2016年12月02日

54年ぶり…東京で11月に初雪

 平成二十八年十一月二十五月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「54年ぶり…東京で11月に初雪」


 を企画、取材、執筆しました。



24日は関東甲信の各地で雪が降っている。例えば東京では午前6時半前に初雪が観測された。東京で11月に初雪が観測されるのは19621122日以来54年ぶりとなる。

 この都心部の雪は、執筆現在の午前1125分時点で降り続ており、徐々に道路などに雪が積りつつある状況。(その後、みぞれまじりの雪に変わり始めた)。この初雪は、異常気象なのだろうか?

 ちなみに、54年前の東京の初雪は、どういうものだったのか。当時の朝日新聞にはこうある。この日は「昼から真冬なみの冷え込み」で、「東京では午後712分からみぞれまじりの初雪がふりはじめ、夜がふけるにつれてみぞれの勢いは強まっていった」。

 「東京は各家庭ともあわててコタツや石油ストーブをひっぱり出し、町や駅では帰宅を急ぐ人たちで大ラッシュだった。都内の主要道路も家路を急ぐ車がいたるところでじゅずつなぎ、下町の千葉、水戸街道では夜七時ごろ解消する夕方の交通マヒが九時ごろまでかかった」「銀座など都心の盛場は早目に人の姿が消え、銀座のバー、喫茶店も客足は遠のき、早じまいの店が目立った」「新宿の繁華街も人出が少なく、チラホラの買物客は『一刻も早く家へ』と気ぜわしくタクシーへ。渋谷の映画街がハネてはき出された客たちは『おお、寒い』を連発、首をすくめて駅の方へかけ足」という状況だったという。

 なお、当時の読売新聞によると、「都心部ではみぞれだったが、気象庁の観測法規ではみぞれも“雪”となるため、これが初雪と観測された。このみぞれは二十三日午前一時すぎやんだ」とある。

 つまり、54年前は、みぞれだった。昨日は、雪そのものだった。

 なお、昨日の昼過ぎのテレビ朝日系ニュースは、「24日午前11時に東京で積雪が観測されました。11月に東京で積雪が観測されるのは史上、初めてとのことです」と、速報していた。観測史上はじめて、であれば、異常気象というのことになりそうだ。がしかし、この速報には、大なるクエッションを付けざるを得ない。

 そもそも東京で11月に初雪というのは、1876年の気象庁の観測以来、今回で11回目となる。つまり、過去53年間は降らなかったが、それ以前はおよそ8年半に一回のペースで降っていた。

 しかも、そのなかには、積雪があった、と新聞が報じているものもある。例えば、今から66年前の19501129日、東京で初雪が観測された。同日の読売新聞夕刊によると、この日は、「東京に初雪が二、三センチほど積もった―汽車も電車もバスも白い雪をのせて早朝の勤め人を運ぶ」とある。そして、同記事の横には、「こんなに積もった初雪=けさ7時馬場先門前で」というキャプション入りで、車の上に降り積もった雪を、手で掻き落としている女性の写真がのっている。

 つまり、テレビ朝日とその情報源の気象庁のいう、観測史上初めて東京で11月に積雪、というのは、実体に反する。なお、気象庁は、一点記録主義といって、大手町の観測所で雪が計測されない限り、都心のあちこちで雪が降り積もり、たとえ子供たちが雪だるまをつくる状況でも、「初雪ではありません」と言い張る組織だ。(参考「確かに雪が降ったのに…『東京は初雪ありません』気象庁 一点(大手町)観測だけで“記録”」19701226日付毎日新聞朝刊、(雪だるまの写真付))

 それだから気象庁が「観測史上初」などという大げさな謳い文句を口にして、記者クラブメディアがそれを拡散しているときは、まゆつばものである可能性も視野に入れた方がよさそうだ。

 なお、朝日、読売、毎日新聞の敗戦前の記事のなかで、11月の東京の初雪を大きく取り上げているのは稀有。例えば、19321119日付の読売新聞夕刊の記事「けさ初雪 チラリと6分間 33年ぶりのこと 早慶戦まず好天気です」によると、この日の午前820分頃、東京で初雪が降ったという。これは「明治三十三年十一月十七日につぐ三十三年振りの早い初雪」(※筆者注、観測史上、東京で最も早い初雪は今も1117日)で、この日は「八時十七分から六分間」降ったというから、かなり小ぶりである。戦前はこの程度しか報じられていないので、その意味では、昨日の初雪は、ここ140年間の11月の東京の初雪のなかでは、屈指の量の雪が降っていたもかもれしない。

 なお、東京では1117日が最も早い初雪ではあるが、東京以外では、かつてはこんな初雪もあった。

1924年(大正13年)1112日付の朝日新聞朝刊「今年の初雪 日本記録を破る」によると、同年119日、佐賀市、長崎、徳島、広島などで初雪が降り、翌10日には、筑波、水戸、足尾などでも初雪が降ったという。

 また、1938年(昭和13年)1114日付読売新聞朝刊「全国に雪の奇襲」によると、同年1113日、長崎、熊本、大分、広島、岡山、徳島、京都、彦根、浜田、福井、富山、高山、松本、長野、岐阜、名古屋などで雪が降ったという。

 このように、11月の初雪自体はけっこうある。昨日の初雪の積雪量が多いにしても、それが50年や100年に12度程度なのか、それとも頻度が増すのかどうか、今年以降の推移をみていかなければ、異常気象なのかどうか、判断できない。(佐々木奎一)

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2016年11月28日

第二次世界大戦後初…「駆けつけ警護」


 平成二十八年十一月二十一月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「第二次世界大戦後初…「駆けつけ警護」」


 を企画、取材、執筆しました。



20147月の安倍自公政権による「解釈改憲による集団的自衛権容認の閣議決定」に基づく安全保障関連法制を根拠に、ついに「駆けつけ警護」が行われることとなった。「駆けつけ警護」とは、「国連平和維持活動(PKO)で、陸上自衛隊の部隊が、現地の国連司令部の要請を受けて現場に急行し、武器を使って守れるようにすること」を指す。

 自衛隊が、自衛の範囲を超えて武器を使う事態は、第二次世界大戦が終わって以来、初。(1115日付ジャパンタイムズ)

 自衛隊の海外での武器使用を巡っては、1992年成立の国際平和協力法(PKO協力法)では、自衛官自身や近くの仲間を守るための必要最小限の使用のみを「自己保存のための自然権的権利」(自己保存型)として認めた。が、これまでは「駆けつけ警護」については、危険にさらされていない隊員があえて離れた危険な場所に飛び込むため、従来の政府は、「自己保存型の範囲を超える」として駆けつけ警護は認めてこなかった。

 しかし、安倍自公政権は、集団的自衛権容認の解釈改憲の閣議決定をして、安保法制を強行採決。この安保法制の計11本の法律のなかの「改正PKO法」により、「駆けつけ警護」を認め、他国のPKO要員らとともに武装勢力から宿営地を守る「共同防護」も認めた。

 この「駆けつけ警護」をする陸上自衛隊派遣部隊や施設部隊、後方支援部隊などの先発隊130人は今日20日、青森空港から出発する。行き先は、南スーダンの首都ジュバである。

 稲田朋美防衛相は国会で、「ジュバ市内が落ち着いている」「7月には戦闘行為ではなく衝突事案があった」と述べていた。が、首都ジュバでは、反政府軍と政府軍の激烈な軍事衝突により、7月以来、300人もの人間が死んでいる(同ジャパンタイムズ)。

 政府軍のドミック副報道官によると、7月の激烈な戦闘の際は、自衛隊の宿営地の隣にあるビルでも、激しい銃撃戦が2日間にわたって行われた。壁には無数の銃弾の跡が残り、隣の自衛隊宿営地に流れ弾が飛んだ恐れもあるという。国連のディエン事務総長特別顧問は11日、南スーダンの現状について「民族間の暴力が激化し、ジェノサイド(集団殺害)になる危険性がある」と警告している。(16日付朝日新聞)

 要するに、日本の自衛隊は、敗戦以来、初めて、他国の激烈な銃撃戦の行われている戦闘地域へ出かけ、応戦することになる可能性がある。そうすれば、自衛隊員が死ぬかねしれないし、自衛隊がたくさん人を殺すかもしれない。日本の国土を護るべき自衛隊が、他国で武器を使って殺し合う。平和憲法のもと、解釈改憲の閣議決定という前代未聞の暴挙により、それを可能にしたのが、今の安倍自公政権である。

 国会前では駆けつけ警護に反対するデモが行われている。例えば、15日の午前8時前からは市民団体約350人が集まり、「閣議決定反対」「駆けつけ警護反対」などと声を上げ、清水雅彦・日本体育大学教授(憲法学)はマイクで「南スーダンは明らかに内戦状態で、新任務は憲法違反」と批判し、仕事を休んで参加したという神奈川県藤沢市の会社員の女性は「現地では激しい戦闘も起きている。そんな場所に派遣される自衛隊員が心配です」と話したという。(朝日新聞)

 たしかに自衛隊員の身の上は心配である。だが、自衛隊員だけではない。今後、集団的自衛権の行使容認により、安倍自公政権がアメリカの戦争に参加する事態になるかもしれない。そうすると、日本は敵視され、日本国内でテロのリスクが一層増すのは自明の理だ。が、テロだけではない。

 首都圏などの都市部にミサイルが落とされるかもしれない。

 他国へ行った自衛隊員が心配、徴兵制になるかもしれない、といった声はよくあるが、それだけではなく、自公政権により平和憲法が捻じ曲げられると、戦争とは関係のないところにいるつもりの日本人にも、身の危険が迫ることになる。(佐々木奎一)

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2016年11月24日

“トランプ現象”と世界の未来

 平成二十八年十一月十八月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「“トランプ現象”と世界の未来」


 を企画、取材、執筆しました。



 トランプがアメリカ次期大統領になることが決まったことで様々な推察がされている。例えば、13日付の日本経済新聞朝刊の記事「トランプ現象、連鎖止めよ――20世紀、独裁者の歴史が警鐘」には、「反グローバル化の感情や経済的不安をあおる。共通の敵をつくり人気を得るポピュリズム(大衆迎合)の手法は、かつてのファシストや独裁者を思わせる(中略)心配なのは、この乱暴な手法が他国に伝染しかねない点だ。(中略)フランスの極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首はトランプ勝利が伝わると、すぐに歓迎する声明を出した。仏次期大統領の有力候補との見方もあるだけに、追い風になると見ているようだ。

 ドイツでも反難民を掲げる民族主義政党が急伸し、メルケル政権への批判を強めている。中欧オーストリアでは難民対策を巡って国論が二分し、来月の大統領選挙で極右政党の候補が当選する可能性も出てきている。

 東欧のポーランドやハンガリーでは『強い国家』の復活を掲げた指導者が排外的なナショナリズムに訴え、強権的な政権が誕生している。排外主義、保護主義が広がれば、英国の離脱決定で揺らいだ欧州連合(EU)の結束にも、さらに悪影響が及ぶ」とある。

 そして、「防波堤になるのは、やはり歴史からの警告だろう」として、「大恐慌後の30年代、危機を脱しようと、保護主義がはびこり、閉鎖的な経済圏が分立した。共産主義陣営とファシズム陣営が激しく対立し、ついに戦争が始まる。歴史の教訓に学ばず、トランプ現象の連鎖を止められないようでは、世界はいよいよ激動の20世紀前半に似てくる」という。

 そうした20世紀前半の状況に似てきたのは確かといえよう。ただし、この記事では、あたかも他国だけで“トランプ現象”がおきているかのような書きぶりであるが、日本も例外ではない。その肝心要に触れていない点が、あんこの入っていないタイ焼きのような記事であり、いかにも政府に配慮した御用記者クラブメディアらしい。

 要するに、安倍自公政権もご多分にもれず、敗戦前回帰を鮮明にしており、日本は歴史の教訓に学ばなければ危ういのは確かである。

 なお、この状況をもっと巨視的に分析する識者もいる。11日付の朝日新聞朝刊に、「近代世界システム論」を唱え、現代世界の構造的問題を百年単位の時間軸で分析したというアメリカの社会学者イマニュエル・ウォーラーステインのインタビュー記事がある。氏はこう語っている。以下、抜粋。

 ――なぜトランプ氏が登場したのでしょうか。

 「背景には多くの人が職業を失い、経済的に苦しんでいるという事情があります。でも、米国はもはや世界の製造業の中心地ではなく、何もない中から雇用は作り出せないし、(苦しむ人を支えるために)社会保障を拡充するには税収を上げる必要がある。今は高揚感が広がっていますが、トランプ氏の支持者も1年後には、『雇用の約束はどうなったのか』と思うのではないのでしょうか」

 ――米国の民主主義に危機が訪れているのでしょうか。

 「米国では現在、四つの大きな政治集団があります。共和党主流派が属する中道右派と、ヒラリー・クリントン氏に代表される中道左派の双方は、今回の選挙で弱体化した。あとは、より極端に右に行った排外的な集団と、バーニー・サンダース氏に代表される左派のポピュリストの集団があります」

 「右にしても左にしても、先鋭的な集団は内側からの批判を恐れ、どんどん極端になっていく危険性があります。また、現段階で世論調査をすれば、四つの集団はそれぞれ25%程度の支持を得るかもしれません。それだけに、予測がつきにくく、コントロールも難しい状況と言えるでしょう」

 ――欧州でもブレグジット(英国のEU離脱)のようなポピュリズムのうねりが起きています。先進国共通の問題でしょうか。

 「世界経済が芳しくなく、多くの人々が苦しんでいるのは間違いありません。苦しい状況を生み出した『仮想敵』を攻撃することで、『国を再び良くする』と約束する政治集団は各国にたくさん存在し、今後も増えるでしょう。ただ、それぞれの国で、必ずしも多数派の人が賛同しているわけではないのも事実です」

 そして、こうある。

 ――教授の言うように「近代世界システム」は衰退していくのでしょうか。

 「現在の近代世界システムは構造的な危機にあります。はっきりしていることは、現行のシステムを今後も長期にわたって続けることはできず、全く新しいシステムに向かう分岐点に私たちはいる、ということです」

 ――その移行期における日本の立ち位置はどうなりますか。

 「新しい世界システムが生まれるまでは、古いシステムが機能し続けます。資本主義システムのルールの下で覇権を奪い合う競争を続けることになる。その参加者としては、米国のほか、ドイツを中心とした西欧グループと、極東アジアのグループが理論的にはあり得ます」

 「中国、韓国、日本の3カ国は言葉はそれぞれ違いますが、バラバラにする力よりも統合する力の方が強いように思える。確かに日本の現政権は、中国や韓国との関係を深めることに熱心には見えません。過去についての謝罪が必要な一方で、自尊心がそれを困難にしているのでしょうが、地政学的に考えると、一つにまとまる方向に動くと私は考えています」

 同氏はさらにこう語る。

 ――現在のシステムの後に来るのは、どんな世界でしょう。

 「新しいシステムがどんなものになるか、私たちは知るすべを持ちません。国家と国家間関係からなる現在のような姿になるかどうかすら、分からない。現在の近代世界システムが生まれる以前には、そんなものは存在していなかったのですから」

 「その当時もやはり、15世紀半ばから17世紀半ばまで、約200年間にわたるシステムの構造的危機の時代がありました。結局、資本主義経済からなる現在の世界システムが作り出されましたが、当時の人がテーブルを囲んで話し合ったとして、1900年代の世界を予測することができたでしょうか。それと同じで、西暦2150年の世界を現在、予想することはできません。搾取がはびこる階層社会的な負の資本主義にもなり得るし、過去に存在しなかったような平等で民主主義的な世界システムができる可能性もある」

 ――楽観的になって、良い方の未来が来ると思いたいですが。

 「ですから、それは本質的に予測不可能なのです。無数の人々の無数の活動を計算して将来を見通す方法は存在しません」

 「一方で、バタフライ効果という言葉があります。世界のどこかでチョウが羽ばたくと、地球の反対側で気候に影響を与えるという理論です。それと同じで、どんなに小さな行動も未来に影響を与えることができます。私たちはみんな、小さなチョウなのだと考えましょう。つまり、誰もが未来を変える力を持つのです。良い未来になるか、悪い未来になるかは五分五分だと思います」

 と、氏の言うように、今、私たちは分岐点に立っているといえよう。無論、未来がどうなるかは定かではない。だが、トランプが勝った背景には、アメリカ社会の民主主義の行き詰まりがある。そして、日本の民主主義も、行き詰まっている。

 例えば、舛添要一前都知事が、週末に別荘の温泉に通っている、とか、政治資金でタマゴサンドを買った、などという類のことで、政治家、新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、ニュースサイト、そして国民が、違法行為をしたわけでもない舛添氏を、まるで大犯罪人でもあるかのように情緒的に袋叩きにして辞職に追いやったのは、記憶に新しい。この現象は、日本の民主主義が行き詰まり、衆愚主義に陥っている象徴といえよう。

 では、どうすればよいか。民主主義は、崇高な理念を持つ。だが、理想と現実は、違う。たとえば、誰しも平等に権利を持つ、という理念により、教育をちゃんと受けていない者・受けてもすっかり忘れ去っている人と、教育をしっかり受けて歴史の教訓に学べる人が、現状では平等に一票を投じる権利を持っている。そして、現状は、前者が後者より圧倒的に多い。だから、衆愚政治に陥る。

 それゆえに、投票権は、感情に支配されず理性的な判断する能力や、憲法等の法律の素養、歴史的教訓を学ぶなどの歴史の素養、政治、社会学の素養、搾取をしないといった倫理的素養といった教育の習得度に応じて、ある人は1,000票の権利を持ち、ある人は1票の権利を持つ、といった具合に差をつけていく必要があるのではないか。民主主義の理念を社会に実現するためには、制度のなかで理想が現実に追いついていない部分は、現実的に修正する。そうした「民主主義のブラッシュアップ」(磨き上げてさらによくすること)が必要なのではないか。(佐々木奎一)


PS かつて尾崎咢堂が、普通選挙法が導入されるとき、「日本ではまだ早い」と言っていた。その時、先送りした課題は、いまなお我々日本人の前に立ちはだかっているように観える。

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2016年11月22日

ニュージーランド巨大地震と日本

 平成二十八年十一月十四月付、のauのニュースサイト


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 「ニュージーランド巨大地震と日本」


 を企画、取材、執筆しました。



 日本時間の昨日午後8時過ぎ(現地時間14日午前0時頃)、ニュージーランド南島クライストチャーチの北東約90キロでマグニチュード(M78の強い地震があった。現地では2人の死亡(1人は自宅に閉じ込められ、もう1人は心臓発作)が確認されており、南島の北東部カイコウラで2メートル超の津波が観測されたとの情報もある。停電のほか、土砂崩れ、地割れなどのため通行止めの地域もあるという。(朝日新聞電子版)

 また、アメリカ地質調査所によると、現地では最初のM78の地震の後、M61の地震を観測。その後も余震は続き、そのうちM5以上の余震を3度観測している。今回の震源地近くのクライストチャーチでは2011222日、M63の地震を観測し、185人が死亡、164人が重傷を負った。今回の地震は、その時の4050倍に達するという。(ニューヨークタイムズ電子版)

 なお、59か月前に起きたこのクライストチャーチの地震は、日本人にとって格別な悲劇だった。28人もの日本人留学生が犠牲になったのだ。

 しかも、その4週間後の2011311日、東日本大震災が起きた。

 当時、このクライストチャーチの地震と、東日本大震災は、連動している、と指摘する識者もいた。要するに、ニュージーランドの巨大地震は、日本にとって、不吉である。

 あの311日の巨大地震のあと、原発の安全神話は消え失せ、この国は、原発によらないエネルギー政策へのチェンジを迫られた。しかし、安倍自公政権は、あたかも時計の針を戻して東日本大震災の記憶を喪失したかのように、国民の反対の声を無視して、原発再稼働を進めている。いつまた巨大地震が日本を襲い、福島第一原発の惨劇を繰り返してもおかしくないというのに。

 その姿は、日本を焦土にした軍部に似ている。なかでも現役軍人のまま陸相、内相を兼ねて首相になった独裁的権力者・東条英機の率いる内閣と、安倍自公政権は、似ている。(佐々木奎一)

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2016年11月18日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 五十一

 そして、中村三之助氏は、こう述べた。

 「一昨年、ドイツ・フランス・イギリスの先進事例を視察調査に行ったのもその為ですし、次は、『京都動物愛護センター』のソフト面の充実の為の情報収集に、アメリカの先進事例を調査しに行きたいと考えているところです。

 開所した『京都動物愛護センター』も建物は新しいですが、その果たすべき役割がまだまだできていません。そのソフト面をしっかりと入手して帰り、提言提案をしていきたいと思っています」

 そして、こうつづっている。

 「私は、京都はいち早く『殺処分ゼロ』を達成しなければならないと思い、私は私の立場で取り組んでおりますことをまずは、ご理解ください。」

 (続く)

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2016年11月17日

日本に直結する“トランプ大統領”リスク

 平成二十八年十一月十一月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「日本に直結する“トランプ大統領”リスク」


 を企画、取材、執筆しました。



9日に行われたアメリカ大統領選は、暴言を尽くして支持を広げた不動産王ことドナルド・トランプ(70)が、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官(69)を破り、第45代アメリカ大統領として来年120日に就任することとなった。トランプは、昨夏の時点では暴言をまき散らす泡沫候補の変人に位置付けられることが多かったが、じわりじわりと支持を広げていった。それでも、9日の一般投票ではクリントン優勢という見方が大勢だった。

 だが、いざフタを開けてみると、トランプが続々と各州を制圧していった。例えば、ニューヨークタイムズ電子版の開票速報によると、最重要といわれていたフロリダ州では、トランプ4,605,515票(得票率49.1%)、クリントン4,485,745票(同47.8%)と、ほんの1.3%差でトランプが勝った。また、ペンシルベニア州では、トランプ2,912,941票(48.8%)、クリントン2,844,70547.6%)と、わずか1.2%差。ミシガン州では、トランプ2,279,210票(47.6%)、クリントン2,267,373票(47.3%)と、0.3%差。ウィスコンシン州では、トランプ1,409,467票(47.9%)、クリントン1,382,210票(46.9%)と1.0%差など、激戦区の大半をトランプがものにした。上記各州を合わせた獲得選挙人数は75人。

 いうまでも大統領選は、選挙人538人のうち過半数の270人以上を獲得した候補が当選することになっているが、CNNによると結果はトランプ290人に対し、クリントン232人(日本時間10日午前11時時点での集計値)なので、上記激戦区の計75人がいかに枢要かがわかる。

 しかも、10日付の同社の集計(開票率92%時点)によれば、クリントンの得票数59755284票に対し、トランプ59535522票と、21万超の僅差で、クリントンが上回っているという。

 だが、たとえ総得票数で負けたしても、ルール上、トランプが大統領になることが決まった。この大統領選が、世界の命運を分けるかもしれない。

 トランプ大統領になったら世界はどうなるのか――。巷では、トランプは選挙に勝つために、わざと暴言を吐いただけで本当は紳士だから心配ない、とか、トランプには政権運営能力はない、とか、これで世界の終わりだ、といった、様々な推察がされている。

 例えば、ニューヨークタイムズ電子版の9日付のジャーナリスト・ニコラス・クリストフのコラムによると、トランプは未熟で過激な発言をするが、イデオロギーに凝り固まってはいない。たとえば、トランプはかつては妊娠中絶合法化を支持していたが、共和党候補指名争いをしているなかで、中絶した女性は罰するべきだ、と発言した。このように正反対のことをいうのは、核となる考えがないからである。要するに、トランプはオポチュニストである。(オポチュニストは「ご都合主義者、日和見主義者」ともいう。意味は「形勢をうかがって、自分の都合のよい方につこうと二股ふたまたをかけること。政治運動や労働運動で用いられることが多い」(広辞苑第六版))

 そのためトランプは、メキシコ国境沿いに壁を建設して、イラスム教徒を締め出す、と騒いだが、実行しないことだろう。そのアイデアは現実的ではないからだ。

 そして、こう書いてある。

 「トランプの最も危険な領域は、内政ではなく、外政である。外政ではトランプは法律に拘束されずに、自由に行動できるからだ」

 つまり、このコラムによると、トランプは暴言を吐き散し、オバマ大統領のやってきた政策をことごとくひっくり返えす、と言っていたが、実際はアメリカ国内では、無難にやりそうだ。だが、外政では、選挙中にみせた攻撃的な本性のまま振る舞う可能性が多分にある、ということになる。無論、日本にとって他人事ではない。

 例えば、これまでにトランプは、ISに対して地上戦を展開して核兵器も導入して殲滅する、という意味の発言したり、割に合わないので米軍は日本から撤退する、日本は核兵器を持って自前で北朝鮮に対抗するべき、といった趣旨の発言もしている。

 もしも本当にトランプがISに地上戦を仕掛けた場合、日本に対して、集団的自衛権に基づく派兵を要請するかもしれない。つまり、事実上の日本の戦争参加である。そうなると日本国内でのテロはますます現実味を増すし、自衛隊員もたくさん死ぬかもしれない。また、もし本当にトランプの言うように米軍が日本から撤退すれば、安倍自公政権は、それを奇貨として、本当に核武装を実行に移すことだろう。アメリカがあいだに入らなければ、安倍自公政権は、中国や北朝鮮といった周辺国と戦争を始めるかもしれない。

9日の大統領選により、日本の命運はトランプに左右される、という異様な状況になった。(佐々木奎一)

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2016年11月14日

押しつけ憲法論と敗戦前の憲法下の民法の内実

 平成二十八年十一月七月付、のauのニュースサイト


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 「押しつけ憲法論と敗戦前の憲法下の民法の内実」


 を企画、取材、執筆しました。



 「憲法を考える 押しつけって何?」という朝日新聞の連載記事が4日から載っている。そこにこういう一節がある。

 「近年、押しつけ論が再び浮上している。自民党憲法改正草案しかり、自民党が作った改憲PR漫画しかり。『敗戦した日本にGHQが与えた憲法のままでは/いつまで経っても日本は敗戦国なんじゃ』。漫画の登場人物のセリフだ」

 このように押しつけ憲法論をふりかざす安倍自公のうしろには日本会議がある。安倍自公政権の面々の多くも、日本会議のメンバーだ。

99日付当コーナーで紹介したように、その日本会議について、かつて慶応大名誉教授の小林節氏は、「私は日本会議にはたくさん知人がいる。彼らに共通する思いは、第二次大戦での敗戦を受け入れがたい、だからその前の日本に戻したいということ。(中略)よく見ると、明治憲法下でエスタブリッシュメント(筆者注:支配者層)だった人の子孫が多い。そう考えるとメイク・センス(理解できる)でしょ」と言った。(2015615日、日本外国特派員協会の会見にて。同年712日付週刊現代の魚住昭氏の記事より孫引き)

