がある。それによると、「22日公示―710日投開票の参院選に向け、自民、公明両党が憲法改正の争点化を避けようと腐心している」という。「『最大の争点は経済政策だ』。安倍晋三首相(自民総裁)は11日、松山市の街頭演説でこう強調した。自らの経済政策『アベノミクス』以外でも消費増税延期や日米同盟には言及したが、憲法は一切触れずに終わった。在任中の改憲が悲願にもかかわらず、3日からの全国遊説では言及しない姿勢を続けている」という。

 しかも、公明党は、参院選の公約で、憲法について、まったく触れていないという。(610日付日本経済新聞朝刊)

 自民党の公約も、「憲法改正についての記述は全26ページのうち末尾の2項目のみ。『衆参の憲法審査会で議論を進め、各党との連携を図り、国民の合意形成に努める』との表現にとどめた」(11日付毎日新聞朝刊)という。

 では、安倍自公政権は、憲法改正をするという従来の方針を変えたのだろうか?

 無論、変えていない。

 そのことは上記の記事のほか、多くの識者も指摘している。例えば、毎日新聞の10日付夕刊では、政治アナリスト伊藤惇夫氏と政治ジャーナリスト鈴木哲夫氏が対談している。そのなかで、こういうくだりがある。

 「伊藤氏 違和感がありますよね。『目標隠し』で『改憲隠し』ですよ。本音は改憲勢力で3分の2以上を取りたいはずです。改憲を諦めたとは思えません。

 鈴木氏 同感です。前回衆院選も『経済、経済』と強調して、勝ったら安全保障法制に取りかかった。今回も『消費税だ、景気だ、1億総活躍だ』と強調しますが、3分の2に届いたら憲法改正を狙うはず。前回と同じパターンです」

 また、同紙の5日付朝刊で、「日本会議の研究」(扶桑社刊)の著者のノンフィクション作家・菅野完氏は、こう警鐘している。

 「参院選では憲法に関して『三つの欺き』がある。

 安倍晋三首相は憲法改正を目指しているが、選挙では経済政策『アベノミクス』や消費増税延期が与党の主張の前面に出て、憲法はかすんでしまうだろう。これが一つ目の欺きだ。

 二つ目は、選挙で憲法が争点にならなかったとしても、改憲勢力が参院で3分の2以上の議席を占めれば、首相が『民意を得た』と改憲に向けて動き出すだろうということ。これは2014年衆院選の自民党公約に小さく書き込んだだけの『安全保障法制の速やかな整備』に、翌年から積極的に取り組んだのと同じだ。

 三つ目は、改憲の狙いが護憲派が想定する9条ではないということ。今後、災害時などに首相の権限を強化する『緊急事態条項』の創設や、伝統的家族観をうたう『家族条項』などがクローズアップされてくるはずだ。有権者やメディアはこうした欺きを指摘しなければならない。安倍政権は憲法の何を変えようとしているのか。選挙の前に手の内を明かせと言う必要がある」

 このように安倍自公政権は、国民を欺いてばかりいる。こんな姑息で卑怯な政治が続いていては、日本全体が、姑息で卑怯な生き方になってしまうのではないか。いや、すでに姑息で卑怯になってきている、そういえないだろうか?(佐々木奎一)

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2016年06月25日

トモダチ作戦で被爆の米兵に涙する小泉純一郎

 平成二十八年五月二十日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「トモダチ作戦で被爆の米兵に涙する小泉純一郎」


 を企画、取材、執筆しました。



19日付の朝日新聞朝刊に、小泉純一郎元首相の泣いている写真付きで「『トモダチ作戦で被曝』、元米兵に涙 小泉氏訪米『苦しみ見過ごせない』」という記事がある。それによると、小泉氏は15日から訪米し、東日本大震災の「トモダチ作戦」に従事し、福島第一原発沖で被曝したとして、東京電力側を相手に集団訴訟を起こしている米海軍の元兵士ら400人以上のうち10人と面会。窮状を聞き、17日(日本時間18日)に米国で記者会見を開いたという。

 小泉氏は「『救援活動に全力を尽くしてくれた米国の兵士たちが重い病に苦しんでいる。見過ごすことはできない』。感極まって泣き、訴えた」という。

 なお、同紙電子版にはこの事件と会見の詳細が載っている。それによると、事件の原告のなかには次のように訴えている人がいるという。

 トモダチ作戦に艦載機部隊の管理官として従事した原告の一人・元海軍大尉スティーブ・シモンズ(37)は、「空母では当初、海水蒸留装置の水を飲んだり、その水で調理した食事をとったりしました。現場海域に着いてから3日後の2011315日、艦長が『水を飲まないように』と命じました。だが、すでにシャワーを浴びたり、水を飲んだりしたあと。その後も、甲板の洗浄には汚染された海水を使っていました」「乗組員は強い放射線にさらされ続けましたが、当時は健康へのリスクに無知でした。私たちは人道支援にあたったのであり、核惨事に対応できたわけではない。東電が正しい情報を出していれば、違った対応がとれたはずです」という。

 シモンズは帰国後、体調が悪化。「11年末、車を運転中に突然気を失いました。高熱が続き、リンパ節がはれ、足の筋力が衰えました。髪の毛が抜け、体重も十数キロ激減。トモダチ作戦前は登山をするなど健康体でしたから、症状が現れたときには打ちのめされました」「筋肉を切り裂くような痛みは腕や胸に広がり、全身のはれや囊胞(のうほう)、発汗、膀胱(ぼうこう)不全などを発症。通院するソルトレークシティーの退役軍人病院の医師は『放射能の影響だろう』としています」という。

 米国防総省は昨年、連邦議会へ報告書を提出したが、乗組員らが受けた放射線量は一般の米国人が自然界から受けるより低いとし、健康被害との因果関係は考えられないと主張しているという。

 だが、シモンズは「報告書は使い物にならない代物。乗組員全員の検査をせず、健康被害のリスクはなかったとしている。飲料水の汚染は検知器の誤作動だったとしているのも不可解です」「作戦に従事した元乗組員2人が亡くなり、ほかの仲間も深刻な健康被害を抱えています。一方で(係争中の訴訟は)米国内で理解されていません。私自身は海軍に16年以上勤めたので医療費を受けられますが、20代の若い仲間は健康問題が生じると何の保障もなく海軍を追い出されている。見捨てられません」という。

 なお、原告弁護団が米情報公開法に基づき、ロナルド・レーガンの航海日誌や米原子力規制委員会(NRC)の電話会議記録を入手した。その航海日誌によると、演習参加のためにハワイから韓国・釜山に向かっていたロナルド・レーガンは、大震災を受けて11313日までに福島沖に到着。米第7艦隊や海上自衛隊と活動を始めた。そしてNRCの電話会議記録には、13日の米海軍高官の次の発言が残る。「東北近海の海自艦に立ち寄ってレーガンに戻ったヘリ搭乗員の靴などから放射性物質を検出した」「沖合約185キロにいたレーガンは放射性プルーム(雲)の下に入った。空気中の放射線量が通常の30倍の数値を示し、救援活動を一時停止した」。その後も、「16日午後1145分、福島第一原発東方沖約230キロの海域を航行中に放射性プルームに包まれた」「17日午前57分に抜け出すまでの5時間あまり強い放射線にさらされた」

 こうしてロナルド・レーガンは4月上旬まで日本近海で活動を続けた。すでに2人が骨膜肉腫や急性リンパ球白血病で亡くなっており、原告団は10億ドル(約1200億円)の救済基金の設立を要求しているという。

 また、小泉氏は、会見でこういうふうに語っている。「トモダチ作戦は、日本側から米国側に要請して、米国は迅速に、しかも多くの兵士に参加していただきまして、全力を尽くして、救援活動に従事していただいた。そのトモダチ作戦に参加していた兵士の中で、放射能に汚染された(被曝した)と思われる兵士が、かなり多く出てきている。原発事故から5年経過したが、ますます症状も悪くなっている。このような善意によって、日本の被害に対して救援活動を行ってくれた兵士がいま、重い症状に苦しまされている。これがなぜ、日本国民にも知らされていないのか、不思議に思いました」「15日にここサンディエゴにうかがい、日本で救援活動をしていただいた10人の兵士の方から3日間、現在の病状や、日本でのトモダチ作戦の状況について、じかにお話をうかがうことができた。その10人の兵士の方が現在、重い病気で苦しみ、これからどうしようかと困っている話を聞いて、ぜひ多くの日本国民にも米国民にも知ってもらわなければいけないと痛感した」

 「東北沖に停泊しながら何回もヘリコプターで救援活動をしていた兵士が、重い病気にかかっている。それが5年たっても、日本国民にも米国民にも実情が知られていないことを、ますます不思議に思っています」「実際に話を聞いてみて、これは放射能の影響による病気だということが分かりますよ。原子炉が爆発してメルトダウンして、そこで放射能が放出されたんです」「東電は、これらの兵士の病気や健康被害は福島の事故と関係ない、と否定しているそうですよ。米国でも、病気になった人が米国のお医者さんにみてもらっても、『これは放射能の被害による病気じゃない』『分からない』という説明をしているそうです。私も、原発は安全でコストが安くてクリーンだという専門家の意見を聞いていたが、これは全部うそだということが分かった。お医者さんは専門家ですよ。素人の私でも、病に苦しんでいる10人の話をきいて、病気になっている原因は放射能だという感じがする。あの事故後、東京電力も隠している情報がいくつかあったということが今、分かっている。重い病を抱えている10人からじかに当時の状況を聞いて、米海軍も何か隠していることがあるんじゃないかと感じた」「どうも日本のメディアでも、放射能に関して隠していることがあるんじゃないか。伝えたくない状況にあるんじゃないか。そう感じています」

 「私はこうして被害にあって病気に苦しんでいる兵士たちの話をきいて、気の毒だなと思うだけではすまない。見過ごすわけにはいかないと思っています。日本国民として、米国の兵士たちに敬意と感謝をもっているわけですが、気持ちだけじゃなく、病に苦しんでいる人たちに何か支援をすべきだと強く思っています」

 そして、小泉氏は、日本が原発再稼働したことを何度も批判し、原発ゼロを主張した。

 なお、トモダチ作戦に参加した米兵が放射能被害を受けている一方で、日本在住者が同様の被害を受けていないというのは不自然であり、隠れた被害者が多数いることも考えられる。日本もアメリカも何か隠している、という意味のことを小泉氏が指摘している。かつて広島・長崎の原爆による放射能被害の実体を、米日は隠ぺいしていた。同じように、福島原発事故による放射能の人体被害の実態を、米日はいま国家ぐるみで隠ぺいしているのではないか。そう疑われてもしょうがいない状況といえよう。(佐々木奎一)




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2016年06月23日

舛添“集団リンチ”報道の、血祭りのあと

 平成二十八年六月二十日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「舛添“集団リンチ”報道の血祭りのあと」


 を企画、取材、執筆しました。



18日付の朝日新聞朝刊に「舛添氏問題、TV局過熱 情報番組が高視聴率『水に落ちた犬たたく現象、強まっている』」という記事がある。それによると、「東京都の舛添要一知事が辞職に追い込まれた『政治とカネ』の問題。ワイドショーなどの情報番組を中心に、テレビが連日、多くの時間をさいて報じた。各局で異例の高視聴率を記録し、報道が過熱。番組制作の現場で、何が起きていたのか。

 フジテレビ系『直撃LIVEグッディ!1部は疑惑追及の場になった都議会の集中審議を伝えた13日、平均視聴率が前4週平均から25ポイントアップし、昨年3月の放送開始以来最高の56%を記録した。

 同時間帯の日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』も、TBS系『ゴゴスマ・GOGO!Smile!』もそれぞれ2ポイント以上アップし、101%49%だった(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)。

 ある情報番組のディレクターが手応えを感じ始めたのは、舛添氏が家族で泊まった千葉県内の温泉ホテルに会議費名目で約37万円を支出していたことを報じた5月からだ。公用車での別荘通い、政治資金での美術品購入……。『辞任を決意するまで日に日に数字が上がった』。別の民放プロデューサーは『関東以外の系列局でも視聴率が上がった。視聴者にわかりやすい問題で、まさにキラーコンテンツだった』と振り返る。

 なぜ、こんなに注目を集めたのか。

 図らずも記者会見や議会審議が放送時間に重なり、連日、舛添氏がカメラの前に登場したことが高視聴率を下支えした。番組側は、生中継でとにかく舛添氏の『生の声』を放送することを意識したという。発言を切らずに流したほうが視聴率が伸びたといい、その変遷や疑惑の内容をフリップにまとめて紹介した。(中略)

 各局は、論点を整理し、面白く、分かりやすく伝えようとした。

TBS系では、舛添氏がシルクの中国服を政治資金で購入した問題で、実際に書家に中国服を着てもらい『書道の際に着ると筆がスムーズに進む』との舛添氏の弁明を検証。『グッディ!』は集中審議の際、『あなたならどう攻める?』との字幕を出し、舛添氏の答弁に納得できたか、視聴者にツイッターで回答を求めた。

 連日、報じるなか、ある民放のディレクターは『さすがに放送はもういいだろう』と思った。ところが視聴率は伸び続けたという。視聴率は、スポンサーがCMを出稿する際の目安になり、CM契約料金に直結する。『他局も流しており、やめられなかった』

 一連の報道について、服部孝章・立教大名誉教授(メディア法)は『消費増税の先送りや待機児童問題、五輪誘致の贈賄疑惑など報じるべきことが他にあるのに、メディアがわかりやすいスキャンダリズムに走り、軽重が逆転してしまった』とみる。(中略)

2014年にゴーストライターの存在が発覚し、批判報道が過熱した作曲家・佐村河内(さむらごうち)守氏を取り上げた映画『FAKE』が公開中の映画監督、森達也さんは『舛添氏の問題はあまりに身近で分かりやすく、たたきやすかった。タレントの不倫報道もそうだが、『水に落ちた犬をたたけ』という現象が以前より強まっている』と指摘する」という。

 要するに、当コーナーで「袋叩き」「集団リンチ」と指摘した舛添氏に対する執拗なバッシングの背景には、視聴率欲しさから面白おかしく舛添氏を批判し続けたテレビ局の存在があったというのが、この記事の趣旨。

 もちろん、テレビだけではない。週刊誌は部数増のため、ニュースサイトもアクセス増が目当てで、結局、一国のメディアがこぞって違法行為をしたわけでもない舛添氏を批判し続け辞任に追いやる、という異様事態が現出した。

 無論、新聞も、執拗に舛添氏を叩き続けた。例えば、毎日新聞は、「舛添東京都知事 別荘へ公用車で」(427日付夕刊)、「『家族旅行費に会議費を流用』舛添氏巡り文春」(512日付朝刊)、「社説 舛添都知事 会議の人数が『機微』か」(515日付朝刊、※以下の同紙の見出しの大半にある「舛添都知事」という一文は読みずらいので省略した)、「政治資金でヤフオク 絵画落札『資料』と説明」(517日付朝刊)、「参院議員時代の政党支部、09年から豪華支出 ミシュラン★★6.8万円、『鉄人』の店で意見交換も」(517日付夕刊)、「似顔絵和菓子に9万円 就任直後、政治資金で」(520日付朝刊)、「政治資金調査報告『なぜ漫画』『またお金』都民うんざり」(67日付朝刊)、「仲畑流・万能川柳 ネタ切れを心配するな都知事いる」(610日付朝刊)、「社説 引き際を考える時では」(614日付朝刊)といった、週刊誌と見まがう見出しで叩き続けた。

 日本経済新聞は「調査説明、弁護士任せ、舛添知事『恥ずかしい行動』――ピザの焼き方・『クレヨンしんちゃん』…、購入本、家族向け?」(67日付朝刊)、「『知事失格だ』『あまりにせこい』、舛添氏批判一色、都議会代表質問――傍聴ほぼ満席、中継もアクセス集中」(68日付朝刊)などと報じた。読売新聞は「社説 舛添氏VS都議会 給与カットで幕は引けない」(611日付朝刊)、「社説 舛添氏不信任案 引き際もわきまえないのか」(615日付朝刊)などと迫った。

 朝日新聞も「社説 舛添都知事 公私混同も甚だしい」(515日付朝刊)、「舛添氏、遠い『クリーン』盆正月に宿泊『家族で』つぶやき 政治資金問題」(524日付朝刊)、「社説 舛添都知事 速やかに辞任すべきだ」(615日付朝刊)、などと辞任を迫った。

 さらに舛添氏が辞任した以降も、毎日新聞は、「舛添都知事 辞職願 疑念に答えぬまま『ほど遠い真相究明』」(615日付夕刊)、「舛添都知事 辞職 言い訳、迷走の果て」(616日付夕刊)、「舛添都知事 辞職 慢心が招いたズレ 社会部長 大坪信剛」(616日付朝刊)、「舛添都知事 辞職 退職金2200万円 都民批判『次はクリーンな人』」(616日付夕刊)、「舛添都知事 辞職『英断ありがとう』『所詮タレント学者』混乱回避へ都職員安堵」(617日付朝刊)などと報じ、さらに、619日付朝刊では、「18歳選挙権 10100人に聞く 舛添氏、反面教師に 公私混同疑惑が刺激『税金使われ方に興味』『使命感覚えた』」と題し、10代が刺激を受けたとして袋叩きにして辞任を煽ったマスコミ報道を暗に自賛している。

 日本経済新聞も、「舛添氏、世論読めず、21日辞職、都民ため息『遅きに失した』『弁明ばかり』(615日付夕刊)と罵ったうえ、「辞職後どうなる――退職金2200万円、刑事責任追及には壁(Q&A)」(616日付朝刊)と、有罪人に仕立て上げようと躍起になっている。

 さらに18日付朝刊では「急転舛添知事辞職『違法性ない』通らず――政治とカネ新たな前例に」と題し、こう記している。

 「政治資金を巡る『公私混同』疑惑を追及され、辞職に追い込まれた東京都の舛添要一知事。政治資金の『支出』の問題だけで政治家が辞職したのは極めて異例だ」「そもそも政治資金規正法は政治資金の『使途』を明確に規定していない。領収書があり、政治資金収支報告書に記載され、本人が『政治活動だ』と主張すれば罪に問うことは難しい」「これまで支出の妥当性が問われたケースでは、謝罪して返金すれば『幕引き』とされたが、今回は世論が許さなかった」「最も批判されたのは、2年連続で正月に家族と泊まったホテルの宿泊代金計約37万円を『会議費』として支出した問題だった」という。つまり、違法行為でない上に、こんなショボイ話で、執拗にバッシングして任期の途中で知事を辞めさせた。そのことを同紙は、「違法性を否定できても疑惑を払拭できない政治家は『辞職』という責任の取り方を迫られる前例になった」「それは『政治とカネにクリーン』と称して都知事に当選した舛添氏が残した最大の『レガシー(遺産)』かもしれない」などと、法律に基づかず、集団リンチ状態で公人を辞任を追いやるという、法治国家にあるまじき異様な無法行為を現じたにもかかわらず、あたかもよい先例でもあるかのように書いてある。日本経経済新聞に、遵法精神はない。

 読売新聞も「社説 舛添都知事辞職 見限られた末の遅過ぎた決断」(616日付朝刊)、「ようやく辞職 与党安堵」(同)などと追い打ちをかけている。

 これに対し、朝日新聞も「転落 公私混同の果て 低モラル、法の不備に甘え 舛添都知事辞職」(618日付朝刊)などと批判する一方で、両論併記のダブルスタンダードの形で、冒頭のテレビ局の記事や、「(声)舛添氏批判は集団いじめの面も」(617日付朝刊)という読者の声を紹介したり、616日付朝刊では、オピニオン面で、「耕論 舛添氏だけが悪いのか 砂原庸介さん、江川紹子さん、青山やすしさん」と題する記事をのせている。たとえば、そこで江川氏は、こう述べている。

 「もうげんなりして見たくもありません。テレビや新聞の報道のことです。舛添さんのクビをとることが目的になって『早く辞めよ。この道しかない』と走り始めると止まらない。『祭り』状態です。騒ぎに乗っかって舛添さんを、ここぞとばかりに正義漢ぶって一斉にたたきまくる。芸能人の不倫報道と同じレベルとしか思えません。そして次の餌食を探しに行くのでしょう」「こういう時だからこそ、舛添都政を冷静に点検し、辞職のメリット、デメリットを解説するようなメディアはないのでしょうか。次は都知事選に誰が出るか、そして参院選と政局報道になるのでしょう。いつもの繰り返しです。

 前経済再生担当相の甘利明さんのカネをめぐる問題は、いったいどうなっちゃったんでしょうか。表舞台から引っ込んだら報道しなくなるわけでしょ。表に出て下手な言い訳をする人、偉そうにしてきた人を引きずり下ろす快感もあるのでしょう。メディアの役割が権力監視というなら、それを果たせなかったのです。反省すべきだと思います」

 なお、同じく舛添氏を引きずり降ろすべく散々囃し立てていたニュースサイトjcastは、舛添氏が辞任した615日に、こんな記事を載せている。それは「舛添『攻撃』に識者の違和感相次ぐ」という次の記事。

 「辞職はやむなし――。そう考える人が多いのかと思いきや、ここにきて識者を中心に『メディアリンチで吊るし上がりすぎ』『さすがに舛添さん叩きだけに終始しすぎ』と舛添知事に同情的な声が上がり始めた」「大阪大学の菊池誠教授(物理学)は2016615日、「『都知事はセコいので辞めさせます』では民主主義は成り立たないと思う」と指摘。コラムニストの小田嶋隆さんは、マスコミ、議会、一般人が舛添知事追及に血道を上げた様子を『いじめる側にまわらないといじめられる小学校の教室みたい』と例えている。コピーライターの糸井重里さんは、こんな皮肉の利いたツイートを投稿している。「『みんなで石を投げれば、こんなことまでできるんだぞ』という物語が、みんな大好きなんだ。そして、投げて投げて追いつめて磔にして『ほらみろ』と言ってから、『なんでこんなことやってるんだっけ?』と気づき、忘れる(このくりかえし)」」「投資家の山本一郎さんは15日、『さすがにちょっとメディアリンチで吊るし上がりすぎじゃね?』とツイート。津田大介さんも同日のツイッターで、『何人かのマスコミ関係者に『さすがに舛添さん叩きだけに終始しすぎじゃないですかね?』と疑問をぶつけてみた』と報告している」という。

 これらは全て、舛添氏が辞任を表明した後の発言である。その意味で、集団リンチでいじめ倒している時に傍観もしくはリンチに加わりながら、散々リンチした結果、殺したあとになって、「さすがにやりすぎじゃね?」などと言っている者と似ている。

 なお、「追いつめて磔にして『ほらみろ』と言ってから、『なんでこんなことやってるんだっけ?』と気づき、忘れる(このくりかえし)」と糸井氏が指摘している通り、あれほど騒いでおきながら、今回のこともすぐに忘れるのであろう。すでに忘れてしまっている者も多数いるに違いない。こういう国民性だからこそ、今回のことを忘れないために、ここに記した。(佐々木奎一)


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2016年06月21日

サミットを衆参同日選に政治利用したナチスの如き安倍自公政権

 平成二十八年五月三十日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「サミットを衆参同日選に利用する安倍自公政権」


 を企画、取材、執筆しました。



 けさの毎日新聞一面トップに「『増税延期なら同日選を』麻生副総理、異例の言及」という記事がある。これは、一言でいうと、安倍自公政権の“猿芝居”である。

 そもそも安倍自公政権は、今夏の国政選挙で衆参W選を実施し、衆参とも三分の二以上の議席を確保し、2020年まで衆院選のことを気にすることなく、心おきなく自民党改憲草案を実現していきたい。安倍自公政権の政策の全ては、ここに帰着する。

 こうして同日選を考えてきた安倍氏だが、414日、熊本で大地震が起こり、政局にうつつを抜かしている状況ではなくなった。が、その後も、同日選の観測は消えなかった。例えば、サミットに合わせ米国のバラク・オバマ大統領が広島を訪問することで、支持率は上がるので、それに乗じて同日選をしようとしている、という趣旨の記事がジャパンタイムズに出たりもした。

 だが、震災直後に同日選をするなどというのは、まったく大義名分がない。そうしたなか、2627日に伊勢志摩サミットが開催された。これは日、米、英、仏、独、伊、加7か国(G7)の首脳、欧州理事会議長、欧州委員会委員長が参加して毎年開催する首脳会議で、今年は日本の番だった。

 このサミットは、国際社会が直面する様々な地球規模の課題について、首脳たちは一つのテーブルを囲みながら、自由闊達な意見交換を通じてコンセンサスを形成し、物事を決定し、その成果を宣言としてまとめる。

 ジャパンタイムズによると、この会議の場で、議長である安倍氏は、各国首脳に対し、「世界経済は今、差し迫った危機に直面している」と、繰り返したという。だが、安倍氏の言葉は各国首脳には受け入れらなかった。

 その証拠に、フランスのフランソワ・オランド大統領は、「世界が危機に直面していると思っていない」と記者会見で明言している。ドイツのアンゲラ・メルケル首相、イギリスのデービッド・キャメロン首相も、安倍氏と意見は一致しなかった。

 カナダのジャスティン・トルドー首相も「世界は低成長に直面している」と、危機とは逆に成長している、と言ったという(毎日新聞)。

 こうして安倍氏の主張は反映されることはなく、共同声明には、「昨年のG7サミットに比べ、世界経済の下降リスクは増した」という一文が加わるだけだった。

 それにもかかわらず、安倍氏はサミット閉幕後の記者会見でも、「リーマン・ショック」という言葉を7回も繰り返して、「大きなリスクに直面しているとの危機感を各国が共有した」と強弁した。

 一体、なぜ、安倍氏は、こんな無理な理屈を押し通そうとするのか?