 「敗戦前の日本に戻したい」。そのために憲法改正して、それに基づき法律を変え、敗戦前のこの国の形に取り戻したい。それが、日本会議=安倍自公政権の本音である。

 では、敗戦前の日本は、どういう法律だったのか。1017日付当コーナーでは、「敗戦前の労働基準法」に基づく劣悪な労働環境について触れた。

 ほかにも、例えば、「私法の王様」ともいわれる民法は、日本国憲法ができる前と、できてから、では、まったく違う。敗戦前の民法(以下「旧民法」)は「男尊女卑」に貫かれていた。

 そのことは現明治学院大の加賀山茂教授のHP「日本の家族と民法」に詳しい。そそれによると、旧民法の特色の一つは「家制度」。それは「家は、戸主(家長)とその家族によって構成される(旧732条)」「家族は家長である戸主の命令・監督に服する。その反面、戸主は、家族を扶養する義務を負う(旧747条)」というもの。要するに、戸主は、家のなかで絶対的権力者だった。

 そして、結婚した女性は、権利を奪われた存在だった。旧民法では、「婚姻によって妻は夫の家に入る(旧788条)。その結果、妻は氏を夫の家の氏に変更し、戸主と夫の支配と庇護の下に入る」

 そして、「女は、婚姻によって無能力者となる。たとえ、女が婚姻前は成年として能力者であっても、妻となると、無能力者となってしまい、重要な法律行為をするには、常に夫の同意を得なければならない(旧788条)」。(「無能力者」とは民法上、「未成年者、成年被後見人、被保佐人及び被補助人(特定の法律行為をするには補助人の同意を要する旨の審判を受けた者に限る)がこれに当たる。平成11年及び16年の改正により、「無能力者」という用語は「制限行為能力者」という用語に改められた」(法律用語辞典第4版より)

 さらに、「法律上、貞操義務を負うのは、妻だけであった。離婚原因も、『妻が姦通をなしたるとき』であり、夫が姦通してもそれだけでは離婚原因とはならなかった(旧8132号)。夫の姦通が離婚原因となるのは、強姦をするなど、『夫が姦淫罪に因りて刑に処せられたるとき』のみである(旧8133号)。また、貞操義務が刑法によって義務づけられていたのも妻だけである。すなわち、姦通罪で罰せられるのは、妻の側だけであった(旧刑法353条)」

 このように「戸主は、戸主権を通じて家族を支配していた(旧749条〜751条)。また、夫は、夫権を通じて妻を支配し、さらに、親権を通じて子を支配する(旧877条)という支配の構造が貫徹していた。つまり女・子どもは支配と保護の対象であった。親権者は、原則として、父であり(旧8771項)、父が知れないとき、死亡したとき、家を去ったとき、または、親権を行うことができないときのみ、例外的に、母が親権を行使することができた(旧8772項)」。

 こうした男尊女卑のカタマリの旧民法は、日本国憲法により、今の民主的な民法にチェンジした。

 なお、自民党改憲草案や安倍自公が、「家族」を強調していることと、旧民法は密接に関係している。

 前出の加賀山教授のHPによれば、「明治民法には、『家族』の定義があり、それが、『家』制度の根本思想に裏付けられていたために、現行法では、『家族』の定義も含めて、家族という用語自体が削除されたという事実は認識しておく必要があろう。つまり、日本の家族を知ろうとすれば、『家』制度が廃止されたたために『家族』の定義自体を欠くにいたった現行民法ではなく、『家族』の定義を有していた明治31年民法にさかのぼってその内容を知る必要があるのである」とある。

 安倍自公のいう「家族」は、旧民法の「家族」が念頭に置いている。

 押しつけ憲法を改憲して日本を取り戻す、などと安倍自公が盛んに郷愁する、敗戦前の憲法下の内実は、旧民法の世界である。(佐々木奎一)

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2016年11月09日

村上春樹の言葉と蔓延する歴史修正主義の暗流

 平成二十八年十一月四月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「村上春樹の言葉と蔓延する歴史修正主義の暗流」


 を企画、取材、執筆しました。




1029日付の朝日新聞朝刊に、「日テレが産経に抗議『恣意的な記事』 『南京事件』番組巡り」という記事がある。それによると、日本テレビのドキュメンタリー番組についての、産経新聞の検証記事が、事実と異なるとして、日本テレビが産経に対して文書で抗議したという。

 「番組は昨年10月に日本テレビ系で放送された『南京事件 兵士たちの遺言』。日本兵の日記や証言などをもとに、中国で捕虜や住民を殺害したとされる事件を検証する内容で、優れた放送作品などに贈られる昨年度のギャラクシー賞(優秀賞)を受賞した。

 この番組に対し、産経新聞は今年1016日付朝刊で「『虐殺』写真に裏付けなし」という見出しの記事を掲載。川岸に多くの人が倒れている写真の取り上げ方について、逃れようとする中国兵同士の撃ち合いや多くの溺死があったという記録に触れていないと批判した。捕虜の殺害についても『暴れ始めたためやむなく銃を用いた』とする大学教授の見方を紹介した。

 一方、日本テレビはホームページで『虐殺写真と断定して放送はしていない。産経新聞記者の『印象』から『虐殺写真』という言葉を独自に導き、大見出しに掲げた。いかにも放送全体に問題があるかのように書かれた記事は不適切と言わざるをえない』と指摘」したという。

 要するに、南京虐殺事件はなかったことにしたい、という、産経新聞のいつもの言い分を巡る話である。この産経新聞の思考は、そのまま安倍政権とその支持団体・日本会議にも当てはまる。

 一例をあげると、「新しい歴史教科書をつくる会」の創設者で同会元会長の藤岡信勝氏は、「南京大虐殺」について、「私たちの父や祖父達がこんなことを組織的にしていたとしたら、私達日本人は百年は立ち直れないでしょう。祖国愛や誇りを持つなどということもあり得ないことです」と訴え、南京大虐殺は「でっち上げ」であると述べている。その根拠の一つは、「虐殺者数がはっきりしない」、だからデタラメであり、「自虐史観」だというものだ。

 だが、99日付当コーナーで指摘したように、南京大虐殺当時、日本政府により発禁となった西洋メディアの日本語新聞の記事には、「非戦闘員の殺戮は広く行われていた。被害者は多く銃剣で刺され負傷者中には暴虐無残なものがあった。日本軍の掠奪は殆ど全市を侵すに及んだ」(ニューヨーク発行「アメラシイア」19382月号)、「南京占領の際、過去の日本軍には見られなかった掠奪、強姦、虐殺が大量的に行われたので、外人目撃者は非常に驚いて『南京攻略は日本戦史に輝かしい記録として残るよりも、その大量的虐殺の故にかえって、国民の面をふせる事件として記憶に残るであろう』との見解をもたらしている。一説には今回の戦争に大義名分がないから緊張味を欠くのだともいわれている」(シアトル発行「ニュース」1938112日号)などと報じられていた。(「太平洋戦争と新聞」(著:前坂俊之/講談社刊))

「私たちの父や祖父達がこんなことを組織的にしていたとしたら、私達日本人は百年は立ち直れない」と藤岡氏は言うが、我々人間というのは、ときに大虐殺などという、他の生物では考えられないようなオゾマシイことをしてしまうほど、“度し難い”生き物であるということを直視するところからはじめなければいけない。

 折しも、作家の村上春樹(67)は、1030日にデンマーク生まれの童話作家アンデルセンにちなむハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞の授賞式(アンデルセンの生誕地オーデンセで開催)に出席し、こう語った通りである。(以下、1031日付朝日新聞朝刊より)。

 「登壇した村上さんはアンデルセンの『影』という作品を引き合いに出し、『人間一人一人に影があるように、あらゆる社会や国家にも影がある。明るくまぶしい面があれば、それに釣り合う暗い側面があるのです』と英語でスピーチ。『私たちは時に、影の部分から目を背けようとします。あるいは無理やり排除してしまおうとします。でもどんなに高い壁をつくって外から来る人を締め出そうとしても、どんなに厳しく部外者を排除しようとしても、あるいはどれだけ歴史を都合のいいように書き直したとしても、結局は自分自身が傷つくことになる。自らの影、負の部分と共に生きていく道を、辛抱強く探っていかなければいけないのです』」

 (佐々木奎一)

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2016年11月06日

「原発ゼロ争点にすれば自公は負ける」小泉純一郎

 平成二十八年十月二十四月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「「原発ゼロ争点にすれば自公は負ける」小泉純一郎」


 を企画、取材、執筆しました。



23日投開票の衆院補選で、東京10区は自民公認、公明推薦の前職、若狭勝氏(59)、福岡6区は無所属新顔の鳩山二郎氏(37)がそれぞれ当選した。自民は鳩山氏を追加公認し、事実上2勝。野党は一本化したものの民進公認候補がともに敗れた(23日付朝日新聞電子版)

 しかも、「民進は社民などの推薦の申し出を断り、東京10区では野党4党の党首級がそろう合同演説会に候補者が来ないなど、終始、ちぐはぐな対応が目立った。野党3党推薦候補が勝利した16日の新潟県知事選の勢いを生かすこともできず、むしろ知事選で表面化した連合との亀裂が選挙戦に影を落とした」とある。

 この「亀裂」とは、新潟県知事選で、連合が原発推進の自公の推薦する候補を推した。それに対し、選挙終盤で民進党の蓮舫代表が、民進党以外の野党が推す脱原発を掲げる候補を応援したことで、連合と民進党執行部に亀裂が入ったことを指している。

 巷では、衆院選はいつあってもおかしくない、と盛んに自公議員が吹聴している。そうしたなか、野党第一党の民進党のこの動向は、野党支持者にとって、まことに心もとない。

 要するに、民進党はいま、支持母体である連合が、最大のネックとなっている。そのことに関し、示唆深い記事がある。それは、共同通信社が19日、小泉純一郎元首相に対し行った、退任後初めての単独インタビューである。

 同社の記事によると、インタビューの要旨は次の通りだったという。

 ――新潟、鹿児島両県知事選で、原発再稼働に慎重な候補が勝利した。

 小泉氏「目に見えない、うねりが出てきた。衆院選に影響がある。野党が候補を一本化し、原発ゼロを争点にしたら、自民党が勝つか分からない。野党が勝つのではないか。今までは争点隠しされた。これからは影響がある」「民進党は最大の争点が原発だと分かっていない。野党がだらしないから与党は楽だ。野党が原発ゼロを言い出したら、原発再稼働について、自民党から『実は反対』という議員が出て、ごたごたする。自民党は民意を無視している。民意を無視する政党が、政権を持続できるわけがない」

 ――今、現職なら原発ゼロを争点に信を問うか。

 「当たり前だ。野党は真っ青になる」

 ――即、原発ゼロか。

 「もちろん。原発推進論者の『安全、コストが安い、クリーン』とのスローガンは全部うそだ」

 ――首相在任中の原発政策を反省しているか。

 「当時、分かっていれば、とっくにゼロにしていた。論語の『過ちては改むるにはばかることなかれ』だ」

 ――高速増殖炉もんじゅの評価は。

 「(核燃料サイクル政策)全てが駄目だ。必要ない」

 ――使用済み燃料の再処理を認めた日米原子力協定のため原発政策をやめられないとの声もある。

 「米国は日本が方針を決めたら、いやと言えない。(2018年が期限の協定を)更新する必要はない」

 ――東日本大震災で救援活動をした元米兵の支援に取り組む理由は。

 「口だけの感謝では済まない。来年3月までに1億円を集め、見舞金として渡したい」

 このように原発政策について語ったという。また、安倍自公政権は、北方領土の2島返還をして支持率をアップさせた後に衆院選に臨み大勝して、憲法改正をするのではないか、と盛んにいわれているが、小泉氏は、こう語った。

 ――首相は憲法改正を実現できると思うか。

 「できない。基本は9条改正だが、国民に変える雰囲気がまだない。9条以外を変えるのは意味がない」

 ――北方領土問題は解決できると考えるか。

 「難しい。ロシアが北方四島の日本帰属を認め、2島を返還するならいいが、しないだろう」

 おそらく歴代の日本の首相のなかで最も選挙に強かったであろう、軍神(武運を守る神。いくさがみ。広辞苑)のような人物の言葉なだけに、真に迫るものがある。

 また、103日付の週刊アエラにも、小泉氏の単独インタビューが載っている。そこには、こういう下りがある。

 「原発ゼロを訴える原点については、こう語る。『私は首相だったとき、専門家の意見を信じていたけど、東日本大震災の後、自分で勉強し直した。113月以降、13年の9月まで、原発はたった2基しか動いていなかったし、それから去年の8月に川内原発が再稼働するまではまったくゼロですよ。この夏に伊方原発が動いたけれども、10月から川内原発は順次検査のために止まる。5年以上たっても、せいぜい23基しか動いていないけど、暑い夏も寒い冬も、電力不足を理由にした停電は全国で一度も起きていない。日本は原発ゼロでやっていけるんですよ』

 「原発ゼロの話になるとさらに力がこもり、弁は熱を帯びる。『まだ汚染水だってコントロールできていないし、除染にだって一体いくらかかるのかわからない。5年間、実質的に原発ゼロでできているのに、なおかつ再稼働させるのか。なぜこんなバカげたことをやるのか、不思議でしょうがないんだ。原発ゼロなんて、やるのは簡単ですよ。総理が決断するだけだ。経産省や推進論者はクルッと変わりますよ。日本が決めたら米国だって嫌と言いませんよ。責任もどこにあるのかあいまいで、政府? 規制委員会? 東電? よくそんなごまかしがきくな。不思議だね。いずれわかることだけど、原発ゼロのほうが成長できる。私はますます自信、確信を持っているんだよ。原発がなくなると働き口がなくなるという人がいるけど、雇用の場は、自然エネルギー、新しい産業で出てくるよ』」

 さらに、こう書いてある。

 「民進党は蓮舫氏が代表に選ばれ、執行部も一新した。民進党にアドバイスするとしたら、と聞くと、『ただちに原発ゼロを最大の焦点にしろ。それができない限り、民進党の支持は上がらないよ。2030年代にゼロにする? じゃあなぜ今ゼロにしないの?これもわからない。いずれ自民党がゼロを打ち出したら、もう野党はめちゃめちゃだよ』」

 このように、選挙の天才・小泉氏は言っている。だが、上述の通り、連合は、原発を再稼働したがっている。つまり、原発ゼロにするということは、民進党が、最大の支持母体・連合と決別することを意味する。これは民進党にとって、コペルニクス的転回である。

 なお、現状の民進党の内情を現わす、こんな記事がある。それは「民進『原発ゼロ』に波紋 工程表作成、党内に慎重論」(21日付朝日新聞朝刊)という記事。

 それによると、「蓮舫代表は20日、東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原発を視察した。記者団に『原子力政策に関して複数の選挙で明確な結果が出ている。再稼働ありきでは絶対に国民の理解は得られないと確信している』と説明。30年代原発ゼロに向け、新エネルギーと雇用政策を含めた工程表を示すと明言した。

 民進は党の政策集で、30年代原発ゼロを『実現するために』、40年廃炉ルールを厳格に適用▼原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働▼原発の新増設は行わない――の3点を『原則』」としている。

 要するに、原発再稼働を進めるということであり、自公政権と民進党は、軌を一にする。

 そのため、「脱原発を明確に訴える政党との調整がうまくいかず、参院選の野党共闘でも共通政策に『脱原発』の言葉は盛り込めなかった」

 「そんな中、今月16日の新潟県知事選で、東電柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な無所属新顔の米山隆一氏が、再稼働を進める与党推薦候補を破った。米山氏は共産など3野党が足並みをそろえて推薦したが、民進は自主投票。原発再稼働推進の電力総連を抱える党内事情が影を落とした。(中略)こうした事情を背景に、安住淳代表代行が19日の記者会見で『他の野党とは(原発政策で)多少溝はあるが、許容範囲の中に収まらないと選挙で一緒にやるのは難しい』との認識を示し、工程表の作成を表明した」という。

 だが、工程表をつくっても、30年代まで原発を動かしていくことに変わりはない。30年代に原発をゼロにする具体的な計画をつくるといっているだけのことである。だが、そんな代物ですら、連合は目くじらを立てている。同記事にはこうある。

 「電力総連出身の小林正夫参院議員は20日、『これまでの3点の『原則』を踏襲するべきだ。工程表の話は承知していない』と朝日新聞の取材に答えた。電力総連を傘下に置く連合の神津里季生会長も20日の会見で『民進が政策をより強固なものにしていくことは普通のことだ』としつつ、雇用確保や安全面、地元同意などを踏まえ『再稼働できるものはすべきだ』と強調した」

 「工程表」一つでここまで反発するということは、連合にとって、「30年代原発ゼロ」とは、「永遠に原発を動かし続ける」という意味であることを如実に示している。

 このように、民進党は、最大の組織票である連合がネックになっている。連合が民意に反しているのは、新潟知事選で立証されている。民進党は、国民と共に進む、といっているのに、連合の言いなるのは、明らかにおかしい。

 蓮舫民進党は、民意と連合、つまり、国民各層の支持という個人票と、連合という確固たる組織票の、どちらの声に耳を傾けるかを迫られている。民進党にとって、「原発ゼロ」は、国民政党になれるかどうかの試金石である。(佐々木奎一)
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2016年11月04日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 五十

  次いで、こう述べた。
 「また『まちねこ活動支援事業』を提言し実施に至らしめるなど、積極的に動物愛護に関する取り組みを行っている議員と自負しております」

 そして、こう述べた。

 「ただ、いぬ・ねこ飼育に関する市民意識は様々であり、動物・ペットに対して皆同じ認識、理解をされていないのが現実であります。その現実の中で、理解を広げ、深めていくことが必要であり、そのためには、やはり進める段階があります。一挙には無理でも、一歩一歩進められれば必ず、いずれ『人と動物が共生できる豊かなよき社会』ができると考え、私なりに行政に提言、提案し、働きかけております。

 (続く)
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2016年11月03日

広島緒方監督「信念」の投手起用と武田勝頼・長篠の戦

 平成二十八年十月三十一月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「広島緒方監督「信念」の投手起用と長篠の戦」


 を企画、取材、執筆しました。



 日本ハムが王手をかけて迎えたプロ野球・日本シリーズの第6戦(1029日)は、7回が終わった時点で44だった。がしかし、8回表の日ハムの攻撃時、この回から、広島のジャクソンがマウンドに上がった。

 ジャクソンは、6試合連続登板でこれまで2試合で、日ハム打線につかまり、逆転負けを喫している。

 ジャクソンは、この回、危なげなく2アウトまでは取った。しかし、その後、ライト前ヒットを打たれた。一塁ランナーは、盛んに走る気配を見せた。ジャクソンは、ランナーを過剰に気にし始め、実に牽制球を5回も投げていた。こうしてバッターに集中でなくなり、センター前ヒットを打たれた。さらに、その直後にも、センター前ヒットを打たれ、一気に、満塁となった。

 迎えるバッターは4番中田翔。この試合で負ければ終わり、という、後がない状況で、これまで2回逆転されているトラウマによる極限のプレッシャーからか、ジャクソンの一球目は、ストライクゾーンから大きくそれるボール球となった。だが、ベンチは動かない。そして、ジャクソンは、2球、3球、4球と、立て続けに明らかなボール球を投じ、押し出しとなった。

 これで54と日ハムが逆転。そして、次のバッターは、日ハムのピッチャー。ピッチャーが相手なのだから、さすがに打ち取るだろうと思いきや、なんとセンター前ヒットを打たれた。これで64。ジャクソンは、満塁になった時点で、プレッシャーに押し潰され、押し出しになった時点で、緊張の糸がプッツリと切れてしまったようだった。

 迎えるバッターは、レアード。第4戦でジャクソンはレアードに決勝2ランを浴びていた。だが、ベンチは動かない。そして、ジャクソンは、レアードに満塁ホームランを打たれ、104という、広島にとって最悪のパターンとなった。この時点で、やっとベンチが動き、ジャクソンは交替となったが、この回で事実上、勝負は決まり、104のまま日ハムが優勝した。

 もともと広島は、シーズン中、7回を今村、8回をジャクソン、9回を中崎が投げて勝つ、というのが勝利の方程式だった。だが、日本シリーズでは、この3投手のうち、ジャクソン、中崎は打ち込まれた。これまでの勝ちパターンが、短期決戦の日本シリーズでは通用しなかった。それでも、広島の緒方孝市監督(47)は、この3投手で締める、という方程式を貫いた。そこには、シーズン中、この三人で戦い勝ってきたのだから、この三人を信じる、という、「強固な信念」があるように見受けられた。ここまで監督に信頼されれば、選手たちは意気に感じ、力を発揮することだろう。長期戦のシーズン中であれば…。

1030日付のヤフーニュースのライター、リサーチャー松谷創一郎氏の記事「勝負を分けた監督力の差──2016年日本シリーズを振り返る」には、こうある。

 「緒方監督は、頑なにシーズン中と同じ継投を繰り返した。結果、今村とジャクソンが6連投となった。これは1956年の西鉄ライオンズ・稲尾和久以来の記録だ。それくらい異例のことだ」

 いうまでもなく稲尾和久は、投げれば勝つから、連投した。2回逆転負けを喫しているジャクソンを、6試合全てに投げさせるのとは、意味合いが全く違う。つまり、長い日本シリーズのなかで、広島の投手起用は、前代未聞の異常事態で常軌を逸している。

 同記事には、こうある。「ジャクソンは、今年のカープの快進撃を支えた一人だ。ただ、シーズンでも好不調の波があるように、このシリーズでは明らかに不調だった。ジャクソンは、今シーズン67登板のうち12試合で点を取られている。だが、その12試合のうち9試合は連続しての失点だった。これは登板数の多い今村や中崎と比較しても、非常に顕著な特徴だ。悪いイメージを引きずるタイプなのかもしれないが、好不調の波の激しさがシーズン中にも少し出ていたのだ。

 問題は、そうしたジャクソンの出来ではない。不調のジャクソンを6試合も連続で使い続けたベンチワークにある。(中略)緒方監督の采配は意固地なくらいにワンパターンだった。全試合でベンチ入りした福井・九里・一岡の3投手は、結局一度も登板しないままだった。振り返れば、第2戦で4点リードの際にこの3人のひとりでも試していれば、もっと継投の幅が広がったと思える。それができなかったのは、シーズン中と同じ戦い方にこだわったからだ」

 こうしたデータからみても、緒方監督のジャクソン起用は、非合理性に満ち満ちている。それは、武田勝頼の「長篠の戦」を彷彿とさせる。

 長篠の戦とは、天正三年(一五七五)五月二十一日、織田信長・徳川家康連合軍が武田勝頼の軍を三河国設楽原(したらがはら)で破った合戦。

 通説では、この戦では、武田軍の騎馬戦法に対し、信長は馬を塞ぐ柵を構え、その後ろに鉄砲隊などを布陣させた。武田軍は次々と騎馬で攻めかかっていったが、柵の中から攻撃する鉄砲に悉く防がれ、大損害を受けた。信長は鉄砲隊を三段に重ねて、第一列の兵は射撃のあと後ろにさがり、第二列、第三列が撃つ間に弾を込めるというように、連続的に火縄銃を使用する戦法をあみだした。この戦法の大成功により、武田氏に代表される騎馬中心の戦法から鉄砲主体の戦法へと戦の主流が移った。「信長公記」によると武田軍の損害は雑兵をあわせて一万余。これほどではないにしても壊滅的打撃を蒙り、この合戦により、織田・徳川・武田三氏の勢力関係がまったく一変した。(「国史大辞典」(吉川弘文館刊)より)

 それにしても、なぜ、武田軍は、鉄砲で撃たれる中、ひたすら突撃を続けたのか。これでは玉砕に等しい。そのあまりの非合理性に、首をかしげる人は実に多い。

 だが、武田勝頼は、合理的に戦況を判断したのではなく、なんらかの「強固な信念」を持ち、ぶれずにその「信念を貫き通した」のではないか。

 緒方監督の采配は、長篠の戦を想起させる。(佐々木奎一)


 PS 一方の日ハムの栗山秀樹監督は、優勝はしたが、そこに至るまでには、中島卓也による膨大なヒットを打つ気のさらさらない、「四球狙いの故意のファウル」という、卑劣な手口の積み重ねがあった。日ハムはそうやって勝ってきた。栗山監督には、中島を重用するという、腹黒さがある。

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2016年10月31日

ヒット打つ気ないファウル連発で四球の卑劣な手口

 平成二十八年十月二十八月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「ヒット打つ気ないファウル連発で四球の卑劣な手口」


 を企画、取材、執筆しました。



 プロ野球は日本シリーズの真っ最中である。この原稿を執筆している26日が終わった時点で、広島、日本ハムともに22敗。

 ここまでの試合で、特に、あとあとまでの語りぐさになるであろう試合は、今年で引退を表明した広島のピッチャー黒田博樹が先発した25日の試合であろう。

 この日、黒田が投げている間は、21で広島がリードしていた。

 そして、黒田が降板し、点数は変わず、8回裏の日本ハムの攻撃に入り、広島のピッチャーはジャクソンに代った。バッターは、9番・中島卓也。この中島は、ジャクソンの投げ込む渾身の球に対し、何度も何度も何度も、ファウルした。全力で投げるなかで、ストライクにならないボール球も出てくる。そのボール球は見逃し、中島はフォアボールで出塁した。

 この中島のやっていることは、極めて薄汚い行為に見えた人も多かったに違いない。たとえば、バッターの1番から9番まで、全員、中島みたいなことをやっていれば、相手投手は3回までもたないかもしれない。

 この8回裏の中島の執拗なファウル打ちに対し、解説者の古田敦也氏は、中島はヒットを打とうとするのではなく、フォアボール狙いでボールを当てようとしているだけ、という趣旨のことを言っていた。その言動からは、中島の行為を否定しているニュアンスが伝わってきた。

 なお、この日の試合は、中島の出塁を機に、日本ハムが逆転して勝った。中島の汚い行為が、試合を決定づけたのだ。

 ちなみに、中島が意図的にファウルを重ねて、相手投手にボール球を投げさせ、フォアボールを狙っているのは、誰の目にも明らかだが、中島本人も、そう言っている。

 例えば、スポルティーバ電子版の141012日付の記事「日本ハムのキーマン・中島卓也が語る『2番打者の極意』」には、こう書いてある。

 「721日、大阪で行なわれたバファローズとの一戦ではブランドン・ディクソンに16球を投げさせた。この打席で打ったファウルは12本。結局はショートゴロに倒れたが、先発ピッチャーを疲弊させるのに十分な働きをした。727日のイーグルス戦では、則本昂大を相手に、またもファウルを打ち続けた。

 『あの打席は一番、印象に残っています。1点負けている7回だったかな。ワンアウト一塁で打席に入って、ピッチャーは則本でした。粘って粘って、ずっと粘って、最後はフォアボールでつないだ。その直後、中田(翔)さんが逆転3ランを打って勝ったんです。すごく嬉しかったし、(ファウルで粘れたことが)よかったと思いました』」

 さらに、こう言っている。「ツーストライクを取られたら、どんないいバッターでも打率は下がります。ましてや僕なんかが、追い込まれてからヒットを打ちにいっちゃダメだと思ってるんで、ツーストライクからはアプローチを変えます。ヒットを打ちにいってファウルになるのではなく、最初からファウルを打ちにいく感じですね」

 そして、こう断言している。

 「もちろん、追い込まれてからは甘い球でもファウルを打ちにいきますよ。ヒット狙いじゃなくて、フォアボール狙いですから......何とかフルカウントまでは粘ろうと思ってるんです」

 このように、包み隠さず語っている。

 この中島のやり方を批判すると、必ず、こう反論する人がいる。

 ファウルをするのは立派な技術だ、とか、中島を批判するのは野球のド素人だ、と。

 たとえば、日本ハムファンにとっては、中島の薄汚い手口で勝った、と言われたり、ファ自身がそう思ったりすると、嬉しさも半減してしまうので、そう思いたくない、という心理が働く。それに何といっても、中島のやっていることはルール違反ではない。なので、ルールにのっとる限り、勝つために何でもする、中島みたいな真似さえもする、という考えの人も多い。

 なお、中島がファウルをするのは類まれな技術、という声については、上述のように、中島自身、「ツーストライクを取られたら、どんないいバッターでも打率は下がります。ましてや僕なんかが、追い込まれてからヒットを打ちにいっちゃダメだと思ってる」と言っている。つまり、中島は、技術があるから、ファウルばかり打っているのではなく、むしろ技術がないから、ファウルばかり打っている、ということになる。

 要するに、試合で勝つ、という一点だけでみた場合、中島のような行為が、勝利に結びつくことがあるのは事実。だが、その卑怯なプレーに、多くの人は嫌悪感を抱く。大抵の選手も、そんな卑怯な真似をしたくない。プロの誇りにかけて、やりたくない。ファンにお金を支払わせて魅せるプレーをするプロとして、そんな嫌悪感を抱かせるようなプレーなどしたくない。だから、大抵の選手は、そういうことはしない。だが、中島は、汚れ役をやる。そのエゲツなさで、レギュラーの座を勝ち取っている。そう言わざるを得ない。

 なお、中島をこう批判すると、中島は技術があるからそれができるのだ、と目くじらを立てる人もいるのは先に述べた通りだが、例えば、メジャーリーグへ行った川崎宗則は、中島のようにファウルで粘って球数を費やさせることで、監督から評価されていた。そのことについて、川崎は、こう語っている。

 「メジャーへ行って、なかなかヒットを打てる確率が、日本の時よりもちょっと少なくなっている。技術がない。今の僕には。だから去年は、球数を投げさせることしか、できなかった」「球数投げさせるってことは、ヒットを打つ技術が、乏しいだけ。ホームラン打つ技術が、ないだけ。でも、僕は、究極は、ヒットを打つ。あいだを抜けるヒットを打つ。ホームランを打つ。長打を打つ。これを絶対に前提に置いているから。そこをどうにかしないことには。球数を投げさせることで評価されるのは、納得いかない」(15510日「TBS番組S1PLUS「マイナー契約でも諦めない 川崎宗則が挑戦する理由」より)

 ファウルをわざと打つ中島は、ほかの選手よりたけている、という言い分は、この川崎の言から考えて、間違えている。

 では、中島が悪いのか、というと、ルールの範囲内で、いわば合法的に、汚いプレイをしているまだから、改めるべきルールなのかもしれない。たとえば、2ストライクからのファウルは、3回目でアウトにする、とか、故意にフォアボール狙い、あるいは、ピッチャーを潰すために、ファウルを重ねている、と審判が判断したら、その選手は退場にする、といったルールに変更すれば、中島のような選手をなくすことができる。

 なお、専門家のなかには、中島のようなラフプレイを、公然と批判している者もいる。野球評論家の広澤克実氏は、公式ブログで、こう述べている。

 「よくゴルフをプレーする方なら必ず知っているフレーズがある。それは『ゴルフは紳士のスポーツなのだ』という言葉。この言葉を耳にしたことがある人は多いと思う。

 正にゴルフのマナーとかモラルはこの『紳士のスポーツなんだ』という所から端を発している。

 では、野球の場合はどうなのだろうか。

 野球の精神の出発点は『正々堂々と男らしく戦う』事をモットーにスタートしたのだ。

 審判員が『ボール』とコールする意味は『ボールを投げたらダメだ。正々堂々と打てるボールを投げなさい』という意味で(Ball to the bat)とコールしたのだ。

 また、『ストライク』とコールする意味は『ストライクを見逃さずにちゃんと打ちなさい』という意味で(Stike=打て)とコールしたのだ、という(中略)このフェアな精神というのが大事で投手にはフェアにストライクを投げる事を求め、打者にはそのフェアなボールをフェアに打ち返す事を求めたのだ」

 そして、こう書いてある。

 「例えば、ファウルで粘って四球で塁に出ようと(中略)する事はフェアではなく男らしくない、と考えられ『なんて卑怯なんだ』とされていた」

 「野球の出発点である正々堂々の精神を知った上で現代風にアレンジするのは良いと思う。しかし、原点を知らずに『ファウルで粘る事は良い』と(中略)言うのはいかがなものか、と思うのだ」

 そして、こう書いてある。

 「そもそも悪いのは我々プロ野球の解説者ではないか。選手時代の実績を糧に野球の勉強を怠った。かく言う私も恥ずかしながらこの事実を最近まで知らなかった。

 しかし、そう考えると、バレンティンの敬遠の問題もマートンのスライディングの問題も現行のルールに違反しているかどうか以前にこの野球の精神に反しているかどうかが重要であると思える。

 勝つ為の手段や方法は色々あると思うが、どんな事があってもこの『野球の精神』を越えてはならないと私は思うのだ。(中略)私達解説者はその事を伝える義務を負っていると思う。野球中継がTVで放送されるようになって半世紀以上経つが私の知る限り、この野球の精神を伝えた人はいない。今後私がやるべき事がぼんやりと分かってきたような気がする」(なお、広澤氏は、狙いのファウルと、強打者との勝負を避ける敬遠を、同列に扱っているが、悪質の有無という点で違うとの判断から敬遠の箇所は省略した。また、文中の、正々堂々と男らしく戦う、という表現は、女性も野球をするので、現代では「正々堂々と戦う」という言葉になるのは、言うまでもない)

 たしかに、広澤氏のいうように、解説者たちが、中島のようなプレーは野球の精神に反している、と常に指摘していけば、ルールを変えるまでもなく、自然に、中島のようなことをする選手はいなくなるかもしれない。が、中島のことを批判したら日本ハムファンからクレームが来て解説者の仕事を干される、という恐れから、野球専門家たちにそれができないようなら、ルールを変えた方がよいのではないか? (佐々木奎一)








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2016年10月27日

蓮舫国籍批判とトランプに通底する人種差別排外思想

 平成二十八年十月二十一月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「蓮舫国籍批判とトランプに通底する人種差別排外思想」


 を企画、取材、執筆しました。



 民進党の蓮舫代表が二重国籍であるとして安倍自公政権、読売・産経新聞系列を中心とした勢力から批判を浴びている。

 蓮舫氏は東京都出身で父が台湾人、母が日本人。17歳だった1985年に日本国籍を取得している。だが、先月の民進党代表選のさなか、「二重国籍」ではないかとの批判を受けた。蓮舫氏の説明では、851月に日本国籍を取得し、台湾籍の放棄を宣言。当時、東京の台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)に赴き、父が台湾語で手続きをしたため、「どういう作業が行われたか覚えていない」が、調べた結果、台湾当局から「台湾籍が残っていた」と連絡があったという。蓮舫氏は913日、「私の記憶の不正確で混乱を招いたことをおわびしたい」と謝罪。(毎日新聞)

 その後、蓮舫氏は手続きを進め、今月7日に日本国籍を選択したことを明かしている。(読売新聞)

 日本の国籍法には、「外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない」(16条)とある。

 つまり、蓮舫氏の場合、22歳になるまでに、台湾国籍か日本国籍のいずれかを選択しなければならない。

 それを現48歳になるまで選択しなかった、これは違法である、と安倍晋三総理や法務大臣の金田勝年氏などが批判し、その安倍自公政権の言い分をメディアが拡散している。

 まるで鬼の首でも取ったように騒いでいるわけだが、法務省によると、22歳以降も複数国籍のままの日本人は推定68万人にのぼる(1476日付朝日新聞朝刊「揺らぐ国籍 複数国籍者は68万人? 日本」)。

 そして、国籍法15条には、前条の「期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる」「催告を受けた者は、催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う」とある。だが、これまでに催告の前例は一度もない。(同)

 要するに、この国では事実上、二重国籍は放置している。罰則もなく、政府は催告すらしたことがないのだから、国籍法第1516条は、死文化している。蓮舫氏のような事態になるのは、一重に自公政権の不作為である。それを棚に上げて、蓮舫氏を個人攻撃するのは、おかど違いだ。

 将来の総理かもしれない蓮舫氏が、二重国籍だったのは問題だというなら、法律で今後はそういう事態にならないよう定めるのが筋だ。

 それに蓮舫氏が、台湾との二重国籍で、国会議員として台湾を利して日本に不利益を与えた事実があるなら別だが、そういう事実は絶無であり、すでに二重国籍を解消しているのだから、いつまでもネチネチと過去のことを批判するのは不毛である。

 なお、国籍法に詳しい近藤敦・名城大学教授(56)は、一連の騒動について、「今回の問題は、欧米では差別的に映るでしょうね。イギリスでは、外相のボリス・ジョンソン氏がアメリカ国籍を持っていましたし、カナダのジョン・ターナー元首相はイギリス国籍を持っていました」(930日週刊朝日)という。

 また、920日付朝日新聞朝刊「重国籍から見える『今』 二国の法律守る『不可能でない』」によると、近藤氏は、「今では欧米を中心に世界の半分ぐらいの国々が、法的に重国籍を容認しています」と指摘。

 なお、世界でも、第2次世界大戦以前は「国籍は一つであるべきだ」という考えが主流だったが、大戦後、現代的な民主国家が増え、「君主ではなく、法を守ることが国家への忠誠になったのです。二つの国の憲法や法律を守ることは、必ずしも不可能ではありません」という状況になり、人々の国際移動や国際結婚が増え、人権擁護が重視されるようになったことも重国籍容認を促した。「二つのルーツを持って生まれた子に片方だけを選ばせるのは酷だ、という感覚が一例です。個人のアイデンティティーという点でも多元性が大事になっています」という。例えば、1997年に欧州評議会が定めた欧州国籍条約は、生まれながらの重国籍者に国籍選択を要求しないこと、重国籍者に単一国籍者と平等な権利を認めること、を加盟国に義務づけているという。

 その一方で、こういう動きもある。「11月に本選を迎える米大統領選。共和党の指名を争ったテッド・クルーズ氏はカナダ国籍(市民権)を持つことを問題視され、2014年にそれを放棄した。

 『米国で二重国籍は法的に認められているが、大統領ともなれば、合衆国への忠誠心を疑われる理由になりかねなかった』と西崎文子・東京大教授(米国政治外交史)は分析する。

 また、オバマ大統領はハワイ生まれだが、過去2度の選挙で『米国生まれでない』との説を流され、出生証明書を公表する事態になった。『黒人だ、異質だという人種主義的な偏見を広めようとする運動でした』

 両氏のケースとも、攻撃する運動の中心にはドナルド・トランプ氏がいた」(同)

 要するに、蓮舫氏を批判する安倍自公や読売産経の言説の基底にある思想は、「民主主義の敵」として米国で批判を浴びるドナルド・トランプと同じ、排外的な人種差別の思想である。(佐々木奎一)



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2016年10月23日

電通新入社員「過労死」事件と安倍自公の暗黒

 平成二十八年十月十七月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「電通新入社員「過労死」事件」


 を企画、取材、執筆しました。



 先週来、電通社員の過労死事件が物議を醸している。遺族の記者会見に基づいた全国紙各紙の記事によると、亡くなったのは、入社1年目の高橋まつりさん。高橋さんは、中学生の時に両親が離婚。「お母さんを楽にしてあげたい」と猛勉強して東京大学文学部に合格。大学生時代には中国に留学し、卒業後の就職先として、高いコミュニケーション能力を生かそうと広告会社を選び、昨年4月に電通に入社。遺族である母親・幸美さんによると、「電通は年収も良く、お母さんを楽にしてあげると言ってくれていた」。

 入社後、高橋さんはデジタル・アカウント部に配属され、損害保険会社や証券会社のインターネット広告の分析や、リポート作成などの業務を担当した。

 業務が大幅に増えたのは、試用期間が終わり、本採用になった昨年10月以降。部署の人数が14人から6人に減ったうえ、担当する企業が増え、時間外や休日勤務を余儀なくされた。(朝日新聞)

 例えば、本社ビルの入退館記録を基にした代理人弁護士のまとめによると、日曜日だった1025日は午後727分に出社。翌26日午前65分に退館しながら1分以内に再び入館。約32時間半後の27日午後244分に退館した。その17分後にまた入館し、28日午前042分まで働いた。わずか17分間を除いて連続約53時間、本社で拘束されたことになる。高橋さんは27日、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上でつぶやいている。『弱音の域ではなくて、かなり体調がやばすぎて、倒れそう……』」(毎日新聞)

 電通では、社員同士の酒宴の準備を新入社員たちに担当させる風習があり、クイズ、景品、ポスター、音響、道案内、映像編集など、さまざまな準備をさせられる。そして、3次会終了の深夜に「反省会」と称し、先輩たちが新入社員たちに司会の仕方や余興の中身まで批判する。高橋さんは上司から「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」などと罵倒もされていた。

 高橋さんはSNSなどで友人や母親に、「1週間で10時間しか寝ていない」「体も心もズタズタ」「眠りたい以外の感情を失った」「本気で死んでしまいたい」と打ち明けるようなった。

116日には、1991年に電通入社2年目のラジオ担当の男性社員が自殺した事件について記載した民間団体のホームページへのリンクを貼り付けて「これと全く同じ状態です」とSNSにつぶやいた。(毎日新聞)

 そして、昨年のクリスマスの早朝、静岡県に住む母に「仕事も人生も、とてもつらい。今までありがとう」とメールが届いた。母親は慌てて電話し「死んではだめよ」と話しかけると、「うん、うん」と力ない返事があった。数時間後、高橋さんは、都内の寮の廊下から飛び降りて死亡した。1225日の夜には年納めの飲み会が予定されていた。

 その後、遺族が労災申請し、先月30日、三田労働基準監督署が労災認定した。

 なお、東京労働局と三田労基署は今月14日、労働基準法違反の疑いで電通本社への立ち入り調査を抜き打ちで行った。関西(大阪市)、京都(京都市)、中部(名古屋市)の3支社にも各地の労働局が調査に入った。違法な長時間労働が全社的に常態化していた疑いがあるとみて、刑事事件としての立件を視野に調べを進めるという。(朝日新聞)

 こうして過労死をさせた企業を取り締まることができるのも、一重に、労基法があるからである。そして、この労基法は、いうまでもなく日本国憲法のたまものである。

 当の労働局の役人たち自身が、そう言っている。厚生労働省労働基準局による労基法の逐条解説(平成22年版、労務行政刊)によると、労基法の基本理念は、三点。一つは、労働条件の原則を労基法1条第1項に定めるとおり、「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべき」水準としている点。そして、こうある。「『人たるに値する生活』の内容は、本条の基礎をなす憲法25条第1項の『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』という規定により与えられる」。

 さらに、二点目として、「労働基準法は、労働関係に残存していた封建的な遺制を排除することを目的としている」。「労働基準法制定当時の我が国のごとく封建的な遺制が未だ強く残っていた社会においては(中略)使用従属の関係に封建的な身分拘束が伴いやすかったのである」とし、国会での労基法案の提案説明では、こう述べられた、と紹介している。

 「労働締結の結果として労働者、使用者の間において、使用従属の特別関係が設定されるのは当然のことでありますが、かかる特別関係はややもすれば労働関係の当事者間に身分的な拘束関係が惹起しやすいのですあります。今なお、摘発されつつある監獄部屋のごとき極端な事例は暫くおくとするも、長期労働契約、前借金、強制貯蓄、宿舎制度の所産として現存しつつある封建的な遺制は、労働条件の基準設定にあたって厳に一掃すべしと考えるのであります」

 そして、三点目は、「労働基準法は最低労働条件の国際的水準をとり入れていることである。すなわち、戦前においては、我が国は、国際的水準をはるかに下回った労働保護法しかもたず、劣悪な労働条件に基づく生産が広く行われていたため、我が国の輸出品がソーシャル・ダンピングとして国際的な非難を受けたことは、周知のとおりである。戦後、民主的な文化国家として再出発して国際社会に名誉ある地位を占めるためには、世界各国が公正に考えている労働条件を進んでとり入れることが要請される」とし、国会の労基法の提案理由説明でも、こう説明していた、と述べている。

 「戦前わが国の労働条件が劣悪なことは、国際的にも顕著なものでありました。敗戦の結果荒廃に帰せるわが国の産業は、その負担力において著しく弱体化していることは否めないのでありますが、政府としては、なお日本再建の重要な役割を担当する労働者に対して、国際的に是認されている基本的労働条件を保障し、もって労働者の心からなる協力を期待することが、日本の産業復興と国際社会への復帰を促進するゆえんであると信ずるのであります」

 このように戦前の日本は、「労働条件が劣悪」なことが世界中に知られていたほど不名誉な国で、使用者は労働者を、「監獄部屋」に閉じ込めることもあるほど、奴隷のようにコキ使っていた。

 つまり、戦前の日本は、今とは異次元の劣悪な労働環境だった。それがこんにちのように、過労死させる企業は違法であり、「ブラック企業」と世論から批判され、労働局がガサ入れするようになったのも、要するに、日本国憲法に定めた「基本的人権」による。

 周知のように、この日本国憲法を、安倍自公政権は、変えようと躍起になっている。当コーナーでこれまでに紹介したように、自公政権の改憲の骨子である自民党改憲草案は、前文の冒頭から、主語を「日本国民」から「日本国」に書き換えることに顕著なように、国家主義が前面に出て、基本的人権は制限する、という、戦前の思想が核になっている。

また、日本国憲法の「実質的最高法規性」を真に支える重要な条文とされる第97条「基本的人権の由来特質」の条文を、丸ごと削除している。

 自公政権が改憲する先には、この国の労働者の人権もめっきりカットされ、残業させられ放題で、過労死は今とは桁違いに横行し、労働者はひたすら搾取される、労働史の暗黒時代が再びやってくるに違いない。

 すでに、その兆候はある。それは、いわゆる「残業代ゼロ法案」である。昨年、批判を浴びた同法案は、今年の通常国会で、自公政権が審議しないため、鳴りをひそめた。今夏の参院選でも自公政権は、例によって争点になって国民から批判を浴びることを避けるため、この法案のことを選挙公約に一言も載せず、隠ぺいした。だが、この法案は生きており、いつ成立してもおかしくない状況にある。(参考、ヤフーニュース72日付、佐々木亮・弁護士・ブラック企業被害対策弁護団代表「残業代ゼロ法案は大きな争点であるのに争点化されていないのはナゼ?」)

 安倍自公政権になって以来、この国は、戦前の劣悪な労働条件に逆戻りする方向に進んでいる。しかも、労働面だけではなく、国民生活のあらやる面で、基本的人権が制限される社会こそ、安倍自公政権の目指す社会なのである。(佐々木奎一)


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2016年10月18日

“罰則付”受動喫煙防止法

 平成二十八年十月十四月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「“罰則付”受動喫煙防止法」


 を企画、取材、執筆しました。



13日付の各紙に「受動喫煙、防止強化へ罰則案 施設・喫煙者、双方に」(朝日新聞)、「受動喫煙防止策で禁煙義務化、罰則も、東京五輪へ厚労省案」(日本経済新聞)といった記事がある。

 それによると、厚生労働省は12日、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙防止の規制強化案を明らかにした。今後、飲食やホテルの業界団体などから意見を聴いて規制内容を詰め、早ければ来年の通常国会に、健康増進法や労働安全衛生法の改正案か新法案を提出する方針という。(日本経済新聞)

 その叩き台の禁煙エリアの中身は、未成年者や患者らが主に利用する医療機関、小学校、中学校、高校や医療機関は、「敷地内禁煙」。

 官公庁、社会福祉施設、運動施設(スタジアムなど)、大学は「建物内禁煙」。

 飲食店、ホテル・旅館(ロビーほか共用部分)などのサービス業施設、事務所(職場)、ビルなどの共用部分、駅、空港ビル、船着場、バスターミナルは「原則建物内禁煙(煙が外に流出するのを防ぐ喫煙室設置は可)」。

 バス、タクシーは「乗物内禁煙」。鉄道、船舶は「原則乗物内禁煙(喫煙室設置可)」。

 「施設管理者は禁煙場所の範囲や喫煙室の位置を掲示するなどの義務、利用者は禁煙場所で喫煙しない義務があり、違反者が勧告や命令に従わない場合、過料などの罰則を適用する」(朝日新聞)。

 現状、日本は03年施行の健康増進法により、施設管理者に受動喫煙対策を課すが、努力義務にとどまっている。他方、「海外では病院や飲食店など公共の場を屋内全面禁煙とする法律を施行する国が14年末時点で49カ国あり、世界保健機関(WHO)は日本の対策を『世界最低レベル』と指摘している。国際オリンピック委員会(IOC)とWHOは『たばこのないオリンピック』を共同で推進し、近年、日本以外の五輪開催地と開催予定地は、罰則を伴う受動喫煙防止策を講じている」(同)という。

 ちなみに、95日付ニューズウィーク電子版のライター長嶺超輝氏の記事「東京五輪まであと4年、『受動喫煙防止』ルールはどうする?」によると、04年のアテネオリンピック以降、トリノ、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチから、今年のリオデジャネイロ、そして18年予定の平昌(ピョンチャン)と、全ての開催地が受動喫煙規制を実施しており、違反者には必ず罰則を科す制度となっている。

 そうしたなか、ようやく日本政府も「罰則付の受動喫煙禁止」に向けて動き始めたようだ、というのが冒頭のニュース。

 なお、あまり知られていないが、「諸外国では、屋外での喫煙を罰則付きで禁じている例はほとんどない」(同)。

 つまり、海外では建物内は全面禁煙にする一方、公道はたばこ吸い放題というわけ。いうまでもなく、路上喫煙は、喫煙者の周囲は煙まみれになり、特に後方を歩く人はもろに煙を吸い込むことになる。また、立ち止まって吸う輩がいれば、付近を通る人に煙がかかってしまう。公道の喫煙を諸外国が野放しにしているのは、ドデカイ抜け道を作っているようなもので、一言でいってザル法と言わざるを得ない。

 その点、日本では、例えば、都心の千代田区(過料2000円)では02年から、歩きたばこに罰則を科している。そして、喫煙者は、屋外の片隅に、ひっそりと設けている喫煙スペースでのみ吸うことになっている。それにより歩行者は、受動喫煙の危害からかなり身を守ることができている。

 この千代田区の罰則条例は、日本初だったこともあって、けっこう周知されており、歩きたばこはあまり見かけない。

 なお、都市部を中心に、全国で歩きたばこに罰則を科す自治体がチラホラでてきている。例えば、横浜市では、罰則付き(過料2000円)の歩きたばこ禁止条例を07年から施行しており、横浜駅周辺や関内、みなとみらい21地区など6地区を喫煙禁止地区に指定している。だが、この条例を無視してタバコを吸う輩は、実に多い。

 そうした公道での喫煙者を発見して罰金を徴収するのは、喫煙禁止地区等指導員(以下、指導員)という名の市のスタッフ。同指導員は総勢約20人程(はまれぽ.comより)。

 要するに、監視して罰金徴収する人数が少な過ぎるから、違反者が後を絶たない。かといって、スタッフを増やせば人件費に跳ね返る。予算がない。では、どうすればよいか。

 まず、もっと民間から指導員を募集し、試験と講習、面接等により、指導員のライセンスを取得できるようにする。そして、そうした民間の指導員は、休日の私服時でも、通勤中のスーツ姿でも、いつでも免許証を所持していれば、路上喫煙者から罰金を徴収できることにする。そして、徴収した金額の何割かは、インセンティブとしてその指導員に与えることする。民間指導員の報酬は、そのインセンティブのみとする。そうすれば、指導員の人件費はかからない。指導員はほうしゅうをより得るためにも、どんどん喫煙者を取り締まることだろう。

 なお、指導員には、定期的に講習を受ける義務を課し、指導員にふさわしくない行為をした者は懲戒処分する。

 なお、歩きたばこをする人のなかには、注意すると逆ギレして殴りかかってきそうな、いかにも粗暴な容貌の輩も多い。そうした者に罰金を科すには、権限がいる。だから、指導員には、みなし公務員の資格を与え、指導員に危害を加えたり、指導員の言うことを聞かない喫煙者は、公務執行妨害罪を適用し、現行犯逮捕できるようにする。

 そうすれば、受動喫煙は激減し、民間指導員という新たな雇用も生まれ、経済効果も見込める。

 オリンピックの話に戻る。日本は、諸外国同様、屋内禁煙は、実現すべきだ。そして、一部自治体で導入している「公道での喫煙への罰金」は、先駆的な世界に誇る制度なのだから、拡充していくべきである。少なくとも、まず、オリンピックの開催地となる首都圏全域で導入する必要がある。そして、導入の際は、前出の「罰則徴収のみなし公務員の指導員」を民間から大量に募り、徴収した罰金の何割かは報酬として指導員に還元できるようにする。そうすれば、受動喫煙被害は激減し、世界のモデルケースになっていくことだろう。(佐々木奎一)
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2016年10月14日

激減するバイク人口と対策

 平成二十八年十月十月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「激減するバイク人口と対策」


 を企画、取材、執筆しました。



6日付の朝日新聞朝刊に「原付きバイクの2強提携 ホンダ・ヤマハ発動機、発表 縮む市場、80年比9割減」という記事がある。それによると、「ホンダとヤマハ発動機は5日、50cc以下の『原付きバイク』の生産や開発で提携すると発表した」という。