 答えは、消費税増税の延期である。

 そもそも安倍自公政権は、当初1510月に予定していた消費税10%への引き上げを延期させる、と言い、その信を問う、と称して衆院を解散して総選挙をした。こうして消費税10%引き上げは、174月から、ということになった。その後、安倍氏は、「リーマン・ショックか大震災級のような重大な事態が発生しない限り、消費税の引き上げは予定通り行う」と繰り返した。

 そして、当サイトでも取り上げたように、今年に入りアベノミクスはしぼみ、来年の消費税アップによる経済失速が懸念されるようになった。こうして安倍自公政権は、消費税増税の再延期にシフトし始めた。これは、「アベノミクスの失敗」を意味する。

 だが、国政選挙を前にして、「アベノミクスの失敗」という非難は、避けたい。そこで、安倍氏は、サミットの場で、世界経済がリーマン・ショック級であるかのように言い始めた。つまり、安倍氏は、自分の失敗を隠すために、サミットの場を利用した。これは、各国首脳、ひいては参加各国国民に対し、無礼である。

 こうしてサミットを、「アベノミクスの失敗の隠ぺい」に利用した上で、安倍氏は、記者会見で、「世界経済が危機に陥るリスクに立ち向かうため、(中略)消費税率引き上げの是非も含めて検討し、夏の参院選前に明らかにしたい」と、消費税延期を口にした。

 なぜ、参院選前なのか? そこがミソである。

 そして、冒頭の毎日記事に続く。同記事によると、サミット後の28日夜、安倍首相は「首相公邸で、麻生、谷垣両氏、菅義偉官房長官と会談。伊勢志摩サミットで、『(世界経済の)リスクに立ち向かうためあらゆる政策を総動員する』ことで各国が一致したことを説明したうえで、来年4月の消費税率10%への引き上げを、201910月に2年半、再延期することを提案した。これに対し、麻生、谷垣両氏は『財政規律を維持する必要もあり、社会保障財源も必要だ』などと増税延期に難色を示した。さらに、麻生氏らは首相に対して、増税延期の場合は、衆院を解散すべきだと主張した。一方で、菅氏は、公明党が衆参同日選に反対していることや、衆院の自民党の議席を減らす可能性があるとして、衆院解散には慎重な考えを示した」という。

 そして、「麻生太郎副総理兼財務相は29日、富山市内であった自民党富山県連の集会で講演し、消費増税の再延期に関し『1年半後に必ず増税するとはっきり言って我々は選挙で当選した。(再び)延ばすというのであれば、もう一回選挙をして信を問わねば筋が通らないというのが私や谷垣氏(禎一・自民党幹事長)の言い分だ』と述べ、再延期する場合には衆院解散が必要との考えを示した」「麻生氏は『かすんでいた日本だが主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を見ても間違いなく輝きを取り戻している。オバマ米大統領の広島訪問を見ても、日米関係はたぶん戦後最高だ』と安倍内閣の成果を強調し、夏の参院選と共に衆院選を行う衆参同日選に向けた環境が整っているとの考えをにじませた」という。

 このようにあるのだが、サミットで安倍氏が言った、世界経済の危機、そして、消費税延期、という筋書きを、事前に、副総理で財務相である麻生氏に話していないというのは、にわかには信じ難い。

 つまり、首相官邸で、消費税増税をめぐり口論となって、麻生氏が衆参同日選を言い始めた、というのは、同日選に大義名分を与えるための“猿芝居”とみた方が、自然である。

 こうして安倍自公政権は、熊本で大地震が起こり1か月半しか経っていない中、政局にうつつを抜かし、衆参同日選をしようとしている。そのことを有権者が、どう判断するのかが、問われている。(佐々木奎一)


PS その後、当サイトがその企みを見破ったためか、結局、安倍首相は土壇場で同日選を見送った。こうして710日に参院選が行われることになった。

 なお、無礼にも伊勢志摩サミットを政治利用して醜態をさらした安倍自公政権。この政権が、目的のためには、国会に火をつけることすら厭わない、ナチスのような精神構造であることが、サミットの場で明らかになった。

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2016年06月20日

自公が“公開集団リンチ”で舛添都知事を首斬り

 平成二十八年六月十六日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「自公が“公開集団リンチ”で舛添都知事を首斬り」


 を企画、取材、執筆しました。



 マスコミ、大衆、そして、身内である自民、公明からも議会で“公開集団リンチ”に遭った舛添要一都知事が15日、辞職を表明した。一人の人間を、寄ってたかって執拗にリンチする、実におぞましい光景だった。このリンチの渦中、当コーナー以外でも、そのおぞましさを指摘する者も、わずかながら、いた。例えば、インドネシアのスカルノ元大統領夫人である、通称デヴィ夫人は、612日付の自身のブログに「リンチ″Dき日本人の悪い習性 舛添都知事事件」と題し、こうつづっている。

 「私は時々、日本が嫌になるときがあります。毎日毎日一日中、TVも新聞も雑誌も、そして都議会でも同じことを執拗に舛添要一知事にリンチ≠し続けています。私は別に舛添要一都知事を擁護するわけではありませんが日本のマスコミ、日本の評論家や議員、日本人のリンチ≠フ習性にはうんざりです。弱者≠ニなった人を徹底的に打ちのめす日本のマスコミには辟易です」

 「不適切≠ナはあっても違法性はない≠ニいわれている舛添氏は連日連夜のリンチ状態で、もういやという程$ヤ恥をかきメンツを失い、十二分に「恥辱」という罰を受けています。彼は誰かさんのように、証拠のCDにドリルで穴をあけ破壊するようなこともしていません。舛添氏がしたことは、せこく、紳士らしくないことですがきっとそれは彼が貧しく生まれた故のこととして許せる範囲内のことではないのでしょうか。もう二度と同じことを繰り返すことはないでしょう。もう放してあげてもいいのではないでしょうか。公用車でN響のコンサートを家族で聴きにゆくのは、ある意味、役得でしょう。会社の重役やサラリーマンが、会社のお金で接待や遊興費を銀座などで使っているのも役得≠ナはないのでしょうか?一連の記事をみて舛添氏がいかに家族を大事にしているのか判ります。

 また、日本の東京都知事ともあらば、ファーストクラスやスィートルームを使うのは当然のプレステージでしょう。彼のみっともないところはこれまで公言してきた事と、ご自身がしてきたことが反対なこと。これには既に彼自身、恥をさらしさぞかし後悔したことでしょう。これから「諸事を改め公私混同せず、都知事としての仕事は渾身尽くす」と言っているのですからもういい加減重箱の隅をつつくようなことを終わりにしませんか。

 舛添氏は日本の恥≠ニいっている人がいますが、こんなに騒いでいるほうが余程日本の恥≠ナす。「自分は傲慢であった、これからは心身都民に奉仕する」という舛添氏。これまでにつるし上げにあい、日本で何人も自殺に追い込まれた仕事上は優秀な政治家たちが何人かいます。そんな日本のリンチ好きな方々にお訊きしたい、舛添氏に自殺を望んでいるのでしょうか?辞職を望んでいるのでしょうか?仮に辞職させたとしても次にすぐに舛添氏以上の都知事の適任者がおられるのでしょうか?日本の皆さんにお訊きしたいのです」

 また、漫画家の小林よしのり氏は、14日付のブログ「舛添都知事をギロチンにかけよと熱狂する民衆」で、こうつづっている。

 「舛添都知事をギロチンにかけよという民衆の声が静まらない。

 都議会でもマスコミでも、集団リンチが続いている。たまごサンドを買ったのか?中国服は書道に有効か?出版社の社長は来たのか?公用車で巨人戦や第九コンサートを見に行ったのか?ケチな追及を政治家や民衆が大真面目にやっている。自公が参院選への影響を恐れて不信任案を提出するかもしれないそうだ。選挙のためなら集団リンチに加わるという。

 舛添都知事は給料ゼロで働くと言う。タダ働きすると言ってるのに、それでも民衆は処刑台に上れと言っている。

 次の都知事にはだれがふさわしいかと都民に尋ねたら、東国原とか橋下徹とか言っている。面白そうだからとか、大阪で頑張ってたから東京でもとか言っている。こんなバカどもが巨額の費用を使って、また面白いか否かの判断基準でリーダーを選ぼうとしている。

 まさに『民主主義という病い』だが、この多数派の暴動を個人で止める術はない。テレビに識者で出てくる者も、辞任の必要はないなどと言おうものなら炎上して、次のテレビ出演はないだろう。そもそも集団リンチに加わらない識者などメディアには声もかからない」

 「誰もが追及しやすいケチな金額だったことが舛添のミスだった。石原元都知事のように、週3日しか都庁に出て来なくて、舛添とは比較にならないほどの公私混同の贅沢三昧をして、新銀行東京の設立に都税1400億円を突っ込んで失敗しても、民衆は全然怒らない。民衆とはそうした愚昧な連中なのだ。

 『民主主義という病い』はもう脳髄に達していて、治療不可能である」

 ほかにも、ホリエモンこと堀江貴文氏も、早くから舛添氏が袋叩きに遭っていることに疑問を呈し、マスコミの場などで発言していた。

 その一方で、圧倒的大多数のテレビや新聞、ラジオ、週刊誌などの雑誌、ニュースサイトは、集団リンチに加わっていた。あるいは、加わっていない媒体があったとしても、傍観していた。

 しかし、そうやってマスコミが“集団リンチ”で舛添氏を公開処刑するよう、煽り、囃し立て、大衆がそれに熱狂する事態でも、身内である自民・公明党が、議会で舛添氏を守れば、あくまでマスコミが外野が騒いでいるだけの話であり、集団リンチは完結しなかった。つまり、決定的に舛添氏の政治生命を抹殺したのは、ほかならぬ身内の自民・公明党だった。

 しかも、これは一地方ではなく国政レベルでの決定である。その証拠に、14日に公明党の山口那津男代表は、東京都の舛添知事に対する不信任決議案について、「わが党としては、不信任案を出すという方向で進めていくと思う。知事に対する信任が続かず、都政が混乱・停滞していることを考えれば、辞任やむなし」「都議会公明党として辞職を迫る意思が明確だ」と、舛添氏の首斬りを宣言している。

 さらに安倍晋三首相も、舛添氏への世論の批判が、参院選で与党批判につながることを懸念し、15日朝、舛添氏に電話をし、「混乱は深まっている。最後は政治家として自ら退く判断をしてほしい」と迫り、辞めさせたという。(16日付日本経済新聞朝刊「舛添氏説得、首相が引導」より)

 要するに、自民、公明党は、参院選挙が近いから“集団リンチ”をして舛添氏を辞めさせた、というわけ。だが、選挙が近いから、支持率が下がるから、などという理由で、こんな暴挙が許されてよいはずがない。舛添氏は違法行為をしているわけではなく、本来、辞めさせるような話ではない。本当は熱狂して舛添氏を叩いている大衆とマスコミが間違っている、と、自民、公明の議員は考えている。「選挙なので辞めさせる」というのは、本当は舛添氏は辞める必要はない、ということと表裏一体である。

 それを世論におもねり、風見鶏のように動き、集団リンチという、おぞましい光景をさらす、というのでは、政治家など要らない。これではマスコミが世論調査でこの国を動かしているに等しい。

 そうではなく、たとえ世論が暴走しようと、支持率がいっときは下がろうとも、そんなことには恐れず、自身の見識に従い行動する、というのが、本物の政治家である。

 舛添氏を集団リンチした自民、公明党は、もはや政治家ではない。(佐々木奎一)



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2016年06月19日

受動喫煙「タバコ・ハラスメント」の実体

 平成二十八年六月三日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「受動喫煙「タバコ・ハラスメント」の実体」


 を企画、取材、執筆しました。



 先月31日付の当サイトは、安倍自公政権がサミットを利用して衆参同日選に持ち込もうとしていると報じた。その後、当サイトがその企みを見破ったためか、結局、安倍首相は土壇場で同日選を見送った。こうして710日に参院選が行われることになったわけだが、こうした政局の影で、見過ごされがちな重大ニュースは多々ある。

 例えば、1日付の朝日新聞朝刊に「受動喫煙で死亡、年1.5万人 女性が男性の倍 厚労省研究班推計」いう記事がある。それによると、「受動喫煙が原因で死亡する人が国内では年約15千人に上るという推計結果を厚生労働省の研究班がまとめ、世界禁煙デーの31日発表した。受動喫煙と病気の因果関係がわかっている四つの病気で、非喫煙者と比べたリスクや、職場や家庭での受動喫煙割合の調査などから年間死亡数を推計した。病気別には、肺がん2484人、心筋梗塞などの虚血性心疾患4459人、脳卒中8014人、乳幼児突然死症候群73人。

 男女別(乳幼児を除く)では、男性が4523人、女性が1434人。女性が2倍以上となる理由について、国立がん研究センターの片野田耕太・がん登録統計室長は『家庭内での受動喫煙率が女性が圧倒的に高いため』と説明する。

 世界保健機関(WHO)によると、2014年時点で英国、カナダ、ブラジル、ロシアなど49カ国が法律で公共の場所を屋内全面禁煙にしている。片野田さんは『死亡数を下げるために、日本も屋内禁煙の法制化が必要だ』と話している」という。

 このように、実に年間15千人も、「自分以外が吸ったタバコのせいで、命を落としている」という。しかも、家庭内の受動喫煙で死んでいる女性が多いというのだが、これはもはやDV(ドメスティック・バイオレンス、家庭内暴力)の一種といっても過言ではない。

 公共の禁煙状況も、かんばしくない。その象徴が、職場である。例えば、(株)労働調査会は平成2612月〜平成271月にかけて、受動喫煙の実体調査をしている。これは全国の民営事業所10,000事業所(パート、アルバイト含め従業員10人以上。民間信用調査機関が所有する企業データベースを母集団とし、無作為抽出。農業、林業、漁業、公務は除外)に対するアンケート調査。有効回収率は25.6%2,561事業所が回答)と少ない。その中には対策を施している企業が胸を張って回答しているケースが多いはずなので、実態はこの調査の数字より遥かに悪いとみられる。また、従業員9人以下の事業所は調査対象外だが、小さい会社ほど対策を講じず事業主がやりたい放題している傾向があるので、その意味でも調査結果は大幅に低く見積もった数字といえる。その上で調査結果をみてみよう。

 それによると、「敷地内を含む事業所全体が禁煙」は9.5%、「建物内全体(執務室、会議室、食堂、休憩室、商談室などを含む)を禁煙とし、屋外のみ喫煙可」35.5%、「建物内に壁で仕切った喫煙場所(喫煙室)を設け、それ以外は禁煙」31.8%。これら計76.8%は受動喫煙防止対策を施してる、と評価してよさそうだ。

 問題は、残りである。まず、「建物内に壁で仕切っていない喫煙場所(喫煙コーナー)を設け、それ以外は禁煙」が10.8%。これは煙を吸い込む機材を真ん中に置いて吸うケースもあるが、そうした機材がなければ、煙を撒き散らすことになる。

 また、「執務エリア・顧客へのサービスエリアは禁煙だが、会議室・研修場所・バックヤードなどは(一部でも)禁煙」2.7%。これは職場のメインエリアが禁煙といえどとも、会議室などで受動喫煙にさらされるリスクがあるので、対策が不十分である。また、「事業所は喫煙できるが、禁煙タイムを設ける等、喫煙できる時間を制限している」1.2%、「対策していない」3.0%は論外だ0

 このように、少なくとも2割以上の事業所は、受動喫煙被害を撒き散らしているのが実体。

 ちなみに、筆者が見聞したなかでは、こういう職場もある。関東圏内の某コンビニ店では、オーナーが店舗裏の狭い事務スペースの密室内で、のべつタバコをふかしている。当然、密室内は、有毒物質が充満しており、息苦しい程で、アルバイトの中には、あろうことか未成年の女子高生もいるという。

 なお、労働安全衛生法が改正され、平成2761日から、「事業者は、労働者の受動喫煙(中略)を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする」と明記した。が、あくまでこれは努力義務でしかない。上述のような「タバコ・ハラスメント」をするブラック企業をなくすためには、受動喫煙をすると懲役や罰金といった罰則を科していく必要がある。

 被害は、職場だけでなない。忘年会などの酒の席で、社長や役職員がタバコを吸うのも、タバコ・ハラスメントといえよう。その時、たとえ回りの社員が「どうぞ、私たちは平気ですから、吸ってください」と言ったとしても、それは本心からではないはずだ。それに仮に本心からだとしても受動喫煙の加害者であることに変わりない。

 被害者は、労働者だけではない。事業主の中には、取引先を、受動喫煙に遭わせる者もいる。特に事業主がお金を払う側にある場合、遠慮なく、商談や打ち合わせ中に吸う者もいる。一方、取引先の側は、社長の機嫌を損ねるのを恐れ、タバコはやめて下さい、とは言い出せない。「受動喫煙自体を違法行為」とすれば、こういう悲劇をなくすこともできよう。

 路上喫煙も深刻である。例えば、後ろに人が歩いている中で、歩きタバコをする者もいる。無論、この煙は後ろを歩く者が吸うことになる。

 なお、受動喫煙による死者は年間15千人というが、その一方で、昨年一年間の交通死者は4,117人である。つまり、交通事故死の4倍近くの人が受動喫煙で死んでいるということになる。そうであるならば、警察は、交通違反の切符を切るが如く、路上喫煙者を現行犯で逮捕して罰金を科していくよう、法改正すべきではないか?

 なお、もし政府がこうした法規制をしないならば、タバコの価格を引き上げるしか、受動喫煙を防止する方法はあるまい。例えば、1年ごとに一箱当たり500円ずつ値上げし、10年かけて5千円上げて「世界一」のタバコ価格にすれば、受動喫煙は減るに違いない。もちろん、それでは、他人に迷惑をかけないよう気を使い吸っているモラルある喫煙者や、葉タバコ農家などタバコで商売している人たちが被害を受ける立場になるので、法規制により受動喫煙を撒き散らすタバハラ加害者をなくしていくことが、この国の喫緊の課題といえよう。(佐々木奎一)

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2016年06月11日

身内の自民・公明が舛添都知事を“公開集団リンチ”に観る、政治家失格・人間失格の安倍大作政権




 平成二十八年六月十日付、のauのニュースサイト



  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事

 


 「身内の自民・公明が舛添都知事を“公開集団リンチ”」


 を企画、取材、執筆しました。






 いやましに袋叩きに遭う舛添要一都知事は今月6日、元検事の弁護士2人と記者会見を開いて調査報告書を公表し、「違法性はない」と結論づけた。その上で、批判を浴びている宿泊費と飲食費の約114万円分は、不適切な支出として個人資産から返金して慈善団体に寄付し、美術品計約315万円分は将来の寄付を前提に都の施設などで活用すると表明。さらに神奈川県湯河原町の別荘を売却する考えを示した。こうしてけじめをつけた舛添氏は「粉骨砕身、都政運営に努めたい」と、決意を語った。

 それにもかかわらず、マスコミは相変わらず、袋叩きを続けている。例えば、9日発売の週刊新潮では、「湯河原別荘を売って一儲け?」と題し、別荘を売却したら8000万円になるとして、舛添氏を批判している。もはや週刊誌は、舛添氏が何をやっても、あるいは何もやらなくても、執拗にストーカーみたいに批判している。もっとも週刊誌というのは、読者が興味をそそりやすい、おもしろおかしいネタで有名人を叩く売文業であり、はなから良識など持ち合わせていない。なので舛添都知事を叩けば売れる、と踏めば、いくらでも上記のような記事を書く。

 また、最近では記者クラブメディアも、週刊誌と同じ論調になってきている。例えば、毎日新聞は6日付朝刊で「社説 舛添氏の調査 これで続投に意欲とは」と題し、舛添都知事について、「都政トップとしての資質が問われている。どれほど事態が重大かという認識が足りないのではないか」といい、「都議会はきょうから各会派による代表質問がスタートする(中略)とりわけ都政与党である自民、公明両党の責任は大きい。知事の監視役としての役割を果たすべきだ」と、自公に追及するようけしかけている。

 こういうマスコミの論調と、そのことが琴線に響く読者の相乗効果で、延々と袋叩きが続いているわけだが、舛添氏は違法行為をしたわけではない。それなのにマスコミや一部大衆は、まるで舛添氏を巨悪な犯罪者であるかのように、罵倒している。これは狂気の沙汰とえよう。

 だが、議会の議員は、そうした狂論とはまったく別の考えのはずなので、議会が始まれば冷静に対処していくことになるだろう、と筆者は考えていた。そもそも、舛添氏は、企業献金を全くといっていいほど受け取っていない。つまり、政治献金による業者との癒着により政治を歪めるというダーティーさは絶無である。その意味で、舛添氏は極めてクリーンな政治家である。

 また、舛添氏の支出については、527日付の当サイトで指摘したように、舛添氏の掲げる都市外交のツールとしての支出なので、歴とした政治活動費である。ほかの支出についても、舛添氏は理由を述べているのに、メディアや一部大衆は、納得できない、という、不毛な議論を繰り返している。

 例えば、7日付の日本経済新聞朝刊は「ピザの焼き方 『クレヨンしんちゃん』…、購入本、家族向け?」という見出しで報じている。これをみると、あたかも、舛添氏が、政治資金で買ったマンガや料理本を、プライベートで読んで楽しんでいるかのような印象を抱く。こうしたマンガなどを持ちだすと、読者には身近なため、喰いつきやすい。だが、記事をよく読むと、見出しの印象とはまったく逆のことを、舛添氏は言っている。記事によると、ピザの焼き方に関する本の購入理由について、舛添氏は「ピザを焼いて振る舞いながら政治課題について意見を聞いたことがある」と言っている。要するに、ピザは政治活動のツールに使っており、そのための本である、ということになる。また、「のらくら同心手控帳シリーズ」や「ゼロの焦点」といった小説については、「江戸時代の風俗研究のため」「映画化されたので支援者との話題作りのため」と説明している。また、「クレヨンしんちゃん」や「イナズマイレブン」などの人気コミックについては、「児童の保護者から子どもが悪い言葉遣いをまねる」と相談を受けた舛添氏が「どのような表現がされているか確認するため」に購入した、と説明している。

 このように万事、舛添氏は説明しているのに、公私混同ではないか、といってマスコミが食い下がり、執拗に批判しているというわけ。

 それにしても、かつて、政治家の支出のこんなに細かいことについて、マスコミは目くじら立てて怒り狂っていることはなかった。要するに、せこい、せこい、と舛添氏を批判しているが、せせこましいのは、舛添氏を執拗に批判している方なのである。日本人は、かつてないほど、せせこましくなってしまった。こんな箸の上げ下げレベルの支出まで批判していては、政治家の裁量の余地はほとんどなくなってしまう。そして、裁量の余地がないと、活力のない政治家ばかりが量産されてしまう。

 その一方で、自公の議員の中には、舛添氏とは、次元の違う支出をしている議員は多々いる。例えば、524日付日刊ゲンダイ電子版によると、麻生太郎副総理は、「昨年公開の政治資金収支報告書(14年分)によると、(中略)2億円近い政治資金をカキ集めたが、使い道はメチャクチャだ。資金管理団体『素淮会』は14年だけでも政治活動費の名目で計137回、総額1531万円を飲み食いに浪費。支出先も銀座のミシュラン3つ星すし店『すきやばし次郎』など高級店ばかり。

 政治活動に名を借りた“夜のクラブ活動″にも政治資金から途方もないカネを落とし、支出先には『クラブ由美』や『ファーストクラス』など“座っただけでウン万円”の老舗クラブの経営会社がズラリ。(中略)気になるのは、居並ぶ高級店に交じって『オフィス雀部』という六本木の有限会社への支出が突出していること。14年までの5年間で計42回、総額3359万円を計上。150万〜100万円の支出もザラで、13527日には1回で128万円を払っていた。

 かつて麻生大臣は衆院予算委員会でオフィス雀部について『いわゆるスナックを経営している』(13212日)と説明したが、実際は六本木の会員制サロン『Bovary』の運営会社だ。

 『オフィス雀部の女性経営者はもともと銀座のクラブに勤めていた頃から、麻生大臣とは30年来の旧知の仲。過去には女性経営者が“麻生大臣と愛人関係にあったことを認めた”と週刊誌に書かれたこともあります」(自民党関係者)(中略)

 写真誌『FRIDAY』が昨年3月に2週間、Bovaryの前に張り込むと、麻生大臣は9回も姿を見せたという。まさに『三日にあげず』。舛添知事への猛バッシングと比べ、浮世離れした金銭感覚の財務相は守られ過ぎている」とある。