 「今回の提携で、ヤマハ発は国内販売の大半を占める『ジョグ』『ビーノ』の生産をやめ、2018年中にホンダの熊本製作所に委託する。デザインは引き続き担うが、ヤマハ発は事実上、原付きバイクの生産から撤退する。(中略)今後は125ccや中大型クラスに集中する」

 「二輪車では、ホンダは世界でもトップメーカー。ヤマハ発は国内2位だ。1980年代には『HY戦争』と呼ばれるしれつなシェア争いを繰り広げ、ヤマハ発はその影響で経営危機に直面した。だが、80年に約237万台だった国内販売台数は15年に1割強の約37万台まで減った。原付きバイクはその半数を占めるが、80年の約1割に落ち込む」

 「原付きバイクの落ち込みは、若い世代を中心に魅力を感じにくくなったことが大きい。7080年代はバイクを乗り回すことが『かっこいい』と見られ、原付きバイクは『入門編』のような存在だった。だが、暴走族や交通事故が増え、警察の取り締まりや学校での指導が強化されると、二輪車の売れ行きは頭打ちに。少子化や若い世代の好みの多様化もあって販売は低迷した。地方都市での移動手段は軽自動車が主流となり、子育て世代には『電動アシスト自転車』が人気を集める。(中略)50cc以下の原付きバイクは、いわば日本で『ガラパゴス化』した車種ともいえる」という。

 たしかに、いまは原付2種といわれる50cc超〜125ccがあったりすることから、原付の人気は落ちている観がある。たとえば原付(50cc未満)が法定速度30km/hなのに対し、原付2種は60km/h。しかも原付2種は車道の真ん中を車と一緒に走ることができる等、原付より便利だ。

 だが、低迷するのは、原付だけではない。バイク界全体が低迷している。例えば、20160328日付のTHE PAGEの記事「世界トップの『バイク生産国』日本でなぜ人気低迷?」によると、バイクの販売は最盛期の8分の1まで落ち込んでいるという。要するに、原付だけに限った話ではないのである。

 そうした中、全国の二輪車販売店1500社で構成する全国オートバイ協同組合連合会は、以下8項目を署名で訴えているという。

 「警察庁に対し、(1)現実に即した二輪車駐車違反の取り締まり、(2)二輪車の高速道路路側帯の渋滞時、悪天候時の避難利用、(3)小型二輪(125CC未満)免許の取得簡便。

 国交省に対し、(1)有料(高速)道路における二輪車通行料金の引き下げ、(2)二輪駐車場の建設促進、(3)二輪ETC車載器購入に対する助成金の復活。

 経産省に対し、(12サイクル二輪車からの乗り替え、エコ助成金の支援。

 文科省に対し、(1)交通教育の義務化。

 上記の意味するところは、「たとえば、首都圏を中心に厳しい駐車違反の取り締まりが行われたが、大都市では駐車料金も高く、また二輪の駐車場自体が不足しており、バイクを手放したり購入を控えることにつながった」

 高速道路では路側帯の通行はできないが、渋滞や悪天候の際はバイクの路側帯通行を許してスムーズな交通の回復に寄与させてほしい、特に強い風雨などの悪天候時は渋滞で長時間にわたりノロノロ運転を続けることは疲労とストレスでライダーを危険にさらし、転倒などすれば交通の混乱に拍車をかけることになると指摘するライダーも少なくない。

 高速道路などでバイクは軽自動車と同じ料金になっていることに対しても「700800kgから1t近い軽自動車に比べ100数十から200300kg前後の車重のバイクは道路への負担も少なく、占有面積の差から見ても同一料金はおかしい」とかねて指摘されている。

 また、「バイク人気の不振につながった大きな要因の一つとして、業界が挙げるのが『三ない運動』。暴走族などの問題をきっかけに免許を取らせない、バイクを買わせない、バイクを運転させないという3原則を徹底させる高校などが現れ、30数年前からはPTAの全国組織なども提唱。その後、『禁止より安全教育こそ大切ではないか』といった反省や批判もあって『数年前には三ない運動の宣言文は出されなくなった』(土居副会長)。しかしこの間の打撃は大きく、いまだに業界では『三ない運動』の決定的な影響」がある。

 このため文科省への要望として挙げた「交通教育の義務化」も、車やバイクの正しい乗り方や安全な運転法をしっかり指導することによって、バイクへの認識を改めてもらい、社会的に認知される存在としてバイク利用を広げてもらう狙いがあるという。

 これらの要望は、ライダーの願いと合致しているといえよう。都心にいると、地下鉄、電車が整備されていて、徒歩圏内に駅があり、自宅の駐車場料金が異常に高い上、店などに行くにしても駐車場がほとんどないことから、バイクの必要性はあまり感じないが、一歩都心から離れると、生活状況は一変する。例えば、東京に隣接する神奈川県では、都心より格段にバイクに乗っている人を見かけることが多かったりする。

 もちろん、バイクは車と違って転倒するリスクがあり、身体一つで乗っているので、命にかかわる事故と隣り合わせではあるが、安全運転で装備も事故に備えていれば、格段にそうしたリスクを減らすことができるのも事実。

 そして、バイクには、車では決して味わえない醍醐味がある。それは、風と自然をダイレクトに感じることができる点だ。

 そうした人生の楽しみとマナーを知り、安全運転ができるライダーが増えることは、この国にとってプラスかもしれない。

 ただし、あまり言われることはないが、バイクには、こういう点もある。いうまでもなく、バイクを運転すると、車のうしろや前を走り、赤信号になれば、車のうしろに停まることが多い。そうすると必然的に、排ガスをもろに浴びてしまう。何年も何十年もそうやって排ガスをもろに浴び続けると、健康にはよくないことは想像に難くない。その点、車は、フィルターで排ガスが車内にもろに入るのを防ぐというメリットはある。そのため、ライダー向けに高性能のマスクを製造する業者もあったりする。マスクは一定の効果はありそうだ。

 今後、排ガスを吸うのを完全に防ぐフルフェイス・ヘルメットをつくるメーカーが出てくれば、ライダーの健康と、ライダー人口の増加に、貢献すること請け合いだ。(佐々木奎一)




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2016年10月13日

象牙規制ワシントン条約会議で世界に恥 象牙規制ワシントン条約会議で世界に恥をさらす自公

 平成二十八年十月七月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「象牙規制ワシントン条約会議で世界に恥さらす自公」


 を企画、取材、執筆しました。



 ゾウ大量虐殺の原因である象牙取引の規制等を決めるワシントン条約締約国会議が924日〜105日に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開かれた。

 「ワシントン条約」とは、国際取引によって生存を脅かされている野生動植物の保護を目的とする条約。正式名称「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(略称CITES(サイテス)。1973年にワシントンで採択されたために「ワシントン条約」とよばれる(日本大百科全書より)。締結国は182か国(201641日時点)。

 同会議では、象牙取引について、まず、非公開の第2委員会の作業部会で議論された。以下、部会関係者への取材に基づく共同通信の報道と、実際に作業部会とその後の本会議に参加した認定NPO法人トラ・ゾウ保護基金のツイッター等によると、会議は次のようなものだった。

26日、第2委員会の作業部会は、密猟によって絶滅が危ぶまれるアフリカゾウを守るため、各国に象牙の国内取引禁止を求める決議案について議論。決議案は米国などが提案。米国は提案理由として「各国内の合法取引は違法象牙のロンダリングに使われる可能性がある」と訴えた。印鑑や和楽器などとして国内に市場を持つ日本は反対する方針。決議案が採択されても強制力はないが、日本にも市場閉鎖を求める国際世論が高まることになる。(共同通信、以下、共同)

27日、同作業部会で、日本政府は、「閉鎖の対象とする市場は『密猟を増加させる著しい違法取引のある市場』に限定すべきと提案。そこまで絞り込めば、閉鎖対象外に持ち込めると考えたからだ」(トラ・ゾウ保護基金、以下、トラゾウ)、つまり、日本政府の主張通りにいくと、「閉鎖対象は、一部アフリカの無法地帯くらいに限定されてしまう」。

 が、日本の提案は、「ほとんど他国の支持が得られず」、「盟友の南ア等すら『密猟または違法取引に寄与する市場』との幅広の表現で了解」するにとどめた。さらに中国が「違法取引に関係のない市場など、この世に存在しない」と主張し、他の国々から拍手を浴び、日本の主張は顧みられなかった(トラゾウ)。このとき、トラゾウ保護基金も「100%管理されている市場などないし、50%でも存在しないかもしれない。その例として、日本の管理には問題がある」として、抜け穴を具体的に指摘した。アフリカ諸国も米国も、閉鎖の大きな例外は許されないと譲らなかった」。

 すると、日本政府は一転して、「作業部会が終了するのを静観する態度に転じ」た。その日本の姿をみた世界の国々は、「日本は観念して市場閉鎖に進む」とみた。その後、同作業部会は、「密猟または違法取引に寄与する、合法化された国内象牙市場または象牙の国内商業取引が存在するすべての締約国および非締約国は、その未加工および加工象牙の商業取引が行われる国内市場を閉鎖」する、という合意案に決まった。(トラゾウ)

 これにより「違法行為は丸で無しという極端な場合でなければ閉鎖が義務付けられる」ので、「市場を閉鎖する中国を除けば世界一の規模を誇り、しかも抜け穴だらけの法制度のもと違法行為が絶えない日本の市場が閉鎖の対象となることは明らか」な合意案だった(トラゾウ)。

 が、作業部会が終わった29日になり、にわかに日本政府は、「日本は元々密猟、違法取引に無縁なので、どうせ閉鎖の対象外と開き直った」。(トラゾウ)

 要するに、日本政府は、作業部会の議論では批判されるからといって、途中からダンマリを決め込み、皆で決めたあとになって、突然、密猟はボクちゃんには関係ないから市場は閉鎖しないもん、と言い出したというわけ。姑息というよりも、まともに相手と議論して物事を決めることができない、あきれた幼稚さである。こういう態度では、世界中から信用されず、相手にされなくなってしまう。

 さらに、日本国内では、山本公一環境相が30日の会見で、「日本は密猟によるうんぬんとかいうことに関して国内市場が成り立っているわけじゃありませんので、その点については国際社会で理解をしていただいていると思っておりますので、当然、今度のいろいろな決議の中でも日本の国内市場というのは、私は除外というか、除外の対象になるんではないかというふうに思っております」と言った(環境省HP)。が、国際社会で理解されているというが、上記のように、全く理解されていないのが現実。それをこうやって平気で国民にウソをつくのが、安倍自公政権の本質である。

 それに、「日本は密猟と関係ない」と環境相は言っているが、95日付当コーナーで伝えたように、日本で違法行為は横行している。

 また、930日付の朝日新聞朝刊でも、「警視庁は9月、象牙を無登録で売買したとして、古物店の元アルバイトの男ら5人を種の保存法違反(譲り渡し等の禁止)容疑で書類送検。115月には、大手の象牙印材販売店の男性社長や古物商らによる無登録象牙の売買が発覚した。捜査関係者は『正当な輸入ができなくなり、在庫を確保するためにルールを破る業者が横行している。国内取引がある限り、違法な売買は続くだろう』と指摘。NPO『トラ・ゾウ保護基金』事務局長の坂元雅行弁護士は『日本が市場の閉鎖を求められる国であることは議論の余地がない』と話す」とある。

2日、上記作業部会の合意案は、第2委員会で決議された。会場は静かな中、反対意見もなく採択された。「これが何を意味するのか? アフリカ諸国・米国・NGO等は、この決議の文言なら、日本市場は当然の閉鎖対象となると想定しているからである。日本は、既に市場閉鎖対象にならないと環境大臣が国内向けに発表している。しかし、そのことを今日の会議では一切コメントしようとしなかった。日本としては、そうしたいのは山々で、日本が対象外と会議でも宣言したかった。だが、それをやってしまうと、集中砲火を浴びざるを得ないのは目に見えていた」(トラゾウ)

 その後、4日の全体会合で採択され、正式決定となった。(共同)

 象牙を巡るワシントン条約会議はこのような経緯だが、日本政府(安倍自公政権)のやっていることは、率直にいって恥ずかしい、そう痛感する日本人は多々いるに違いない。(佐々木奎一)




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2016年10月10日

キム・ジョンウンと暗に指摘されて色をなす安倍晋三


 平成二十八年十月三月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「北朝鮮と暗に指摘されて色をなす安倍総理」


 を企画、取材、執筆しました。



 当コーナー930日付で、安倍晋三首相が衆院の所信表明演説で、拍手を促し、自民党議員たちが一斉に立ち上がって手をたたき続け、それを見ながら安倍氏は満足げな表情を浮かべ拍手で応じる、という、北朝鮮のような光景が現出したことを伝えた。

 ちょうどその日、国会で民進党の細野豪志代表代行が、安倍総理に対し、このシーンについて、「自民党のみなさんをみていると、自衛官や海上保安官に拍手をしているというよりは、安倍総理に拍手をしているように見えるわけですよ。さらにいうならば、総理ご自身も本会議場の壇上で拍手をしておられる姿をみていると、率直に私が感じたのは、この国の国会ではないのではないか、という錯覚すらおぼえましたよ」と言った。

 これに対し、安倍氏は、議員のなかで私に向けて拍手をしたと言っている者がいるなら別だが、自衛官等のために、と言って、それに応じているのだから、それを私に対する拍手というのは、批判のための批判だ、という趣旨の反論した。そして、安倍氏は色をなして、こう言った。

 「私が許せないと思うのは、どっかの国と同じではないか、と。どの国なんですか? これはあまりにも侮辱ではないかと思いますよ。どっかの国と同じではないか、というのは、どこなんでしょうかね? それは」

 ここで時間切れとなり、細野氏は応答しなかった。が、どこかの国、というのは、当コーナーで指摘したように、いうまでもなく北朝鮮であろう。

 つまり、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)扱いされて、安倍氏は怒りで顔色を変えたというわけ。

 なお、安倍氏は、米国で演説した折、十数回スタンディングオベーションがあったことを引き合いに、米議会ではよくある、とも述べた。また、自民党の高村正彦副総裁は党役員連絡会で「スタンディングオベーションが叱られる議会のあり方は、グローバルスタンダードにあっているのか」と語ったという。(1日付日本経済新聞朝刊)

 つまり、安倍政権の面々は、アメリカ流にやっているだけだ、と言いたいようである。だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのピーター・ランダース東京支局長は、こう指摘している。「米議会のスタンディングオベーションは安倍晋三首相の所信表明演説のケースと性質が違う。米議会では、演説する人に賛同を示すために皆が立って拍手するのに対して、安倍首相の場合は、その場にいない自衛隊員や海上保安庁の職員に敬意を表すために拍手を呼びかけた。私の記憶では、そのような呼びかけは米国でも珍しいと思う。それが日本の政治文化にふさわしいかは日本人の判断に任せたい」(同)

 要するに、自民党議員たちが安倍氏に向かって拍手しているように見えた、という細野氏の指摘は、アメリカからみても、もっともなのである。

 そして、その光景が、北朝鮮のように見えた、と暗に指摘した細野氏に対し、安倍氏は色をなしたわけだが、これまでの経緯からみて、北朝鮮の独裁制に見えるのは、当然である。

 当コーナーで再三指摘しているように、安倍自民党になってから、北朝鮮さながら党内で異論は封じ込められ、記者クラブメディアに対する言論統制が常態化し、安倍氏にゴマをする者が幹事長となり党を仕切るようになり、総裁任期延長で東京オリンピックまで総裁の座に居座ろうとしている。

 さらに、北朝鮮的なのは、自民党改憲草案の中身である。

 例えば、細野氏も安倍氏に追及していたが、その草案には、憲法97条が、丸ごと削除されている。そのことについて、安倍氏は、逐条的に解説する立場ではない、などと言って逃げ回っていた。

 では、日本国憲法第97条は、どういう意味を持つのか。

97条は「第十章 最高法規」のなかの「基本的人権の由来特質」というタイトルで、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と定めている。

 この97条は、憲法の「実質的最高法規性」を真に支える重要な条文として位置付けられている。

 「新基本法コンメンタール 憲法」(編:芹沢斉、市川正人、阪口正二郎/日本評論社刊)によると、97条にある「『人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果』とは、イギリスにおけるマグナ・カルタ(1215年)、権利請願(1627年)、権利章典(1689年)、合衆国における独立革命と独立宣言(1776年)、諸邦の憲法および合衆国憲法(1787年)、フランスにおける市民革命と人権宣言(1789年)を先駆として、その後も繰り広げられた革命および憲法制定、さらに20世紀における全体主義との闘い等、欧米における自由獲得の歴史のことである。すなわち、人権は何もしなくても手に入るものではなく、それを得るために人類の長年の努力が積み重なった結果として、戦いとられたものであることを意味する。そして、『過去幾多の試練に堪へ』とは、いったん手に入っても独裁主義、軍国主義、神権主義、ファシズム等によって常に脅かされ、それに抵抗して現在に至ったという趣旨である(宮沢・全訂800頁)」とある。

 この日本国憲法の肝心要の条文を削除しようとしている安倍政権が、前出のように、北朝鮮のようだと暗に言われて色をなしているのが、滑稽としか言いようがない。その政治思想、信条は、どうみても北朝鮮である。(佐々木奎一)





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2016年10月06日

北朝鮮に酷似、首相演説で立ち上がり万雷の拍手

 平成二十八年九月三十月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「北朝鮮に酷似、首相演説で立ち上がり万雷の拍手」


 を企画、取材、執筆しました。



26日衆院本会議の安倍晋三首相の所信表明演説で、異様な光景が現出した。安倍氏が、領土や領海、領空の警備に当たっている海上保安庁、警察、自衛隊をたたえた際、「今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と安倍氏が促すと、自民党議員たちが一斉に立ち上がって手をたたき続けた。それを見ながら安倍氏は満足げな表情を浮かべ拍手で応じた。(27日付朝日新聞、日本経済新聞朝刊)

 この光景に対し、「今までの日本の議会では見られないと思う。北朝鮮か中国共産党大会みたいで、ますます不安に感じた」(生活の党の小沢一郎共同代表)、「ちょっと異常な光景。自画自賛のためにやっている」「落ち着いて真摯に議論し合う状況でない。言論の府ではなくなってしまう」(日本維新の会の馬場伸幸幹事長、毎日新聞)といった懸念が出ている。

 また、民進党の野田佳彦幹事長は「どこかの独裁国家ではあるまいし、強い違和感と強い不快感を覚えた」「この政権はどんな国を目指しているのだろうか。その意味からも、もう一度風通しのいい、自由な日本をつくるために戦っていこうではないか」(27日夜都内の集会にて、時事通信)と訴えたという。

 他方、自民党内では、例によって二階俊博幹事長が「総理に対する信頼がああいう形になって現れた」とゴマをすっている状態。批判の声といえば、小泉進次郎氏が「あれはない。ちょっとおかしいと思いますよ。自然じゃない」と指摘した程度だ。(朝日新聞)

 日刊ゲンダイによると、共産党幹部も「二十数年国会にいるが、ああいう光景は初めて見た。気持ち悪い」と漏らしたという。

 同紙は、「政治学者の五十嵐仁氏はこう言う。『独裁は歓呼と歓声の中から生まれます。安倍1強と指摘されてきたが、ついに一線を越えてしまったと思う。この先、安倍首相がスタンディングオベーションを促すたびに、自民党議員は応じざるを得なくなるでしょう。ひとりだけ立ち上がらないと白い目で見られてしまう。独裁体制は、こうして生まれます。しかも、ただでさえ社会がキナ臭くなっているのに、今回、自衛隊をたたえた後、起きている。非常に危険な構図です』

 いずれ、全国民が北朝鮮のように『安倍首相、マンセー(※筆者注:朝鮮語で万歳)』と言わされる日が来るのではないか」と警鐘を鳴らしている。

 なお、28日付朝日新聞朝刊によると、この北朝鮮に酷似した拍手について、「関係者によると、演説前の26日午前、萩生田光一官房副長官が、自民の竹下亘・国会対策委員長ら幹部に、『(海上保安庁などのくだりで)演説をもり立ててほしい』と依頼。このとき、萩生田氏は起立や拍手までは求めなかった。

 午後、首相の演説が始まると、自民国対メンバーが本会議場の前の方に座る若手議員に萩生田氏の依頼を一斉に伝えた。(中略)『拍手してほしい』と伝えられた若手もいれば、『立って拍手してほしい』と聞いた若手もいた。指示が伝わったのは前方に座る当選回数が12回の議員ら。このため、後方の中堅・ベテラン議員のなかには『自然発生』と受け止めた人もいた」という。

 いまの自民党は、前の方に座る若手議員が、立ち上がって拍手すれば、中堅からベテラン議員まで一斉に同じ動きをするほど、同調圧力が高まっている。前出の小泉進次郎氏も、立ち上がってしまったと言っている。今の自由民主党に、自由はない。自民党は、死んだ。そのことが可視化された。

 無論、国会で起きていることは、私たち国民にとって他人ごとではない。今まさに、安倍独裁政権は、日本国憲法の自由の精神を殺す憲法改正をしかけようとしている。

 だが、大多数の国民は、政治資金で卵サンドを買ったとか、週末に温泉通いしている、といった類の話には飛びついて政治家を袋叩きにする一方で、自身や家族、周囲の人、後世の人々の権利をはく奪する壊憲の危機には、黙りこくっている。なぜか。一言でいうと、法律の素養がないゆえであろう。

 「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と憲法第12条にあるが、戦後71年――国民が権利・自由を保持する努力を怠った成れの果てが、今の国会の姿ではないか。我々一人一人の国民に今必要なのは、自戒である。(佐々木奎一)

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2016年10月01日

小林麻央、公式ブログにつづる乳癌闘病記

 平成二十八年九月二十六月付、のauのニュースサイト


 

    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 

 「小林麻央、公式ブログにつづる乳癌闘病記」


 

 を企画、取材、執筆しました。


 



 タレントの小林麻央が今月に入り、公式ブログに癌闘病記を連日載せている。そこには、こうつづられている。

 「20142月、主人と人間ドッグを受けました。(中略)私はまだ31歳ですし、『付き添い』で受けるくらいの気持ちでした(中略)人間ドッグの結果は、その日のうちに、教えて頂くことができました。先生が、『左乳房に腫瘤(筆者注:しゅりゅう。こぶ。はれもの。超音波の検査で発見)があります。これは、しっかり検査して診てもらった方が良いので、なるべく早く、病院へ行ってください』」と言った。

 「『腫瘤ということは、癌の可能性もあるということですか』と聞いてみると、『その可能性は、五分五分です』と先生は言いました」

 「大きな病院に再検査の予約を入れました。私は、娘の授乳時から2年以上の間、週に一度、乳腺の状態を良くするための母乳マッサージに通いケアをしていたため、乳房に関しては大丈夫と、どこか安心していたところがありました。

 また、乳腺専門の知人2人から、『授乳中のしこりで癌の可能性が五分五分なんて、その先生は、オーバーだね』という意見を聞き、乳腺専門の先生がそう思うのだから、きっと大丈夫だなと、さらに安心してしまいました」

 「再検査の日。まずは触診。先生に『このしこりですね』と言われましたが、同じように触ってみても、自分ではさっぱり分かりません。もう一度超音波とさらに、マンモグラフィーでも検査を受けました。授乳中はマンモグラフィーはできないと思っていましたが、普通に行いました。

 結果、癌を疑うようなものではないとのことでした。

 『人間ドッグの先生には、五分五分で癌と言われたのですが、生検はしなくても大丈夫でしょうか』と聞いてみると、『必要ないでしょう、授乳中のしこりですし、心配いらないですよ。半年後くらいに、念のため、また診てみましょう』と言われました。

 事前に聞いていた乳腺専門の先生2人の意見と同じで、ほっとしました」

 「不安はありませんでしたが、半年後にもう一度、念のため検査には行こうと思っていました。(中略)半年後の検査は8月頃の計算でしたが、忙しい毎日のなか、時間がとれない言い訳を重ね、予約をせず、いつの間にか、10月になってしまいました」

 「201410月のある日、息子と遊んでいたときのこと、何気なく、胸元から手を入れて、左の乳房を触りました。どきっ。いきなり本当にパチンコ玉のようなしこりに触れたのです。なんだこれ。心臓が音をたてました。何度も何度も触り直します。やっぱり、ある。悪性だと、しこりが動かない 良性だと、しこりが動くと聞いたことがあったので、確認しようと思いましたが、これは、動いている、と言うのか、動いていない、と言うのか、全く分かりません。ただ、動いて欲しいので、無理やりでも動かすように思いっきりしこりを押しました汗

 必死です。だんだん、おもちゃの音も、息子の声も、遠のいていきました」

 「その場で、病院に電話をし、診察の予約を入れました。どうしよう。やってしまった。8月だったのに。8月だったのに。半年後は8月だったのに。やってしまった。

 そんな思いがとめどなく襲ってきて、自分を責めました」

 「検査の日。

 『先生、しこりが自分で触れるくらいに大きくなっています。このしこりは、前の検査のときにあった場所と同じですよね。。。!?