 こういう支出も、政治家当人が、政治活動であるといえば、政治活動費である。無論、違法ではない。

 また、政治資金収支報告書で大事なことは、ガラス張りで国民にオープンにすることである。その意味で、麻生副総理も舛添都知事も、ちゃんと公開している。それに対し、例えば、公明党の漆原良夫・中央幹事会会長は、政治資金収支報告書の政治活動費の支出で、「クレジットカード代金支払い」という、「使途不明の支出」を繰り返している。その額は、漆原氏が代表の政党支部「公明党衆議院比例区北陸信越第1総支部」で、平成261,847,362円、平成252,642,680円、平成242,277,939円。漆原氏の資金管理団体「政経フォーラム21」で、平成261,001,170円、平成251,130,305円、平成241,102,992円。3年間でトータル10,002,448円と、実に一千万円以上も、得たいの知れない支出をしている。しかもこの「クレジットカード代金支払い」には領収書も添付されておらず、正真正銘、何に使ったのか全くわからない。よっぽどオープンにするのがはばかられるような、ヤマシイコトに政治資金を使っているのだろう。こんなデタラメな政治家すら、不問に付されている。

 その一方で、舛添氏への個人攻撃は、尋常ではない。だから、舛添氏を都知事に当選させた、身内である自民党、公明党は、よもや、週刊誌や記者クラブのような批判はせず、舛添氏を守っていくだろう、と、てっきり筆者は思っていた。

 だが、実体は違った。

 7日の都議会で、最初に質問した与党・自民の神林茂氏は「私は怒っている。都民も議員も職員も」と切り出し、「あまりにせこい」などと批判した。そのたび、「そうだ」の合いの手が与党席から響いた。(8日付毎日新聞朝刊)

 さらに8日の都議会では、最初の質問者の自民党の来代勝彦議員が、「今の知事は、『疑惑の総合商店』。人間性にも疑問を持たれるようになっている」(9日付読売新聞朝刊)と言い、ほかにも自民党議員が「苦言を呈する最後の機会」「東京の未来について質疑する意義がない」など言い、公明党の斉藤泰宏氏も「いかなる理由で知事に居座るのか」と辞任を迫った。(9日付朝日新聞朝刊)さらに、自公の議員から、「出処進退について早急に結論を」「辞職を求める声はますます広がりを見せている。いかなる理由でとどまろうとしているのか」という発言が出たという。(9日付日本経済新聞朝刊)

 さらに、永田町の国会議員の幹部からも、説明責任や辞任を求める声が相次いでおり、自民党幹部は「都民は続投に納得していない」と指摘し、公明党幹部も「説明責任は十分には果たされていない。場合によっては出処進退の判断も必要になるかもしれない」と語っているという。(68日日本経済新聞朝刊)

 また、同日付の朝日新聞朝刊によると、舛添氏は給料を50%減額する条例改正案を都議会側に打診したが、議会からはすでに「お金の問題じゃない」との批判もあがっているという。

 自分たちのことは棚に上げ、身内であり瑣末なことで違法性がない舛添氏を、議会の場で“公開集団リンチ”にさらしている自民・公明は、もはや堕ちるところまで堕ちたといえよう。政治家失格である。それ以前に、人間失格である。舛添氏を巡る公開リンチから、自公政権の政治家たちが根元から腐ってきていることが観て取れる。(佐々木奎一)







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2016年06月06日

台風の眼となるか――憲法学者・小林節が立候補






 平成二十八年五月九日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 



 「台風の眼となるか――憲法学者・小林節が立候補




 を企画、取材、執筆しました。




けさの朝日新聞に「参院候補擁立へ政治団体 『安保法制は違憲』の憲法学者」という顔写真付きの記事がある。この憲法学者とは、昨年

6月の衆院憲法審査会で、憲法学者三人が揃い踏みで安保法制を「違憲」と断じたなかの一人で、安倍自公政権の改憲を阻止する勢力の中心人物・小林節慶応大名誉教授(67)のことである。


 記事によると、小林氏は「政治団体を設立し、夏の参院選に比例区から立候補する意向を固めた。『反安倍政権』を旗印に候補者をインターネットなどで募り、小林氏も含めて選挙運動が認められる10人以上を擁立する方針。9日に記者会見して発表する。新たな政治団体は政策として、安保法廃止▽言論の自由の回復▽消費増税の延期▽原発廃止▽『憲法改悪』阻止――などを掲げる。参院選では、公職選挙法の規定で政党に準じた選挙運動が可能になる『確認団体』となるために、少なくとも候補者10人を立てる予定。立候補に必要な供託金も、ネットなどを通じて支援を募る(略)小林氏はこれまで、共産を除く野党各党の参院選比例区候補が新たな政治団体に名を連ねる『統一名簿』方式を模索し、一部の民進党議員らと協議を重ねてきた。しかし、民進執行部は否定的な姿勢を示したため(中略)民間主導での政治団体の設立を決めたという。

 小林氏は朝日新聞の取材に、独自の政治団体を作る理由について『野党共闘の先頭に立つべき民進党の動きが遅く、このままでは時間切れになる。既成政党に不信を抱く無党派層に関心を持ってもらうため、旗を立てたい』と話した。

 なお、小林氏は、これまで講演等で、自身が国会議員になる可能性について、重ねて否定してきた。理由は、選挙などで立候補者が声を張り上げるシーンはよくあるが、そういうことは自分にはとてもできないし、したくない、自分は落ち着いて静かに話すタイプ、そもそも、これまでも政治家にならないか、という話は何十年も前から何度となくきている、政治家になりたいなら、もうとっくになっている、という趣旨のことを、小林氏は言っている。その小林氏がにわかに立候補するという点に“覚悟”がみてとれる。

 なお、記事中にある「統一名簿方式」というのは、「さくらの木」構想と呼ばれるもの。民進党がこの構想に反対した直後の48日、ニュースサイトIWJの取材で小林氏はこう語っている。

 「大前提として、安倍政権を倒さなければいけない。そのために、野党があらゆるところで協力しなければいけない。1人区ではすでに野党共闘が成立し、複数区ではフェアに闘う。だが、残りの比例区では、このままでは死に票が多くなりすぎる。比例区では、2つの党が集まれば+1議席。4つの党が集まれば最大+5議席は取れるはずだ。野党で+5議席取れば、与党が5議席減らすことになる。行って戻って10議席だ。これだけとれば、政権は転覆しますよ。(中略)だが、(中略)民進党が統一名簿に参加しないことを正式に決め(中略)この案は潰れた。大同団結は難しくなった」と語った。

 そして、小林氏は「30%以上ある無党派層を投票所に向けるような、『ワクワク感』(中略)を作りたい。『さくら』では自分は応援団長だと言ってきたが、もうそうは言っていられない。それぞれの分野で高い実績があり、これまでの政治とは関係のなかった人物を10人集め、無党派層の受け皿を作る。『新しい国民の声』といった形で、確認団体を立ち上げ、参議院比例区で立つ」と言い、小林氏自身の出馬についても、「ありうる。それしか選択肢がなければ。私の人生にタブーないもの」と語ったという。小林氏はさらに、「安保法制が施行され、改憲も行われてしまえば、という前提で『このままでは第三次世界大戦になってしまう』と現政権の政策に深刻な懸念を示し、『老後のこの命を、民主主義のために捧げたい』」と述べたという。

 参院選の“台風の眼”となるか、注目したい。(佐々木奎一)



PS その後のニュースサイトIWJの記事によると、新党「国民怒りの声」は「野党支援型・落ち穂拾い型政治団体」と小林節は語ったという。つまり、無党派層を掘り起こして、安倍大作政権ほかの壊憲勢力を倒す、ということになる。小林節には、憲政の神として、この国の政治をただしてほしい。

 なお、個人的には、筆者は、政治に無関心な無党派層ではない。政治にワクワク感は持っていないが、それでも政治に関心を持たなければヒトラーみたいなのが現れるので、野党の本丸である民進党と共産党そのものをダイレクトに支援していく。

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2016年06月02日

池田大作教とパナマ文書

 平成二十八年五月十三日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「パナマ文書の波紋――大企業、オーナー、創価学会…」


 を企画、取材、執筆しました。



 「パナマ文書 情報開示で国際連携を」という社説が12日の毎日新聞朝刊にある。「パナマ文書」とは、「パナマの法律事務所『モサック・フォンセカ』から流出した内部文書。この事務所は1986年、ドイツ出身のユルゲン・モサック氏とパナマ出身のラモン・フォンセカ氏がそれぞれ経営していた法律事務所を統合してできたもので、米・英など世界三十数カ所に事務所を持つ。顧客の依頼により英領バージン諸島などタックスヘイブンに多数の企業を設立しており、世界4位の規模とされる。文書には、過去約40年間の金融取引が記され、計140人の政治家や公務員の名前が含まれていた。各国首脳をめぐっては英国のキャメロン首相の亡父やロシアのプーチン大統領の友人、中国の習近平国家主席や最高指導部の親族、アルゼンチンのマクリ大統領らが記され、民間人ではサッカーのメッシ選手、俳優のジャッキー・チェン氏らの名前が挙がっている」(毎日新聞電子版より)

 社説には「『パナマ文書』の詳細データを、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)がインターネット上に公開した。租税回避地の利用に関係した個人や法人の情報を誰でも閲覧できるようにしたものだ。(中略)ICIJが公開した情報には、日本在住者や日本企業などの名前も300件以上含まれる」とある。

 そして12日発売の週刊文春によると、日本人・企業とは具体的には、飯田亮(セコム最高顧問)、上島豪太(UCCホールディングス社長)、三木谷浩史(楽天会長兼社長)、重田康光(光通信会長)、榎本大輔(ライブドア元取締役)、島田文六(シマブンコーポレーション前社長)や、伊藤忠商事、丸紅、ソフトバンクBB、東京個別指導学院、東洋エンジニアリングなどがあるという。

 ちなみに、パナマ文書に挙がっているのは、営利企業やそのオーナーだけではない。なんと与党の一角である公明党の支持母体・創価学会の名を冠した株式会社の関連法人の名もあるという。そのことはニュースサイトIWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)の記事「【IWJ検証レポート】『パナマ文書』徹底追及シリーズ第2弾!創価学会が『タックスヘイブン』を使用か!? 『パナマ文書』に『SOKA GAKKAI, INC.』の関係団体の名が!創価学会本部に直撃取材!」に詳しい。

 それによると、パナマ共和国には「SOKA GAKKAI, INC」という法人があるという。「INC」とは「株式会社」あるいは「有限会社」を意味する。つまり、直訳すると、「創価学会株式会社」。これは世界の企業情報を公開している「オープン・コーポレーツ」という組織のホームページに載っている。

 なお、「オープン・コーポレーツ」が公開している情報によれば、創価学会(株)という名は、パナマだけでなく、米国のケンタッキー州とフロリダ州にも存在し、ニューヨーク市には、「蓮の花創価学会(株)」という法人が存在している。蓮の花は、仏教における解脱を意味する。

 さらに、この創価学会(株)の、監督者には、10法人が記載されており、IWJが調べたところによると、この10法人のうち、4法人が、なんと英紙サンデー・タイムズの「パナマ文書」データベース上に存在することが判明したという。英紙サンデー・タイムズは、各国の報道機関が報じた情報をかき集め、独自にデータベースを構築している。4法人とは「SECRETARY SERVICES INTERNATIONAL, INC」など。これらは創価学会(株)と関連した実体のないペーパーカンパニーの可能性が高い、と指摘している。

 なお、この創価学会(株)と関連4法人の名は、冒頭でふれた国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のデータベースには載っていないというから、マネーロンダリング(資金洗浄)により、本来わかるはずのないものが、奇跡的に、今回、表沙汰になった可能性もある。

 もしそうであるなら、これは、国民から税金を徴収する側の、政府与党である公明党と一体不可分の支持母体・創価学会が、税金逃れをしていたことを意味する。それは営利企業とは次元の違う悪質さである。実際、海外では、アイスランドのグンロイグソン首相が、パナマ文書により、辞任するという事態が起きたりしている。つまり、公明党は政界から撤退を迫られるレベルの巨大な疑惑である。創価学会・公明党は、疑惑を洗いざらい説明する必要がある。(佐々木奎一)
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2016年05月30日

いやましに袋叩きに遭う舛添氏にみる的外れな批判

 平成二十八年五月二十七日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「いやましに袋叩きに遭う舛添氏にみる的外れな批判」


 を企画、取材、執筆しました。



 高級ホテルに泊まったり週末に湯河原の別荘に行ったりしていた、という理由で、日本中から袋叩きにされている観のある舛添要一都知事。そのことについては16日付の当コーナーで紹介したが、その後も、いやましにマスコミで批判されている。

 例えば、火付け役の週刊文春は26日付の号でも、例によって舛添氏をこきおろしている。その中でも大きくクローズアップしているが美術である。同誌は「舛添知事の主な疑惑」という表をつくり、「画材店『世界堂』で額などを購入 所有する絵画の額装などで合計1784154円を政治資金で支出」とか、「ヤフオク!で美術品購入 キース・ヘリング(※筆者注:アメリカの画家)の手紙など合計214点の美術品などを購入し、その一部を政治資金から支出」などとして問題視している。

 また、「美術館『視察』一覧」という題で、20154月からの一年間で、38回にわたり舛添氏が都内の美術館・博物館を視察していることを取り上げている。例えば、「江戸のダンディズム 刀から印籠まで」(根津美術館)、「浮世絵から写真へ」(江戸東京博物館)、「モネ」(東京都美術館)、「隅田川をめぐる文化と産業」(たばこと塩の博物館)、「新宿風景」(中村屋サロン美術館)、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」(江戸東京博物館)、「カラヴァッジョ」(国立西洋美術館)などの視察をしていたことを問題視している。

 また、同誌によると、こうした美術展視察と、ヤフオクでの美術品関連の購入履歴を突き合わせると、「美術展視察の前後で、同じ画家の作品を落札している」という。例えば、15715日の太田記念美術館での「浮世絵の戦争画 国芳・芳年・清親」の鑑賞の5日前にヤフオクで、「浮世絵木版画/本物/広重芳年/国芳の美人画『新吉原角町』浅草」を購入したりているというもの。

 なお、美術関連の購入については、513日の会見で舛添氏は、記者からの「『週刊文春』では美術品の総額が900万円、世界堂に払っているのは178万円。額装や揮毫するときに使ったということか?」との質問に対し、「そうです」と回答。

 「900万円という額で合っているのか?」との問いには、「美術関係の書籍がある。私なんか浮世絵の研究とかに相当買いますから。世界堂については政治活動とプライベートでは基本的に分けています」と回答。

 「政治活動費として掛け軸とか浮世絵とか屏風とかは含まれているのか?」との問いには、「物によりけり。版画でもめちゃくちゃ高価なものもあるが、何千円で買える物もあります」と回答。

 「美術品を政治資金で買ったことがある?」との質問には、「財テクとかで買っているわけでない。外国のおもてなしに使っていいます」と答えている。

 「浮世絵を買っていますか?」との質問には、「はい、買っています。それは外国の方のプレゼントに使いました」と回答している。

 このように、週刊文春やその他の主要雑誌メディアや記者クラブメディアの批判に対し、舛添氏は、こうした美術関連の支出や視察は、都知事として外国の人と会うときに活用している、という意味の説明をしている。この舛添氏の言っている意味を理解した上で、批判に値するのか判断していく必要がある。

 「東京を変える、日本が変わる」(実業之日本社/2014328日)という舛添氏の本がある。その中で舛添氏は、「都としての外交」という言葉を使っている。無論、これは国の専権事項である国家としての外交を指しているわけではない。「都としての外交」というのは、具体的には、東京都の「姉妹友好都市」などとの関係強化を目的とした交流を指している。東京都の姉妹友好都市とは、ニューヨーク、北京、パリ、ニュー・サウス・ウェールズ州、ソウル、ジャカルタ、サンパウロ、カイロ、モスクワ、ベルリン、ローマの11都市である。例えば、舛添氏は、著書でこう述べている。「ご存じのように、国と国との関係でいえば、日本は中国および韓国との関係がうまくいっていない。しかし、幸いなことに、東京は北京とも、またソウルとも姉妹友好都市の関係にある。であれば、国対国ではなく、都市と都市との関係の中で、現在の硬直した関係を解きほぐすような、『都としての外交』ができるのではないだろうか(中略)たとえば、大気汚染に悩む北京に東京の環境保全技術を教え、高齢化がはじまったソウルに介護保険のノウハウを伝授する。これなら都の外交として、なんの問題もなく実行できる。これがきっかけとなって、中国や韓国からの観光客が増えれば、東京だけでなく日本中の自治体にとって、大きなメリットとなるだろう。また、二〇二〇年にオリンピック・パラリンピックを開催する東京都としても、一九八八年のソウル五輪、二〇〇八年の北京五輪について、開催都市としての苦労や反省点、できれば『今だから明かせる逸話』なども織り交ぜて、姉妹友好都市として腹蔵なく話してもらいたい。私自身はそれを切望している。そしてその内容を、二〇二〇年五輪にぜひとも活かしたい。要は、『教え、教えられる』という関係の構築が大切なのである」

 また、舛添氏は、「パリ・百年の計に学ぶ」と題し、景観を美しく保ち、暮らしやすいパリを形作ったジョルジュ・オスマン男爵について熱く語っている。また、当コーナーでも以前指摘したことのある日本橋についても、「日本橋に覆いかぶさっている高速道路を何とかしたいというのが、私の正直な気持ちだ。お江戸日本橋は日本の道路の起点。東京都民に限らず、多くの日本人が同じように感じているのではないだろうか。その意味で、青空を遮るあの重りのような高速道路は、一九六四年東京五輪の負の遺産だと思っている」と指摘したりもしている。ほかにも、バリアフリーや自転車専用道路、震災対策といった複合的な目線で首都東京をビジョンを語っている。

 なお、上記のとおり、御手本にしようとしているパリは東京都の姉妹都市の一つである。つまり、舛添氏の都市外交は、都知事としての政策に直結している。

 なお、今年36日付の毎日新聞に「仏政府から勲章 港区の大使公邸で授与・伝達式」という記事がある。それによると、「舛添要一知事がフランス政府からレジオン・ドヌール勲章を贈られ、港区の同国大使公邸で1日、授与・伝達式があった。同勲章は文化や科学などの分野で同国のために功績を残した民間人や軍人に授けられる。知事は昨年10月、25年ぶりに都知事としてパリ市を公式訪問し、環境や文化、観光などの分野で交流、協力を推進する合意書を締結している。知事は20代の時に同国に留学した経験があり、仏語と日本語で『若い時にワインを飲みながら、友人たちと議論をしたことを鮮明に覚えている。フランス文明は私の血となり肉となっている』とあいさつ。『フランスと日本、パリと東京の良好な関係をさらに発展させるために努力したい』と強調した」という。

 これは舛添氏のいう都市外交の成果の一つといえよう。要するに、こうした都市外交のツールとして、美術品を購入したり、美術館の視察へ行ったりしている。そうした支出や活動を批判する週刊文春やその他マスコミや都民、国民は、舛添氏の実行している都市外交を否定しているに等しい。都市外交を支持するなら、批判は撤回すべきであろう。

 また、週刊文春は、「海外“大名”出張 昨年秋のパリ・ロンドン出張で高級スイート泊、520名で5000万円以上を支出」として批判している。だが、パリでは前述のとおり、都市外交で成果を上げている。スイートルームに泊まったのも、ハードスケジュールの中、少しでもいいところで泊まった方が、疲れが取れて、いい仕事ができる、費用対効果がよい、という考えもあったのではないか。

 なお、巷では、舛添辞めろの声が、テレビのオピニオンリーダーなどからも出ているが、ちょっと待ってほしい。そもそも、舛添氏は、違法行為をしたわけではない。それに、批判を浴びている点についても、上記のようにそれなりの理由がある。もちろん、舛添氏の支出は、庶民感覚からはかけ離れている面はあるが、そもそも舛添氏は、その経歴からみても、東京大学法学部政治学科卒業後、パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員、東京大学教養学部政治学助教授など、庶民とはかけ離れている。だが、仕事の能力には定評がある。その能力がかわれて、都知事に当選したという経緯がある。はじめから、舛添氏は清貧な浪花節の政治家ではない。

 それなのに、自分たちで選んでおきながら、いまさら、清貧でない、という理由で、クビにしろ、というのは、理不尽だし、こらえ性がなさすぎる。辞めさせたいというなら、任期をまっとうした上で、選挙で決めていくのが筋である。自分たちで選んだ代表を、違法行為もしていないのにいちいち首を切るというのは、自分で自分の首を切っているようなものである。

 それに、そもそも優秀で清貧で民に寄り添う政治家なんていうのは、そうそうでてこない。舛添氏を辞めさせてもっといい政治家になってほしい、と思っている人は、ないものねだりの、幸せの青い鳥を求めているに等しい。こんなことでいちいち辞めさせていく先には、誰が当選しても不満ばかり言う、無責任な社会が到来するのがオチである。(佐々木奎一)

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2016年05月26日

地下アイドル殺害未遂犯のストーカーツイートの実体

 平成二十八年五月二十二日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「地下アイドル殺害未遂犯のストーカーツイートの実体」


 を企画、取材、執筆しました。



22日付の各紙朝刊は「アイドル刺され重体 20カ所以上 ファンの男逮捕」(毎日新聞)、「女性アイドル刺され重体 傷害容疑、男逮捕 小金井のイベント」(朝日新聞)、「アイドル女性、刺され重体―女性、警察に複数回相談、容疑者の執拗な書き込み」(日本経済新聞)といった見出しで報じている。

 それによると、21日午後55分ごろ、東京都小金井市本町6の雑居ビルで、武蔵野市の私立大学生、冨田真由さん(20)が、住所、職業不詳の自称・岩埼友宏(27)に刃物で首や胸などを20カ所以上も刺されて意識不明の重体となった。

 冨田真由さんは、いわゆる「地下アイドル」。(地下アイドルとは、比較的小規模なライブを中心に活動しているアイドルのこと。別名、ライブアイドル、インディーズアイドル、リアル系アイドル。知恵蔵miniより)。そして犯人は、冨田さんのファンだった。

 なお、警視庁によると、冨田さんは今月9日以降、自身の住まいを管轄する武蔵野署に、犯人・岩埼の名を挙げて「知っているファンの男からブログやツイッターで執拗に書き込みがされている」と相談。その後も電話などで同署に相談し、19日には「21日に小金井市でライブをする」との内容も伝えていたという。

 武蔵野署はライブ会場を管轄する小金井署に「110番が入ったら対応してほしい」と連絡し、小金井署は「110番があれば対応することにしていた。ライブ会場に警察官は配置していなかった」という。(毎日新聞)

 また、冨田さんのファンという30代男性によると、今年2月、冨田さんは「ライブの帰りに男の人から『電話番号を教えて』などと20分くらいつきまとわれ、とても怖かった」と相談し、「自分のツイッターにも不快な書き込みをされている」と悩んでいる様子だったという。

 なお、犯人のツイッターは、ネット上で公開されている。犯人は、「君を嫌いなやつはクズだよ。」という名で、冨田さんのツイッターに対し、例えばこういったツイートをしている。(すべて今年のもの。一部誤字は修正。絵文字は省略して表記)

 まず、118日、「楽しい時間をありがとー♪岩埼」と感情表現。さらに同日、「腕時計をプレゼントする意味を知っていますか?大切に使ってくださいね」と贈り物をした。後述のように、これは4℃というブランドもので推定45万円はする代物。

122日には、「真由ちゃんは淡白だねえ。(中略)誠意が足りないような気がする」「真由ちゃんがTwitterフォローしてよと言ったからフォローしてます。たまには返信してちょうだい でもまぁ、シカトされるのに慣れすぎちゃってひねくれちゃってるから、期待はしない。というのは嘘。なるべく節度あるコメントをしたいと思います」「真由ちゃんは利己主義者だなあ。偏屈者でもあるのかな?負けず嫌いな性格だと思っていたけど違うかな。かわいいかわいいと持て囃されて、チヤホヤされて、有頂天。『ひとりがいい』とか言ってんな」と、ツイッターに対する返事がないことに不満を露わにするという、利己的、自己中心的な発言をしている。

126日には、「悪意と敵意には敏感であった方がいいよ。(中略)僕以上に滅茶苦茶な輩が出てくるかもしれない。なんせ今年は大殺界なんだから。愛情なんていとも簡単に憎悪に変わっちゃうけれど、僕は普通にトミーさんのこと好きですよ かわらないもの」と、薄気味悪い好意を伝えている。

21日には、「嫌うなら、徹底的に拒絶した方が良いよ」「『物』で気を引こうだなんて愚かでしょ 『腕時計』捨てたり売ったりするくらいなら返して。要らないのなら返して。それは僕の『心』だ」「あなたにも長く愛用できるモノを贈り、大切にしてもらいたいのです。これは『だから、私との関係も長く大切にして欲しい』という意味」とネチネチとツイート。