 先生は触診し、『これですね、、、大丈夫だと思いますよ!超音波でみてみましょう』と、言いました。

 超音波で診ていた先生が一瞬、厳しい顔つきになりました。

 『脇のしこりには気付きましたか』

 『え。脇にもあるのですか』

 奥の方を強めに触ってみると、言われてみれば、しこりがあるような、、、ないような、、、正直分かりませんでした。先生は、触って分かるようでした。

 『脇にもしこりがあるということは、私、癌で、脇にも転移しているということですよね。。。』先生に聞くと、『決まったわけではありません。脇のリンパが何らかの原因で腫れて、しこりのようになることもあります。とにかく、生検をした方が早いですから、生検をしましょう』と、言われました」

 こうして生検をしている最中、医師との会話のなかで「残念ですが95%、がんですね」と言われた。

 それでも、5%の可能性にかけていたが、「生検の結果を聞くまでの10日間は、ひとりだけ違う時間軸に生きて、ゆっくりゆっくり皆とは違う暗闇に追いていかれるような感覚だった」

 そして、「告知日。診察室に入った時の先生の表情で、『陽性だったんだな、癌なんだな』と分かった。心の準備は意外とできており、冷静に先生のお話を伺った。

 この時点では、まだ脇のリンパ節転移のみだった。(その後、現在肺や骨などに転移あり)

 私が結婚をした頃に、母が、乳癌を患っていたため、治療に関する知識はある程度あった」

 このように経緯を明かしている。人間ドッグで「五分五分で癌」という衝撃の情報を聞き、「しっかり検査して診てもらった方が良い」とまで言われたのに、癌が発覚するまで8か月かかってしまったのは、残念としか言いようがない。たられば、はないとはいえ、念のため他の病院でも検査をしていれば、という無念さに駆られる人は多いに違いない。

 だが、仕事等で多忙のため、そんなに何度も検査に行くということは、当時の状況ではあり得なかったのかもしれない。多忙をうかがわせる、こういう記述があるのだ。

 「癌の告知を受けて、それを受け入れたとき、ほっとした自分もいた。

 その1年半の間はとにかく身体が怠くて怠くて11日が精一杯だったのだ。『癌になるくらいの身体だったんだ』と思ったとき、その間の自分を初めて分かってあげられて、受け入れられて、どこか、ほっとしたのだった。

 今思えば、もっと前から癌にならないように努力できたことがあったかもしれない。

 主人が私の身体のためにしてくれていた助言にも、もっと耳を傾ければよかった。

 でも、決して何かに怠けていたわけではない。

 あれがあの時の私なりの精一杯だった。

 だから、人生に『たられば』は無し。それでも、思ってしまうものだけれど」

 このように、つづっている。病状が回復することを、ただただ願うばかりだ。

 なお、世の中の成功者のなかには、日々、過労になるほど努力して、人一倍頑張っている人が実に多い。そういうなかで、過労死、という悲劇も往々にして起こっている。

 過労と癌の関連性でみると、例えば、大阪市立大学大学院 医学研究科 疲労医学講座「疲労のメカニズム解明:披露の原因は活性化酸素だった」には、こうある。 

 「ヒトをはじめとする多くの生物は、生命維持に必要なエネルギーを得るため、絶えず酸素を消費している。これらの酸素の一部は、代謝過程において活性酸素と呼ばれる反応性が高い状態に変換される。通常、活性酸素は生体が本来持っている活性酸素消去システムによって速やかに処理されるが、オーバーワーク状態などで活性酸素が大量に発生する状況下では、十分に処理しきれないことがある。こうした過剰な活性酸素によって、細胞機能低下や組織損傷が生じる結果、疲労感や身体的パフォーマンス低下などの疲労の症状が発生すると考えられている」


http://www.med.osaka-cu.ac.jp/fatigue/topics/hirou.html


 また、過労とストレスは密接に関連のは周知の事実だが、ニュースサイトAll Aboutの医師・薬局社長の狭間研至氏の記事「ストレスはがんの原因になるの?」によると、「自律神経とは、読んで字のごとく、自らを律する神経で、ストレスを受けたときに優位になる交感神経と、リラックスするときに優位になる副交感神経の二つからなります。

 ストレスがかかると交感神経が興奮しますが、その結果(中略)色々な変化が体におこるとともに、体内に活性酸素が放出されます。活性酸素が増えすぎると、遺伝子を傷つけがんのもとになる細胞のミスコピーを増やすことになります。

 このように、ストレス→交感神経の興奮→活性酸素の増加→細胞のミスコピーの増加→がん、という流れがあることを考えると、過度のストレスを避けることは、がんの予防にも重要な役割を果たすと言えるでしょう」とある。

 また、「活性酸素」については、日本病理学会HP上で、「活性酸素は両刃の刃であり、外来細菌の殺菌に役立っていますが、重要な生体分子に傷をつけ、がんなどの病気の原因にもなっています」(豊國伸哉・名古屋大学大学院医学系研究科)という指摘もある。

 無論、乳癌と過労の関連性は不明だが、過労に陥りがちな我々日本人にとって、この闘病記は教訓にもなる。

 要するに、前出の闘病記にある、「『癌になるくらいの身体だったんだ』と思ったとき、その間の自分を初めて分かってあげられて、受け入れられて、どこか、ほっとした」「癌の告知を受けて、それを受け入れたとき、ほっとした自分もいた」といった下りは、例えるなら、身体は前々から悲鳴を上げており、やっとその状態が本人の意思に伝わり、身体の方はホッとした、という状態といえるのではないか。身体がSOSを発するとき、成功者は往々にして、その「身体のメッセージ」を聞かず、身体を酷使しがちだ。

 その姿に、家族や周囲は、心配する。休むよう、言う。だが、頑張って成功してきた人には、往々にして、そういうとき、休む、という辞書はない。ますます頑張る。

 闘病記にある、「主人が私の身体のためにしてくれていた助言にも、もっと耳を傾ければよかった」という記述からは、そうした成功者にありがちな傾向がうかがえる。

 世の中には、何歳になっても疲れを知らず働き続けることができる人が、稀に、いる。だが、大半は、そういう化け物じみたパワーは持ち合わせていないので、「身体と相談」していかなければ、過労に陥ってしまう。

 「第二の人生」という言葉があるが、前半生の努力で成功を手にしている人は、後半生は、今まで頑張った分、無理せず休むことを心がけ、培ってきたキャリアを含めた「資産」を活かすような生きた方に切り替えた方が、悲劇を避けることができるはすだ。(佐々木奎一)

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2016年09月29日

台風の巨大化に反比例する「低い防災意識」


 平成二十八年九月十九付、のauのニュースサイト


    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「台風の巨大化に反比例する「低い防災意識」」


 を企画、取材、執筆しました。



15日現在の天気予報サイト・ウェザーマップによると、台風16号が18日にかけて沖縄に接近したあと、次第に進路を東よりに変えて、その後は20日にも西日本にかなり接近するおそれがあるという。

 また、15日付のCNNの記事「台風14号、中国に上陸 台湾でも停電などの被害」によると、「台風14号(ムーランティー)は15日未明、中国福建省のアモイ付近に上陸した。台風が通過した台湾南部は最大103メートルの突風と豪雨に見舞われ、公共交通機関の混乱や停電などの被害が出ている。

 ムーランティーの強さは、2013年にフィリピンで壊滅的な被害を出した台風『ハイエン』以来。中国本土に上陸した時点の風速は約64メートル、最大瞬間風速は約78メートルだった。

 中国は最高レベルの警報を出して高波に警戒を呼びかけ、非常事態に備えて救急隊などを待機させている。(中略)

 米軍合同台風警報センターはムーランティーを『スーパー台風』に分類していたが、14日には勢力が弱まったとして分類を台風に引き下げた。しかし依然として危険性が高いことに変わりはない」という。

 先月、日本列島は台風被害に遭った。8月に相次いで発生した台風711910号は、それぞれ8172123日に北海道に上陸。さらに台風10号が830日に暴風域を伴ったまま岩手県に上陸し日本海に抜けた。北海道に3つの台風が上陸したこと、台風が東北地方太平洋側に上陸したことは、気象庁が1951年に統計を開始して以来、初めて。

 これらの台風等の影響で、河川の氾濫、浸水害、土砂災害等が発生し、岩手県で死者15人、北海道で死者3人、行方不明者2人、神奈川県で死者1人を出し、北日本から西日本にかけて住家被害が生じ、停電、断水、電話の不通等ライフラインにも被害が発生したほか、鉄道の運休等の交通障害が発生した。(気象庁HPより)

 なお、近年の特に巨大台風の一例は、2013118日フィリピンに上陸した前出のフィリピンの「ハイエン」である。驚くべきことに、この台風により6000人以上が死亡し、1700人以上が行方不明となった(気象庁HPより)。

 一体、近年の台風は、どうなっているのか。そのことについて、アメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは今月5日付のイギリスの科学雑誌「ネイチャージオサイエンス」電子版で、こういう発表をした。

 同研究チームが日本の気象庁とJTWC=アメリカ軍の合同台風警報センターのデータを基に、1977年から2013年までに発生した台風を分析したところ、日本を含む東アジアと東南アジアを襲った台風のピーク時の風速は、37年間で場所によって12%から15%増している。アメリカ国内で使われているハリケーンの強さを表す基準を当てはめると、最も強い「カテゴリー5」と「カテゴリー4」の台風の数が4倍近くに増えた。

 研究チームは、海岸近くの水温が上昇した結果、上陸する台風の勢力は強くなっているとし、「温室効果ガスの増加が予測される中、台風は今後、さらに勢力が強くなることが見込まれる」と指摘している。(97日付NHK電子版)

 要するに、今後、ますます強大な台風が増える、とみられる。日本にも「ハイデン」クラスの台風が押し寄せるかもしれない。

 だが、台風に対する日本人の意識は、旧態依然としており、防災意識の低い人が多いのが現実。例えば、2014年の「tenki.jpラボ [Vol.3]台風、その時あなたは?みんなの防災意識調査」には、こうある。

 「実際に台風がきた際に対策を行うと答えた人は約半数にとどまりました。『自分は大丈夫』『みんなもしていないから』という考えは台風には通用しません」

 「なんと、台風時に外出したことがある人は全体の4割という結果になりました。台風時の外出は危険を伴います。歩行者は強風にあおられて転倒したり、飛来物が当たったりする危険も。また、車での移動は視界が悪い上に、アンダーパスの冠水や、溜まった水でブレーキが効かなることもあり、安全とは言えません。仕事や人からの依頼はなかなか断りにくいものですが、身を守るため、時には外出を控えることも大切です」

 「これまでの調査で、台風に対する心構えができている人は半数程度であることがわかりました。一方、6人に1人は、台風で危険を感じたことも。台風時、街のあちこちに危険な場所が潜んでいます。風で飛ばされやすい看板の近くを歩いたり、窓ガラスなどの割れ物のそばにいたりすることは非常に危険です」

 また、「台風などによる警報や特別警報が出た際の避難行動はわかりますか?」との問いに対し、「なんと、60%の人がどういった行動をとればいいかわからないと回答。特に目立ったのは20代・30代の女性で、わからないと答えた人が約71%にのぼりました。実は、台風時にやむを得ず外出したことがあるか、という質問に関しても、20代・30代の女性は約51%があると回答。無理をして外出をして、いざという時に避難行動がとれない、ということがないよう、十分事前に準備をしておきたいですね」とあり、特に2030代女性に危うい人が多そうである。実際、テレビで台風直撃時の映像では、暴風雨のなか、普段通りの服装で、もはや凶器でしかない傘を持って、どこかへ歩いて行く人の様子が映し出されるのは、おなじみの風景である。そういう人のなかには、くだんの年齢層とみられる女性がいることが多いように見受けられる。

 では、具体的には、どういった対策があるのかというと、たとえば「台風が接近してから」は、「用水路の見回りは絶対にしない」(増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られる恐れあり)、「海岸の見回りは絶対にしない」(波打ち際や防波堤など海岸周りでは高潮の恐れあり)、「屋外での作業は絶対にしない」(暴風や突風にあおられて転倒する危険あり)。

 そして「外出は控える」(大雨や強風による事故に巻き込まれめ危険あり。車での避難には注意が必要。20mm/h以上の降水量でワイパーは効かず、ブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象)可能性あり)。

 「特に地下空間にいる場合は、早めの避難すること」(とりわけ地下空間は、雨の強さや天候の急変が分かりにくいうえ、地上が冠水すると一気に水が流れ込み、地上に避難することが困難になる恐れがあるため)

 「危険な土地では早めに避難すること」(山や丘を切り開いて作られた造形地、河川が山地から平野や盆地に移る扇状地、山間部・海岸付近・河川敷は大雨や洪水、土石流に特に警戒が必要。集中豪雨などによって、がけ地や傾斜地では山崩れが発生する恐れあり。樹木の少ない山間部では、土石流の危険をはらんでいるので注意が必要。河川敷では水位の変化に注意し、異変を感じたら、いつでも避難できるようする)。

 「避難勧告に従う」(防災機関などからの避難準備情報に注意し、市町村から避難勧告や避難指示があったら、すぐに動けるように準備して、すばやく避難すること。また、避難勧告が出されていなくても、危険を感じたら、自主的に避難すること。ただし、都会では遠くの避難場所へ避難するより、隣近所の二階以上の頑丈な建物に避難させてもらうほうが安全な場合もあり。避難する場合は、周囲の状況なども総合的に判断し、行動するようにすること)

 「避難の前には火の元の確認をする」(避難する際には、火の元、ガスの元栓、電気のブレーカーを落とし、戸締まりを確認をすること)。

 「避難するときは軽装で」(避難の際は持ち物を最小限にして、両手を自由に使えるようにしておくこと)など。

 こういった「防災教育」が必要だ。たとえば、NPO法人による「防災士」という民間資格があり、2003年から現在までに日本全国に100,000名を超す防災士が誕生している。相応のお金がかかるが、この資格を取るのも一つの手といえよう。お金をかけなくても、ネットや本などで防災教育を深めることができる。学校で教わることができず、危険度の低い台風に慣れてきた今の社会人が、一番、被害に遭う可能性が高い。つまり、今時の子供より、大人のほうが、危うい。まず、そのことを自覚しなければならない。(佐々木奎一)

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2016年09月27日

蓮舫民進党の鍵を握る人物

 平成二十八年九月二十三付、のauのニュースサイト


    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「蓮舫民進党の鍵を握る人物」


 を企画、取材、執筆しました。



 野党第一党の民進党代表選が15日投開票され、蓮舫代表代行(48)が圧勝した。新代表の任期は20199月末まで。野党第1党の党首に女性が就任するのは1986年の旧社会党・土井たか子委員長以来。(朝日新聞916日付朝刊)

 その蓮舫体制に、党内で不協和音が出ているという。同紙21日付朝刊「蓮舫執行部、野田政権カラー濃厚」によると、蓮舫体制で「内定した役員には、野田佳彦幹事長が首相時代に政権中枢を担った議員がズラリ。(中略)蓮舫代表、野田幹事長、大串博志政調会長の3人はいずれも野田グループに所属。大串氏は野田政権時代は首相補佐官だった。山井和則国対委員長は、野田政権の時も国対委員長を務めた。3人の代表代行のうち、2人は野田政権の閣僚。次期衆院選を担う選挙対策委員長に内定した馬淵澄夫衆院議員も、もともとは野田グループ」という状況で、「党内に融和ムードはなく、しらけた空気さえ漂っている」という。

 また、同紙18日付朝刊「考・野党 蓮舫民進党 下 『野田幹事長』野党共闘に不安」によると、「野党4党が共闘した参院選直前の6月。野田氏は民進を血液型のA型、共産をB型にたとえ、『B型から輸血してもらったら、死んじゃうかもしれない』と共闘を批判した」、野田氏はこの発言について「当時の私の意見は、具体的に目に見える選挙協力はやりにくいんじゃないかなという印象を申し上げた」と弁明したという。

 共産党の小池晃書記局長は「一党員としての発言と幹事長として発言していくことは、おのずから変わってくるのではないか。これまでの(野党の)合意事項を踏まえてやっていただけると思う」と述べたが、「別の幹部は『我々にとっては一番遠い人だ』と漏らした」という。

 また、小沢一郎氏率いる生活の党の関係者は「蓮舫・野田体制になったことで、民進党は共闘から離れていくだろう」と言う。「衆院選は小選挙区で、すべてが1人区。共闘できずに野党候補が乱立すれば、勝機が大きく後退するのは明らかだ。衆院の解散時期は安倍晋三首相の腹一つ。民進内では『いま解散を打たれたら終わりだ』(若手)、『野田氏は民主党を殺し、民進党も殺すことになるのか』(幹部)といった不安の声が出始めた」とある。

 蓮舫・野田体制については、例えば、安倍自公政権に警鐘を鳴らすニュースサイトIWJは「野田氏といえば、旧民主党政権時代に、国民との約束である『マニフェスト』を破って消費税増税関連法案(社会保障と税の一体改革)を成立させ、3.11以降停止していた福井県の大飯原発を再稼働、さらには党内の反対論を押し切ってTPP交渉参加への道筋をつけるなど、現在の安倍政権が誕生する下地を作った人物です。(中略)野田氏を再び政治の表舞台に復活させるとなると、ほとんど『第2自民党』と言えるような状態になってしまいます。これは、7月の参院選で、『野党統一候補』に期待をかけ、一人区で民進党の候補者に投票した有権者に対する、背信行為ではないでしょうか」と、絶望をつづってる。

 そんな蓮舫民進党のなかで、キーマンは誰か。それは筆者の見立てでは、前民進党代表の岡田克也氏である。岡田氏は、都知事選の投開票前日の730日に、にわかに、代表引退を表明したが、その3日前27日に野田氏と会談している。そのことについて岡田氏は「野田さんとは強い信頼関係で結ばれている」と30日の引退表明会見で述べた。

 さらに28日にも、岡田氏は野田氏と会っている。16日付の日本経済新聞朝刊「『後継を蓮舫氏に』、野田氏と岡田氏連携でレール」には、「民進党代表選は本命視されていた蓮舫氏が(中略)圧勝した。(中略)用意周到に臨めたのは、蓮舫氏の所属グループを率いる野田佳彦前首相と、岡田克也前代表が連携し、後継のレールを敷いたのが大きい」とし、こう書いてある。

 「728日、都内のザ・プリンスパークタワー東京の一室。岡田氏と枝野幸男幹事長、安住淳国会対策委員長ら執行部と、野田氏が顔をそろえた。

 『次は出ません』。岡田氏は代表選に出馬しない意向を明言し、出席者から後継候補に蓮舫氏の名があがった。関係者によると『出席者全員の頭の中は『次は蓮舫氏』だった』。この時点でレールが事実上、敷かれた。(中略)

2日後の730日、東京都知事選投開票の前日に岡田氏は不出馬を表明した」

 このように、蓮舫代表の誕生には、岡田氏が深くかかわっている。であるがゆえに、今後、蓮舫体制の生みの親である岡田氏は、党内で野田氏に不信感を抱く者をフォローし、裏方として蓮舫氏をバックアップしていくことだろう。逆にいうと、現状、民進党をまとめあげる器量を持つのは、岡田氏以外にいない。よって、代表を辞めても、なお、キーパーソンは岡田氏である。(佐々木奎一)




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2016年09月21日

「祝日大国」日本と「最底辺の有休」実体

 平成二十八年九月十六付、のauのニュースサイト


    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「「祝日大国」日本と「最底辺の有休」実体」


 を企画、取材、執筆しました。



 週明け月曜は「敬老の日」のため3連休、さらに22日木曜も「秋分の日」で休日である。そんなシルバーウィークがやってきた。先月も、「山の日」という新しい祝日ができた。先々月も「海の日」があり、来月には「体育の日」という祝日がある。

 日本は、祝日が実に多い。どれくらい多いかというと、2014年の年間祝祭日数世界ランキング(マーサー調べ。※日本については「山の日」を加えて換算。以下同)によると、世界64か国のうち、日本の祝日数は、なんと世界第2位。

 第1位がインド、コロンビアで「18日」。第3位が日本、韓国、タイ、レバノンで「16日」となる。その下は、「15日」がフィンランド、アルゼンチン、チリ。「14.5日」がトルコ。「14日」がスペイン、インドネシア、フィリピン、ロシアなど。「13日」がスロバキア、パキスタン。「12日」がオーストリア、ギリシャ、香港、台湾、ブラジル、ペルーなど。「11日」がカナダ、デンマーク、フランス、イタリア、クロアチア、スウェーデン、中国、ニュージーランド、シンガポール。「10日」がポルトガル、ノルウェー、ベルギー、アメリカ、ベトナム、ウクライナなど。

 ちなみに、最下位はメキシコで「7日」。次いで下から2番目「8日」がイギリス、オランダ。下から3番目「9日」がドイツ、スイス、アイルランド、オーストラリア、ルーマニアなど。

 このように、日本の祝日は多い。多くの先進国よりも、多い。では、日本は先進国の労働者より休んでいるかというと、そうではない。

 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2015」の「年間休日数」の国際比較(週休日(104日)、祝日、年次有給休暇(有休)を含めた日数)では、日本「138.5日」(※山の日を含む)に対し、イギリス「136.8日」、イタリア「141日」、ドイツとフランスが「144日」。つまり、日本以外の国は、祝日が810日と少ないが、有休は、日本「18.5日」に対し、ドイツ、フランスが「30日」、イギリス「24.8日」、イタリア「28日」と多いため、年間休日数は日本を上回っているというわけ。

 しかも、ここにある日本の有休の数字には、まやかしがある。日本の年間有休付与日数は18.5日だが、実際の「有休平均取得日数」は「9.0日」でしかない。要するに、日本の労働者の過半数は付与された有休を消化せず、時効の二年が経過し、いたずらに消滅させてしまっている。実際に取得した有休日数でみると、日本の年間休日数は120日台半ばまで落ち込む。

 しかも、こういう数値もある。オンライン旅行会社エクスペディアの「世界26ヶ国 有給休暇・国際比較2015」によると、有休消化率は、日本は60%。それに対し、フランス、スペイン、ブラジル、オーストラリア、香港は100%、シンガポール93%、イタリア83%、メキシコ80%、インド73%、アメリカ73%。日本より低いのは、韓国40%のみ。

 さらに同調査では、「自分の有休支給日数を知らない人の割合」が、前出の日本、韓国を除く各国は、スペイン7%からアメリカ16%のレンジであり、韓国ですら23%なのに対し、日本は、なんと53%が、自身の有休日数すら知らない。

 つまり、日本には、有休の年間マックス20日を、消化している層(代替人員のいる大企業を中心とした層)がいる一方で、有休とは無縁の層(代替人員のいない中小零細が中心)が過半数いる。この二極化を足して二で割った数字が、前出の有休平均取得日数9.0日という数値になって表れている、と見受けられる。

 要するに、有給無縁層は、有休完全消化層より年間1か月分余計に働いている。(6年半以上勤続の労働者でみた場合。勤続6年半で年間20日の有給が付与。そして週休2日の会社の1か月の労働日数は20日程度のため)。別の見方をすると、有給無縁層は、1か月分、ただ働きしているに等しい。法律上、1か月分有給を取って休めるのに、有休を使わず出勤しているからだ。

 かといって、そういう人が、当然の権利である有休を行使するとどうなるか。会社で白い目でみられるのがオチだ。

 この状況をチェンジしていくには、どうすればよいか。厚生年金や健康保険で会社がの強制的に半額負担するのと同様、有休の完全消化を会社に強制的に義務付けるしか解決の道はないのではないか。そして、日本の労働者の有休100%取得に伴い、世界3位の増え過ぎた祝日数を削減して、世界との年間休日日数の整合性を図る必要がある。(佐々木奎一)


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2016年09月20日

池田大作と同レベルの「夜郎自大」度

『文藝春秋』(10月号)で、朝日新聞で長く皇室担当記者を務めたジャーナリストの岩井克己というものが、「皇太子ご夫妻への期待と不安」という記事で、「「雅子妃のために皇室があるのではない」と思い、いわば「究極のイメージ産業」とも言える皇室を台無しにしていると、何度か皇太子ご夫妻の言動に対する批判記事を署名入りで書いた」などと皇太子夫妻を痛烈に批判している、とニュースサイト  ポストセブンにあつた。ポストセブンはこの岩井氏に同調した言説である。

皇太子の配偶者である雅子妃をこういうふうに批判するとは、底知れぬ無礼な輩である。
かつて池田大作は天皇以上の存在になろうとしていたが、岩井文春ポストセブンは、それと同レベルの、夜郎自大である。
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2016年09月16日

安倍自公を警鐘した加藤紘一が死去

 平成二十八年九月十二日付、のauのニュースサイト


    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「安倍自公を警鐘した加藤紘一が死去」


 を企画、取材、執筆しました。



 

 けさの各紙は、元衆院議員の加藤紘一氏(77歳)が9日午後045分、肺炎のため都内で死去したことを報じている。

 加藤氏は、山形県鶴岡市出身。東大法学部卒業後、外務省に入省。1972年の衆院選で旧山形2区から自民党公認で初当選。故池田勇人元首相がおこした同党の名門派閥「宏池会」に所属し、早くから「プリンス」として期待された。衆院当選2回で大平内閣の官房副長官を務めた後、防衛庁長官、官房長官、党政調会長、幹事長を歴任。91年に当時の竹下派支配打破や世代交代を目指し、山崎拓元副総裁、小泉純一郎元首相と「YKK」を結成して注目を浴びた。

98年には宏池会の流れを継いで派閥の会長に就き、「首相の座に一番近い男」と言われた。しかし、2000年に森内閣打倒を目指し、野党提出の内閣不信任決議案への賛成を明言。「加藤の乱」と言われたが、不発に終わり、加藤派は分裂して存在感は落ちた。

02年には自身の事務所代表による脱税事件の責任を取って自民党を離党後、議員辞職。03年の衆院選で再び当選し、復党。党内ではハト派に位置し、日中友好協会会長を務めた。(毎日新聞)

 政界では、元自民党副総裁の山崎拓氏が「終生の畏友であった加藤紘一氏の訃報に接し、強烈な衝撃を受けた。比類なき英知の持ち主であり、政界同期の私ども友人に対し、国家と郷土の発展に身命を賭して働けと常に啓蒙啓発され、文字通り日本政界のトップリーダーの一人として活躍してきた。改めて日本の政界がかけがえのない英知を失ったことを心より惜しむ次第だ」とコメント(同紙)。

 加藤氏が宏池会会長だった時の側近で、加藤の乱でたもとを分かった古賀誠・元自民党幹事長は「突然のことで驚いている。残念とか無念とかでなく、ただ悔しい」(同紙)、また、古賀氏は「加藤総理・総裁を長年夢見ていたのに、『乱』がきっかけで分裂してしまった」と振り返り、2年前、2人でミャンマーを訪ねたのが最後になった。「加藤さんが『インパール作戦の現場へ行きたい』と言ったのがきっかけ。既に体調がすぐれなかったけれど、『絶対に行く』と。道中、いろいろな話をした。本当に残念」と語った(毎日新聞)。

 ほかにも「保守リベラルの方向性を指し示してくれていた北極星のような星が消えてしまった」(民進党の辻元清美衆院議員)といった惜しむ声が出ている。

 他方、安倍自公政権の面々は、加藤氏の元秘書で前防衛相の中谷元氏が「連合などと協議して自社さ政権で連立を成し遂げたが、結論が出なければ朝まで議論することもあった。政治とは丁寧に説得を繰り返してつくり上げるものだと教わった。経世会(旧竹下派)中心の政治を変える原動力になった方だった」(毎日新聞)、宏池会を継ぐ岸田派会長の岸田文雄外相は「結果を出すべく、政策をどのように学ぶべきか教えて頂いた。偉大な先輩で、寂しく思います」、公明党の山口那津男代表は「野党議員にも分け隔てなく公平に接してくれた人だった(中略)バランスのとれた加藤さんが『今もいてくれたらなあ』という気持ちがある」(朝日新聞電子版)と言ったという。

 前者の惜しむ声は、行動が伴っている。だが、後者の安倍自公の面々は、口先だけである。

 なぜなら加藤氏は、生前、安倍自公政権に対し、次のように警鐘を発していたからだ。

 「戦後日本の平和を守ったのは、田舎の保守系無所属の人たちだ。惨めな戦場を経験し、戦後は黙々と地域に尽くし、この国を食えるようにした。世代交代で今、戦争を知らない政治家が国民をあおっている。

 僕の田舎の後援会事務長は16歳で少年兵になった。朝飯を一緒に食べた同期の仲間が隣で頭を撃ち抜かれて死んだ。いずれ自分も死ぬ。その前に恋がしたい。それで慰安所に行った。むしろの仕切りの中に入ったら、朝鮮の女性がいたそうだ。『申し訳なかった』。戦後、心の中で女性に謝り続けていたんだ。

 僕は体験者から直接話を聞いた人間として発言し続ける。政府が与党に示した集団的自衛権などの15事例なんて、官僚の小細工だ。防衛庁長官や官房長官を経験したが、集団的自衛権を使えず、日本の安全が保てなかったという経験はない。米軍に紛争地から日本人を連れて帰ってもらおう、という話もなかった。

 尖閣諸島はヤギのすむ岩山。『安保がある』と言うけれど、尖閣を守るために、なぜ米国の若者が死ななきゃいけないのか。オバマ大統領が命じますか。外交は机上の空論じゃない。自分たちの家族の命をかけることとして考えるべきなんだ。中国の脅威というが、中国の観光客は増えている。もっと民間交流を進めよう。日中とも外務官僚が仕切り、妥協の発想がない。

 日本を取り戻すというが、取り戻す日本とは何ですか」(14616日付朝日新聞朝刊)。

 「A級戦犯を合祀してから昭和天皇は靖国神社に行かなくなった。それなのに、安倍さんは『日本の心』と言って靖国へ参拝する。陛下に失礼だと思うよ。矛盾したことをやりながら、それが平気で世の中に通っていく。これは危ないなと。

 論理的に考えたのではないと思う。『戦後何十年も、革新の連中、威張りやがって』と、いわゆる「革新勢力」に対し、復讐(ふくしゅう)戦をやっているんだと思う」

 安倍自公政権が解釈改憲で集団的自衛権の行使容認したことに対しては、憲法改正で対応すべき、と言い、「やるならやはり大論議が必要。徴兵制の議論もしなければならない。それでも『アメリカと一緒に鉄砲を持とう』と決心したのなら、私は間違いだと思うが、これは民主主義だからしょうがない。いま、僕の三女には、2歳になる男の子がいる。議論もないうちに間違えて、その子に戦争に行けとなる。その子が戦争で殺されるなんて考えただけでも許せない」

 「そもそも、保守とは何だろう。保守とはタカ派か、憲法改正派か、反中、親米か。私は、そうではないと思う。戦後、中国から復員してきた人で、自民党員なんだけど、『戦争は絶対ダメだ』という人が多くいる。その人たちは保守ではないのか。

 僕はつくづく思うんだ。戦後日本の反戦抵抗勢力は岩波でも朝日でもない。やっぱり当時20代で、戦争に行って帰ってきた農家の人たち。その人たちが『絶対戦争はさせない』と。舌をかみそうになるが、『保守反戦』というのもあるんだよ」(1463日付朝日新聞朝刊)。

 加藤氏は、イラク戦争時には、自民党内でイラクへの自衛隊派遣に賛成しない考えを示し、04131日未明の衆院本会議では、古賀誠氏とともに採決時に退席し、「大量破壊兵器が見つからないなど、大義がない戦いだ。そこに自衛隊を出すという政策判断は適当ではない」と発言。(04131日付朝日新聞夕刊)

 「軍の関与は否定できない。筆舌に尽くし難い辛苦をなめられた方々に、おわびと反省の気持ちを申し上げたい」(19921月、旧日本軍による従軍慰安婦問題に関し官房長官記者会見で。けさの毎日新聞より)

 「熾烈な宗教政党批判を繰り広げた自民党が公明党と連立するとは、あまりにもご都合主義ではないか」(同、著書「いま政治は何をすべきか」。同紙)

 「私は故大平正芳元首相に育てられた。大平氏は『政治は小魚を煮るように丁寧にやるんだよ』と言っていた。丁寧に政治をする心構えを取り戻さないと、保守政治の危機になる」(9911月、小渕政権を批判し。同紙)

 「悲しく許せないが、私は政治家であり、信じていることは発言し続ける」(068月、小泉純一郎首相による靖国神社参拝を批判した自身の発言に絡み、山形県鶴岡市の実家が全焼した放火事件で。同紙)

 安倍自公政権の面々は、口先ではなく行動で、加藤氏に報いるべきだが、無論、連中にそれができるわけがない。安倍自公政権という忘恩の徒に、加藤氏をしのぶ資格はない。(佐々木奎一)


 PS 記事中の「熾烈な宗教政党批判を繰り広げた自民党が公明党と連立するとは、あまりにもご都合主義ではないか」というのは、かつて加藤紘一氏が中心になり「四月会」という組織をつくり、創価学会公明党こと池田教団・池田党が、憲法20条の「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」との政教分離に違反する、創価公明党は政教一致である、と論じてきたことを指す。このとき、池田教団は例によって、加藤氏のことを鬼畜扱いし、仏敵(ぶってき)と罵っていた。がしかし、池田教が政教一致の憲法違反である、との解釈は、白を黒く塗り潰した集団的自衛権の行使を可能にした解釈改憲より、よっぽど筋がよいように観える。



PSPS 池田教信者とみられる「創価学会を弾圧しようとした仏敵加藤紘一」などという、いかにも池田大作教らしい掲示板もある。
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2016年09月13日

旧日本軍を彷彿、日の丸と日本刀の自衛隊エンブレム

 平成二十八年九月九日付、のauのニュースサイト


    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「旧日本軍を彷彿、日の丸と日本刀の自衛隊エンブレム」


 を企画、取材、執筆しました。(写真は自衛隊エンブレム、陸上自衛隊HPより)



陸上自衛隊のエンブレム.jpg

   


 日の丸の下に、抜き見の日本刀と鞘をクロスさせ「日本国陸上自衛隊」と書いてあるエンブレムの写真付きで、「陸自エンブレムに日本刀、なぜ?」という記事が7日付の朝日新聞朝刊に載っている。

 記事によると、「陸上自衛隊が記念品などに使うために作ったエンブレムが物議を醸している。日本刀をあしらったデザインで『日本人らしい強さ』を表したというが、陸自の装備に日本刀はない。かつての日本軍を思い起こさせるとして、『アジア諸国への配慮が足りないのでは」との見方も。(中略)上段に日の丸、下に陸自のモチーフの『桜星(おうせい)』。そして真ん中には、交差する抜き身の日本刀とさや。エンブレムは『桜刀(さくらかたな)』と名付けられ、5月に公表された。

 陸自の中枢・陸上幕僚監部の広報室によると、安倍政権が掲げる『積極的平和主義』を具現化したデザインだという。国連平和維持活動(PKO)や国際共同訓練などで他国軍と交流する際、エンブレムを刻印したメダルや盾を記念品として贈る予定だ。

 なぜ日本刀なのか?

 陸幕広報によると、古くから武人の象徴とされてきたことから選ばれたという。『外国の陸軍のエンブレムにも銃や銃剣を使う例が多い。陸自では日本人らしさを示す観点から刀が適切だと考えた』

 これに対し『国内のみならず海外でも大きな反発を引き起こす』と主張し、エンブレム撤回を求める活動を始めた人もいる。埼玉県ときがわ町の市民団体代表世話人、篠原陽子さん(66)は6月、オンライン署名サイト『Changeorg』で署名集めを開始。約3週間で22千人以上の署名が集まった。『軍刀は帝国日本軍の略奪や脅迫を思い起こさせるシンボル。自衛隊のエンブレムにふさわしいとは思えない』

 民主党政権時に観光庁の事業につくエンブレムの監修に関わった劇作家、平田オリザさんは『アジアの人がどう考えるかといった調査をしたのだろうか』と疑問視する。観光庁のエンブレムについては事前に、日の丸入りのデザインへの反応を探るため、在外公館を通じて中国や韓国の反応を探ったという。(中略)

 陸自には00年から使ってきたシンボルマークもある。手のひらで日本列島を包み込むようなマークの横に、『守りたい人がいる』との言葉が添えられたものだ。エンブレムとは使い分け、自衛官募集などのために活用するという。

 昨年、安全保障関連法が成立し、自衛隊の海外任務の役割は拡大する。国内ではソフトなイメージを維持しつつ、主に海外向けにはハード路線のエンブレムが作られた狙いは何なのか。

 陸幕はエンブレムと安保法の関係は否定しつつ、『災害派遣などを通じて陸自の優しさ、頼もしさは幅広く理解してもらっている。ただ、(国防には)精強さも不可欠。それをエンブレムで感じてほしい』と説明している」という。

 ちなみに、上記署名の呼びかけ文には、「陸自が、これまでの『国土防衛マーク』を捨てて、日本刀の『抜き身』をエンブレムに登場させました。『帝国陸軍軍人』が帯刀していたこと、それが飾り物ではなく実際に殺戮のために振るわれたことを記憶しているアジアの国々では戦前の『亡霊』が現れたと受け止めるでしょう。

 鞘を抜き払った日本刀が描かれたエンブレムは陸自が人殺しの道具をあがめている集団と表明していることも同然です。『問答無用』での武力行使をしてきた旧日本軍の血に塗られた軍刀の記憶を呼び覚ますこのエンブレムは、国内のみならず海外でも大きな反発を引き起こすことは必至です。

 『平和への活動』と言いつつ、刀を崇拝しているデザインは、国民としても、大変恥ずかしく、海外に出すわけにはいきません。陸自に新エンブレム撤回の英断を求めます」と書いてある。

 実際、筆者もこのエンブレムをみて、旧日本軍を想起した。例えば、旧日本軍と日本刀といえば、「百人斬り競争」を連想する人もいるに違いない。百人斬り競争とは、「大阪日日新聞」(大阪毎日新聞)の昭和12年(1937121日夕刊の「南京めざし 怪絶・百人斬り競争『関の孫六』五十六人を屠り 伝家の宝刀二十五名を倒す」という見出しが発端。

 同記事には「快進撃の第一線に立つ片桐部隊に『百人斬り競争』を企てた青年将校が二名ある(中略)一人はすでに五十六人を斬り、もう一人は二十五人斬り果たしたといふ(中略)二人は無錫入場と同時に直ぐに追撃戦に移った際どちらからともなく『南京に着くまで百人斬りをしようぢやないか』といふ相談がまとまり、柔道三段の向井少尉が腰の一刀『関の孫六』を撫でれば野田少尉も無銘ながら祖先伝来の宝刀を誇るといつた風で互いに競争するところあり(中略)

 両少尉は語る。『向井少尉=この分だと南京どころか丹陽で俺の方が百人くらい斬ることになるだらう、野田の負けだ、俺の刀は五十六人斬つて歯こぼれがたつた一つしかないぞ

 野田少尉=僕らは二人とも逃げるのは斬らないことにしています、僕は○官をやつているので成績があがらないが丹陽までには大記録にしてみせる

 記者らが『この記事が新聞に出るとお嫁さんの口が一度にどつと来ますよ』と水を向けると何と八十幾人斬りの両勇士、ひげ面をほんのりと赤めて照れること照れること」とある。

 その後、続報を経て、同年1213日付の東京日日新聞朝刊(現毎日新聞)には、日本刀を持つ両少尉の写真付きで、「百人斬り“超記録”向井106105野田 両少尉さらに延長戦」という記事がある。それによると、「南京入りまで“百人斬り競争”という珍競争をはじめた例の片桐部隊の勇士向井敏明、野田毅両少尉は(中略)百六対百五というレコードを作って十日正午両少尉はさすがに刃こぼれした日本刀を片手に対面した。

 野田『おいおれは百五だが貴様は?』向井『おれは百六だ!』…両少尉は“アハハハ”結局いつまでにいづれが先きに百人斬ったかは不問、結局『ぢやドロンゲームと致そう、だが改めて百五十人はどうぢや』と忽(たちま)ち意見一致して十一日からいよいよ百五十人斬りがはじまつた」などとある。

 当時の日本国民はこの話に熱狂した。

 なお、近年、この百人斬り競争は、戦意高揚のためのつくり話だったと盛んに主張する人がいる。

 「太平洋戦争と新聞」(著:前坂俊之/講談社刊)によると、当時の新聞は、昭和129月には、政府に内閣情報部が設置され、参与に毎日新聞と朝日新聞の主筆が就き、映画や雑誌のトップも参加し、政府、言論界が一体となり、挙国一致の「言論報国」へ邁進する体制が築かれていた。また、新聞は、政府の検閲による記事差し止め、禁止、掲載不可を恐れ自主規制が慢性化している状況だった(「太平洋戦争と新聞」(著:前坂俊之/講談社刊))

 そう考えると、百人斬り競争は、政府による戦意高揚のためのプロパガンダだったのかもしれない。なお、そのことをもって、あたかも南京で日本軍が残忍な行為をしていなかったかのような主張もあるが、同書によると、日本政府により発禁となった西洋メディアの日本語新聞の記事には、「日本国民は世界の大文明国および国民が日本の対支侵略、残虐な婦女子爆撃を非難しているということを知れば、心が暗くなるであろう。日本の国民は支那における日本の陸海軍の目も当てられぬ残虐行為を知っておらない」(サンフランシスコ発行「大洋新報」19371030日付)や、「非戦闘員の殺戮は広く行われていた。被害者は多く銃剣で刺され負傷者中には暴虐無残なものがあった。…日本軍の掠奪は殆ど全市を侵すに及んだ」(ニューヨーク発行「アメラシイア」19382月号)、「南京占領の際、過去の日本軍には見られなかった掠奪、強姦、虐殺が大量的に行われたので、外人目撃者は非常に驚いて『南京攻略は日本戦史に輝かしい記録として残るよりも、その大量的虐殺の故にかえって、国民の面をふせる事件として記憶に残るであろう』との見解をもたらしている。一説には今回の戦争に大義名分がないから緊張味を欠くのだともいわれている」(シアトル発行「ニュース」1938112日号)などと報じられていた。

 要するに、冒頭の日の丸と日本刀の自衛隊のエンブレムは、こうした旧日本軍の歴史を彷彿とさせる。

 なお、冒頭の記事の通り、このエンブレムは、安倍政権が掲げる『積極的平和主義』を具現化したデザインなのだという。

 その安倍政権の面々の多くは、日本会議のメンバーである。その日本会議について、かつて慶応大名誉教授の小林節氏は、「私は日本会議にはたくさん知人がいる。彼らに共通する思いは、第二次大戦での敗戦を受け入れがたい、だからその前の日本に戻したいということ。日本が明治憲法下で軍事5大国だったときのように、米国とともに世界に進軍したいという思いの人が集まっている。よく見ると、明治憲法下でエスタブリッシュメント(筆者注:支配者層)だった人の子孫が多い。そう考えるとメイク・センス(理解できる)でしょ」と言った。(2015615日、日本外国特派員協会の会見にて。同年712日付週刊現代のジャーナリスト魚住昭氏の記事「日本最大の右派団体『日本会議』と安倍政権のただならぬ関係〜なんと閣僚の8割が所属 みんな、そこでつながっている」より孫引き)

 安倍自公政権にしてこのエンブレムあり、ということがメイクセンス、理解できる。(佐々木奎一)



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2016年09月11日

ゾウ大量殺戮の主因、象牙のハンコと日本

 平成二十八年九月五日付、のauのニュースサイト


    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「ゾウ大量殺戮の主因、象牙のハンコと日本」


 を企画、取材、執筆しました。


92日付の朝日新聞朝刊に「アフリカゾウ、7年で3割減 密猟主因、ペース加速」という記事がある。それによると、「野生のアフリカゾウは18カ国に約35万頭生息し、7年間で約3割減っていることが、NGOや研究者などで作るプロジェクトチームの調査でわかった。チームは象牙を狙った密猟が主な原因だと推測している。(略)アフリカゾウをめぐっては、象牙を狙った密猟が横行しており、テロ組織の資金源となっている恐れも指摘されている」という。

 また、読売新聞3日付夕刊にも同様の「アフリカゾウ3割減 草原生息調査 象牙密猟原因か 07年以降」という記事があり、「今回の調査は、(中略)1日に米ハワイで始まった国際自然保護連合(IUCN)総会に合わせて発表された」「調査費として700万ドル(約72000万円)を提供した米マイクロソフトの共同創業者のポール・アレン氏はIUCNの会議で『我々には行動を起こす連帯責任がある』と強調した」とある。

 なお、両記事は、肝心要が抜け落ちている。が、それでも他の全国紙よりは、まだましである。日本経済新聞の5日付朝刊の記事「アフリカゾウ3割減、07年から7年間、NGO調査」は、「象牙」というキーワードが一切ない。毎日新聞にいたっては、紙面で一切報じていない。

 では、記者クラブメディアが触れない真実とは何か。それは、アフリカで横行するゾウの大量殺戮、象牙密猟の主因の一つは、他ならぬ日本にある、という致命的な汚点である。

 そのことは、815日付のジャパンタイムズに詳しい。同紙によると、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、145月現在180か国・地域が締約)のレポートには、2010年からの3年間で、およそ10万頭のゾウが殺された。そのことがアメリカと中国の象牙市場の閉鎖の決定を促した。それにより今年924日〜105日に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開催するワシントン条約締約国会議が近付くにつれて、日本に対する市場閉鎖の圧力が高まっているという。

 日本の主要な象牙を使った製品は、「象牙のハンコ」である。

 では、現在、どのようにして、日本で象牙製品を買うことができるかというと、それは、ヤフー、楽天といったオンラインサイトである。なかでも最大の取引場は、ヤフーオークションである。

 ワシントンに拠点を置く団体など計32の環境保護団体は、ヤフーオークションを運営するヤフージャパンとソフトバンクに対し、象牙製品(そのなかには未登録で違法な製品もある)の販売を禁止するよう求めており、813日現在、ウェブサイトの嘆願書に140万人が署名している。

 嘆願書には、「この破滅的な象牙取引をストップして下さい!」「象牙取引は、ゾウを絶滅の淵に追いやっています。そして、グーグルやアマゾンといったビックブランドが象牙販売を拒否している中、ヤフーは、象牙で大儲けしてます」とある。

 なお、昨年9月、アメリカのバラク・オバマ大統領と中国の習近平国家主席は、それぞれの国内の合法的な象牙市場をクローズすることに同意した。

 これにより、アメリカでは、今年76日から、ほぼ完全に象牙取引は禁止された。中国も今年後半から来年前半に、象牙市場を閉じるスケジュールを発表することになっている。

 また、今年610日付の同紙(共同通信配信)によると、アメリカの環境保護団体の調査で、日本の貿易業者が、日本国内で中国人に象牙を売りさばき、その象牙が中国に密輸されていることが判明したという。この環境保護団体は、日本の千葉、岐阜、大阪、静岡の貿易業者4人が、その違法取引の実体を証言しているのを、ひそかにビデオカメラで撮影。例えば、岐阜の業者が、「違法かどうかは気にしない。もう三つ、象牙を手に入れるつもりだ」と語ったり、静岡県浜松市の業者が、「中国人の客は、いつも象牙を、独自ルートで持ち返っている」と語っており、明らかに中国に違法に輸出されているのを知っているという。

 こうした日本に対する不名誉な国際的批判を無視する安倍自公政権と、それに追随する記者クラブメディア。この国の民度は急速に低くなっている。そのことが、象牙からも見てとれる。(佐々木奎一)

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2016年09月08日

経済損失年4兆円、発がん物質のカタマリ…たばこ


 平成二十八年九月二日付、のauのニュースサイト


    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「経済損失年4兆円、発がん物質のカタマリ…たばこ」


 を企画、取材、執筆しました。



  31日付の朝日新聞朝刊に「『屋内100%禁煙化を』 日本の対策『世界最低レベル』 たばこ白書案」という記事がある。それによると、厚生労働省の有識者検討会は「喫煙と健康影響」に関する報告書(たばこ白書)案をまとめた。白書をまとめるのは2001年以来、15年ぶりで4回目。31日の検討会で了承を得て、正式に決まる。

 この白書案は、日本の受動喫煙対策を「世界最低レベル」とし、「屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」と提言。

 今回、白書として初めて、日本人での喫煙と病気の因果関係を、「確実」「可能性あり」「不明」「無関係の可能性」の4段階で科学的に判定。受動喫煙では、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などを「確実」と認定した。

 世界保健機関(WHO)による各国のたばこ対策7項目への評価では、日本は「受動喫煙からの保護」「マスメディアキャンペーン」「広告、販売促進活動などの禁止要請」の3項目が「最低」で、G7諸国で最悪だったと報告。

 世界の49カ国では、医療機関や大学・学校、飲食店、公共交通機関などの公共の場で「屋内全面禁煙」とする法規制をしているが、日本は努力義務にとどまり、「最低レベル」と判定されていることも紹介。受動喫煙対策で「わが国でも喫煙室を設置することなく、屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」としたいう。

 また、同記事には「日本人でたばこを吸わない人が受動喫煙で肺がんを発症・死亡するリスクは、受動喫煙がない人に比べて約13倍に上昇すると、国立がん研究センターを中心とする研究班が31日、発表した。国内の9本の研究論文を統合解析した。日本人で受動喫煙によるがんリスクが科学的に証明されたのは初めて。

19842013年に発表された、喫煙者の夫がいる非喫煙者の妻らを主な対象にした9本の論文を合わせて解析したところ、受動喫煙がある人はない人に比べ、肺がんリスクは1.28倍上昇すると出た。統計学的に明確な差が出た」という。

 なお、この「たばこ白書案」なるものは、厚労省のサイトにアップされている。それは、平成28831日開催の「第2回 喫煙の健康影響に関する検討会 資料」というページ内の「資料3 『喫煙の健康影響に関する検討会報告書(案)』本文」で全590ページの大著である(今後数字等を微修正する可能性あり、下記よりPDFダウンロード可)。


   資料3 「喫煙の健康影響に関する検討会報告書(案)」本文.pdf


 そこには、たばこの経済的影響についても触れている。それによると、たばこは年間で健康関連費用(超過医療費、超過介護費)17,700 億円、生産性損失(直接喫煙および受動喫煙にともなう喫煙関連疾患での入院・死亡による損失、火災による損失など)24,000 億円など、経済損失は総額43,300億円に達するという。(医療経済研究機構2010年調査)

 また、別の学者(後藤氏ら)の99年の調査によると、医療費などたばこの負の影響が年間56,000億円で、たばこの売上等の正の効果は、他産業の波及効果を含め年間28,000億円に留まるという。要するに、2倍もの赤字で年間28,000 億円ものマイナスというわけ。

 また、神谷氏ら(2011)の調査によると、公共施設、職場での全面禁煙規制をした場合の便益(死亡抑制・医療費削減・生産性損失(疾患罹患および喫煙離席)削減・火災減少などの費用削減)と損失(規制導入自体の費用・税収減少・たばこ産業および関連産業の売上げ減少・飲食店の売上げ減少などの費用増大)を金銭換算したところ、便益53,200億円に対し、損失11,600億円と、トータルで41,500億円もの便益となったという。

 要するに、全面禁煙などのたばこ規制を実施すれば、この国は、豊かになる。それをしないのは、一重に、安倍自公政権の不作為の責任である。

 また、健康への影響については、「因果関係あり」のカテゴリーは、「レベル1:科学的証拠は、因果関係を推定するのに十分である」「レベル2:科学的証拠は、因果関係を示唆しているが十分ではない」とし、受動喫煙による健康影響として、下記を挙げている。

 「受動喫煙による健康影響」は、「肺がん レベル1」「鼻腔・副鼻腔がん レベル2」「乳がん レベル2」「虚血性心疾患 レベル1」「脳卒中 レベル1」「臭気・鼻への刺激感 レベル1」「急性呼吸器症状(喘息患者・健常者)レベル2」「急性の呼吸機能低下(喘息患者) レベル2」「慢性呼吸器症状 レベル2」「呼吸機能低下 レベル2」「喘息の発症・コントロール悪化 レベル2」「COPD レベル2

 「妊婦の受動喫煙と低出生体重・胎児発育遅延 レベル2」「小児の受動喫煙と喘息の既往 レベル1」「小児の受動喫煙と喘息の重症化 レベル2」「親の喫煙と小児の喘息発症 レベル2」「受動喫煙と小児の呼吸機能低下 レベル2」「親の喫煙と学童期の咳・痰・喘鳴・息切れ レベル2」「小児の受動喫煙と中耳疾患 レベル2」「妊婦の能動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS) レベル1」「小児の受動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS) レベル1」「小児の受動喫煙ととう蝕 レベル2

 また、化学物質については、「喫煙によって発生する主流煙の粒子成分が約4,300種類、ガス成分が約1,000種類の合計約5,300種類」「これらの化学物質には、発がん性があると報告される物質も約70 種類存在している」という。

 また、タバコに含まれる「有害化学物質リスト」も載っている。そこには、労働安全衛生法で、「労働者に健康障害を生ずるおそれのある物」として、取り扱い時に名称や人体に及ぼす作用を記載、といった規制を敷いている有害化学物質も多数入っている。

 例えば、アセトアミド、アクリルアミド、ヒ素、ベンゼン、クレゾール、コバルト、エチルベンゼン、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、シアン化水素、鉛、水銀、ナフタレン、ニッケル、ニトロベンゼン、ニトロメタン、酸化プロピレン、一酸化窒素など。

 また、同法で、防毒マスクを義務付けている一酸化炭素やアンモニアも入っている。

 さらにウラン235、ウラン238も入っている。

 受動喫煙により、たばこを吸っていない人たちは、強制的に有害物質を体内に取り込んでいる。

 なお、受動喫煙対策を実施し、たばこ煙の曝露を抑制することで、長期的な発がんのみならず、「咳、痰、のどの痛み、歯をみがくときの吐き気、胃痛、胸やけ、皮膚が痒い、顔色が悪い、息切れ、動悸、筋肉痛、など各種自覚症状」も、低下するというが、これほど有害物質が入っているのだから、うなずける。

 全国にあまたいる受動喫煙被害者たちは、死ぬまで泣き寝入りをしているつもりなのだろうか。(佐々木奎一)

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2016年09月05日

ゴマスリ幹事長にゴマをする記者クラブメディア

 平成二十八年八月二十九日付、のauのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「ゴマスリ幹事長にゴマをする記者クラブメディア」