29日には「おはようさん 拉致監禁でもされてなきゃいいのだけれど。犯罪に巻き込まれていなければいいのだけれど。東京は恐い街だもの。気をつけてたって襲われる。危険に敏感であれ」と、不気味なあいさつ。

212日には数人の地下アイドル等の名を挙げ、「『会ってみたいな〜』って思った人に全部、会えてます。会うってのは目撃するってのと違うよ。俺がいま会いたい人は冨田真由」とツイート。

215日には、「あなたが優しい人だってことはブログを読んでいれば分かること。容姿だけを好きになっただけならばここまで執拗に絡むことはしない」と発言。それ以降も、こういうツイートをしている。

 「前にあげた本、全部返してください。読まないんだったら返してください。要らないんだったら返してください。で、ライブに行ってもいいですか?」(224日)

 「トミーさんはファンを大事にしない人間なんだね。トミーさんはファンを“想わない”人間なんだね。トミーさんはライヴに来てくれるファンしか“興味”が無いんだね。トミーさんは意固地な人間だね。独りが好きなトミーさん。弱い人間」(312日)

 「人間なめんなっ命なめんなっ――自殺するような子供を育てた親に責任ってあると思いません?生きるのも死ぬのも“勝手”は許されないのが人間社会。違う?――フラれたから殺すとか過激だよね〜愛と死って対極にあるらしいんだけど」(同日)

 「トミーさんだって普通に信号無視したりするのでしょうけど、その時に『信号無視すんなっ!!』と怒鳴られたらどう思い、どう対処しますか?僕は今怒ってます。どーもこんにちはキチガイです」(316日)

 「腕時計も使ってね〜 まだ持っていればだけど」(同日)

 「トミーさんってなめくさってるよね プロには成れない人。感謝を知らなければ謙虚さもない。魅力がないから今、そんな所に居る」(45日)

 「また死んだふりッスか がんばれよ」(415日)

 「案外忘れがちだけど、君も僕もいつか死ぬんだよ。死んでしまうんだよ。大事に生きなきゃね」(416日)

 「ごめんね。そのうち死ぬから安心してね ごめんね」(428日)

 そして、同日1946分の次のツイッターから事態は急転していく。「渋谷青山通り郵便局から荷物が届きました。差出人不明。腕時計と本3冊が入ってました。わざわざ送ってくれなくても取りに行きましたよ?ほんと、嫌な女」

 つまり、恩着せがましくプレゼントした腕時計や本を、にわかに、冨田さんは返したというわけ。プレゼント返却=自分に気がない、という自明の現実をつきつけられ、怒り心頭に発した犯人は、立て続けに、こんなツイートをした。

 「名前くらい書きなよ。詐欺かと思ったじゃん。お菓子とかお花も返すん?そのうち送られてくるんかな〜。楽しみにしてますね 時間もお金も返す気なら、ほんまもんの悪意だね。素敵すぎて嬉しいね」

 「こうやって書けるのは《訴訟》狙いですか?ブロックせずにほったらかしにしているのは、僕が下手を打つのを待ってるんすかねー いやはや怖いわ〜冨田真由怖いわ〜」

 「早く『ゴミ』返してね でもさぁ差出人不明は失礼だとは思わない?思わないんだろうね。それが『冨田真由』」

 さらに、返却された物について、「風呂場にてライターで火を点け燃やしました やったね  4℃の腕時計はハンマーでぶっ叩いて粉々にしてやります」とツイート。

 翌日、冨田さんからツイッターでブロックされたのか、その後は冨田さんの周辺の人物に、こういうツイートをした。「冨田真由に『全部返せ』と伝えてください。『全部返せ』それだけです」

 その後も、「全部返してください」(51日)、「全部送れと伝えてください」(52日)、「早く返せと伝えてください」(53日)、「捨ててしまえばいいものを、わざわざ送って来たのだから、ひとつ残さず全部返せよ」(同)、「1週間経ちました。なぜ返さない?」(57日)と迫った。

 その後、犯人は、「劇的を望む」などとツイートし、58日を最後にぱったり止んだ。

 そして冒頭の記事にあるように、59日、冨田さんが警察に相談に行った。ひょっとしたら警察が犯人に警告したのかもしれない。

 なお、犯人はブログもやっていたようだ。22日付のj-castニュースによると、「惨めさの中で世界を笑う」という犯人のものとみられるタイトルのブログがあり、「内容は、164月頃から徐々にエスカレート。冨田さんの写真をアップロードし『気持ち悪いよねー』とのコメントをつけた投稿のほか、『あいつ死ねばいいのに』『殺したい、殺したい、殺したい』『犯罪します』といった過激な言葉が頻出していた。さらに事件前日の520日には、「殺人なんてのは何世紀も前から毎日毎日飽きずに懲りずに世界中のあちらこちらで何十何百件も起こっているアリキタリナ愚行。加害者になるのも被害者になるのも生きていれば遭遇する可能性は十分ある。恐いね(笑)」と犯行を示唆。さらに事件当日の朝には、「人を何らかの行動に駆り立てるのはたいていの場合、意欲などではなく羞恥だ」とのタイトルで本文に一言、「行ってきます!」とだけつづり、事件5分前の2117時には、「まだかなまだかな〜」との一文も投稿していた。

 なお、ツイッターをみるかぎり、この犯人は、一応、サラリーマンをしており、料理や洗濯も自分でこなしている。つまり、一応、表向きは普通の社会人だった。それが冨田さんを病的に好きになり、プレゼント返却という冨田さんの意志表示を目の当たりにしたのを境に、凶悪なストーカーと化して、警察に通報されたことで一層逆上して犯行に及んだように見受けられる。身勝手極まりない輩である。

 なお、往々にしてアイドルというのは、事務所がガードして、ファンとは一線を画すものだが、地下アイドルはそんなに稼いでいないので、無論マネージャーはつかない。そういう中で起きた悲劇である。では、どうすればよいか――。

 これまでのストーカー事件を見る限り、犯行現場に警察を動員する、という手段は、現実的にはあまり期待できない。要するに、事件が起こるかどうかわからない現場まで警察は手が回らないのだろう。ではイベント主催者がガードマンを雇えるかといえば、そんな利益も出ていないはずだ。地下アイドル個人で警備を雇うのも経済的に困難であろう。そうであるが故に、今後はファンたちが、自前で親衛隊をつくり、イベント会場をボランティアで警備するというのはどうであろう。

 また、今回は地下アイドルが被害者だったが、この事件の本質はストーカー事件である。こういう輩に対して、警察が、いままでどおりに相談に乗るだけでは、悲劇はなくならないのは明らか。警察は、被害者が自衛できるよう、ストーカーが気絶するほどの強力なスタンガンや催涙スプレー、防刃ベストといった防衛品を低価格でレンタル、もしくは補助金で買えるようにしたり、そうした防衛品の使い方の講習会を開いたり、重度のストーカー被害に遭っていると判断したときは、ストーカーのわからない場所に引っ越すための費用の一部を補助するといった「ストーカー対策予算」を設けて対応するとよいのではないか。(佐々木奎一)

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2016年05月18日

舛添都知事、湯河原温泉、ホテルで会議で袋叩き…

 平成二十八年五月十六日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「舛添都知事、湯河原温泉、ホテルで会議で袋叩き…」


 を企画、取材、執筆しました。



 週末の各紙は「疑惑持たれ恥ずかしい 正月旅行、子どもと約束 舛添知事、疑惑説明1時間45分」(朝日新聞)、「舛添知事『公金に鈍感』『家族旅行中、昼間に会議』『海外と交流、版画を活用』」(同)、「舛添都知事 記者会見 釈明…晴れぬ疑念 追及され反省の弁」(毎日新聞)、「あきれる舛添氏の公金感覚」(日本経済新聞)といった具合で、舛添要一・東京都知事の政治資金についての説明会見を批判する記事で持切りだった。

 騒動の発端は、週刊文春5512合併号の「舛添知事『公用車』で毎週末『温泉地別荘』通い」という記事による。これは舛添知事が、週末になると温泉地・神奈川県湯河原町の別荘に公用車でしょっちゅう行っている、という内容。さらに同誌の翌週日号でも「舛添都知事 血税タカリの履歴 これも政治資金!→正月家族で温泉宿37万円 自著100冊買上げ10万円 美術品等900万円 湯河原別荘近くの回転寿司5万円 自宅近所ピザ屋20万円 3000円床屋は子供の分も領収書」を掲載した。

 これに対し舛添知事は、精査して説明すると言い、13日の会見で説明した。そのことを袋叩きにして報じたのが、冒頭の記事というわけ。

 なお、けさのTBS電子版の「舛添都知事の説明『納得できない』9割」によると、舛添知事が家族で宿泊したホテル代を「会議費」として自らの政治資金から支出していたことをめぐり、舛添氏が先週行った釈明におよそ9割の人が納得していない、という。だが、納得していない人のなかで、1時間45分におよぶ会見の内容をしっかり把握した人はどれだけいるだろうか。たとえば、産経新聞電子版には、くだんの記者会見を文字起こしした記事がアップされている。それによると、舛添氏は、ホテル代を会議費としているのは、家族で泊まっていたホテルで事務所関係者を呼んで会議をし、その時に都知事選の立候補の決断をした、重要な会議だったので政治活動とした、という説明をしている。

 ほかにも、例えば、自著100冊を買ったことについては、資料として人に配るためだった、と言っていたりする。なお、政治家が自著を政治資金で買い上げて自己紹介を兼ねて配布するというのは、オーソドックスであり、そういう会計処理をしている議員は多い。

 ほかの指摘されている経費についても、舛添氏は、仕事を兼ねていた、という説明をしていた。だが、会見に出ていた記者たちは、ホテルは家族で行っておりプライベートではないか、といった追及ばかりしていた。

 なお、舛添氏は、誤解を招いた分や確認が取れなかった分45万円分を返金する、と言い、今後はこういうことがないように改善する、と謝罪していた。

 では、どうすれば、今後、こういう騒動を防ぐことができるのか――。これは一にも二にも、仕事かプライベートか判然としない経費を、どうするか、にかかっている。具体的には、「按分」が有効である。按分とは、ホテル代なり、飲食代なりのうち、何割が仕事分で、何割がプライベート分、というふうに分けていく方法である。そもそも政治家は、24時間、何をやっていても政治活動の面があり、公私の別は難しい。その公私両面のある費用を、どちらか一方に立て分けるというのは、正確な収支報告をする妨げになる。

 なお、湯河原の別荘に行っていたことも問題視されているが、温泉でリフレッシュして、それでしっかり仕事をしてくれれば、都民にとってもよいことなのではないか。要するに、知事にとって大切なのは、仕事ぶりである。都知事として無能で、都民を苦しめるなら問題だが、仕事ぶりに瑕疵がないなら、回転寿司やホテル代といった瑣末なことで、よもや辞めさせるということがあっては、地方自治の危機ではないか?(佐々木奎一)


PS この国では、定期的に、有名な政治家を瑣末なことで血祭りに上げる、という衆愚政治がまかり通っている。

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2016年05月16日

今夏の参院選の焦点「78議席」



 平成二十八年五月二日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「GW以降特別注目のニュース(国内政治編) 今夏の参院選の焦点「78議席」」


 を企画、取材、執筆しました。



GW以降注目の政治ニュースは、なんといっても夏の参院選である。1日付の時事通信電子版によれば、安倍自公政権は622日公示、710日投開票にする予定という。

 なお、安倍晋三首相は429日の日本テレビの番組で、「夏の参院選で憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席確保をめざすのかと問われると、『私たちだけで3分の2を取るのはほとんど不可能に近い。与党以外の政党、個人の皆さんをいかに集めることができるかだ」とし、野党も取り込んで3分の2をめざす考えを示した」という。(430日付朝日新聞朝刊より)

 「野党も取り込んで3分の2」とは、具体的には、510付の週刊エコノミストの記事「官邸の狙い 安倍首相 参院選は改憲へのラストチャンス」に詳しい。それによると、「参院では現在、自公の会派は計134議席(議長を除く)。自公だけで非改選議員を含めて参院定数(242議席)の3分の2超(162議席)を占めるには、改選数121のうち86議席の獲得が必要だ。現実的なのは、改憲に前向きなおおさか維新の会や日本のこころを大切にする党を含めた「改憲勢力」での3分の2。自公にこの2党を加えた4党の非改選議席数は84議席。改憲勢力で『78議席』が目標ラインとなる」。

 改選数121のうち78議席とは、夏の参院選で改選勢力が64%の議席を取るということである。

 ちなみに参考データとして、2日付の日本経済新聞朝刊に載っていた同紙の世論調査では、7月の参院選で、「投票したい政党」か「投票したい候補者がいる政党」を政党名を読み上げて聞いたところ、自民党が44%。おおさか維新の会6%。公明党4%。一方、野党は民進党15%、共産党5%、社民党1%など野党5党を合わせて28%という。注目なのは自民党が前月調査から8%もアップしている点。その要因は、熊本地震で自民党が支持を広げたとみられることだという。

 だが、本当に安倍自公政権の震災対応は評価できるのだろうか。例えば、熊本地震によりエコノミークラス症候群にかかる人が相次いでおり、入院が必要な重症と判断された患者は少なくとも35人(うち1人死亡)に上る。そのことについて週刊新潮55日・12日号の記事「『安倍内閣』熊本支援の失態失策 大失敗特集」に、こんな下りがある。「50代女性がエコノミークラス症候群によって亡くなりましたが、明らかな人災です。実際にそうなるまで、誰も注意喚起をしなかった。かつて04年の中越地震でも余震が多く、車中泊の方が大勢おり、そうした症状も多く見られましたが、今回は車中泊が多いとわかった時点で政府は大々的に注意を呼びかけるべきでした」。(危機管理コンサルタント田中辰巳氏のコメント)

 こうした安倍自公政権の震災対応も、今後、検証されていくことだろう。

 なお、仮に、参院選で改憲勢力が3分の2議席を占めて改憲発議をする場合に、「緊急事態条項」を書き加えるのではないか、という見方は前々からある。熊本地震があったので、その線は一層強まったといえよう。

 緊急事態条項とは、戦争、内乱、恐慌、大規模な自然災害などの緊急事態で、首相が「緊急事態を宣言」すると、国会の制約を受けずに権限を行使でき、自治体や国民はそれに従わなければならない、というもの。

 だが、この緊急事態条項は多くの識者から危険視されている。例えば、22日付の毎日新聞夕刊の記事「本当に必要? 『緊急事態条項』」によると、災害の法律に詳しい弁護士の小口幸人氏は、「憲法に緊急事態条項を入れる必要性は全くありません」と断言する。災害対策基本法では、市長の判断で建物の一時使用や収用、除去までできると定めてあり、必要なら、立ち入りもできる。同法には、首相による「災害緊急事態の布告」を定めており、国会閉会中でも緊急の必要がある場合、政令を出し物価を抑えたり、債務支払い延期を決めたりすることが可能という。小口氏は切実な表情で「憲法に緊急事態条項があったら大震災で起きた数々の悲劇を食い止められたのかといえば、そうではない。今の法律を十分に使いこなせなかったのが問題。被害を最小限に抑えるのは、法整備やその周知、訓練などを含めた事前の準備。大震災を改憲のダシにしないでほしい」と訴えたという。

 また、同記事には、こうある。

 「緊急事態条項がないのは憲法の欠陥だ、という意見も改憲派からはよく聞かれる。だが、憲法に詳しい弁護士の伊藤真さんは『先人の知恵の産物であり欠陥ではありません』と切り出し、憲法の制定過程を交えて解説する。

 連合国軍総司令部(GHQ)と日本側が緊急事態条項を巡って議論した際、GHQは『憲法に明文を置かなくても、内閣が超憲法的に対応すればよい』という趣旨の主張をしたが、日本側は『緊急事態条項のあった明治憲法以上の弊害が起きうる』と反論。激論の末、緊急時に衆院議員が不在でも参議院で緊急集会の開催が可能と憲法542項に明記された。参院の改選は定数の半分なので、国会議員がゼロになる事態は起きない。『緊急時は参院が立法府として対応できる』と伊藤さん。改憲派は『議員の任期を特例で延長できるよう定めておくべきだ』とも主張するが、その必要はない。

 『明治憲法での弊害』というのは、議会にかけずに発する緊急勅令などが発令された後に起きた不幸な事件を指す。関東大震災(1923年)では政府が戒厳を布告。軍や警察などによる無政府主義者などへの弾圧につながった。日本には緊急事態条項がもたらした苦い経験がある。

 これが念頭にあったのだろうか。現憲法の制定に尽力した金森徳次郎憲法担当相は467月、帝国議会衆院憲法改正案委員会で次のように語った。『緊急勅令及び財政上の緊急処分は行政当局者にとりましては実に調法なものであります。しかしながら(略)国民の意思をある期間有力に無視しうる制度である(略)。だから便利を尊ぶかあるいは民主政治の根本の原則を尊重するか、こういう分かれ目になるのであります』

 伊藤さんは力説する。『当時の政治家は緊急事態条項が乱用される危険性を認識し、明治憲法下での人権侵害を反省していました。たとえ一時でも、為政者をフリーハンドにしてはいけません』。先人の反省は極めて重い」

 あるいは、安倍自公政権は、緊急事態条項を引っ込めて、別の手で来るかもしれない。前出の週刊エコノミストには、「お試し改憲」という手口の指摘がある。記事によると、「改憲発議に必要な3分の2以上の賛成を得られる項目なら極端な話、前文の助詞1文字でもいい」と閣僚経験者は語ったという。「『お試し改憲』は、国民を改憲に慣れさせるため、反対の少ないところから手をつけようという発想」で、政務三役経験者は「まず、日本人の力で憲法改正を成し遂げることが重要だ。癖がつけば、発議に3分の2以上を求める96条も変わる」と言ったという。

 夏の参院選で、安倍自公ほか改憲勢力が夏の参院選で78議席以上を取れば、こうした憲法改正発議が現実味を帯びてくる。(佐々木奎一)




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2016年05月13日

衆参同日選見送りにみる安倍1強終焉

 平成二十八年四月二十五日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「衆参同日選見送りにみる安倍1強終焉」


 を企画、取材、執筆しました。



 けさの朝日新聞一面トップに「同日選、首相見送り」という記事がある。それによると、安倍晋三首相は、夏の参院選と衆院選を同時に行う衆参同日選について、「考えていない」との認識を周辺に伝えた。「首相はこれまで、7月に予定される参院選に向けて野党が進めている選挙協力にくさびを打ち込むため、堅調な支持率も背景に与党に有利とされる衆参同日選の可能性を視野に入れていた。だが、被災者への支援や復旧・復興を進める被災自治体に同日選の準備で負担を強いるのは現実的ではないと判断。また、2年半以上の任期を残す衆院を現時点で解散すれば、『選挙を優先して危機対応を軽視した』との批判を招きかねないとの見方も働いた」という。

 なお、同記事には、安倍首相がいつ誰に同日選を「考えていない」と伝えたのかは明確には書いていないが、「首相は24日午前8時半過ぎから首相官邸で麻生、谷垣両氏と会談。菅義偉官房長官も同席し、その場で補正編成を指示した上で、526日から始まる主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)前までの成立を目指すよう促した。首相はこうした方針を谷垣氏以外の自民党幹部や、公明党幹部にも電話で伝えた」とか、二面の「同日選戦略、霧散 『被災地に負担』批判懸念」という記事にも、「衆院補選投開票日の24日朝、安倍晋三首相は動く。麻生太郎副総理兼財務相と自民党の谷垣禎一幹事長を首相官邸に呼び、熊本地震の復旧・復興に向けた補正予算案を編成し、今国会での成立をめざすよう指示した」などと、さかんに24日の朝、首相官邸で麻生、谷垣と会っていたことを書いており、この時に安倍首相は「同日選は考えていない」と言ったことを匂わせている。

 なお、今年11日付の当コーナーでは、「壊憲の有無を決する今夏の国政選挙」と銘打ち、いくつかのシナリオを示した。その中のシナリオ1として、衆参同日選を実施し、改憲勢力の安倍自公維が衆参で3分の2以上の議席を確保した場合は、次の衆院の任期2020年夏までたっぷり時間があるので、平和憲法を含めた日本国憲法の根幹を変える可能性が高くなってくると指摘した。このシナリオ1は、ひとまず回避した形だ。

 つまり、今夏は、参院選のみを実施することになる。安倍首相は、参院で憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席確保を狙ってくる。だが、仮に参院選で自公維が勝ったとしても、この場合、衆院任期は201812月までなので、自公維は常に、次の衆院選を意識して進めていかなければならない。野党勢力がボロボロでない限りは。

 つまり、憲法の命運を握るのは、実は野党である。その意味で、昨日投開票の衆院北海道5区補選は興味深い。結果は「衆院補選・北海道、自民が野党統一候補破る」(朝日新聞)、「北海道5区、与党接戦制す」(日本経済新聞)といった記事の通りだが、朝刊の締め切り時点では、投票数は確定していなかった。NHK電子版によると、最終的な得票数は、「和田義明(自民・新)当選、135842票。▽池田真紀(無・新)、123517票」という。野党勢力の池田真紀氏が自公候補をかなり追い詰めていたのだ。なお、北海道は、もともと鈴木宗男氏の支持基盤で、これまで宗男氏は野党支持だった。その宗男氏は、今回、自民党についた。そうしたなかで、野党がこれだけで自公と競り合った。これは、いっときの安倍1強時代が終わったことを意味する。

 そうなると、たとえ今夏の参院選で、安倍自公維が3分の2議席を確保したとしても、自公維は、常に次の衆院選を意識しなければならない。つまり、壊憲へのアクションは、政権転覆に直結する。(佐々木奎一)



PS なお、安倍自公政権は、バラク・オバマ大統領の広島訪問にかこつけて、衆参同日選に出るのではないか、という臆測もでているが、もしも安倍晋三が、衆参同日選を行えば、震災を政争の具にした、歴代最も狡猾で、国民のことを考えなかった首相として、日本史と世界史に汚名が刻印されることになる。


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2016年05月09日

さらに悪化する「報道の自由」

 平成二十八年四月二十一日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「さらに悪化する「報道の自由」」


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20日付の朝刊に「国連『報道の自由に脅威』放送法改正勧告へ」(毎日新聞)、「日本の報道の独立性に『脅威』 国連報告者『政府の圧力、自己検閲生む』」(朝日新聞)という記事かある。

 それによると、「表現の自由」に関する国連特別報告者として初めて公式に訪日したデービッド・ケイ(米国)が日本での調査を終え、19日に都内の外国人記者クラブで会見した。ケイは11日から訪日し、報道機関関係者や政府職員、国会議員、NGO関係者らの話を聞き調査した。

 会見でケイは「特定秘密保護法や、『中立性』『公平性』を求める政府の圧力がメディアの自己検閲を生み出している」「ジャーナリストの多くが匿名を条件に面会に応じた。政治家からの間接的圧力で仕事を外され、沈黙を強いられたと訴えた」と述べ、放送法をめぐっては「放送法のうち(政治的公平性などを定めた)第4条を廃止し、政府はメディア規制から手を引くべきだ」と提言し、高市早苗・総務相が番組の公平性を理由に放送局の「電波停止」に言及した発言について、高市氏との面会を希望したが「国会会期中との理由で会えなかった」と言った。

 慰安婦問題など歴史問題については「戦争中の罪を教科書でどう扱うかについて政府が介入することは、国民の知る権利を脅かし、過去の問題に取り組む力を低下させる」と懸念を示した。また、「記者クラブの排他性も指摘した」という。(朝日新聞より)

 また、ケイは、特定秘密保護法について、特定秘密の定義があいまいで範囲が広がること、報道機関が萎縮する恐れがあることを挙げ、「法を根本的に変えるべきだ」と語った。ヘイトスピーチ対策にも触れ、まずは雇用や住居に関する人種差別を禁止する法制定を急ぐべきで、ヘイトスピーチの定義があいまいなまま規制すれば表現の自由に悪影響を及ぼす可能性があると指摘した」という。

 なお、この国連報告者ケイについて、読売新聞は、160字程度のツイッターのような文字数のベタ記事で報じたのみ。日本経済新聞にいたっては、この件について触れてさえいなかった。

 ちなみに、このケイの記者会見は、ジャパンタイムズも報じている。それによると、上記全国紙4紙のうち朝日新聞がかろうじて「記者クラブの排他性も指摘した」という一文だけ載せていた「記者クラブ」について、ケイは「メディアの独立を取り戻すために、記者クラブは廃止しなければならない」と断言している。なぜなら、記者クラブは、政府等の圧力を考慮して手加減して報じている、ソフトな圧力もあれば、お仲間の記者クラブ同業者や役所からの圧力の場合もあるが、そうしたプレッシャーに抵抗するのはとても難しい、と指摘。

 世界の常識では、ジャーナリストというのは、権力を監視することが役割である。決して、政府発表を代書したりコピーして、それをオンラインや紙面に載せたり、テレビ番組で繰り返し放送するのが、ジャーナリストの役割ではない、と、記者クラブメディアを批判した。

 一方、ケイは、日本のインターネットの報道の束縛のない自由な状態と、ネットアクセス環境を称賛し、ネットの検閲をしている他国は、日本をモデルにする必要がある、と言った。なお、ケイは今回の調査のレポートを2017年の国連人権会議で発表する予定という。

 なお、折しも、20日付のジャパンタイムズによると、パリに本部を置く国際NGO「国境なき記者団」の「報道の自由度ランキング」では、日本は180か国中、72位だった。日本は2010年時点で11位だったが、安倍自公政権になってから急落し昨年は61位まで陥落し、今年はさらに堕ちたというわけ。

 しかも、安倍自公政権の推し進めようとしている改憲草案は、今とは比較にならない報道表現の自由を制限する憲法となっている。そして、その改憲草案を実現するため、安倍自公政権は、今夏の参院選で3分の2議席を奪取した暁に、憲法改正をしようとしている。そうなると国民の自由は急速にしぼんでいくことになる。果たしてそれでよいのかどうか、主権者である私たちが、判断していかなければならない。(佐々木奎一)


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学生イッキ飲みの風習にノン! 「ゴチ会」

 平成二十八年四月二十八日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「学生イッキ飲みの風習にノン! 「ゴチ会」」


 を企画、取材、執筆しました。



 大学サークルの合宿の多いGWがやってきた。そうしたなか、「のまれないで!『アルハラしま宣言』 事故遺族らの団体がポスター・ステッカー」という記事が26日付の朝日新聞夕刊にあった。

 それによると、「コイツ、大丈夫かな」「でもこれが部の伝統だもんな」「もう飲めないなんて言いにくい」「雰囲気だし、飲まなきゃ」などと、飲ませる側、飲まされる側の心理をつづったポスターやチラシを、飲酒事故で子どもを失った親が中心となってつくる「イッキ飲み防止連絡協議会」が作成し、全国724大学とサークルに配ったという。

 なお、大学の飲酒死亡事件の生々しい実態については、42日付のジャパンタイムズに詳しい。それは東京大学2年・高原滉(あきら)氏(当時21)が死亡した事件。遺族である両親によると、遺族が滉氏の死亡を知ったのは、12728日の深夜3時、自宅にかかってきた電話によってだった。すぐに病院にかけつけたが、滉氏のすでに身体は冷たく死後硬直で固くなっていた。

 滉氏は、テニスクラブの「コンパ長」として、飲み会を担当していた。事件の起きた12727日の夜は、滉氏や同期の部員、先輩後輩、サークルOBなど約40人が隅田公園に集まった。翌日夜の隅田川花火大会の場所取りを兼ねた飲み会だった。

 コンパ長として、滉氏は“マキバ”と呼ばれる、このサークルの伝統的な飲酒の儀式を始めた。それはサークルのメンバーが円形になり、フォークダンスのマイムマイムを歌い踊りながら、順番に中央に置いた2.7リットルの焼酎「大五郎」をラッパ飲みしていくという儀式。滉氏は、コンパ長として誰よりも多く飲むことを求められ、午後10時に気絶するまでに約1.1リットルの大五郎を飲んだ。滉氏は失禁するほど重篤な状態となったが、メンバーは滉氏のズボンを脱がせただけで、水を飲ませたり介抱もしないまま、集団から離れたところに放置した。そして4時間後、メンバーの誰かが滉氏の反応がないのに気付き、救急車を呼んだ。しかし、呼ぶのはあまりにも遅過ぎた。

 医者は、滉氏が死んだ時刻は午前0時頃だとみている。「もし誰かが、意識不明の息子を放って置かず、救急車を呼んだなら、息子は生きていたかもしれません」と遺族は訴える。(マキバについての個所は弁護士ドットコム「東大サークルのコンパで「大量飲酒」死亡事故ーー学生の両親が参加者21人を提訴」も参照した)

 アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)の代表・今成知美氏によると、学生たちが助けを求めるのを嫌がるのは、まれではないという。「彼らはトラブルになるのを心配し、救急車を呼ぶのをためらいます。不幸なことに、この躊躇が、しばしば死を招きます」と今成氏はいう。

 また、世間では、こうした死亡事件について、イッキ飲みをした学生がムチャをしたから悪い、という見方がされることが多いが、イッキ飲み防止連絡協議会の代表・石谷師子氏は、「そうした世間の見方は、間違っています。亡くなった学生たちは、イッキ飲みを強制されて命を落としたという事を理解してほしい」と訴える。

 飲酒死亡事故が起きると、大学は内部調査をするが、ほとんどの場合、犠牲者は強制的に飲まされてはいなかった、と結論付ける。だが、身体的に強制されたかどうかは、問題ではない。そういう飲み会の場は、飲むことの「同調圧力」の空気をつくり出し、イッキ飲みを余儀なくさせる。この集団内の圧力がイッキ飲みを強制させる。

 なお、滉氏の代理人の山本雄一朗弁護士によると、滉氏のテニスサークルは、騒がしい振る舞いで有名で、事件のあった日も二つの苦情が警察にあったという。大学内でも、野蛮な飲み会をするサークルとして悪名高く、これまでにも数々の飲み会で救急車が呼ばれてきたと信じられているという。

 ちなみに、こういう野卑なイッキ飲みをする学生が絶えない中、「大人の飲み方」を志向する動きも出てきている。飲み放題で安くておいしくない酒ばかり出るのは嫌だという学生たちの想いに応える形で、「ごちそう+飲み物2杯」で、飲み放題コースの料金3千円程度で、「ごちそうを味わう」というコンセプトで、これを「ごち会」という。「ごち会」は学生団体「想食系幹事」と、不適切な飲酒防止の啓発に取り組むフランスに本社のあるアルコールメーカー「ペルノ・リカール・ジャパン」によるプロジェクト。

 ごち会に賛同するレストランの一つで都内の飯田橋にあるグリルオオムラのオーナーは、「大人たちには、若者にアルコールを飲み方を教える義務がある、と私は思っています。ゴチ会はそのためのグレイトな方法です」という。

 大学生は、大人の酒の飲み方を学ぶ必要がある。なお、社会人にもなって他人にイッキ飲みを強いる輩は論外であることは、言うまでもない。(佐々木奎一)

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2016年05月01日

文科相の教科書“発禁処分”発言の背景

 平成二十八年四月十四日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「文科相の教科書“発禁処分”発言の背景」


 を企画、取材、執筆しました。



13日の各紙朝刊は「教科書22社を調査 謝礼、独禁法違反疑い 公取委」(朝日新聞)、「「不当な顧客誘引」調査 公取委 教科書謝礼巡り22社」(読売新聞)といった見出しで報じている。

 それによると、教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せて謝礼を渡していた事について、公正取引委員会は12日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで、小中学校の教科書を発行する22社に対し調査を始めた。独占禁止法違反が認められれば、公取委は排除措置命令や警告を出す可能性があるという。

 そして、馳浩文科相は12日の記者会見で、公取委が排除措置命令を出す事態になった場合、「教科書発行の指定取り消しも含めて当然検討する」と述べたという。(朝日新聞より)

 義務教育用の教科書は、発行者の指定制度となっており、国の定めた基準に該当する場合のみ、指定を受け、教科書を発行することができる(文科省HPより)。要するに、指定取り消しとは、“発禁処分”を意味する。

 だが、教科書の中身が悪質なので指定取り消しというのならわかるが、教科書の内容に問題がないのに、発禁処分にするというのは、権力の濫用ではないのか? 仮に独禁法に触れたならば、教科書会社の経営責任が問われるべきではないか?なぜ、安倍自公政権は、教科書の発禁処分などという乱暴な真似をしようとしているのか? 多くの教科書が発禁処分になると、どういうことが起きるだろうか?

 そもそもこの教科書謝礼事件が、にわかに表沙汰になったのは昨年1030日のことだった。この日、小中高校の教科書を発行する三省堂が、1年以上前の2014823日に、公立中学校の校長ら11人を集めた都内のホテルでの会議で、15万円の謝礼金を渡していたとして、文科省が、再発防止を求める指導文書を同社に手渡したのだ。そのことを各紙が一斉に報じた。

 その後、小中学校の教科書を発行する22社のうち計10社が同様のことをしていたことが、文科省の調査で発覚した。東京書籍、大日本図書、学校図書、教育出版、教育芸術社、光村図書、啓林館、数研出版、日本文教出版、三省堂の計10社である。

 そして今回、公取委が独自に22社を一から調査し、その結果次第では、発禁処分もあり得る、というのが、冒頭の記事。

 このような経緯なのたが、発端の三省堂の件が明るみになったのは、安保法制が2015919日未明に成立してから、約1か月後のことである。周知のように、安保法制の国会審議では、憲法学者3人が揃い踏みで違憲と断じたり、小学の教科書にも立憲主義、平和主義について載っているのに、それを無視する安倍首相の見識を、野党議員が追及する場面もあった。要するに、安倍自公政権の違憲性は、小中の主流の教科書に照らし合わせても、明らかだった。

 安倍自公政権にとって、自分たちを否定するようなメインストリームの教科書は、消えてほしい存在に映ったことだろう。主流の教科書よりも、安倍自公政権は、マイナーな育鵬社(いくほうしゃ)の教科書を国民に使わせたい、と思っているはずだ。なお、育鵬社の教科書とは、当サイトにあったウワサの現場のコーナーでたびたび紹介してきた、安倍自公政権の言動と軌を一にする、公民と歴史の中学の教科書である。

 ちなみに、謝礼をしたとされる10社の中には、育鵬社は入っていない。

 また、育鵬社の母体である「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版の教科書も入っていない。(育鵬社は、新しい歴史教科書をつくる会から分裂してできた)。自由社の教科書は、育鵬社よりもさらに右寄りの内容。

 ちなみに、この「新しい歴史教科書をつくる会」は今年37日、くだんの10社の社長を「贈賄」の罪で刑事告発。今月25日には国会で「『教科書贈収賄事件』を糺す緊急集会」と題し、気勢をあげようとしている。

 そうした中で、文部科学大臣が、教科書の発禁処分を公言した、というのが今の情勢である。安倍自公政権の進める自民党壊憲草案といい、育鵬社の教科書といい、戦前の軍靴の音が聞こえてきそうな昨今の政治である。(佐々木奎一)






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2016年04月28日

マグニチュード7.3熊本地震の被害と懸念

 平成二十八年四月十八日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「マグニチュード7.3熊本地震の被害と懸念」


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 けさの新聞は「熊本地震20万人避難」(毎日新聞)といった見出しで熊本、大分県で続発している地震について、報じている。

 これは熊本県で14日(木)午後926分にマグニチュード(M6.5の地震が発生、余震が続く中、さらに16日(土)午前125分にはM7.3の巨大地震が発生、その2時間半後の午前355分にもM5.8を記録。その後は大分県でも地震が増えているという、一連の地震について報じたもの。

 気象庁によると、14日夜から18日午前0時までで体に感じる地震は492回に達している(震度71回、63回、63回、51回、56回、震度466回、震度31412回)。(朝日新聞より)

 毎日新聞によると、17日までの地震による被害状況は、死者42人、行方不明7人、負傷者1063人(うち重傷205人)、避難者199606人、住宅損壊2442棟(うち全壊400棟、半壊1266棟(死者、行方不明は熊本県のみ。他は熊本、大分県)。さらに断水258千戸(熊本、大分、宮崎県)、停電56200戸(熊本県)。ほかにも土砂災害や高架橋の亀裂などの被害も出ているという。

 また、けさの日本経済新聞の「トヨタ、全国で生産停止へ」「部品供給網、再び試練、ルネサスやソニーが半導体工場停止、小売りも輸送寸断」によると、トヨタグループのアイシン精機が熊本市の子会社で扱うドアやエンジンなどの部品の生産が止まったことにより、トヨタ自動車は1823日に全国の完成車工場の生産を段階的に停止すると発表した。また、ルネサスエレクトロニクスは自動車向け半導体を生産する主力の熊本県の川尻工場を停止し、ソニーは熊本県菊陽町にある、カメラやスマートフォン向けの画像センサーの主力生産拠点の半導体工場の稼働を14日から停止するなど、日本経済全体に地震の影響が出ている。

 なお、地震の震源分布が広がっている点についての懸念もある。17日付の毎日新聞「熊本地震 3地域連鎖、被害拡大『四国に影響懸念』」によると、「地震の広がりは北東側へ進んでいるが、その延長線上には、近畿から四国まで続く国内最大級の断層群『中央構造線断層帯』がある。(中略)元東京大地震研究所准教授で国立研究開発法人建築研究所の都司嘉宣(つじよしのぶ)・特別客員研究員(歴史地震学)は今回の地震について、『中央構造線の一部が動いたとみていい』と指摘する。1596年には、九州から近畿にかけての中央構造線の周辺で、大きな地震が短期間に連続して発生した記録がある。このほか、地震が周辺に拡大した過去のケースとしては、近畿・中部の広い範囲に被害を及ぼした1586年の天正地震のほか、最近では、2011311日の東日本大震災でも、翌12日に長野県内で、同15日にも富士山近くの静岡県内で地震が発生した。『今回の地震に誘発され、九州と四国を隔てる豊後水道を震源とする比較的大きな地震が起きる可能性もある。四国地方も含めて警戒が必要だ』と都司氏は話している」という。

 また、震源に近い阿蘇山では16日午前8時半ころに小規模噴火が起きている。「地震が火山に影響を与えたとみられている例はあり、日本では1707年に起きた宝永地震(M86)の直後に富士山が噴火した。九州大地震火山観測研究センターの松島健・准教授は『マグマはたくさんの火山性ガスを含む。近くで大きな地震があると、マグマだまりが揺さぶられ、ビールが入った瓶を振った時のように噴き出す可能性がある』と指摘する。地震が起きた地域の近くには阿蘇山のほか、大分県の九重山、鶴見岳・伽藍(がらん)岳、長崎県の雲仙岳などの火山がある」(17日付朝日新聞朝刊)

 なお、数万年にわたり日本人は、こうした地震や火山の猛威と隣り合わせで生きている。だが、これまでと今とでは、違う点がある。それは原発事故のリスクである。

 いうまでもなく、九州には、日本で唯一稼働中の川内原発12号機がある。前述の、リスクが指摘される中央構造線断層帯とその連動域に、安倍自公政権が再稼働しようとしている原発は、多々ある。

 熊本地震後、安倍自公政権は、これまで同様、原発稼働の是非は「原子力規制委員会の判断に委ねる」と言って責任回避をしながら、再稼働を進める、という無責任な政治を続けている。大地震のたびにリアリティを増す原発事故の再来――。主権者たる国民は、そのことを責任を持って考えていく必要がある。(佐々木奎一)

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2016年04月22日

「安倍一強」の裏で渦巻く批判と「潮目」

 平成二十八年四月十一日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「「安倍一強」の裏で渦巻く批判と「潮目」」


 を企画、取材、執筆しました。



 今日の朝刊は休刊。一強多弱の国会情勢のなか、安倍自公政権が、我が世の春を謳歌して久しいが、10日付の日本経済新聞にこんな記事がある。それは「永田町インサイド 『安倍1強』にもの申す、ベテラン議員が語る」という記事。

 これは、おごりや緩みの指摘を受けながらも、追及する野党の存在感も薄いまま高い内閣支持率を保つ「安倍1強」の現状を政界のベテラン議員に聞く、というコンセプトで、「野党の長老」こと横路孝弘元衆院議長、「自民の重鎮」こと伊吹文明元衆院議長、「元自民の直言居士」こと亀井静香元国民新党代表の三氏へのインタビュー記事を載せたもの。

 そこで横路氏は、首相官邸主導の「安倍1強」の現状について、「集団的自衛権などいろんな問題を閣議で決めてしまう。主導というより独裁的だ。国会だけでなく国民をないがしろにしている」と批判。

 伊吹氏は、「民主党の体たらくがあったから自民党は政権に戻れたのだ。自民支持率が高いのは、他に投票するところがないからだ。大衆の気持ちを逆なですればガタガタと崩れる可能性は常にある」と警戒。

 亀井氏は、自民党議員の不適切な言動が相次いでいることについて、「本来、国会議員が言うべきじゃない酒飲み話のようなことを公のところで言っている。こんなのが議員でいいのかというのがやっている。政治家たるものは口に出したことに責任を持たないといけない。次の選挙で淘汰されるだろう」といい、アベノミクスの新3本の矢については、「花火だけぶち上げている。中小企業経営がちゃんとならない限り難しい。安倍政権は大企業の仕事が増えれば滴が落ちて中小も元気になると考えるが、そうはいかない。太るのは大企業だけで下に落ちていかない。安倍晋三首相が考えていたのは『美しい日本』『日本人の心を大事にする』。やっているのは逆のことだ」と批判。

 このように、一強といわれる裏で、批判が渦巻く安倍自公政権は、案外、盤石とは程遠いのかもしれない。実際、そのことを示すかのような記事がある。それは「野党4党で113議席見込む、衆院小選挙区で試算」(4月10日付日本経済新聞朝刊)という記事。

 それによると、「民進、共産、社民、生活の野党4党で次期衆院選の小選挙区候補を一本化したと仮定し、2014年衆院選結果に基づき得票を合算すると、4党で小選挙区定数295のうち113議席の獲得が見込まれることが、共同通信の試算で分かった。比例代表議席を前回並みとした場合、与党は憲法改正の国会発議に必要な3分の2勢力を下回る」という。安倍首相は、今夏の国政選挙後の憲法改正が、最大の眼目であることを明言しているので、衆院で3分の2を下回るということは、惨敗を意味する。

 しかも2014年といえば、安保法制の強行採決の前であり、アベノミクスの退潮も明らかになっていない時期である。それでも惨敗するということは、もしも今夏に衆参同日選をやれば、安倍自公政権は、一気に地の底に転落する可能性がある。一見すると一強にみえるが、すでに底流では潮目ができているのかもしれない。(佐々木奎一)
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2016年04月18日

自民党改憲草案の前文にみる戦前回帰の国家主義

 平成二十八年四月八日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「自民党改憲草案の前文にみる戦前回帰の国家主義」


 を企画、取材、執筆しました。



41日から「憲法を考える 自民党改憲草案」という連載を朝日新聞朝刊が゛している。すでに7日までに5回にわたり、自民党改憲草案の前文を論述している。この自民党改憲草案の前文には、安倍晋三首相のいう改憲の本質が凝縮している。前文の全文は以下の通り。

 「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。

 我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。

 日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。

 我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。

 日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。」

 これについて、朝日新聞の記事では「前文は頭から――主語を『日本国民』でなく『日本国』にするところから――書き換えられた。あの愚かな戦争と敗戦は『先の大戦による荒廃』の一言で片づけられている」と指摘している。

 さらに「前文の最後の一文で『日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する』と明記している。冒頭の一文が『日本国は』で始まるのに呼応するように、最後まで重視されるのは国家である」と述べている。

 また、現日本国憲法の前文では「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」とある。それに比べ、自民草案では「『平和主義の下』の一言はあるが、それが従前の『戦争をしない』と同義でないことは安全保障関連法の審議を通じても明らかである」と、戦争できる国に変容していることなどを指摘している。

 ちなみに「前夜――日本国憲法と自民党改憲案を読み解く」(著:岩上安身、梓澤和幸、澤藤統一郎/現代書館刊)で、弁護士の梓澤氏はこの前文について「国家主義に基づくものです。自民党は、天皇を中心とした国家という、昔の国体思想とほとんど変わらないことを考えているのではないか。なんと古めかしい、現在の憲法にふさわしからぬものを持ってきたのか、という違和感をぬぐえません」と述べている。

 また、弁護士の伊藤真氏は著書「赤ペンチェック 自民党憲法改正草案」(大月書店刊)で、改憲草案の前文では、わが国を被害者としての立場からしか捉えていない点を指摘し、「近隣諸国やわが国の国民に甚大な被害を与えた加害者としての立場にも触れる必要があります。そのことを抜かして『今や国際社会において重要な地位を占めており』と自ら言うのはいかがなものでしょうか」と、たしなめている。

 また、「現行憲法の平和的生存権(ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利)を削除したことを見逃すわけにはいきません(中略)平和のうちに人間として存在することはもっとも基本的な人権といえます」と、改憲草案には基本的人権が欠如していることを指摘。

 また、草案は「日本国民は(中略)基本的人権を尊重するとともに」と、基本的人権の尊重を国民に求めている点について、「立憲主義に逆行しています」と指摘。

 要するに、憲法は、国家権力が暴走しないよう、国家権力を制限し、国民の人権を保障するもの。つまり、「憲法は国民に向けられたものではなく、国家に対して向けられたものである」。これが憲法の根幹の「立憲主義」である。それが、あろうことか国民に基本的人権の尊重を求める、などというのは、自民党は、立憲主義をまったく理解していないということになる。

 このように、自民党改憲草案は、その前文だけみても、立憲主義とは正反対の、戦前を彷彿とさせる超国家主義であることが鮮明である。

 いま、安倍自公政権は、この自民党改憲草案の実現を目指し、今夏の国政選挙になんとしても勝って憲法改正をする!そのためには何でもする!!」と息巻いている。つまり、国民受けをする政策が次々に発表されたとしても、それは改憲草案の実現というムチをふるうためのアメダマである。アメダマの先にあるムチのことを考えず、あとで痛い目に遭うのは、私たち国民である。(佐々木奎一)


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2016年04月17日

野良猫エサやり禁止の流れの元凶の一人・杉本彩

 今年1月に企画取材執筆して出稿し、その後、動物法ニュースに掲載した記事。



20146月にできた環境省の「牧原プラン」(「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト アクションプラン」)。そこには、「殺処分をなくすための各主体のアクション(取組み)」の「国民」の欄に「無責任な餌やりの防止」を掲げ、「検討すべき事項」の中の、「所有者のいない犬猫の対策」には、「餌やり人への規制、餌やり人への対策」「地域合意に基づく餌やり防止」と明記している。

 筆者は、この牧原プランの策定過程を調べたところ、20131126日に環境省大臣政務官室で行われた会議で、エサやりについての話が出ていた。それは英国王立虐待防止協会(RSPCA)の担当者との意見交換でのこと。RSPCAは、「野良猫を減らすためには、一定の地域で数をコントロールしないといけない。餌やりについても地域で話し合い、その地域で餌をあげないことにする必要がある」と述べていたのだ。

 この野良猫エサやり禁止思想が牧原プランに埋め込まれている。さらに環境省HPによると、このRSPCAとの会議を含め、環境省は牧原プラン作成にあたり、計5回の会議を開いている。1回目の会議は、女優の杉本彩、浅田美代子との意見交換。2回目は上述のRSPCA3回目は自治体。4回目は、滝川クリステル、藤野真紀子。5回目は、ペットショップなどの動物取扱業者との意見交換。

 筆者は今回、環境省に対し、これらの会議の議事録を情報公開請求した。すると、驚いたことに、同省は会議の議事録を全て不開示決定した。つまり、議事録の中身を国民に伏せた。その理由を同省はこう、述べている。「当該会議は出席者からの自由な発言を確保する観点から非公開で開催されており、公にすることにより率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ及び特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがある(中略)ほか、公にすることにより特定の委員への不当な圧力が加えられるなど、今後の当該事務の適正な遂行に支障をおよぼすおそれがあり(中略)、これらの情報については不開示としました。」

 議事録も公開できないとは、牧原プランは“密室政治”の産物としかいいようがない。

 なお、環境省は議事録を開示しない代わりに、おためごかしの議事録の要旨のような文書を開示してきた。そのなかに、エサやりについての記載はないか調べてみると、第3回目の会議で、地域猫対策についての話が出た、とある。そしてその中には、「地域猫対策を行うボランティアの発掘、育成が必要」と文言の後、「しかし、ボランティアによっては問題をこじらせてしまう場合もあり、慎重に選ぶ必要がある。」と、書いてある。

 また、「猫に餌づけしている方と被害にあっている方両方の言い分を聞いて仲裁に入らないといけない」、という一文もある。

 おそらく、エサやりについて色々な発言が出たのを、これらの短文に要約したのであろう。議事録では、エサやりについて嫌悪した発言が相当飛び出したことをうかがわせる。その発言・発言者を特定されるのを防ぐために不開示にしたのではないか――そう疑われても仕方がない環境省の対応である。

 ちなみに、この第3回目の会議は環境省HPでは自治体との意見交換となっていたが、議事録要旨にある参加メンバーのなかには、牧原政務大臣や同省役人、長野県と熊本市の動物愛護センター所長のほか、ひそかに、浅田美代子、そして杉本彩も、いた。

 なお、111日付の朝日新聞京都版の朝刊で杉本彩は、「人間と動物の共生のために野良猫などへのえさやりのルールを定めた条例など、京都から他の自治体に広がった事例もあります。全国が京都に注目してあこがれを持っています。他の地域を牽引していく進歩的な考えで、手本となる責任を感じるべきです」と、京都市の野良猫エサやり禁止条例を礼讃している。杉本彩の思考は、牧原プランで示されたエサやり禁止思想と全く一緒である。そして実際に、杉本彩は牧原プランに深くかかわっている。

 おおかた、くだんの隠蔽された議事録にあるエサやり発言の主は、杉本彩であろう。いまや杉本彩は、全国を浸食しつつある「野良猫エサやり禁止条例の流れ」の元凶の一つといっていい。