 を企画、取材、執筆しました。



26日付の当コーナーで自民党内の元プリンス船田元氏が、安倍晋三氏を公然と批判していることを取り上げたが、奇しくも25日は、自民党の小泉進次郎氏も、公の場で安倍氏の独裁制を、暗に指摘する場面があった。26日付の朝日新聞朝刊によると、「自民党の小泉進次郎農林部会長は25日、東京都内で開かれた内外情勢調査会(筆者注:時事通信社の関連団体)で講演し、党内で取りざたされる党総裁任期の延長について『率直に言ってなぜ今なのか分からない。急いで議論すべきことがそれか』と述べ、疑問を呈した。党則で連続26年までと定められた総裁任期の延長をめぐっては、二階俊博幹事長が党内で検討する意向を示している。小泉氏は『議論の場が仮にできるとしたら、なぜ今なのかぜひ説明していただきたい』と求めた」という。

 つまり、自民党内には、元プランス船田元氏や石破茂氏、野田聖子氏といった面々に加え、若武者の小泉進次郎氏といった反安倍勢力が点在する。これに安倍氏に面従腹背している潜在的な反安倍層を加えると、一大勢力となることだろう。

 他方、安倍氏のご機嫌取りでいち早く党総裁任期の延長を持ち出した「ゴマスリ太鼓持ち」幹事長・二階俊博氏。滑稽なことに、そのゴマスリに対し、さらにゴマをする記事が、記者クラブメディアには溢れている。

 例えば、28日付の日本経済新聞朝刊の「永田町インサイド 自民幹事長、権力の盛衰、二階氏、存在感増す、選挙・人事…実権握れるか」には、こう書いてある。「二階俊博幹事長が誕生した。二階氏は77歳で、幹事長に就いた年齢は歴代で最年長。自民党ナンバー2の幹事長とはどんな仕事をするのか。(中略)二階氏の最大の課題は自民党総裁の任期延長だ。32期を3期まで可能にする案を軸に調整する。

 党内ではさっそく小泉進次郎農林部会長が25日の講演で『なぜいまなのかわからない』と異論を唱えた。その直後、二階氏は自民党本部で小泉氏を見つけると肩を叩きながら『小泉元首相はすぱっと物事を決める方だった』と郵政民営化の思い出話を語りかけた。

 進次郎氏が『二階幹事長もすぱっと決めようとしているんじゃないですか』と混ぜっ返すと、二階氏は『いやいや。今度飲みに行こう』と応じた。やりとりをみていた二階氏周辺は『相手を包み込むのが二階流だ』と解説する」と、二階氏の太鼓持ちぶりには一切触れず、もてはやしている。

 また84日付同紙朝刊の「党幹部の横顔――幹事長、二階俊博氏」には「好機を見逃さない独特の政局観で存在感を放つ。師事した田中角栄元首相譲りの面倒見の良さは政界でも有名。国会議員39人を率いる志帥会の会長も務める。来客は政界から経済界まで幅広く、1時間待ちの例もある」と、ほめそやしている。

 また、毎日新聞の82日付朝刊には「自民党 二階幹事長、党内抑え役 『実力者』起用に警戒感」という記事がある。それには「安倍晋三首相(自民党総裁)が1日、同党の谷垣禎一幹事長(71)の後任に二階俊博総務会長(77)を充てることを決めた(中略)党務経験の豊富な『実力者』の起用で、官邸主導の政権運営は変質する可能性があり、首相にとってリスクを抱えた人事といえる」「政府関係者は1日、二階氏の起用を『重量級だ。首相は安定感を求めたのではないか』と解説した」などと、高齢でゴマをする二階氏はポスト安倍のリスクがないから、幹事長にあてたにもかかわらず、「実力者」「重量級」などとほめちぎっている。

 また、同紙の82日付の社説には「二階自民幹事長『安倍一色』から脱却を」とあるが、そもそも任期延長をさかんに唱えている時点で、安倍一色丸出しなのに、なんとも節穴な社説である。

 また、読売新聞の819日付朝刊の記事「編集委員が迫る 改憲 急がず、穏やかに 自民党幹事長 二階俊博氏77」には、「『最後の党人派』注目」という小見出しで、「二階氏がお盆の恒例にしているという金丸信元副総理の墓参で山梨に行く道中に話を聞いた。二階氏が『最後の党人派』と言われるのは、田中角栄氏、竹下登氏や金丸氏ら昭和の大物政治家たちに直接薫陶を受け、その面影を感じさせるからだろう。自民党総裁任期延長や憲法改正などの難題にどう取り組んでいくのか。幹事長として党の中心に座った二階氏の動向にますます注目しなければならないだろう」と、ゴマスリ幹事長をベタボメしている。

 このように記者クラブメディアはいつもの通り、権力にへつらっている。(なお、全国紙のなかでは、朝日新聞がいまのところ、ゴマスリ幹事長にゴマをすっている形跡はない。ただし、二階氏のゴマスリぶりをさして批判もしていないところが、五十歩百歩である)

 ゴマスリ幹事長にゴマをする姿は、結局、安倍晋三氏にゴマをすっているのと同じことである。実際、すでに829日付日本経済新聞には「東京五輪『安倍首相で』59%、力入れるべき『テロ警戒』最多(本社世論調査)」などという記事が出回っている始末。

 そもそも、当サイトでは、以前から安倍氏が任期延長して東京五輪まで権力の座に居座る腹であることを指摘していたが、その間、記者クラブメディアは、こぞって安倍氏が総裁選任期が来たら首相の座を降りることを前提にした記事ばかり書いてきた。それが、二階氏が任期延長を唱えゴマをすり出した途端、記者クラブは一夜にして、総裁選任期延長を前提とした記事を書き始めた。いまさらいうまでもないことではあるが、記者クラブメディアは、国家権力の太鼓を持つプロパガンダなのである。(佐々木奎一)

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2016年09月03日

安倍晋三を公然と批判する元プリンス船田元

 平成二十八年八月二十六日付、のauのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「安倍晋三を公然と批判する元プリンス船田元」


 を企画、取材、執筆しました。



 夏の甲子園は、栃木県の作新学院が、54年ぶり2度目の優勝を果たした。その作新学院のトップである学院長は、知る人ぞ知る現自民党衆院議員の船田元(はじめ)氏(62)。

 その船田氏について、24日付のジャパンタイムズが大きく取り上げている。

 だがその記事は、高校野球について、ではない。それは、ベテランの船田氏が、政治的な自殺行為につながりかねないリスクを冒して、安倍晋三氏の憲法改正を批判している、という見出しである。

 記事によると、船田氏は、ほかの多くの自民党議員たちと同様、憲法改正論者だが、自民党内で船田氏は、独自の道を行く一匹狼だという。船田氏は、安倍晋三氏の強引な憲法改正の進め方に、たった一人で公然と反対の戦いを仕掛けているからだ。

 船田氏は、16年前に設置された衆院憲法調査会の当初のメンバーで、当時から憲法改正を訴えていた人物。そんな船田氏は、自民党が政権から転落した09年の選挙で落選。12年に議席を奪還した。このとき、船田氏の落選中に作られた「自民党改憲草案」の危険性を知り、ショックを受けた。例えば、自衛隊が国防軍と名前を変えたり、緊急事態条項を導入したりしていること等だ。

 「“軍隊”は、自衛隊とは全く違うと思います」、「緊急事態条項は、首相に抑えのきかない野放しの権力を与える事になると懸念しています」「私が自民党改憲草案の議論に参加していれば、絶対に承認しなかった」と、現自民党憲法改正推進本部本部長の船田氏は警鐘を鳴らす。

 また、船田氏は、自民党改憲草案の集団的自衛権が、制限を設けず行使できるようにしている点や、天皇を象徴から国家元首にしている点、基本的人権である、結社、言論、出版の自由を制限している点等を批判している。

 また、今夏の参院選で、安倍氏が、経済政策のことばかり言って、憲法改正の争点を隠したことも批判している。

 いまや安倍氏の無競争の権力は、船田氏を除いては、自民党内で安倍氏に反対意見を言う者がほとんどいない、という異様な状況を作り出した。

 自民党議員たちは、安倍氏に敵対すると、内閣あるいは自民党内のポストに就けなくなったり、ポストから外されて干される、という仕打ちに遭うのを恐れている。が、船田氏は、そういう安倍氏の報復措置を恐れているようには見えない。

 なお、船田氏に近い情報ソースによると、船田氏がこのような率直な物言いをするのは、船田氏のあまりにも正直な性格と、裕福な家庭でエリートとして教育されてきたことに起因しているという。もともと船田氏は、かつては自民党内で、プリンスとして将来の首相候補と目されてきた。安倍氏同様、船田氏は、日本の政治の中で名門の血筋である。曾祖父と祖父は、衆院の議長を務めた。父は自民党の参院議員で、栃木県知事も務めた人物。

 こういう家柄の船田氏は、衆院議員に当時最も若い25歳で当選。大臣にも最年少の39歳で就任した。

 ここからは週刊文春電子版から引用するが、船田氏は「宮沢内閣不信任案が可決されると、大臣を辞任して小沢氏と共に自民党を離党した。メディアで政治改革を訴え、若手リーダーとして注目を集めるようになった船田氏。同じく“改革派”の旗手として、人気が高まっていた鳩山由紀夫氏とタッグを組み、政界の台風の目となったのが『鳩船新党』構想だ。

 『小泉純一郎氏は『将来は自民党と鳩船新党の二大政党になるかもしれない』と漏らすほど警戒していた。しかし、船田氏は結党を決断できず自然消滅。当時、船田氏と近く、鳩船新党に反対していたのが、石破茂氏、高市早苗氏でした』(自民党関係者)

 船田氏の転落のきっかけは、作新学院の副院長を務め、地元を守っていた前夫人と離婚し、参院議員だった畑恵氏(現・作新学院理事長)と再婚したことだった。この再婚は後援者の猛反発を買い、2000年の衆院選では落選の憂き目を見る」

 このような経歴を持つ船田氏が、今、気勢を上げている。ただし、経歴を見る限り、鳩船新党構想で決断できなかった過去があることや、ニュースサイトIWJ729日付が、船田氏が都内で憲法改正について討論会をしたときの様子をつづっている。それによると船田氏は、自民党改憲草案が「現行憲法の『個人』を『人』に言い替えたのは、個人主義の弊害を抑制させるため」などと、基本的人権を否定する発言をしたとして、船田氏をかなり批判している。

 様々な点からみて、船田氏が、現在の安倍一強の独裁制を突き崩すだけの器量なのかは、大いに疑問符が付く。が、現在、自民党には、閣外に出てポスト安倍に向け始動した石破茂氏、さきの自民党総裁選で一人奮闘した野田聖子氏といった反安倍の議員が点在する。船田氏がこういう人々と連結していけば、一大勢力になる、かもしれない。(佐々木奎一)


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2016年08月26日

マスコミの脳天気な造語ゲリラ豪雨、爆弾…

 平成二十八年八月二十二日付、のauのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「マスコミの脳天気な造語ゲリラ豪雨、爆弾…」


 を企画、取材、執筆しました。



 ここのところ大雨の日が多い。19日付の天気サイトtenki.jpの気象予報士・木村健一氏の記事「台風9号と熱帯低気圧 次々と接近」によると、今夏は「イメージとはちょっと違う8月」で、「8月というと、晴れて、強い日差しが照りつけているイメージ」があるが、「今年はなんだか変」で、「この先は台風と熱帯低気圧の影響を受けるため、特に関東から北海道は曇りや雨で、大雨の所もでてきそう」だという。

 実際、週末は大雨が相次いだ。また、21日時点の天気予報では、今日22日の日中に、台風が3つも同時多発で日本列島を通過する、という異様事態になっている。

 そのため前出の木村氏は「日曜日の夜から月曜日にかけては関東や東北の太平洋側で激しい雨に注意が必要です。東北の太平洋側では月曜日の一日だけで、8月ひと月分の雨量を超えるような大雨になる可能性があります。川が氾濫したり、地下施設に一気に雨水が入り込んでしまう危険性もあります。また、発達した積乱雲のもとでは、落雷や竜巻などの突風にご注意ください」と注意を呼び掛けている。

 なお、台風は無論、要注意だが、台風が過ぎた後も、突発的な記録的大雨が降ることがあるので油断できない。

 例えば、17日に関東付近を通過して北海道に進んだ台風7号。これにより北海道足寄町の足寄川が氾濫したり、釧路市では統計開始以来最も強い最大瞬間風速43.2m/sを観測し、建物の屋根が壁が飛んで当たる等の被害が出たりした。この翌日、台風の影響で各地で豪雨が発生した。例えば818日付フジテレビ系FNNによると、都内の上野駅前で水たまりができたり、豪雨に伴う落雷により、埼玉県所沢市内で2,800軒が停電して信号機が消えてたりしたという。

 ちなみに、こうした豪雨をマスコミは、ゲリラ豪雨、と呼び習わしている。

 たとえば前出のフジテレビのニュースの見出しは「各地でゲリラ豪雨 関東などで大気不安定」というものだし、新聞のこれまでの記事には、「(天声地語)ゲリラ雷雨に警戒を」(729日付朝日新聞朝刊)、「ゲリラ豪雨、渋谷駅水浸し」(150725日同紙朝刊)とか、「ことば ゲリラ豪雨」(1579日付毎日新聞夕刊)、「ゲリラ豪雨予測、スパコンで正確、理研など手法開発」(89日付日本経済新聞夕刊)など挙げたら切りがない。

 だが、ちょっと待って欲しい。「ゲリラ」とは、「もとスペイン語で小戦争の意」で、「奇襲して敵を混乱させるなど、遊撃戦を行う小部隊。また、その遊撃戦法」(広辞苑第六版)で、「1960年代には、都市においてもサボタージュ、テロルなどの可能性が試みられ、都市ゲリラという新しい形態が登場している。(中略)ゲリラ鎮圧のための正規軍のゲリラ型作戦は、対ゲリラ戦という名称でよばれる」(日本大百科全書)など、ISに象徴されるテロとも直結する、非常に物騒な言葉である。

 それと同様、マスコミは、爆弾低気圧なる言葉も多用している。「爆弾低気圧被害、大阪で2人けが」(15102日付朝日新聞夕刊)、「爆弾低気圧 列島襲う」(141218日毎日新聞朝刊)、「ことば 爆弾低気圧」(12127日同紙朝刊)、「爆弾低気圧、1人死亡、北海道で暴風被害相次ぐ」(15103日付日本経済新聞朝刊)等々。いうまでもなく爆弾は、殺戮兵器である。

 なお、ゲリラ豪雨、爆弾低気圧というのは、あくまでもマスコミの造語であり、気象庁は、一切使っていない。

 その証拠に筆者はかつて気象庁に対し、「ゲリラ豪雨」「爆弾低気圧」についての文書を情報公開請求したことがある。開示文書によると、気象庁は08814日、「希少キャスターのみなさまへ」と題する文書を配布している。そこには、こう書いてある。

 「最近局地的な大雨を意味すると思われる言葉として、『ゲリラ豪雨』という表現が見受けられます。『ゲリラ』の意味が曖昧であること、また不快感があることなどから、不適切な言葉として気象庁ではこれまでも用いておりません。気象キャスターの皆様におかれましては、『局地的な大雨』などの表現を用いるよう、あわせてお願いいたします」

 また、061124日付の気象庁の内部文書「予報用語の改定案」には、「爆弾低気圧」について赤字のアンダーラインで「×」「『急激に発達する低気圧』などと言い替える」、理由は「報道等からの問い合わせがしばしばある。予報用語として『爆弾』という言葉は不適切」とある。

 そして、気象庁は内部の検討を経て07223日に「『予報用語』の改正案」を正式発表した。そこには「爆弾低気圧」について、赤字のアンダーラインで「×」「利用者によっては不快に感じることもあるので、使用しない」と記されている。

 つまり、気象庁は、ゲリラ、爆弾などという言葉を使わないよう散々言ってきた。それなのにマスコミが広めて今に至るというわけ。

 それにしても、爆弾低気圧で死亡、とか、ゲリラ豪雨に警戒、などというのは、戦争を肌で知る人々にとっては、米軍による空襲、敵国のゲリラ部隊の襲撃などの生々しい実体験を彷彿とさせるに違いない。そういう言葉を脳天気に使っている。(脳天気とは「軽薄で向うみずなさま。なまいきなさま。また、物事を深く考えないさま」(広辞苑第六版)。その脳天気な点が、いかにも戦時中に、戦争記事で国民を煽り立てて戦争を推進し、部数を伸ばしてきたマスコミらしい。その軽薄な戦争体質、思考回路は戦前と変わっていないような気もする。

 あるいは、くちでは815日が来るたびに不戦の誓いなどとマスコミはいうが、それでいて「爆弾」「ゲリラ」などと戦争用語を書き立てて脳天気に我が物顔をしているところが、軽薄な平和ボケの実体をよく現わしている、ともいえよう。(佐々木奎一)




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2016年08月25日

クマ、トラ、ゾウ…動物園で人間を襲う動物たち

 平成二十八年八月十九日付、のauのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「クマ、トラ、ゾウ…動物園で人間を襲う動物たち」


 を企画、取材、執筆しました。



17日付の朝日新聞朝刊に「クマに襲われ、女性職員死亡 群馬サファリパーク」という記事がある。それによると、「16日午後115分ごろ、群馬県富岡市の群馬サファリパークの男性職員から『従業員がクマに襲われている』と119番通報があった。職員の斎藤清美さん(46)が、施設内で飼育していたツキノワグマに襲われ、病院に運ばれたが約2時間半後に死亡した。

 県警や施設によると、襲ったクマは5歳のオスで体重160キロ。立ち上がると体長は160170センチくらい(中略)斎藤さんは一人で軽自動車を運転し、日本ゾーンの巡回や監視をしていた。車内にいるところを襲われたとみられる」という。

 海外では先月、こんなこともあった。

CNN電子版の729日付の記事によると、モロッコの首都ラバトの動物園で、家族と一緒に訪れた女の子が、ゾウを見ながら写真を撮ろうとしていたところ、メスのゾウが飼育舎の中から石を投げ、女の子に当たった。観客が撮影したビデオには、頭から血を流した女の子の周りに大勢の人が集まる様子が映っていた。女の子は病院に運ばれたが、数時間後に死亡したという。

 また、ニュースサイトRecord China725日付記事によると、同月23日、中国・北京市延慶区の「八達嶺野生動物園」というサファリパークで、車から女性が降りて、背後からトラが飛びかかりそのまま女性を連れ去った。その後、車から男性と中年女性が姿を見せ、若い女性の救出に向かった。動物園のスタッフがすぐに駆けつけトラを追い払ったが、助けに向かった中年女性は別のトラに襲われ死亡し、初めにトラに連れ去られた若い女性は重傷を負い病院に搬送された。

 こうした事件があると、安全対策は十分だったのか、とか、襲った動物は凶暴なので殺処分した方がよい、といった話に必ずなる。

 だが、上記クマ、トラ、ゾウは、一体どういう心境だったのかに想いを馳せる必要があるのではないか。襲われた人間の方は、動物を信頼していたのかもしれないが、動物の側に立ってみると、人間たちにとらわれて、知らない場所に連れ去れられ、日々、人間どもの見世物になっている。

 しかも、本来の生まれ故郷である棲息地は、人間に侵される一方だ。例えば、トラは、森林の伐採等の自然破壊や、人間が棲息地に住みつくことによりトラを害獣視するようになり駆除と称して殺したり、トロフィー(トラの頭部を剥製にした壁飾り)を競うハンティングと称するゲームのために射ち殺されたり、トラの骨を漢方薬にしたり毛皮を絨毯にするといった目的の密猟により惨殺されるといった理由により、20世紀の初めには世界で10万頭が生息していた野生のトラが、今日で約3,0625,066頭が生き残っているのみと推定されている。(世界自然保護基金(WWF)ジャパンHPより)

 こういう状況下で、異国の地で見世物にさらされている動物たちが、人間に憎悪を持ったとしても、なんら不思議ではない。

 動物にとって最も必要なのは、棲息地を復興することである。そのためには、日本政府が、アジア諸国を中心とした棲息地の国々と、外交交渉していかなければならない。(佐々木奎一)







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2016年08月21日

敗戦後71年、「平和だからこそ笑える」桂歌丸

 平成二十八年八月十五日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「敗戦後71年、『平和だからこそ笑える』桂歌丸」


 を企画、取材、執筆しました。



 今日は終戦の日である。71年前の815日正午、昭和天皇がラジオで降伏を国民に伝え、敗戦した。

 戦争については様々な人が実体験を語っている。例えば、腸閉塞による入院から、今月5日に退院復帰し、11日に都内の国立演芸場で「六十五周年記念公演」を開催し、「江島屋怪談」を約50分間演じた、落語芸術協会会長の桂歌丸(79、以下「歌丸師匠」)は、パルシステム(生協宅配)の情報カタログ「きなり」82日号の記事「戦後71年――平和が問われる今こそ想う、わが芸―笑いのある人生―」で、こう語っている。

 「『古い人間じゃ、ございませんよ。玉音放送は聴いてますけどね』

 ジョークを交えて語り始めた桂歌丸さん。戦時中は、母親の実家がある千葉に疎開していた。

 『疎開が嫌でね。千葉の山奥でしょ。私は、ハマのモダンボーイだから。横浜大空襲(昭和20529日昼)のときは、小高い山の上から、東京湾をはさんで、故郷を焦がす煙を眺め、愕然としたのを思い出します』」

 また、「戦時中の落語の資料を読み、先輩たちの苦労を知った。『無理やり政府をヨイショしたネタだったり、『桃太郎』だったり、『長屋の花見』をアレンジした『長屋の防空壕』だったり、先輩方も、お客さまも、つまらなかったと思いますね。あんな時代がまたきたら、こっちの商売、あがったりですよ』」

 そして、歌丸師匠は、「平和だからこそ、人は笑える」「平和でない世の中に、私の考える笑いはありません。これからも平和であり続けることを、信じてますよ。だからこそ、芸に精進できるんです。“師匠が、このときだけ、真顔になった」とある。

 また、笑いと世相について、こういうふうに述べている。

 「妥協のない芸への精進は、師匠の古今亭今輔の教えでもある。『正直な人間には、正直な芸ができる。いい加減な人間には、いい加減な芸しかできない』。亡き師の教えを引き合いに出しつつ、『軽薄な今の笑いは、いい加減な人間の芸』と警鐘を鳴らす。

 『落語は、どんなバカバカしいネタのなかにも、義理と人情があります。今の笑いは、人をバカにしたり、汚い言葉で受けを狙う。そこには、洒落っ気も、おかしみも、何もありゃしません」

 ちなみに、「軽薄」とは、「軽く薄いこと」「軽々しいさま。思慮のあさはかで篤実でないこと」「おせじ。おべっか」をいう。(広辞苑第六版)

 「軽薄な今の笑い」とは、たとえば、テレビで垂れ流されているバラエティ番組などをちょっとでもみれば、合点のいく人は多いことだろう。

 なお、この軽薄さは、笑いの世界に限った話ではない。政治の世界をみれば、選挙のたびに都合の悪い争点をひた隠す安倍自公政権。総裁任期の延長を連呼し、最重要ポストを射止めた、二階俊博ゴマスリ幹事長。違法行為をしたわけでもない舛添要一氏を、たまごサンドを政治資金で買った、といった愚にもつかないことで吊るしあげ、集団リンチで引きづりおろした自民公明の与党、そして野党の面々。はやし立てるマスコミと大衆。これも「軽薄な世相」の一現象といえよう。軽薄な時代の行き着く先は、一体何か。それは亡国ではないか。

 「平和でない世の中に、私の考える笑いはありません」と歌丸師匠は述べているが、その平和は、かなり危ういところまで来ていると言わざるを得ない。

 こういう軽薄な時代だからこそ、歌丸師匠のいう、正直さが、求められる。正直な人たちが、この国を再建していくことだろう。(佐々木奎一)



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2016年08月16日

服、部屋、電車…蔓延する「タバコ残留成分」

 平成二十八年八月十二日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「服、部屋、電車…蔓延する『タバコ残留成分』」


 を企画、取材、執筆しました。



10日付の毎日新聞朝刊に「Q 『喫煙はストレスの解消になる。吸い続けた方が健康によい』と聞きましたが、本当ですか。(東京都内・50代男性)」との問いに対し、鵬友会・新中川病院(横浜市)で禁煙外来を受け持つ禁煙指導専門医師で臨床心理士の加濃正人氏が、こう答えている。

 「結論から言えば、たばこにストレスを解消する効果はありません。たばこを吸ったあとに『ストレスが減った』と感じるのは、体内にニコチンが入ることで、ニコチンの離脱症状(イライラや集中困難、落ち着かないなどの禁煙による禁断症状)が消えるのを、ストレス解消だと錯覚しているに過ぎません。(中略)

 たばこを吸い続けると、脳がなまけてドーパミン(幸せ気分に関係する脳内ホルモン)が出にくくなります。そして、体内のニコチンが切れると、離脱症状のために食事や仕事など生活全般の幸福感も目減りしていきます。そうした中でたばこを吸うと、体内で減ったニコチンを補給するため、そのときは満足感が得られるようになります。

 例えるなら、きつい靴をはき続けたあとにその靴を脱ぐと足がほっとするようなもので、『きつい靴は足のストレスを解消する』とは言えませんね。

 逆に禁煙すると、たばこによって起きていたニコチンの離脱症状といった普段のストレスがなくなって、精神的な健康度は上がります。対人関係のトラブルが減ったり、自動車の運転で歩行者や他のドライバーに対して優しくなったりするというのも禁煙外来ではよく聞く話です」

 このように、タバコを吸うことでこしらえたストレスを、タバコを吸って解消していると錯覚しているというわけ。

 なお、JTが先月公表した「2016年 全国たばこ喫煙者率調査」によると、喫煙率は男性29.7%(前年比−1.3%)、女性9.7%(+0.1%)。

 年齢別でみると、男性は、3050代にいたっては4割近くが吸っている。(2027.2%3035.1%4038.2%5034.9%60歳以上22.0%

 女性については、特に40代が突出して増えている。(208.9%(前年比−1.2%)、3012.3%(同+0.1%)、4014.8%(同+1.0%)、5014.2%(同+0.4%)、60歳以上5.7%(同+0.1%))

 こうした喫煙者のなかには、歩きタバコで受動喫煙被害をまき散らす者もいる。そういう輩は、警察が取り締まるべきであると63日付の当コーナーで指摘したが、喫煙者のなかには、私はマナーを守り、誰にも迷惑をかけずに吸っている、と自負している人もいる。無論、そういう人は、歩きたばこを吸って市民に受動喫煙被害を与える者どもとは別次元ではあるが、実際のところ、加害者であることは免れない。