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2016年04月14日

生活品また値上げ…問われるアベノミクスの期待値

 平成二十八年四月一日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「生活品また値上げ…問われるアベノミクスの期待値」


 を企画、取材、執筆しました。



30日付の朝日新聞朝刊に「値上げの春、家計に影」という記事がある。それによると、「公益財団法人の塩事業センターは、家庭向けの「食卓塩」の価格を41日の出荷分から約3割引き上げるという。値上げは1992年以来24年ぶり。また、カゴメは、トマトソース7品目の出荷価格を4月から49%アップ、味の素は「クノール カップスープ」シリーズ29品目を約48%引き上げ、ミツカンは納豆6品目を410%値上げ、赤城乳業はアイス「ガリガリ君」を60円から70円に引き上げ、井村屋もアイス「あずきバー」を60円から70円に値上げするという。値上げの要因は、円安による海外の原材料費のコスト高である。

 ちなみに、円安政策を進める安倍自公政権になって以降、こうした値上げは風物詩のようにお決まりの光景になってきている。例えば、ほんの一例を挙げると、製パン大手の敷島製パンは、安倍自公政権発足から約7か月後の137月から、食パン「超熟」など5品目を46%引き上げた。さらに20157月にも、食パン「超熟」など59品目を約25%値上げている。

 食用油最大手の日清オイリオグループは、134月から食用油(キャノーラ油、サラダ油)やオリーブオイル、ごま油などを1sあたり30円以上値上げした。さらに同年7月にも食用油などを1sあたり20円以上げた。さらに、153月から家庭用の主力商品「BOSCO(ボスコ)エキストラバージンオリーブオイル」(500ミリリットル)を300円アップの900円前後に、同年4月から食用油を1s当たり30円以上またまた引き上げた。

 ファーストリテイリングの衣料品「ユニクロ」は昨年、一昨年と秋冬商品を2年連続で値上げしている。

 森永乳業は1310月から牛乳24品目を14%値上げ。さらに153月から牛乳やヨーグルトなど計55商品を28%再値上げした。

 明治は147月からチョコレート菓子の主力10商品の量を49%減らし実質値上げに踏み切った。さらに157月にもチョコレート製品14品目の内容量を約2~12%減らし、10品目の価格を1020%引き上げた。

 文房具大手キングジムは138月からファイルなど327品目を平均2割値上げした。さらに157月にも、ファイルやラベルなど計579品目を平均5.6%値上げした。

 また、牛丼チェーン「すき家」も154月から牛丼並盛りを291円から350円に大幅値上げした。(以上、朝日新聞より)

 その上、144月からは、消費税が5%から8%にアップしている。

 こういう状況の中、アベノミクスで景気はよくなる、と安倍自公政権は言い続けている。しかし、国民の平均給与は、安倍自公政権発足直後の131月時点の269,937円から、161月時点で268,872円と、逆に1千円下がっている(厚労省「毎月勤労統計調査」より)。

 サラリーが上がらないなかで、生活必需品はどんどん値上げしているのだから、家計に響くのは当然。なお、現状、下げ止まっているガソリンの国際価格が、もしも高騰すれば、国民の苦痛はさらに耐え難いレベルに達する。

 また、安倍自公政権のシンボルの株価は、実に売買の6割が外国人投資家で、株の保有率も外国人が3割を占めており(20158月付ダイヤモンド・ザイ電子版)、株高は日本人にはあまり恩恵はない。それに、もともと株価は、年金積立金などの国民の財産を投入して下支えしている上に、今年の暴落基調に入ってからは、多くの企業が自社株を買って株価を下支えしてしている。つまり、株が上がってもそれが日本経済を反映しているわけではない。

 こうしたことが明らかになる中、安倍自公政権は、にわかに来年予定していた消費税増税を、またぞろ先延ばしようとしている。産経新聞によると、政府は世界経済の悪化を延期理由にしたがっているようだが、真相はアベノミクスの失墜なのは明らかといえよう。しかも、安倍自公政権になってから、国の借金は途方もない領域に入った。その額は、実に政権発足直後1312月末時点の9972181億円から、1512月末時点で1,0445,904億円と、ついに1千兆円超に跳ね上がってしまったのだ。(国債、借入金、政府保証債務の合計、財務省HPより)。国の借金は、いまや国民1人当たり823305円、5人家族だと1世帯当たり4,1151,525円に達する。これも、甘利明前TPP相に象徴されるように、安倍自公政権が政官財癒着の鉄のトライアングルの利権にドップリ漬かって、歳出削減をしてこなかったからだ。

 果たして、これから先、アベノミクスに期待できるだろうか? 来る国政選挙では、そのことも、有権者に問われる。(佐々木奎一)


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2016年04月11日

「天下分け目の戦い」青野カ原の合戦


 平成二十八年四月四日、auのニュースサイト


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「「天下分け目の戦い」青野カ原の合戦」


を企画、取材、執筆しました。



 けさの毎日新聞に「天下分け目、青野カ原 合戦直後の文書に記載」という記事がある。この記事の冒頭には、こうある。

 「関ケ原の合戦の呼び名は当初、『青野カ原の合戦』だった?−−。京都市右京区の陽明文庫(名和修文庫長)に保管されていた古文書『前久(さきひさ)書状』に合戦直後の様子が詳細に記され、戦いの場所が『関ケ原』ではなく『青野カ原』と書かれていたことが分かった。合戦に関する戦記物などは多数現存するが、合戦直後の1次史料は非常に少なく、専門家は『当時の状況が分かる第一級の史料』としている」

 調査した石川県立歴史博物館館長の藤井譲治・京都大名誉教授(日本近世史)によれば、「前久書状は戦国時代の公家・近衛前久(15361612年)が記した。(中略)合戦5日後の慶長5920日に書かれたもので、徳川家康が江戸城を出発した日時や小早川秀秋の寝返りなど14項目にわたり、かなり正確に記述されていたことが判明した」という。

 そして、「藤井教授は書状に『青野カ原ニテノ合戦』と記載されていたことに着目。青野カ原は南北朝時代の古戦場として当時から知られていたことや、関ケ原から東北東約8キロの地点にかつて『青野村』(現・岐阜県大垣市青野町)があり、毛利家一族の吉川広家の自筆書状や『慶長記略抄』の狂歌にも関ケ原の戦いが『青野か原』と記載されていると指摘している。また合戦の当事者である家康が合戦当日に伊達政宗に書いた書状で『今十五日午刻、於濃州山中及一戦』と別の表記がされていることなどから、『当初は関ケ原の戦いという呼び方ではなかった』と推測している。『天下分け目の合戦』として定着している関ケ原の合戦だが、『関ケ原』の記述が出現するのは主に同年10月以降の島津家の古文書から。藤井教授は『情報量が豊富な今回の史料が出てきたことで、関ケ原の合戦の認識が変わる可能性がある』としている」という。

 定着した「関ケ原の戦い」という名が消えることはないだろうが、ひょっとしたら将来、歴史の教科書は、「関ケ原の合戦(青野カ原の合戦)」といった書き方になるかもしれない。

 なお、この国の歴史上、ほかに「天下分け目の戦い」といえば、驕る平氏が源氏に打ち負かされた「源平の合戦」があげられよう。

 ちなみに、現代も、二大政党制を志向した小選挙区制が導入されて以降、勝つ側は、オセロゲームのように圧倒的勝利をおさめることが多くなってきており、「天下分け目の合戦」の様相を呈している。

 ただ、よくいわれるように小選挙区制には、公認権、人事権などを持つ首相官邸の締め付けが強まり、議員の個性、主義主張が奪われるリスクがある。その象徴は、安倍政権である。それに比べ、中選挙区制では、今よりも国民の声を反映した議員、政党が増える作用がある。ただし、自分が支持する議員、政党がいたとしても、それは常に野党の側にいて、自民党だけが半永久的に与党のポジションにいる、というかつての政治に戻るおそれが多分にある。

 その点、小選挙区制には、驕る与党が、一夜にして惨敗して下野する、という政治のダイナミックスがある。好むと好まざるとにかかわらず、私たち有権者はそういう政治システムのなかにいる。(佐々木奎一)

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2016年04月05日

米国に核爆弾、韓国に公開処刑、最後通牒…北朝鮮

 平成二十八年三月二十八日、auのニュースサイト


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「米国に核爆弾、韓国に公開処刑、最後通牒…北朝鮮」


を企画、取材、執筆しました。



26日付の毎日新聞朝刊に「北朝鮮、燃料輸入急増 2月 制裁前に駆け込みか」という記事がある。それによると、国連安保理が対北朝鮮制裁を決議する直前の2月に、北朝鮮が中国から輸入した航空機用燃料(ケロシン)は、前月比約6倍の約2153トンに急増していたという。「北朝鮮が事前に禁輸を予想し、駆け込みで輸入を増やした可能性がある」という。

 ちなみに、元外務省主任分析官の佐藤優氏は、33日付のニッポン放送「高嶋ひでたけのあさラジ!」で、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁決議について、「効き目はないと思う」と言い、こういうことを言っていた。

 「制裁であの国を潰せる、ということはない。潰すときはピョンヤン空爆しかない。アメリカは、もし、北朝鮮が核とミサイルをつくったら、空爆するんだけれども、地下でつくっていますからね。核兵器もミサイルも。それは相当ピンポイントでスパイを入れておいて、ここでやっているというのをわからないと、バンカーバスター(地中貫通爆弾)落とせないんですよ。となると私の推定だと、それじゃあ、司令塔の人間殺しちゃった方がいい、と。だから、ピョンヤンの空爆の可能性の方が高いと思いますよ。そうすると、三沢からやりますからね。向うだって黙ってないですからね。そうすると、日本国内で不慮の事態が起きる可能性もある」

 ちなみに、現在、朝鮮半島では37日から430日まで米韓の合同軍事演習が行われており、その規模は史上最大で、演習は当初から異例の秘密主義が敷かれているという。(328日付週刊プレイボーイ電子版より)

 そうしたなか、北朝鮮専門ニュースサイト「ジャパン・デイリーNK」によると、北朝鮮は323日、重大報道と称し、こう発表した。「わが共和国に反対する米国と朴槿恵(パク・クネ)逆賊一味の無分別な軍事的挑発妄動が極境界線を越えている321日には、米帝の煽りを受けた傀儡軍部の好戦狂どもが、空中対地上誘導弾を搭載した16機の戦闘爆撃機編隊群を動員して、われわれの最高首脳部の執務室を破壊するための極悪非道な「精密打撃訓練」なるものを敢行した」

 ここでいう「最高首脳部の執務室を破壊」とは、佐藤氏のいうところの「司令塔の人間を殺す」に当たるものといえよう。

 それ以降、北朝鮮の言動はかつてなくエスカレートしている。325日には、朝鮮中央通信が、金正恩第一書記が「青瓦台(※韓国大統領府)とソウル市内の反動統治機関を撃滅、掃討するための朝鮮人民軍(※北朝鮮軍)前線大連合部隊の長距離砲兵大集中火力打撃演習」を指導した、この演習は「『精密打撃訓練』を公開的に行った朴槿恵逆賊一味の本拠地であるソウル市を火の海にするため」であり、「米帝と傀儡逆賊一味に最も悲惨な滅亡を与えようとする白頭山銃剣の威力を再度全世界に誇示する」ことが目的だとした。

 さらに326日には、「朴槿恵とその一味はあえて天下非道な希代の大逆罪を犯した」とし、「全同胞に謝罪しろ、それだけが汚い余命でも維持できる最後の方策となる」「朴槿恵とその一味は天人共に激怒する『核心部打撃』を考案し、その実行を夢見ようとした」として「全同胞の前で公開処刑せよ、それだけが悪の本拠地である青瓦台と反動統治機関が懲罰の砲火を免れられる最後の機会になる」「朴槿恵とその一味がわが軍隊の最後通牒に応じないなら、前線大連合部隊長距離砲兵隊は無慈悲な軍事行動へ移ることになる」「活路はただ一つ、わが軍隊の最後通牒を謙虚に受け入れることだけである」と、最後通牒通告した。 

 さらに同日、北朝鮮は、潜水艦発射核ミサイルが米首都ワシントンを破壊し、星条旗が炎に包まれる様子を写した「最後の機会」と題するプロパガンダ映像を公開。4分間のこの映像には、「もしも米国の帝国主義者が我々に1インチでも近づいてきたならば、我々は直ちに核兵器で米国を攻撃する」といい、CGで雲の中を飛んでいくミサイルが方向転換してワシントンのリンカーン記念館の前の道に激突し、衝撃で爆発する連邦議会議事堂が映し出されている。

 このように、きな臭い話になってきている。しかも、前述のように「日本国内ですはは不慮の事態が起きる可能性もある」という指摘もある。日本は、自国の防衛に徹する必要がある。(佐々木奎一)



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2016年03月30日

スマホゲーム数時間で70万円超の実態

 平成二十八年三月二十五日、auのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「スマホゲーム数時間で70万円超の実態」


を企画、取材、執筆しました。




 けさの朝日新聞に「『ガチャ』課金、上限5万円に 業界団体が自主規制」という記事がある。それによると、スマホ向けソーシャルゲームで高額な課金が問題になっている有料くじの「ガチャ」について、業界団体「日本オンラインゲーム協会」は24日、自主規制の改正ガイドラインをまとめたという。内容は「ガチャで希望するアイテムを得るまでの総額は1回あたりの課金額の100倍までで、上限額は5万円」などというもの。

 この自主規制の発端となったのは、昨年の大みそかから年越しにかけての、一人のゲーマーの行為だった。そのことはジャパンタイムズ314日付の記事(ブルームバーグ配信)に詳しい。それによると、サイバーエージェントの子会社サイゲームスは、同社のスマホゲーム「グランブルーファンタジー」で、アンチラというレアなキャラクターなどが、年末年始イベントにより、課金によりゲットできる確率がいつもより高くなっている、と宣伝をした。そうした中、昨年末の大みそかの午後9時頃、タステというオンライン名の人物が、動画ニコニコ生放送で、アンチラを引くまで課金をやめない、と宣言し、衆人環視の下、課金を続け、年越しの午前3時ごろに、やっとアンチラというキャラクターを得た。それまでにかかった金額はなんと約70万円だった。ほかにも80万以上を使い込んだという者など、このゲームで財産を失ったという者がその様子をビデオ投稿する事態が頻発して物議をかもし、消費者庁に規制をもとめる署名は2000筆に達した。この動きに対し、サイゲームスは当初は無視していたが、数週間後、謝罪して顧客の一部に対して、賠償した。バーチャルマネーで。

 ちなみに、サイゲームスは業界3位で、その上には、ミクシィ、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)が存在する。そして、マッコーリー証券によると、ミクシーのモンスターストライクというゲームにユーザーが一か月に支払う平均額は42千円に上り、ガンホーのパズル&ドラゴンズへの同平均額は6,200円という。要するに、ゲーマーに大枚をつぎ込ませているのは、サイゲームスだけではない。

 そもそも、ゲーム業界は、2012年に課金システムのコンプリートガチャというシステムが社会問題化し、自主規制を敷いた。が、今回のグランブルーファンタジーの場合は、イベントガチャといって、コンプリートガチャとは微妙に違うという理由で、規制を免れていた。

 そうした中、今回、新たに自主規制を4月から始めるというのが冒頭の話だが、記事にある「ガチャで希望するアイテムを得るまでの総額は1回あたりの課金額の100倍までで、上限額は5万円」というのは、裏を返せば、アイテムの数を膨大に増やせば、結局、中毒的なゲーマーは5万円上限のキャラをたくさん得るた、結局、莫大な金をつぎ込むであろうことは想像に難くない。ゲーム破産者を続出させる国でよいだろうか?(佐々木奎一)

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2016年03月27日

川崎老人ホーム転落殺人事件にみる「変死」の闇

 平成二十八年二月十九日、auのニュースサイト


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「川崎老人ホーム転落殺人事件にみる「変死」の闇」


を企画、取材、執筆しました。



 今日の日本経済新聞に「『殺すつもりで部屋に』、老人ホーム転落死、容疑の元職員供述」という記事がある。それによると、川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」での老人3人の連続転落死事件により殺人容疑で逮捕された元職員の今井隼人氏(23)が「殺すつもりで部屋に行った。(寝ていた87歳の)男性を起こしてベランダに連れて行き、抱き上げて投げ落とした」「人目に付かない裏庭に投げ落とした」と供述しているという。

 この事件は1411月に、入所者の男性(87)が4階ベランダから落ちて死亡、同年12月上旬には女性(86)が4階から、同月下旬には女性(96)が6階から転落した事件。いずれも午前150分から同417分までの未明の時間帯に119番通報があり、死亡が確認されていた。

 ちなみに、神奈川県警は、各転落死について現場検証の結果、「事件か事故かの見極めがついていない『変死事案』として扱っており、遺体の表面を調べる検視は行ったものの、詳しく死因などを調べる司法解剖や薬物検査は行わなかった」(216日付読売新聞夕刊より)。そして、三人目の死亡時にやっと、同じ老人ホームで転落死が相次いでいることに気付いた。

 ここに日本の犯罪の闇がある。そのことは216日付ジャパンタイムズに詳しい。同紙によると、悪名高い京都府向日(むこう)市の筧(かけひ)千佐子(68)が、10人以上の男性と再婚・交際を重ねて死別を繰り返し、計8億円以上を譲り受けていたが、交際した男たちのうち少なくとも8人を青酸化合物などで殺していたことが判明した。

 そして、この8人のうち、実に6人に対して司法解剖が行われていなかった。

 「司法解剖」とは、当初から明らかな犯罪死体、検視の結果明らかになった犯罪死体、検視によっても死因の究明が困難な変死体について、死因、創傷、病変、死後経過時間等の究明を目的に、死体解剖を行うことをいう。解剖医の資格は必要とはされないが、実際上は、大学医学部又は医科大学の法医学教室の教授又は助教授に嘱託されている。(「我が国の検死制度―現状と課題―」(中根憲一、国立国会図書館))

 また、警察庁の2014年の統計によると、変死のうち司法解剖しているのは11.7%のみ。これは同年のイングランドとウェールズの40%、スウェーデンの95%より格段に低い。しかも、日本政府は今年までに変死の司法解剖率を20%まで上げると公約していた。

 千葉大の法医学の岩瀬博太郎教授は、「日本の低い司法解剖率は、犯罪が見のがされている可能性が高いことを意味する」と指摘している。

 日本のいくつかの大学の法医学は、崩壊寸前で、日本法医学会によると、47都道府県中、20は司法解剖を行っている教授がたったの一人だけという。つまり、法医学の医師の不足が、低い死体解剖率の原因である。

OECD(経済協力開発機構)によると、殺人事件の発生率は、日本は10万人のうち、わずか0.3人。アメリカの5.2%、フランス0.6%、ドイツ0.5%と較べても日本は低い。

 警察庁の数値によると、日本の殺人と殺人未遂事件の数は、年々減少傾向にある。しかし、低い司法解剖率が、日本の正確な殺人の数を隠しているというわけ。

 岩瀬教授によると、死体の損傷が激しい場合は、司法解剖の実施は困難なうえ、死後2日以内にはやらなければならない。また、そうした解剖医は、C型肝炎やHIVのハイリスクに直面する。それでいて、解剖医の報酬は、町の小さい病院の医者よりも少ない、という。

 そのため、法医学は人が集まらず、それにより変死で死体解剖をしない結果、殺人事件の犯人の野放し、という悪循環に陥っている。このように、記事にはあった。

 ではどうすればよいか――。例えば、法医学の医者のサラリーを、医師平均の510倍に引き上げるというのは、どうだろうか。(佐々木奎一)


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2016年03月24日

クロ現キャスター「伝えることが難しくなってきた」

 平成二十八年三月二十二日、auのニュースサイト


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「クロ現キャスター「伝えることが難しくなってきた」」


を企画、取材、執筆しました。



18日付の朝日新聞朝刊にキャスターの顔写真入りで、「『物事を伝えることが次第に難しくなってきた』『クロ現』最終回、国谷さんコメント」という記事がある。それによると、1993年に始まったNHKの報道番組「クローズアップ現代」が17日、最終回となり、国谷裕子キャスター(59)が番組の最後で『長い間本当にありがとうございました』とあいさつした。またNHK広報局を通じ、『時代が大きく変化しつづける中で、物事を伝えることが次第に難しくなってきましたが、今日という日を迎えて、自分の人生に大きな区切りをつけることが出来たとの想いです』とコメントした」という。

 クローズアップ現代については当コーナーの14725日付でも不穏な動きがあることを紹介した。それは、同年73日放送の同番組で、集団的自衛権について、菅義偉官房長官が説明を続けた後、国谷氏が、「集団的自衛権を行使した場合、第三国を攻撃したことになる。第三国からみれば、日本から先制攻撃を受けたことになる」と質問。菅氏が反論すると、「しかし」「しかし」と食い下がり、番組終了間際には、国民の不安をどう払拭していくのか、との問いに、国会で説明する、と繰り返す菅氏に対し、国谷氏はダメ押しで、「しかし、解釈変更したことへの違和感や不安をどうやって払拭していくのか」と食い下がり、菅氏が「国会で」と言っているなかで番組は終わった。

 このシーンについて、711日付の「FRIDAY」によると、番組の直後に、近くに待機していた官房長官の秘書官が「いったいどうなっているんだ」とつかっかかってきて、国谷氏が食い下がってきたことに文句を言ったという。さらにその数時間後には、再び官邸サイドからNHK上層部に「君たちは現場のコントロールもできないのか」と抗議が入り、局上層部が「誰が国谷に『こんな質問をしろ』と指示を出したのか」と犯人探しを始めたという。放送終了後、国谷氏は居室に戻ると人目もはばからずに涙を流していたという。

 このように早くから自公政権に目をつけられていたと見られる国谷氏は、「物事を伝えることが次第に難しくなってきました」と言い遺しキャスターを降板した。

 ほかにも、TBSNEWS23」のメーンキャスターで、安保法案成立直前の916日放送で「メディアとして(安保法案の)廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」と発言し、全面広告で名指し批判された岸井成格氏も降板したりしている。

 振り返れば安倍自公政権になって以来、NHKの経営委員を安倍氏の息のかかったメンバーで固めたり、就任会見で「政府が右ということを左というわけにはいかない」と言い放つ籾井勝人氏をNHK新会長に据えたり、昨年6月には、安倍晋三首相に近い自民党議員の勉強会で作家の百田尚樹氏を招き、その席で、安保法案に対する報道機関の姿勢を批判する意見が噴出し、出席議員からは「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせばいい。文化人が経団連に働きかけてほしい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」などの声があがり、さらに、『沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と百田氏が発言したりした。

 つい最近も、高市早苗総務相が、政治的に公平でないテレビ番組があれば電波を停止する、という趣旨の恫喝発言をして物議をかもしたばかり。

 こうした一連の流れについて、アメリカでも懸念が高まっている。今月5日付のワシントンポスト電子版の社説では、上記の一連の安倍政権のメディアへの締め付けを指摘したうえで、国境なき記者団の報道の自由度ランキングで日本が世界180か国中、2010年時点で11位だったのが、安倍自公政権になって急落し15年には61位にまで陥落したことを取り上げている。

 そして、社説では、第二次世界大戦後の日本の最大の誇りは、経済のミラクルではなく、報道の独立を含めた自由主義制度を確立したことである、ミスターアベがいかなるゴールを目指すによ、この自由主義制度を犠牲にすることだけは絶対にあってはならない、と論述している。

 これは同盟国として、日本のことを心配したものといえよう。ちなみに、ワシントンポストのいう、自由主義制度の根幹は、いうまでもなく日本国憲法だが、周知のように安倍自公政権は、この憲法を、押し付け憲法といって忌み嫌い、戦時中の大日本帝国憲法のようなものに戻そうとしている。そのことは自民党のHPの憲法改憲草案に公開している。そして安倍は、今夏の国政選挙で大勝した暁に、いよいよ憲法改正に着手すると明言している。こういう状況で、もしも安倍自公政権が選挙で大勝し、ワシントンポストの忠告も空しく、日本国民の自由が大幅に制限される憲法ができる事態となってはじめて反対の声をあげても、時すでに遅し、である。われわれ国民は、選挙で意思表示をするしかない。(佐々木奎一)

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2016年03月22日

党名「民進党」直後に、安倍首相が年内解散示唆

 平成二十八年三月十八日、auのニュースサイト


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「党名「民進党」直後に、安倍首相が年内解散示唆」


を企画、取材、執筆しました。



 今週月曜(14日)の当コーナーは、野党の新党名がどうなるか14日中にも決まる見通しであることを紹介したが、結局、民進党に決定した。

 民主党と民進党では、「みんし」まで一緒で、「ゅ」と「ん」の違いでしかない。なので、「民共勢力に決して負けるわけにはいかない」と息巻いていた安倍晋三氏は、ひょっとしたら、名前はほとんど変わっていないに等しいし、これなら衆参同日選挙をやっても勝てると踏み、ガッツポーズで小躍りして喜んだかもしれない。

 実際、こういう記事が、けさの日本経済新聞にある。それは「首相、年内解散を示唆?、『今年は大切な年、想像つくのでは』」という記事。

 それによると、安倍首相は都内のホテルで開いた日本商工会議所の会合でのあいさつで、「今年は大切な年になる。中身についてはあえて言わないが、だいたい皆様には想像がつくのではないか」と言い、会場をどよめかせたという。「永田町の目下の関心は首相が衆院を解散し、7月の参院選が衆参同日選になるか。会場のどよめきは、解散権を持つ首相の思わせぶりな発言を『年内解散予告』と受け取ったためだ」という。

 こうなってくると、安倍自公政権が選挙で大勝した後に必ずやってくる改憲の動きに危機感を抱く有権者にとっては、たとえ民進党に心もとない点があったとしても、曲りなりにも、民主党が解党して、新しい党になるのは事実なのだし、課題は将来に託して、民進党を育てていくのが現実的な選択ではないか。

 一方、野党の台風の目である共産党は、ますます元気がよい。たとえば昨日付の朝日新聞朝刊の記事「共産、野党共闘へ新ポスター」によれば、共産党は16日、参院選に向けて、民主党など他の野党や市民との連携を強調した新しいポスターを発表したという。それは「力あわせ、未来ひらく」というもので、ポスターのお披露目をする「山下芳生書記局長は『政治を変えたいと願う多くの人々と手を結んで、力を合わせる』と語った」という。共産党は安保法制廃止に向けて他の野党や国会前でデモを行う市民団体との連携を重視しており、「山下氏は『参院選の構図は『野党+市民VS.与党+補完勢力』だ』と述べた」という。

 いうまでもなく、いまの小選挙区制の選挙システムでは、1票でも多い方が勝ち、それ以外は死票になる。そのため、野党がばらばらで弱ければ弱いほど、与党の一人勝ちとなり、与党のやりたい放題になる、ということがここ数年で証明された。そのため、弱体野党が結集して与党に対抗しようとしている、というのがいまの構図だ。

 いやがおうでも、有権者は、次の国政選挙で、与党勢力か、野党勢力か、選ばなければならない。あるいは選挙を棄権した場合は、それはこの国の未来を、他の有権者に白紙委任したに等しい。(佐々木奎一)

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2016年03月18日

福島原発事故による放射性食品と風評被害論

 平成二十八年三月十一日、auのニュースサイト


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「福島原発事故による放射性食品と風評被害論」


を企画、取材、執筆しました。



 東日本大震災の発生から丸5年となる今日の各紙朝刊は、大震災にまつわる記事を多々載せている。そのなかで、けさの毎日新聞にこんな記事があった。それは「『福島県産ためらう』依然15%」という記事。

 それによると、消費者庁は昨日、「福島第1原発事故による放射性物質の風評被害に関する今年2月の意識調査結果を発表した。放射性物質を理由に福島県産の食品購入をためらう消費者は15.7%で、昨年8月の前回調査を1.5ポイント下回った。減少傾向だが、『ためらう人』は依然として1割を超えている状況が浮かんだ」という。

 このように「風評被害」と、行政等はいう。しかし一方で、食品の内部被爆を懸念する声もある。例えば「東京が壊滅する日 フクシマと日本の運命」(著:広瀬隆/ダイヤモンド社)には、体内で濃縮を起こす内部被爆のリスクについて、こう書いてある。「誰もが知っているように、カルシウムは骨をつくる元素である。そしてストロンチウムは、原子の構造がカルシウムと似ているため、カルシウムと行動を共にする傾向がある。したがって海で魚に取り込まれた放射性物質は、魚の体内で数千倍にも濃縮され、魚や人間の骨に蓄積される。これが『魚粉』に加工されて牛や豚の家畜飼料となり、小魚であればニボシになって、すでに食卓に侵入してきているのだ。カルシウムに似たストロンチウム90が人間の体に入ったあと、骨に運ばれてゆき、骨に固定される。われわれ人間は、その背骨の中で血液をつくっている。こうして骨に一旦固定されてしまうと、容易に排出されずに、血液をつくる骨髄(背骨)に強い放射線を浴びせ続けることになる。(略)放射線を出すストロンチウムが濃縮されれば、骨髄で生産される白血球のいくつかが、その影響を受けて癌細胞になる。この異常の発生する割合が高くなり、人体が持っている修復機能を超えて、癌細胞が血液中で増殖しはじめ、正常な白血球に打ち勝った時、ナダレ現象のように白血球の疾患があらわれる」

 こうした.内部被爆の影響は、身体の大きさ、食事の量、病弱かどうか、性別、年齢、人種などの個人差があり千差万別だが、特に骨が発達する育ち盛りの世代(幼稚園児、小中高、大学生)や、妊娠中の女性は内部被爆の被害を受ける可能性が高い。が、現行の規制基準は、高齢者も妊婦も、乳児以外の子供も一律、1kg当たり100ベクレルであるため、「基準値を大幅に引き下げるよう、日本政府に要求する国民的運動が必要である」と指摘している。

 なお、同氏のダイヤモンドオンラインでの指摘によると、東京都文京区の順天堂大学付属順天堂病院・血液内科の「外来新規患者数およびその内訳」表によれば、放射能被曝と関連の深い「急性白血病」の患者数は、2011年に比べ2013年は2.2倍に疾患が急増。また、白血病等の血液関連のガンに関連する「骨髄異形成症候群」による入院患者数を見ても、NTT東日本関東病院が2010年に比べ2013年は2.9倍、千葉大学医学部付属病院では2.7倍、武蔵野赤十字病院では5.5倍に激増している。また、東北労災病院では、放射能被曝と関連のある白内障手術数が、2010年から2012年に約2倍に急増しているという。

 こうしたことに言及すると、往々にして「風評被害」とのバッシングを受けるのは、周知の通り。だが、海外では、韓国、中国、ニューカレドニア、レバノンが、福島県や関東近県等のすべて、あるいは、ほとんど全ての農水産物を輸入停止。アメリカ、ロシア、シンガポール、フィリピン、香港、マカオ、台湾も、福島県や関東近県等の、一部の食品を輸入停止している。また、インドネシア、アルゼンチン、エジプトなどでは、日本の全ての食品に対し、放射能の厳格な検査証明書を要求。EUやブラジルは、福島県や近県の食品の証明書を要求している。(農水省の「諸外国・地域の規制措置(平成28226日現在)」)

 こうしたことを、当の日本人のほとんどが知らないというのは、風評という言葉にかこつけて、現実から目をそらしている、といわれても仕方がないのではないか。(佐々木奎一)

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2016年03月17日

にわかに和解した辺野古訴訟にみる政府の真意

 平成二十八年三月七日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「にわかに和解した辺野古訴訟にみる政府の真意」


を企画、取材、執筆しました。



 けさの毎日新聞に「内閣支持ポイント減42% 辺野古 工事中止評価59%」という記事がある。それによると、同紙が56日に全国世論調査を実施したところ、安倍内閣の支持率は1月の前回調査から9%減の42%、不支持率は8%増の38%となったという。支持しない理由で最も多いのは「政策に期待できない」が56%(前回55%)。また、今月末に施行する安全保障関連法について、「評価しない」は49%と、支持率低下の要因となっている。

 他方、先週金曜(34日)に、にわかに和解となった、政府と沖縄県の普天間飛行場の移設計画に関する「代執行訴訟」等については、「政府の和解案の受け入れを支持する」が59%に上った。

 つまり、この和解は支持率下落の歯止めになった。和解がなければ、支持率は、底が抜けたように落ち込んだことだろう。

 そもそも、この和解は、選挙対策と見られている。例えば、各紙には「沖縄県議選(527日告示、65日投開票)や参院選を控え、与党内には沖縄県民の反発を和らげる手だてが必要だとの指摘があった。自民党幹部は4日、『これで静かに選挙を迎えられる』と安堵の表情を見せた」(読売新聞)、「政権幹部は『受け入れは『選挙向け』という理由もある』。6月の沖縄県議選や夏の参院選を控え、『工事中断』の判断が有利に働くとの見方だ。別の政権幹部は『和解案に基づく決着には1年くらいかかるだろう』との見通しも示す。その間、工事を中断させておけば、『少なくとも選挙に悪い影響は出ない』と分析する」(朝日新聞)などとある。

 ちなみに、一連の訴訟の経緯をざっくりとまとめると、こうなる。

201312月、仲井真弘多(なかいま ひろかず)沖縄県知事が米軍普天間飛行場の移設先として辺野古の埋め立てを承認。

151013日、翁長(おなが)雄志・沖縄県知事が、辺野古の埋め立て承認を取り消し。

 同月27日、“石井啓一国交相が承認取り消しの効力の一時停止”を決定。

 同年112日、翁長知事が、効力の一時停止を不服として、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出。

 同月17日、国交省が、承認取消しの撤回を求めて代執行訴訟を提起。

 同年1224日、国地方係争処理委員会が、翁長知事の審査申し出を却下。

 同月25日、沖縄県が、埋め立て承認取り消しの効力を一時停止した国交省の決定取り消しを求めて提訴。

16129日、代執行訴訟で福岡高裁那覇支部が和解を勧告。

 同年21日、翁長知事が、国地方係争処理委員会の却下を不服として、国交相決定の取り消しを求めて提訴。

 同月29日、代執行訴訟と国地方係争処理委員会を巡る訴訟が結審。

34日、和解が成立。

 こういう流れになっている。(読売新聞より)

 そして、今回の和解の趣旨は、上記三つの訴訟を同時並行で争い、対立が泥沼化していたため、。訴訟すべてをいったん取り下げ、政府に移設に向けた工事を中断するよう要請。そして、両者は問題の解決に向けて協議し、仮に協議が調わず再び訴訟となった場合は、訴訟は一つだけに絞る、というもの。(朝日新聞)つまり、問題が先送りされたというわけ。

 なお、一連の乱立した訴訟のきっかけは、地方自治の本旨により、翁長知事が、辺野古の埋め立て承認を取り消したのに対し、沖縄防衛局が執行停止を申し立て、その申立てに基づき、“石井啓一国交相が承認取り消しを決定”したことにはじまる。

 この沖縄防衛局の申立てと国交省の決定は、行政不服審査法に基づく。しかし、本来、同法は、行政庁の違法、不当な公権力の行使に対し、国民の権利利益の救済を図ることを目的としている。つまり、政府が申し立てることは、まったく想定していない。

 それなのに政府機関が申立てをして、当の政府の大臣が判断する、という、政府による自作自演の決定となっている。(参考:沖縄弁護士会「辺野古新基地建設にかかる沖縄県知事の公有水面埋立承認取消処分の尊重を求める決議」より)

 このように地方自治の本旨と民意を無視してきた安倍自公政権が、選挙目当てで、一転して和解に転じた。これは、例えるなら、散々暴力を振っているDV夫が、急に優しくなったようなものである。しかも、安倍晋三首相は、和解後に、「辺野古への移設が唯一の選択肢であるという国の考え方に何ら変わりはない」と発言しているので、前述のたとえでいうと、またDVをします、と宣言しているような状態。これが評価に値するだろうか?(佐々木奎一)
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2016年03月16日

世界で批判を浴びる特定秘密保護法と違憲訴訟

 平成二十八年二月二十六日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「世界で批判を浴びる特定秘密保護法と違憲訴訟」


を企画、取材、執筆しました。



 けさの毎日新聞に「特定秘密保護法の無効確認却下」という記事がある。

 特定秘密保護法といえば、つい2日前の水曜日にも、世界最大規模の国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルが、年次報告書のなかで、日本の特定秘密保護法について、国家が保持する情報にアクセスする権利を“途方もなく妨げている”と批難している。24日付のジャパンタイムズの記事(共同通信配信)によると、アムネスティ・インターナショナルの東アジア担当ディレクターのニコラス・ベクリンは、「日本は“批判と反対を許容できない不寛容さが増している”」と指摘。

 年次報告では、日本の国家権力が、明白で正当な根拠がないまま、情報を隠ぺいしている、といい、秘密保護法の“監視が欠落”している点と、特定秘密に触れると最高で懲役10年の罰則を科せられる、という“恐れ”から、ジャーナリストが公共の利益にかなった問題を報じなくなる、という懸念を持っている、と表明したばかり。

 この特定秘密保護法について、けさの記事では、「憲法の基本原理に違反しているなどとして、静岡市の藤森克美弁護士(71)が国を相手に同法の無効確認と施行差し止めなどを求めた訴訟の判決で、静岡地裁は25日、原告の請求を退けた。判決で細矢郁裁判長は『請求は抽象的で、権利、利益侵害が具体的に明らかになっていない』とし、法律の無効確認を求めた部分を却下、施行差し止めや慰謝料の請求を棄却した。藤森弁護士は控訴する方針」という。

 要するに、違憲訴訟を起こして却下された、というニュースである。ちなみに、安倍自公政権が産み出した法律に対する違憲訴訟は、安保法制も特定気持つ保護法と同様に却下されるケースが続出している。そのことについて、慶應義塾大名誉教授の小林節氏は、こういう趣旨のことを述べている(2015121日の横浜市内での講演にて)。

 安保法制に関する違憲訴訟は、啓蒙活動としてやりますが、あまり期待していない、私は、統治行為論で博士論文書いたが、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツの違憲審査権の判例の確立された見解で、戦争の問題は選挙で選ばれていない15人の裁判官が決めることではないんです。人民が決めることなんです。つまり、人民から直接選ばれた国会議員とそこから選ばれた内閣が決めることで、内閣と国会で決めたことを、次の選挙で人民がどう裁くかが、全て。

 このように言っていた。なお、ここでは安保法制を引き合いに出しているが、特定秘密保護法も、もともと戦中の「軍機保護法」をモチーフにしている。軍機保護法とは、軍事機密を漏らしたら最高で死刑という法律。要するに、特定秘密保護法も、戦争法の一環で機能しているので、安保法制と同じように、違憲訴訟を起こした場合、「戦争の問題は裁判官が決めることではない」という法理が働くことが予想される。

 前出の小林氏は、こうも述べている。憲法訴訟をやって最高裁まで4年かかる、4年かかっている間に必ず参院選挙も参院選挙もある。そこで勝てばけりがつく。勝ち目のない違憲訴訟で負けいくさをして、時間、労力を費やすよりも、私は選挙で勝たせる運動をしている。政治の過失は政治で取り戻す、つまり、選挙で勝つしかない。

 折しも、野党は新党を立ち上げている予定となっている。われわれは日本国憲法を護っていくのか、それも捨てるのか――。そのことが、きたる国政選挙の最大の争点となっていくことだろう。(佐々木奎一)
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2016年03月14日

野党結集に批判ビラ…意識しまくりの安倍首相

 平成二十八年三月十四日、auのニュースサイト


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「野党結集に批判ビラ…意識しまくりの安倍首相」


を企画、取材、執筆しました。



13日付の日本経済新聞朝刊に「首相『民共に負けない』、参院選など控え対決姿勢」という記事がある。

 それによると、安倍晋三首相は12日、党本部で開いた全国幹事長会議で、7月の参院選や4月の衆院補選について「自民、公明両党と民主、共産両党の対決になる。民共勢力に決して負けるわけにはいかない」「多くの主要区で共産党が候補者をおろし、民主党と協力して戦いを挑んできている」と述べ、民主、共産両党の連携をけん制しながら、対決姿勢を強調したという。

 この発言以外にも、安倍自公政権は、ここ最近、異様に野党に対抗意識を燃やしている。その象徴が、ビラである。10日付の朝日新聞朝刊によると、自民党は今夏の参院選用に、野党5党が進める統一候補擁立を批判するビラを作成したという。そのビラは、赤字の大きな見出しで『野党統一候補』=『民共合作候補』と主張し、理念も政策も違う民主、共産両党がタッグを組むと強調し、「『理念なき民主党』と『革命勢力・共産党』の打算と思惑の産物」と批判したりしているという。

 まるで、左翼団体のビラのようである。時の政権が、弱小野党にここまで対抗意識を燃やし、ビラを撒いて批判するのは、異例である。もはや、与党なのか野党かわからない姿といえよう。

 さらに、12日付の同紙朝刊によると、「自民党は11日、発生から5年を迎えた東日本大震災と東京電力福島第一原発事故について、当時の民主党政権の初動対応を検証する党内チームの立ち上げを決めた」という。

 建前上の目的は、将来の震災や原発事故に備え、教訓にするというものだが、きたる国政選挙に向けての野党批判というのはミエミエである。

 だが、ズブズブの原発村の癒着にまみれ、安全神話を産み出し、津波対策を怠り、福島第一原発事故を招いた張本人は、自民党である。しかも、自公政権は、その反省もないまま、今まさに次々と原発再稼働をして、同じ轍を踏むリスクをおかしている。要するに、この検証チームという名の批判装置は、そのままブーメランのように自民党に返ってくるのは必至といえよう。

 こうした一連の動きは、裏を返せば、それほど野党の新党結成、統一候補に、安倍自公政権は脅威を感じて焦りまくっている、ということであろう。

 ちなみに、安倍首相は「民共」対「自公」の戦いだ、と息巻いているが、それは昨日までの話になるかもしれない。というのも、11月付の朝日新聞朝刊によると、「民主党と維新の党は10日、合流に伴う新しい党名の最終候補を決めた。民主が『立憲民主党』を、維新が『民進党』をそれぞれ提案。焦点は『民主』の名前が残るかどうかで14日にも決定する」という。

 当記事の執筆時点では、最終的にどういう党名になるのかはっきりしていないが、ひよっとすると、足して二で割る形で、立憲民進党になるかもしれない。その場合、略称は、どうなるであろうか――。

 略称を民進とした場合、民主党と民進党で比較すると、実に「みんし」まで一緒で、「ゅ」と「ん」の違いでしかない。これでは何もかわっていないに等しい。全然一新したことにならない。そう考えると、略称は、「立憲」に落ち着くことになるのではないか。

 また、仮に立憲民主党になった場合、略称が民主党では、代り映えゼロなので、やはり「立憲」になるはずである。

 そして、略称「立憲」になった場合は、安倍首相のこれまでの常套手段だった、民主党政権のときはひどかった、といういつもの批判に対し、「立憲という政党に生まれ変わった、もう同じ轍を踏まない」と、言い返せる。しかも、「立憲」という党名をいうたびに、立憲主義を無視する安倍自公政権に対するまっとうな批判になり、野党の勢力が増す要因となる。

 さらに、そうなると、冒頭の、安倍首相のいう民共対自公は、「立共」対自公に変わる。そして、「リッキョー」という音の響きは、多くの国民にとって立教大でなじみがあり、印象はそんなにわるくない、という人は多いはすだ。少なくとも、ジコーという響きよりは好印象のはずである。要するに、安倍自公政権が狙っている民主党と共産党に対する多くの国民のアレルギーを、「リッキョー」という名は払拭する効果があるのではないか。

 今日にも決まるとされる新党の党名と略称が、どうなるか、注目したい。

 (佐々木奎一)


PS 続く……

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2016年03月10日

安倍首相「任期中に憲法改正」と自民党改憲草案

 平成二十八年三月四日、auのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「安倍首相「任期中に憲法改正」と自民党改憲草案」


を企画、取材、執筆しました。



 けさの日本経済新聞に「憲法改正争点化、与党からも懸念、『まずは経済』『もっと理解深めて』、首相『国民に判断してもらう』」という記事がある。

 それによると、2日の参院予算委員会で安倍晋三首相が、憲法改正は「私の在任中に成し遂げたい」と明言したことで、与党内では「7月の参院選で憲法改正が争点になるのは得策ではない」という理由で波紋を広げているという。例えば、自民党額賀派の額賀福志郎会長は「今の優先順位は日本がデフレ脱却し、経済力をつけることだ」と言い、公明党の漆原良夫中央幹事会会長は「バラバラの野党に結集軸を与え、利用されることになりはしないかと心配している」と言い、菅義偉官房長官は「首相の発言は一般論を言われたのだろう」と火消しに走ったという。

 このように争点化を避け、選挙が終わった途端に、豹変して改憲しよう、というのは、政治家としてもっとも卑怯な態度といえよう。では、安倍首相は、堂々と国民に提示しているのかというと、そうではない。

 安倍首相は、「緊急事態条項」といって、外国からの攻撃や大規模なテロ、大災害などの発生時に、首相に権限を集中させ国民の生活を規制することを憲法発議しようと考えている。だが、これは、とばぐちでしかない。

 安倍首相の本当にやりたい改憲の中身は、「自民党の改憲草案」に書かれていることなのである。その証拠に、つい先日1日の衆院予算委員会でも安倍首相は、「(自民党の改憲)草案と党総裁である私が違うことはあり得ない」と一体化を強調し、「私たちはこういう憲法を作りたいと思うから出した。自民党の議論に沿う方向でいけばそれが一番いい」と明言している。(1日付日本経済新聞電子版より)

 ここまで言っておきながら、自民党の改憲草案の中身を、国民に真正面から問うていない。ここが、安倍首相の政治家として卑怯な点である。

 では、自民党の改憲草案は、どんな内容なのか――。それについては15630日付の毎日新聞夕刊の記事「自民党改憲案 アノ独裁国家そっくり?」に詳しい。それによると、自民党が掲げる憲法改正草案は、北朝鮮や中国の憲法と似ているという。例えば、以下の各条文は、どこの国の憲法かおわかりだろうか?

 (1)「公民は国家の法および社会主義的生活規範を守り(中略)尊厳を守らなければならない」

 (2)「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」

 (3)「国民は憲法および法律を順守し(中略)社会の公徳を尊重しなければならない」

 要するに、これらは「国民は憲法を守れ」と書いてあるわけだが、実は(1)は北朝鮮憲法82条、(2)は自民党憲法改正草案102条、(3)は中国憲法53条である。

 「今の憲法にこんな規定はないし、主要7カ国(G7)首脳会議参加国のうち米国、英国、フランス、カナダにもない。残り2カ国、ドイツ、イタリアはナチズムやファシズムへの反省という歴史的理由から、自由や民主主義をうたう憲法の擁護義務を国民に課している。ちなみに韓国や豪州はもちろん、旧大日本帝国憲法にもない条文なのだ(ただし憲法発布時の『勅語』には『臣民は憲法に対し従順義務を負う』とある)。

 「『ここに自民党の目指す国家像が透けて見える』と指摘するのは、憲法学を専門とする早稲田大教授の水島朝穂さんだ。『まず憲法は国家権力を縛る目的で制定するもので、国民を縛り、従わせるためのものではないのです。これが立憲主義、つまり近代国家の基本であり憲法を守る義務すら国民に押しつけてはならないという考えで、だからこそ米英仏などには規定がない。自民党の改憲案はそこを逆転させ国民を縛る、という。北朝鮮や中国に近い考え方です』」

 「さらに改憲案の最たる特徴がある。水島さんは『義務や権利制限は、独裁国家、社会主義国の特徴です』とした上で、先ほどの憲法尊重義務のような「国民の義務」の多さを指摘する」といい、改憲草案には国民の義務が新たに7つも設けられ、ほかにも事実上の義務が2つあり、現在の納税、勤労、教育と合わせ、国民の義務は1012になる、ちなみに中国は11、北朝鮮は8であると言い、「欧米の自由主義諸国では義務規定は極めて少なくかつ例外的。自民党案はこの点でも北朝鮮や中国と似るんです」と指摘している。

 要するに、安倍自公政権のいう憲法改正の行き着く先は、北朝鮮、中国とおなじ独裁国家である。(佐々木奎一)


  自民党 憲法改正草案(現行憲法対照)平成24年4月27日決定(自民党HPより).pdf


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2016年03月09日

格安食品に潜む“廃棄物リスク”

 平成二十八年二月八日、auのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「格安食品に潜む“廃棄物リスク”」


を企画、取材、執筆しました。



 けさの朝日新聞に「格安弁当の裏、訳あり素材も」という記事がある。これは、廃棄食品を市場に転売していたダイコー事件では、格安弁当店が主要な卸先だったことから、「300円を切る安さを競い合う格安弁当。その食材に、廃棄品がなぜ紛れ込んでしまったのか。舞台裏を探った」という視点の記事。

 記事によると、「平日の昼時。名古屋市の繁華街にある弁当店に、空揚げやカツ、焼き魚など24種類の弁当が並んだ。すべて税込み270円だ。『安いし、毎日きても飽きない』と常連の男性(55)。サラリーマンやタクシー運転手が次々に訪れ、弁当の山がなくなると、厨房からすぐに補充される。経営者によると、弁当の原価は『4045%以内が目安』という。1個当たり120円程度で、ご飯、付け合わせ、容器代などを差し引くと、メインはその半分『6070円に抑えたい』。その日に安く仕入れられた食材でメニューを考える。食材費がかさんだ時は量を減らし、ソースやカレーをかける。賞味期限が近い、形が整っていない、在庫処分など『訳あり品』も仕入れる」という。

 また、「税込み290円の弁当を売る愛知県瀬戸市の『俺の弁当』。経営者の角田幸吉さん(65)は昨年12月中旬、14045円で、この冷凍カツ(※筆者註:ココイチの廃棄ビーフカツ)を35枚購入した。(中略)だが、試食すると、味が薄い。衣に氷がついており、いったん解けたのではと不安を感じて、客には出さず、まかないに使った。『卸に出どころは聞かないのが暗黙のルール。安けりゃ何でも買い手がつくだろうと、流通に乗せられたのだろうか』」と、記している。

 このように、「「『訳あり品』も仕入れる」「出どころは聞かないのが暗黙のルール」と言っている時点で、格安弁当はアヤシイ具材が入っているとみてよさそうだ。

 また、毎日新聞129日付朝刊によると、「1円でも安い食材を」、という格安弁当店の競争原理は、スーパーでも一緒という。

 しかも、ダイコーは氷山の一角でしかない。「ダイコーの大西一幸会長(75)と業界団体の会合で何度か会った」という産廃業者社長によると、「東海地域だけでも、あと23社は横流しをしている業者が思い浮かぶ」という。

 ブローカーも暗躍している。例えば、大手食品メーカーから廃棄委託を受けている愛知県の産廃業者には、「廃棄食品を売ってくれないか」と、多い時で1か月に2度、闇取引をささやく見知らぬブローカーが訪ねてくるという。知人の名を挙げて近づこうとしたり、「北朝鮮や中国に送る。向こうは賞味期限は関係ないから」と持ちかけたりして商談を進めようとするが、素性は明かさず、名刺を置いていくこともないという。(朝日新聞122日付朝刊より)

 しかも、ダイコーのような業者は中部地方に限った話ではない。26日付毎日新聞朝刊には、こう書いてある。「『産廃業者から食品の買い取りを持ちかけられたことがある』。東京都内の食品買い取り会社が取材に証言した。相談を受けたのは一度だけではないといい、業界内で廃棄食品の転売が横行している可能性をうかがわせる。持ちかけてきたのはいずれも関東の産廃業者。『メーカーから廃棄を委託された食品を買い取ってもらえるか』との問い合わせだった。品目も確認せずに断った。『他にも売るところがある』と言った業者もいたという」。

 なお、食品廃棄物というと、消費期限、賞味期限が切れた商品が思い浮かぶが、ダイコー事件では、プラスチックが混入したカツも出回り、大腸菌が検出されて廃棄されたアイスクリームもみのりフーズの倉庫に保管されていた。

 格安の弁当・スーパー・外食の加工食品には、それなりのワケがある、と観た方がよさそうだ。(佐々木奎一)


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2016年03月08日

テレビ局どう喝…高市早苗・総務相の違憲行為

 平成二十八年二月十二日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「テレビ局どう喝…高市早苗・総務相の違憲行為」


を企画、取材、執筆しました。



 今日の朝刊は、毎日新聞が高市早苗総務相が目をカッと見開いて国会答弁している写真にこれまでの発言の吹き出し入りで「『電波停止』波紋広がる 総務相発言」という記事、朝日新聞は「『万一の備え』電波停止また言及 高市総務相、ホームページで」という見出しで報じている。また、安倍自公政権寄りを鮮明にしている産経新聞も、夜叉のように目を吊り上げて拳を振り上げている高市早苗氏の風刺漫画を載せている。

 これは8日の衆院予算委員会で、民主党の奥野総一郎氏が放送法の政治的公平性などを規定する放送法4条第1項の違反で電波停止をしないか確認したところ、高市早苗総務相が「行政指導しても全く改善されず繰り返される場合、何の対応もしないと約束をするわけにはいかない」と答え、「政治的な公平性を欠く」の事例については、「国論を二分する政治課題で一方の政治的見解を取り上げず、ことさらに他の見解のみを取り上げてそれを支持する内容を相当時間にわたり繰り返す番組を放送した場合」などと列挙し、「不偏不党の立場から明らかに逸脱していると認められるといった極端な場合には、政治的に公平であるということを確保しているとは認められない」と述べたことや、翌9日の予算委員会でも、民主党の玉木雄一郎氏の「9条改正に反対する内容を相当時間にわたって放送した場合、電波停止になる可能性があるのか」との質問に対し、高市総務相が、「私が総務相の時に電波停止はないだろうが、将来にわたってまで、法律に規定されている罰則規定を一切適用しないということまでは担保できない」などと言ったことや、昨日も高市氏が自身のホームページやフェイスブックに掲載したコラムで、放送局に電波停止を命じる可能性について「万が一、不幸にも『極端なケース』が生じてしまった場合のリスクに対する法的な備えは、必要だ」と主張したことを報じたもの。

 なお、「放送法4条第1項」とは、「(国内放送等の放送番組の編集等)第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。一 公安及び善良な風俗を害しないこと。二 政治的に公平であること。三 報道は事実をまげないですること。四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」である。

 要するに、高市氏は、このなかの「二 政治的に公平であること。」を持ち出して、自公政権を批判するな、と暗にテレビ局に圧力をかけているというわけ。そのため、「日本民間放送労働組合連合会は10日、『放送局に対する威嚇・どう渇以外の何ものでもない』と撤回を求める声明を出した」という。(毎日新聞より)

 なお、この高市発言については、けさの朝日新聞でも、宮川光治・元最高裁判事が「放送法の立法の背景には戦前、放送が政府の統制下にあったことに対する反省がある。1950年の制定時、政府は放送番組への検閲、監督は一切行わないと説明した。この経緯からも、第41項が行政介入の根拠になる法規範とする解釈はあり得ない。仮にこれを法規範と見ると、表現内容を規制する条項であり、憲法第21条の表現の自由に即、抵触するということになる」と言い、長谷部恭・早稲田大学教授も「第41項を条文の言葉通り受け取ると、表現内容に関する規制で、憲法の保障する表現の自由の観点からは原則許されないはず。しかも、政治的公平性にせよ、論点の多角的解明にせよ、漠然とした原理原則にすぎない。こうした条文を根拠に、政府が個別の放送番組の当否について直接意見を表明し、法的制裁を加えるとなると、憲法違反の疑いは免れない」と、高市総務相の言っていることは違憲だと断言している。

 安保法制といい、高市発言といい、安倍自公政権は最高法規である憲法を犯すという、刑法におかす犯罪者よりよっぽど悪質な、前代未聞の「違憲政権」である。(佐々木奎一)



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2016年03月03日

3月に新党結成で野党合意

 平成二十八年二月二十八日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


3月に新党結成で野党合意」


を企画、取材、執筆しました。



27日付の日本経済新聞朝刊に、握手をしている写真入りで「民維、来月合流で合意、150人規模、政権批判受け皿狙う、岡田氏『この新党が最後』」という記事がある。それによると、「民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表は26日、国会内で会談し、3月中に合流することで正式合意した。衆参両院で計150人規模の野党第1党になる。勢力結集を進めて安倍政権に対抗するため、他の野党にも参加を呼びかける。岡田氏は会談後の共同記者会見で『安倍政権に疑問や不安を持っている人の受け皿になる』と表明した。『今までの民主党は国民の期待に応えられなかった。今回の新党が最後だ』と決意を示した」、合流後の党首は岡田氏が引き続き務め、夏の参院選後速やかに代表選を実施する予定という。

 なお、同記事では、図表を使って「衆院100議席規模なら政権交代も」とし、「2009年衆院選→民主党が政権交代 自民300119 VS. 115308民主」、「12年衆院選→自民が政権奪還 民主23057 VS. 118294自民」「26日現在 自民290 VS. 93民主+維新」と示し、本文で「小選挙区制では、流れをつかめば振り子の論理が働き、政権の入れ替えが起こりうる」と記している。

 この日の「民主・維新の確認事項全文」は以下の通り。

 「安倍政権の暴走を止め、政権交代可能な政治を実現することは、多くの国民共通の願いである。これに応えることは野党の責任であり、理念・政策の一致を前提に野党が結集することが必要である。この共通認識の下、以下の点を確認する。

1、民主党と維新の党は遅くとも3月中に新党結成を目指すこととする。

2、党綱領、党規約など必要な準備手続きを進めるために、両党代表および幹事長で構成する新党協議会を設置する。その下に必要に応じて検討チームを設ける。

3、結党の具体的手続きは、1998年に民主党を結党した方式を採用する。新党の名称については、新たな党名を客観的な手法により最終決定する」など7項目。

 一方、自公政権の方はどうかというと、折りしも、読売新聞の26日付朝刊の記事「アベノミクス『評価せず』57%」によれば、読売新聞社が全国世論調査をした結果、「この3年余りの経済政策を『評価しない』は57%で、『評価する』の42%を上回った」という。評価しない理由(複数回答)は「収入が増えない60%」「経済的な格差が広がった55%」「中小企業の業績が十分に改善していない46%」「物価が上昇した45%」など。

 このように安倍自公政権の高支持率の主因アベノミクスが、急速に国民の支持を失いつつあり、これまでの一強多弱の国会の力学から変化が生じてきた。

 ただ、野党の方も課題は山積している。たとえば、日本経済新聞によると、26日の会見で「結集の大きな政策的な柱は何か?」との質問に対し、岡田氏は「多様な価値観をお互いに認め合う『共生社会』。もう一つは未来志向の改革政党。こういった概念は維新とも共有できると考えている。安倍首相のバラマキ、先送り政治に対して、我々は自由、共生、未来という言葉でくくられる」と、曖昧模糊とした発言をしている。

 前出の「民主・維新の確認事項全文」の冒頭には、「安倍政権の暴走を止め」とあるが、その暴走の象徴は、国会で憲法学者に違憲と断じられた安保法制の強行採決である。そして、安倍自公政権は改憲を明言している。つまり、この安倍自公政権に対抗するには、日本国憲法を護り体現する、という理念、政策が不可欠なのに、岡田氏の口から憲法というキーワードは出なかった。なぜか。

 もともと民主党という政党は、改憲から護憲までの両極端の議員たちの寄せ集めとも揶揄されてきた政党。そのため、憲法を護り体現する、ということを一丁目一番地にすると、反発する議員がいるから、アバウトな言い回ししかできないのだと言わざるを得ない。しかし、そんな八方美人、スケベ根性な旗印では、国民の支持を得ることはできまい。今後、野党は、たとえ理念が合わずに去る議員が出現するとしても、「去る者は追わず来る者は拒まず」の覚悟で、真の新党をつくることができるのかどうかが注目点といえよう。(佐々木奎一)


PS 野党の旗印・理念の核は、一つでいい。

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2016年03月01日

「放射性物質漏れ」高浜と原発再稼働

 平成二十八年二月二十二日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「『放射性物質漏れ』高浜と原発再稼働」


を企画、取材、執筆しました。



 けさの毎日新聞に「高浜原発 再稼働遅れ強まる 4号機冷却水漏れ 起動試験延期」という記事がある。これは、26日に再稼働を予定している高浜原発4号機(福井県高浜町)で放射能物質が漏れたことを受けた記事。

 関西電力によると、この放射能漏れは、20日午後340分ごろ、「原子炉を収めた建屋の隣にある原子炉補助建屋で、出力調整をするホウ素の濃度を調節する水を1次系冷却水内に入れていたところ、水が床に漏れたことを示す警報が中央制御室で表示された。確認したところ、1次系冷却水から不純物を取り除く設備の前で、放射性物質14000ベクレルを含む約8リットル分の水たまり(縦2メートル、横4メートル)があった。床に漏れた水を回収する容器などにも約26リットルがたまっており、水漏れは計約34リットル、放射性物質の総量は6万ベクレルとみられる」という(関電の話、21日付毎日新聞朝刊より)。

 そして今朝の同紙によれば、関電は昨日、原子力規制庁職員の立ち会いで水漏れの原因を調べたが、特定できず、「『原因が究明するまで再稼働の予定については分からない』としており、日程に遅れが生じる可能性が高まっている」という。

 このように4号機に関しては、先行きが不透明だが、高浜原発3号機のほうは、129日にすでに再稼働している。そして、12号機についても、近々、原子力規制委員会の審査に合格する見込みで、着々と再稼働に向かっている。

 ちなみに、福島原発は津波で破壊された、とされているが、毎日新聞2013222日付朝刊によると、東日本大震災で福島第1原発がベントをする5時間前から、実は原発10km圏の放射線量が720倍に達している地点があったという。つまり、これはどういことかというと、原発にまつわる本を多数執筆している広瀬隆氏によると、「水素爆発やベントの実施前に、原発から大量の放射能が出ていた! ということは、原発内部の配管が破損していたという事実のほかに、原因は考えられない」「地震によって、内部がメチャクチャになっていた可能性が高いのだ」「(東日本大震災により)原発で記録された揺れは500ガル程度であり、トテツモナイ揺れではなかったのだ。それでも、配管が破損したなら、日本全土の原発の耐震性は、まったく信用ならない、という結論になる」と指摘している。(ダイヤモンドオンラインより)

 今回、原因不明の放射能漏れがあった高浜原発が、巨大地震が起きたとき、どうなるのかは想像に難くない。

 さらに、広瀬氏によると、沸騰水型原子炉である福島原発と違って、高浜原発や川内原発などの「加圧水型原子炉」では、メルトダウンの速度は、沸騰水型よりはるかに早く、わずか22分のスピードで進行する。そして発生した水素と、すべての放射性物質は、格納容器に噴出して、そこで大爆発を起こし、すべての放射性物質が、一帯の空に放出され、大気中に放出された膨大な放射能は、偏西風に乗って、日本全土に広がり、海に流れ出た放射能は、対馬海流と黒潮に乗って、日本の海を壊滅させるという。(同)

 ただでさえ、京都、大阪、神戸の1450万人の水源である琵琶湖に近い高浜原発が、原発事故を起こした時の被害は、想像を絶する。

 なお、福島原発の放射能汚染漏れによる被害はあまり可視化されていないが、東京都文京区の順天堂大学付属順天堂病院・血液内科の「外来新規患者数およびその内訳」表によると、放射能被曝と関連の深い「急性白血病」の患者数は、2011年に比べ2013年は2.2倍に疾患が増えている。また、白血病等の血液関連のガンに関連する「骨髄異形成症候群」による入院患者数を見ても、NTT東日本関東病院が2010年に比べ2013年は2.9倍、千葉大学医学部付属病院では2.7倍、武蔵野赤十字病院では5.5倍に激増している。また、東北労災病院では、放射能被曝と関連のある白内障手術数が、2010年から2012年に約2倍に急増している。(同)

 福島原発事故は、まだ終わっていない。このまま原発再稼働を続けていると、福島原発事故は、後世、終わりの始まりに位置づけられるのではないか?(佐々木奎一)
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2016年02月28日

清原に覚醒剤を売った容疑で男が逮捕で問われる、売人の罪と罰

 平成二十八年二月十六日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「清原に覚醒剤を売った容疑で男が逮捕で問われる、売人の罪と罰」


を企画、取材、執筆しました。



 けさの新聞に「清原容疑者と接触、無職44歳男を逮捕 警視庁、覚醒剤販売の疑い」(朝日新聞)、「清原容疑者に覚醒剤密売、容疑の男逮捕」(日本経済新聞)という記事がある。それによると、今月2日に覚醒剤所持で現行犯逮捕された元プロ野球選手・清原和博(48)に対し覚醒剤を販売したとして、警視庁は昨日、群馬県みどり市の無職小林和之氏(44)を覚醒剤取締法違反(営利目的譲渡)の容疑で逮捕した。無職小林氏は、清原逮捕の前々日に清原と接触していたことなどから逮捕状を取って行方を追っており、滞在先の沖縄県内で見つけて昨日午後5時半過ぎに逮捕したという。

 ちなみに、覚醒剤の刑事事件に詳しいアトム法律事務所HPによれば、清原のような覚醒剤の所持や使用に対する刑罰は「10年以下の懲役」となる。そして、今回逮捕された売人ような「覚せい剤を営利目的で所持していた場合」の刑罰は「1年以上20年以下の懲役」となる。

 実際に裁判等で下される「量刑の相場」は、罪の重さと前科の有無などを考慮して決められる。例えば、覚せい剤の使用量が少なく初犯の場合、懲役16か月・執行猶予3年となるなど、初犯なら執行猶予がつくのが通例という。その意味で、清原は初犯なので執行猶予がつく可能性が高いとえよう。なお、執行猶予中に覚醒剤で2回目の逮捕・起訴をされた場合は、ほとんどの場合、実刑判決で刑務所に服役する。

 一方、売人の量刑はどうか――。刑事事件弁護士ナビHPによると、売人の場合、「例え本人が覚醒剤を使用していなくても初犯でも相場が懲役510年と非常に罪が重くなってきます」という。

 いうまでもなく、覚醒剤の売人というのは、覚醒剤をとことん売りさばき、清原のようなシャブ中毒者を日本に蔓延させて、巨利を貪っている。そうして捕まると懲役510年が相場というのは、果たして本当に「非常重い量刑」といえるだろうか?

 海外では、たとえ売人であるという認識が本人になかったとしても、死刑になる国も多い。実際、外国からやってくる覚醒剤の売人は、日本は捕まってもすぐに出られる、という認識をもっている。つまり、日本は、覚醒剤の売人に、甘い。だから、シャブ中毒者が後を絶たない。そうした中、清原のようなシャブ中毒者をいくら懲らしめても、問題は解決しない。問題解決には、供給源という元を絶つ必要がある。

 そのため、専門家の中には、「覚醒剤の売人は死刑にすべき」という声もある。例えば、刑法第八十一条の「外患誘致罪」は、「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」となっている。覚醒剤の売人と、連帯責任でその売人の背後にいる覚醒剤密売組織の連中の罪と罰も、外患誘致罪とおなじ死刑まで引き上げれば、覚醒剤の抑止につながる。(佐々木奎一)



※殺人罪から外患誘致罪に修正した。刑罰の対象を、売人の背後にいる覚醒剤密売組織の連中に拡大した。(2016228日付)


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2016年02月23日

ダイコー「廃棄食品」流通事件の背景にあるもの 五

 なお、筆者は、ダイコーの事件が明るみになる4か月前に、農水省がHPでアップしている、この廃棄物大量発生企業の報告の詳しい中身について、情報公開請求した。すると、「食品リサイクル法に基づく定期報告におけるシステム集計データ」という、全272枚、4905事業者の情報が載っている文書が開示された。しかし、肝心の企業名が、黒塗りで伏せられていた。


  食品リサイクル法に基づく定期報告におけるシステム集計データ@.pdf


  食品リサイクル法に基づく定期報告におけるシステム集計データA.pdf


 担当課である農水省の食料産業局の食品産業環境対策室・食品リサイクル班に、なぜ社名が不開示になっているのか?と問うと、「各事業者の財務情報なので、各事業者を特定できる情報は伏せています」というのみだった。

 こうした食品廃棄物がどういう経路で処理されているのか、消費者が窺い知ることができない、という土壌のなかで、ダイコー事件は起きた。同種の事件を防ぐためには情報をオープンにして、消費者の監視下で、食品廃棄物を処理する必要がある。(佐々木奎一)

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2016年02月22日

ダイコー「廃棄食品」流通事件の背景にあるもの 四

 ちなみに、そもそもの話、日々大量の廃棄物を生み出している大手食品メーカーの廃棄物処理の実態は、国民に知らされていない。一応、農水省は、年間の食品廃棄物の発生量100トン以上の事業者に対し、食品廃棄物の発生量、サイクルの状況について、毎年度報告することを義務付けている。これにより農水省に報告した企業のなかで、公開に同意した企業についてのみ、農水省HPに載っている。ただし、公開している情報はごく一部で、その企業が年間に食品廃棄物をどれだけ発生させたりか、すら非公開だ。

 その農水省HP「食品リサイクル法に基づく定期報告の内容の一部を公表することに同意いただいた事業者の一覧」リンク先は下記の通り。


http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syokuhin/s_houkoku/kekka/gaiyou.html


 そこで筆者は、ダイコーが横流ししていた前出の各メーカーが、農水省HPで公開しているか調べてみた。すると、驚いたことに、公開していたのは、壱番屋、協同乳業、ミニストップだけだった。それによると「再生利用等実施率」は、壱番屋、ポレア100%、協同乳業98.1%、ミニストップ48.0%。どこでどうやってリサイクルしたのか、例えば、ダイコーに何トン委託して堆肥として処理された、といった情報は一切公表していない。

 このように、ただでさえ全く公表していない企業が多いうえ、ごく一部の公表している会社も、リサイクルの中身はベールに包まれたままだ。

 (続く)

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2016年02月20日

ダイコー「廃棄食品」流通事件の背景にあるもの 三

 このように「ココイチの名前を出していいのか?」と質問した、ということは、メーカー名を伏せて流通させることは、常態化しているに違いない。

 要するに、「ダイコー」や「みのりフーズ」は、氷山の一角でしかないということになる。

 また、「ココイチの名前を出していいのか?」という問いに対し、「構わない」と、この業者が凡ミスをしたおかげで、スーパーに売っているはずがないココイチの冷凍カツが、なぜかスーパーに売っているのをココイチのバイト従業員が発見し、ココイチ本部に通報したことで、偶然、食品の闇が暴かれることとなった。その意味で、「ココイチの名前を出していいのか?」「構わない」というのは、歴史的なやり取りといえよう。

 さらに、注目すべきは、従業員50人程度の中小企業であるダイコーに、大企業がこぞって廃棄の委託をしていた点だ。同紙によると、その理由は、ダイコーの委託料は他社の7割程度という、考えられない安さだったためという。

 なお、同紙によると、愛知県内の産廃業の社員は、「横流しできないようにしてから廃棄するのが、食品メーカーの常識であり、責任でもある」と、ダイコーに委託した食品メーカーを批判している。大手食品メーカーの中には、横流し防止のため、自社工場に産廃業者用の作業スペースを用意し、その場で裁断させる会社もあるという。ダイコーに委託した企業は、そういうメーカーとしての責任を果たしていない、というわけだ。

 してみると、ダイコーに委託した上記企業群のなかには、なぜそんなに安いのか、と疑念を抱き、ダイコーのやっていることにうすうす気づきながら流していたメーカーもあったに違いない。

 (続く)

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2016年02月19日

ダイコー「廃棄食品」流通事件の背景にあるもの 二

 なお、同紙によると、「10年ほど前までは『同じような横流しは当たり前のように見聞きした』と、複数の同業者が打ち明ける」といい、ダイコーの知人の社長は「東海地域だけでも、あと23社は横流しをしている業者が思い浮かぶ」と明かしたという。

 また、壱番屋の廃棄カツを、みのりフーズとは別の業者から買った名古屋市の匿名の仲卸(なかおろし、仲介業者のこと)は、廃棄カツを買う際、こんなやり取りをしたという。


 業者「衣がはがれたB級品の冷凍ビーフカツがある」


 仲卸「ココイチの名前を出していいのか」


 業者「構わない」


 (続く)

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2016年02月17日

ダイコー「廃棄食品」流通事件の背景にあるもの 一

 平成二十八年二月七日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「潜入! ウワサの現場」で記事


「ダイコー「廃棄食品」流通事件の背景にあるもの」


を企画、取材、執筆しました。



 愛知県稲沢市の産業廃棄物処理業「ダイコー」は、消費期限切れや、異物混入などの不良品で廃棄した食品を、岐阜県羽島市の麺類製造業「みのりフーズ」などに転売し、そこで消費期限を偽装したり包装を変えたりして、近県のスーパーや弁当店、外食店などに転売する、という経路で、大量の廃棄食品が消費者の胃袋に入っていたことが、先月発覚した。

 市場で出回っていたとみられる廃棄食品(倉庫に保管していた廃棄物含む)は以下の通り。

 カレーショップ・ココイチを展開する壱番屋の「ビーフカツ、チキンカツ、ロースカツ、メンチカツ」。

 ローソン「炭火焼鳥 もも塩」、「VLプレミアム クッキー&クリーム」。

 ネスレ日本「キットカット」「バラエティアソート(mini)」。

 ニチレイフーズ「ナチュラルクリスプ(フライドポテト)」「今川焼」。

 協同乳業「フローズンシェイク チョコ」。

 高梨乳業北海道工場「北海道チェリーモッツァレラ」。

 ニッセン「おさつ甘露」。

 イオン「チーズのでるソーセージ」「たけのこ土佐煮」。

 日本生活協同組合連合会「びんちょうまぐろスライス」。

 ミニストップ「フローズンヨーグルトつぶつぶ果肉いちご」。

 オハヨー乳業「塩分チャージ アイスバー」(110本入り)」。

 静岡の業者「ビンチョウマグロ」。

 キリン協和フーズ(現MCフードスペシャリティーズ)輸入「グルエース(VFVSS1)」「アジパワーS1」、同社販売「清湯(ちんたん)スープポークエキス」。

 ニッカプランニング輸入「水煮筍」。

 栗木食品輸入「糸切りごぼう」。

 セブン&アイ・ホールディングス「セブンプレミアム 豚バラ蒲焼き」「雪の子ムースケーキ」「ザッハトルテ」。

 関越物産「串こんにゃく」。

 マルコメ「タニタ食堂のみそ汁」「信州味噌漬の素(500g)」「信州味噌漬の素」(1kg)」「各種味噌詰合せ」「調味味噌詰合せ」「Cサーバーみそ15春夏(M)」「タニタ食堂 タンドリー風のたれ」「塩糀」「調味味噌3種類詰合せ」「一休さん(750g)・米蔵仕込みそ赤(1kg)」「インスタ