 なぜか。67日付のザ・ページ電子版に「部屋や服に残ったタバコの煙で健康被害?注目される『三次喫煙』とは」という記事がある。それによると、受動喫煙問題などに詳しい国立がん研究センターがん対策情報センターの吉見逸郎主任研究員によれば、「たばこを吸った部屋には、煙が残っていなくとも、家具や壁、衣服に付着する形で、煙の成分が残ります。付着する成分のうち、ニコチンは空気中の成分と反応し、ニトロソアミン類へと変化する。このニトロソアミン類の中には、発がん性物質も含まれています。そのため、部屋や衣服などに残ったこの成分を吸い込んでしまうことで、健康被害が起こるのではないかと懸念されています」という。

 「『三次喫煙』が注目されるようになったきっかけは、2009年に米ローレンス・バークレー国立研究所の研究者らが発表した論文だ。この研究では実験により、タバコを吸った後の室内に煙の中のニコチン成分が残り、発がん性物質に変化するという事実が明らかになった。これを受け、日本でも厚生労働省が2010年に『受動喫煙防止対策について』とする局長通知の中で、三次喫煙の概念を『残留たばこ成分』という名称で初めて認め、情報提供を呼びかけている」という。

 この「残留タバコ被害」は明白に存在する。例えば、ぜんそくの人の中には、ホテルの部屋や、バーなどの飲食店にしみついたタバコのにおいだけで、咳き込む者もいる。また、電車で横に座った喫煙者の、服から発しているとみられる強烈なタバコ臭により、ぜんそく持ちが、ハンカチやマスクで防いでも咳き込んでしまい、翌日以降も体調を崩すケースも、現実にある。特に金曜の夜などは、タバコ臭いサラリーマンの酔っぱらいたちが、残留だはこ成分を車内にまき散らすことが多い。電車を喫煙者用車両とクリーン車両に分ければ、そうした被害を減らすことができる。

 なお、同記事によると、「イギリスでは、2012時点で国内全土で受動喫煙防止法が適用され、屋内での全面禁煙が義務付けられている。違反すると罰金50ポンド(約7800円)が課せられる」というが、実効性があるのか疑問である。隠れて吸う者が後を絶たないのではないか。

 それよりも、タバコの価格を上げて喫煙者を減らす方が効果的ではないか。例えば、1年ごとにタバコ1箱当たり500円ずつ値上げし、10年かけてタバコ155百円円程度にして、のタバコ価格を世界一にすれば、喫煙者はめっきり減り、残留タバコ被害も減らすことができるのだが、どうだろうか。(佐々木奎一)


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2016年08月12日

判決文が単なる紙きれと化すのを防ぐ、損害賠償の強制差し押さえ



 平成二十八年八月五日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「不払いの損害賠償、養育費の強制的差し押さえ」


 を企画、取材、執筆しました。



5日の朝日新聞朝刊の一面トップに「口座特定、裁判所が主導 金融機関に命令 養育費や賠償金不払い対策、法改正へ 金融機関に命令」という記事がある。

 それによると、「裁判などで確定した賠償金や子どもの養育費が不払いにならないように、支払い義務がある人の預貯金口座の情報を金融機関に明らかにさせる仕組みを法務省が導入する。裁判所による強制執行をしやすくする狙いがある。今秋にも、法相の諮問機関『法制審議会』に民事執行法の改正を諮る見通しで、2018年ごろの国会提出をめざす」とあり、こうある。

 「今の制度では、賠償金などの支払い義務が確定した人(債務者)の口座を裁判所が強制的に差し押さえる場合、支払いを受ける人(債権者)が自力で、その口座のある金融機関の支店名を特定する必要がある。だが、犯罪被害者が加害者に請求する場合など、相手との接点が少ないと支店名を特定するのは難しかった」

 これは、たとえば、損害賠償金請求などの民事訴訟の原告が、何年もかけてやっと勝訴判決が確定したとする。しかし、それにもかかわらず、敗訴した被告が逃げ回り、結局、損害賠償金が支払われない、という、度し難い不正を指す。裁判の現場では、そうした輩もいるのが現実である。そうなってしまうと、裁判所の判決文は、単なる紙切れでしかなくなってしまう。

 では、その司法の惨状をどうするのかというと、「法務省の見直し案では、債権者は、債務者が住む地域の地銀など口座がある可能性がある金融機関ごとに確認を裁判所に申し立てられる。裁判所は各金融機関に照会。口座がある場合はその金融機関の本店に対し、差し押さえる口座のある支店名や口座の種類、残高などを明らかにするよう命じる制度を新たに設ける。債権者にとっては、債務者が口座を持つ金融機関名が特定できなくても、見当がつけば足りることになる」という。

 これで前述の司法の現場の不条理が、やっと改善されることが期待できる。

 また、同記事には、こうある。「一方、離婚後の子どもの養育費をめぐっては、不払いになる例が相次いでいる。厚生労働省が11年に実施した調査では、元夫と養育費について取り決めた母子家庭は約4割。養育費を受け取れているのは全体の約2割で、計算上は、取り決めても約半数は受け取れていないことになる」とあり、これも上記の損害賠償の不払い対策と同様の方法で、養育費を強制的に支払わせる仕組みにする予定という。

 これにより、お金をけっこう持っている元夫が、母子家庭の元妻に養育費を払わない、という不正はただすことはできそうだ。

 なお、養育費を強制的に支払うことになれば、親権を持たない親(たいてい元夫)のほうは、離婚をすると養育費が待ち受けているので、離婚が横行するご時世だが、これまでのように簡単に離婚しようとは思わなくなる、という効果はありそうだ。

 ただし、夫の側が離婚を回避するようになったとしても、妻のほうが一方的に離婚に踏み切る場合は、防ぎようがないケースも多い。

 しかも、そうした離婚のなかには、夫からDVを受けた、などとでっち上げて離婚に持っていく、という悪質なパターンもある。こうなってしまうと、夫のほうは、離婚したくなかったのに離婚し、さらに愛する子供を妻に奪われた挙句、多額の養育費の支払いに追われてしまう。これでは人生お先真っ暗である。そうした被害者に対する救済措置も併せて考えていく必要がある。(佐々木奎一)







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2016年08月08日

「ゴマスリ太鼓持ちのイエスマン」自民幹事長・二階俊博

 平成二十八年八月五日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「「ゴマスリ太鼓持ちのイエスマン」自民幹事長・二階俊博」


 を企画、取材、執筆しました。



715日付の当コーナーでは「人事の焦点、安倍政権で異彩を放つ谷垣禎一幹事長」と題し、穏健な発言の目立つハト派の谷垣自民党幹事長が留任すれば、安倍自公政権は、改憲手続きの前に、衆院選を行うのではないか、と報じた。

 すると、奇しくも翌16日にその谷垣氏が趣味のサイクリング中に転倒してケガをした、と報じられた。当初は、「大けがではない」と記者クラブメディアを通じて自民党本部は言っていたが、頸髄を損傷して手術を受け、復帰時期すら定かではないほど重症だったことが徐々に報じられ始めた。

 そうしたなかでも、「首相は、谷垣氏が党内の意見を取りまとめてきた手腕を高く評価しており、留任を強く望んでいた。しかし(中略)谷垣氏は事故後に辞意を伝えていた。首相は、9月中旬からの秋の臨時国会までに谷垣氏が復帰することを期待していたが、回復時期が明確にならないため、交代させざるを得ないと判断した」(毎日新聞)、「首相は谷垣氏に続投を要請していたが、谷垣氏の辞意は固く、交代はやむを得ないと判断した」(読売新聞)などとあり、結局、交代となったが、もしも、谷垣氏がケガをしなかったら、安倍氏は続投させていたことだろう。ということは、安倍自公政権は、早いうちの衆院選を視野に入れているとみられる。

 これに関連し、たとえば4日付の日本経済新聞朝刊には「安倍晋三首相は今後、どのような政権運営の日程を組み立てるのか。あと2年あまりとなった20189月末の自民党総裁任期切れを控え、衆院解散にいつ踏み切るかが最大の焦点だ」とし、こうある。

 「最初の可能性は年末年始。2日に決定した28兆円の経済対策を裏づける第2次補正予算案を9月中旬召集の臨時国会で成立させ、脱デフレへの道筋を印象づけたところで解散に打って出る案だ。

 臨時国会は12月中旬まで。12月にはロシアのプーチン大統領の来日も予定されている。一定の成果を上げられれば支持率の上昇も見込める。麻生太郎副総理・財務相は『来年1月の通常国会で冒頭解散すべきだ』と今春から首相に説いてきた。

 もう一つは来春。今回の経済対策は17年度当初予算案にも反映される。予算案成立時が1つの節目になるとの見方だ。

17年夏は小選挙区を『06減』する新しい区割りが適用され、その前後は解散しにくくなる。連立を組む公明党が重視する東京都議選もある」

 その次は、「17年末から18年の通常国会冒頭」が考えられるとある。

 その後は、189月末に党総裁選、同年12月に衆院任期満了となり、「ポスト安倍」の動きが活発化するため、安倍氏は早めに解散総選挙に持ち込み、そこで勝ったうえで、じっくり壊憲したいと思っていることだろう。

 選挙のためのバラ撒きとみられる政策も次々と打ち出している。

 例えば728日には、安倍自公政権は「低所得者を対象に1人あたり15千円を配る『簡素な給付措置』の拡充を、経済対策に盛り込む方針を決めた。住民税が非課税の低所得者約2200万人を対象とする予定」という。(朝日新聞)

 また、729日には、高市早苗総務相が「NHKの受信料について『引き下げも含めて(視聴者に)還元するのが適切ではないか』と述べた。(毎日新聞)

 なお、谷垣氏の後任となった二階俊博氏(77)は、3日の就任会見で、憲法改正について「慎重の上にも慎重に対応するのは当然のことだ」「野党のみなさんとできるだけ時間をかけて話し合う姿勢が大事だ」と言ったという。(日本経済新聞)

 このセリフだけ切り取ると、谷垣氏と多少似ている。だが、二階氏は、安倍首相のゴマすりのイエスマンである。

 例えば、二階氏は719日には、20189月までの安倍晋三総裁の任期延長について、「総裁の内外での活躍に議論を挟む人はいない。余人をもって代え難しという状況が生まれれば柔軟に対応する」と述べ、総裁任期は党則で連続26年までと定められており、任期延長には党則変更が必要になる点について、「党内のしかるべき機関で検討してみるというのも一つの方法だ」と言った。

 また、83日夜には、総裁の任期延長について、「検討の会議を作って協議してもらうこともある。長く議論する話ではない。政治スケジュールとしては(年内の)テンポだろう」と述べ、年内をめどに結論を出す意向を示したという。(毎日新聞より)

 二階氏については、「首相周辺には20年の東京五輪・パラリンピックまでの続投を期待する声があり、二階氏はその地ならしを始めた」(毎日新聞)などとある。

 こういう太鼓持ちのイエスマンなので、二階氏は、安倍氏が壊憲をするという時になれば、いかようにも安倍氏の意向通りに動きそうである。(佐々木奎一)



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2016年08月07日

続報 猫エサやり禁止条例の京都市、警察が、自称右翼の低劣な犯罪者・後藤某とつるんでエサやりを脅迫

 野良猫エサやり禁止条例の京都市が、自称右翼の低劣なコチンピラの犯罪者・後藤某というゴミを逮捕するどころか、それとつるんで、地域猫活動をする佐川夫妻を脅すという、度し難い犯罪を続けている。

 ペット法塾代表で大阪の弁護士の植田勝博氏は、こう呼びかけている。


1 京都市では、入れ墨を入れた後藤某の野良猫の妨害行為がされて、これに対して京都警察と保健センターが餌やり規制、ないし禁止の措置がなされています。
緊急に一人でも多くの方に拡散頂き、ご意見を下記各機関に、様々な手段で申し入れお願いいたします。
西京警察署
 〒615-8236 京都市西京区山田大吉見町7・8合地 電話075-391-0110
京都府警察本部〒602-8550 京都市上京区下立売通釜座東入藪ノ内町85-3・85-4合地
  電話:075-451-9111
 苦情・意見・要望フォーム(400字以内)

西京区役所保健部(西京保健センター)
 〒615-8083
京都市西京区桂艮町1−2 電話075-392-5690   fax392-6052

門川大作京都市長への手紙 
(ホームページより)
(郵送)京都市役所 〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地 
電話:075-222-3111

@ 餌やりの活動
 猫餌やり活動をしている佐川氏とM氏は、京都市西京区山田北地蔵院にいる野良猫32匹について、平成25年ころから不妊手術をして餌やりをするようになった。(現在は寺の了解を得ています)。当初32匹いた野良猫は、8匹は自宅に持ち帰り、2匹は亡くなり、M氏が1匹を引り、現在13匹までに減らしてきた。
A 餌やり妨害
a)  平成28年7月15日午前6時30分ころに、地蔵院敷地内で佐川氏が野良猫に餌をやっていると、後藤が、「自分が駐車場に止めているベンツともう一台、合わせて2300万円相当の車を野良猫によって傷つけられた。これは餌を与えている佐川氏たちの責任だ。餌やりするな。車の弁償をしろ。」と言って警察を呼んだ。
 後藤は、「地蔵院も場所を貸しているなら、共犯で同罪だ」「佐川氏の家の前を、ぐちゃぐちゃにしてやる。」、「ぶっ殺す。これから野良猫を見たらひき殺す。」、「ぶっ殺す。これから野良猫を見たらひき殺す。」、「自分は5年も10年も懲役を受けてきた、野良猫をひき殺しても死刑にはならん、5年くらい平気だ」と言った。また、後藤は「佐川氏の家と地蔵院に街宣車を送る。」、「餌やりを止めないならば街宣車を送り込む。その際には20人ほど送り込む。」と言った。佐川氏らを脅して餌やりを止めさせた。
b) 平成28年7月16日午前5時30分ころに、佐川氏が餌をやりに行ったところ、後藤が「猫に餌をやるな」と怒鳴り、「車の修理代として50万円を払え」と言い、電話で警察を呼んだ。野良猫餌やりを中止をさせて妨害した。
c) M氏の事件、平成28年7月16日午後9時過ぎに、M氏が、地蔵院駐車場で猫の餌やりをしていると、刺青を入れた後藤が「餌やりはするなと言うとるやろ」と怒鳴りながら近づいて来たので、後藤の妨害行為から逃れようと自転車に乗ると、M氏の前に立ちはだかり、M氏の自転車のハンドルをつかみながら警察に通報した。後藤が前に立ちはだかり自転車を離そうとしなかったので、逃れようと、自転車を揺さぶったが、後藤は、凄い力でつかんで離さなかった。
  警察は、M氏が「怖いと思って後藤が告訴人の自転車のハンドルを掴んで拘束をしたので、告訴人が自転車をゆすぶっただけである。故意に何かしようした訳ではない」との説明をしたが、警察は、以降、M氏を被害者として扱い、自転車を撮ったり登録番号を調べたりし、現場検証をし、強硬な取調などをした。
d) 平成28年8月4日19時30分〜に、野良猫の保護活動をしていると、後藤が「餌やりをするな」と怒鳴ってきて、警察を呼んだ。パトカー1台に3〜4人、後からバイク2台が来た。
  自治会の会長は「外部から来ている餌やりの流入は許さない。」「猫を減らす活動は、私たちにとって余計なこと。おせっかい。放っておいて、よその地区に行けば良い。」、「ここでは必要ない。止めろ!」、「TNRと餌やりは、ここの自治会では拒否する。」、「自治会では、ここに住んでいる人に権利がある。」と言った。
* 後藤の行為と犯罪、a、bの事実:街宣車「拡声機による暴騒音規制に関する条例」に違反、「ひき殺す」など動物愛護管理法44条1項の「みだりな殺傷」罪の犯罪、刑法223条(強要)の、「生命、身体、自由、名誉、又は財産に対して、害を加える目的をもって人を脅迫し、又は暴行を用い人をして義務なきことを行わしめ、又は行うべき権利を妨害した」と言うものであり、告訴人らに対して害を加える目的をもって脅迫(畏怖心を生じさせる意思で、生命等の害を加える告知によって成立)し、告訴人らの自由に餌やりをする権利を妨害した。威力(犯人の威勢などの状況から告訴人の意思を制圧するに足りる勢力を言い、現実に告訴人の自由意思が制圧されたことを要しない。)によってその行為を妨害し、刑法234条威力業務妨害である。野良猫は従来からその地域におり、その野良猫に起因して「車の弁償をせよ」と請求をする行為は根拠のない権利の請求で恐喝罪である。
  野良猫の餌やりは、基本的に自由な人権であり、地域にいる野良猫の餌やりは動物保護の行為で、他の権利を侵害しないかぎり、正当な行為。野良猫餌やりは、TNRをしてその保護をして野良猫をなくすという、動愛法の野良猫問題解決のための公益活動である。
後藤の行為と犯罪、cの事実;刑法234条の威力業務妨害(「犯人の威勢、人数、及び四囲の状況から告訴人の意思を制圧するに足りる勢力を言い、現実に告訴人の自由意思がされたことを要しない。」)の行為にあたる。後藤のM氏のハンドルをつかんで行動を止めるなどの行為は、軽犯罪法違反(第1条28号)、「他人の進路に立ちふさがって、若しくはその身辺に群がって立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとったもの」との犯罪である。

2 警察の取締:
@   平成28年7月15日午前6時30分過ぎ警察は2台のパトカーで5人警察官が来た。警察は後藤の発言を止めなかった。警察官全員は「野良猫の餌やりは地域が認めないと出来ない。」、「餌やりを止めるように」と言った。
  佐川氏が「街宣車を呼ぶのは違反ではないですか」と問うと、女性警官(山本氏)は、「主張する自由がある」と答えた。
これにより猫餌やりができなくなった。
A 平成28年7月16日午前5時30分過ぎに、警察はパトカー2台、バイク2台、警官7〜8人で来た。警察官は「警察は野良猫に餌をやりたければ家に持って帰れ」「この活動は良いことをしているかも知れないが、人間に迷惑をかけている。人に迷惑をかけない事が大事だ」と言って、後藤の犯罪行為を止めなかった。
B M氏の平成28年7月16日午後9時過ぎに、M氏が、地蔵院駐車場で猫の餌やりを後藤が妨害し、M氏が自分の自転車で逃げようとしたところ、そのハンドルをつよくつかみ拘束をした。警察は、M氏を加害者として扱い、自転車を撮ったり登録番号を調べたりし、現場検証をし、強行な取調などをした。
C 平成28年7月14日夕方に、西京警察の警察官が地蔵院へ来て、「餌やりは、いけないことだ」と言い、「野良猫の餌やりするために、地蔵院さんの敷地を使わせる事を止めるように」と言った。*この行為は、野良猫への餌やり行為だけではなく、自由に土地使用ができる土地所有者の権利を不法に制限をする。
D 西京警察の警察官は、地蔵院に、「野良猫の餌やりしている佐川たちに敷地を貸すことを許可したことがいけない」との連絡がされた。
E 平成28年8月4日19時30分ころ、警察は「警察出動が続くと迷惑行為になる。」、「野良猫の保護活動は地域住民の理解が得られないと出来ない。」

3 地元自治会の妨害と意見
 平成28年8月4日19時30分〜野良猫の保護活動をしていると、後藤が「餌やりをするな」と怒鳴ってきて、警察を呼んだ。パトカー1台に3〜4人、後からバイク2台が来た。
  自治会の会長は次の通り言った。「外部から来ている餌やりの流入は許さない。」「猫を減らす活動は、私たちにとって余計なこと。おせっかい。放っておいて、よその地区に行けば良い。」、「ここでは必要ない。止めろ!」、「TNRと餌やりは、ここの自治会では拒否する。猫がどうなってもかまわない」、「自治会では、ここに住んでいる人に権利がある。」

4 西京保健センターの対応
@  「平成28年7月19日から佐川氏に「京都市の条例には、周辺の住民の生活環境に悪影響を及ぼす給餌を行ってはならない、とある」「野良猫の餌やりは地域住民の理解を得てからすること。」「地域住民の自治に任せるように」と言った。
A 「平成28年7月20日に、西京保健センターから「野良猫を捕獲するには保健センターに知らせるように。保健センターから(やくざの)後藤に伝える」と言った。後藤は野良猫の捕獲を現場で確認する。「これから野良猫を捕獲するときは、地蔵院の奥さんと保健センターに連絡を入れるように」と言った。
B 平成28年8月3日西京保健センターでの話合い
佐川氏「地蔵院周辺の野良猫8匹は、捕獲して自宅に連れて帰る予定だが、現時点では4匹保護出来ただけなので、後の4匹は、捕獲出来なかった時は、従来の餌やりの体制に戻して行きたい。西京保健センターに仲介して頂く事を依頼」
   西京保健センターの意見
・野良猫の餌やりは、周辺住民の同意が必要。それがないとできない。
・自然のままに見守る
・地域の意思を尊重する。まち猫活動は押し付けるものではない。猫で困っている人のための活動が,まち猫活動。選択肢を与えている。
・野良猫の問題は、あくまでも地域の方の問題、他の地域の人には権限がない。
TNRの権限もない。
・地域住民の自治を尊重する、放置するとすれば、それを選択する。
・今まで、3年間、野良猫に餌をやっていたものを止めても、それは虐待ではない。そう環境省が言っている。(ぞの事実はない。これは動物愛護法に反する)

C 平成28年8月5日午前、センター「京都市が認めている餌やりは、まち猫活動に沿ったもの。それには住民の同意が必要。」「自治会が餌やり行為を止めろと決定をしたときは止めるとの約束があれば自治会との仲介をする」と言う。
*憲法、法律、付帯決議、京都市条例において、自治会には、野良猫餌やりを禁ずる権限はない。しかし、行政、警察は、自治会の許可がないと野良猫餌やりを禁じるとの、措置がされている。不法な措置である。


※本文中の.@の「寺の了解を貰って、平成25年ころから不妊手術をして餌やりをするようになった。」を、「平成25年ころから不妊手術をして餌やりをするようになった。(現在餌やりは寺の了解を得ています)」に訂正した。
 また、Bの、警察は、M氏を被害者として扱い、の「被害者」を、「加害者」に訂正した。(8月10日)
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2016年08月04日

改憲プロパガンダで橋下徹を担ぎ出す安倍晋三

 平成二十八年八月一日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「改憲プロパガンダで橋下徹を担ぎ出す安倍晋三」


 を企画、取材、執筆しました。



731日の日本経済新聞朝刊に「改憲論議へまず『お維』、首相、橋下・松井氏と会談」という記事がある。

 それによると、「安倍晋三首相は30日、おおさか維新の会の橋下徹前代表と松井一郎代表(大阪府知事)と都内ホテルで約3時間会談した。(中略)憲法改正に前向きな勢力が衆参両院で改憲発議に必要な3分の2超の議席を得たのを踏まえ、今後の改憲論議のあり方などで意見交換したとみられる。会談には菅義偉官房長官も同席した。橋下氏はおおさか維新の法律政策顧問を務め、党内に依然影響力を持つ。

 『改憲するとなると、橋下氏のような突破力は必要だ。なかなかマネできるものではない』。首相はかねて周囲にこう語ってきた。両氏は昨年12月にも約3時間半にわたって会談していた。(中略)菅氏も30日の都内での講演で『憲法審査会で各党が考え方を提案し、静かな環境で議論するところからスタートすべきだ』と指摘。衆参両院の憲法審査会で与野党による具体的な改憲項目の絞り込みを進めたいとの考えを示した」という。

 ちなみに、最大野党である民進党の参院議員・小西洋之氏は、726日に参院議員会館で行われた自治体議員立憲ネットワークの集会で、こう語っている。(以下、ニュースサイトIWJより)

 「憲法審査会、間違いなく仕掛けられると思いますけれども、もう、憲法審査会で改憲案の具体的議論を持ち込まれたら、止めようがないと思います。昨年の安保国会は、答弁拒否の連発でした。我々野党議員は、論理を尽くして安倍政権の安保法制が、なぜ違憲なのか、具体的な根拠をもって完全に証明しました。しかし、安倍政権は、安倍総理を筆頭に、答弁拒否を連発し、そして、マスコミも報道しません。国民のみなさんに大切なことが報道されないまま、審議時間が積み上がって、強行採決されました。

 それと同じことが、憲法審査会でも行われると思います。しかも、衆参の憲法審査会での野党の国会議員の数は、各政党の比例配分で決まりますので、ほとんど審議時間、持ち時間がない、質問時間がないような状況で審議が行われることになります。

 そして、強行採決のあとの『国民投票運動』。これは無制限です。いくらテレビCMをやっても構わないんです。いくら新聞広告を打っても構わない。何億枚、何十億枚ビラをまいても構わない。しかも、ビラの代わりにティッシュも配れるんです。ティッシュのなかに紙を挟んで、憲法改正賛成です、これ、オッケィなんです。本物のウチワも配れるんです。これが『国民投票運動』です。改憲勢力の物量性、安倍総理に情報戦を仕掛けられたら、もう手の打ちようがないと思います。国民のみなさんがまったく理解できないあいだに、二分の一が成立してしまうと思います」

 このように語っている。ここでいう国民投票運動とは、第一次安倍政権下の2007514日に成立した国民投票法(正式名称「日本国憲法の改正手続に関する法律」)で定めている。同法は、改憲を掲げた安倍首相が法制定を推進し、野党の反対を押し切り成立した。(知恵蔵2015より)

 日本大百科全書によると、その内容は「第一に、(中略)一般的国民投票ではなく、憲法改正に限定されている。

 第二に、投票年齢については、満18歳以上の者である。(中略)

 第三に、投票は国民投票に係る憲法改正案ごとに、一人一票で行われる(47条)。

 第四に、憲法改正案に賛成するときは投票用紙に印刷された賛成の文字に○の記号を、反対するときは反対の文字に○の記号を自筆する(57条)。

 第五に、衆・参各院10人ずつで構成する『国民投票広報協議会』を国会に設置し、改正案およびその要旨、改正事項の分かりやすい説明、国民投票公報の原稿の作成などを行う(11条〜19条)。

 第六に、国民投票運動(憲法改正案に対して、賛成あるいは反対の投票をするように、またはしないように勧誘する行為)について留意規定をおき、『表現の自由、学問の自由及び政治活動の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない』(100条)といった規定をおき、国民投票運動の自由を保障する」という。

 また、政府広報オンラインには、「国民投票の期日は、憲法改正の発議をした日から起算して60日以後180日以内において、国会の議決した期日に国民投票が行われます」、「「憲法改正案に対し、賛成又は反対の投票をするよう、又はしないよう勧誘することを『国民投票運動』といいます。政党やその他の団体、マスコミ、個人などが、一定のルールのもとに『国民投票運動』を行うことができます。例えば、投票期日14日前からは、国民投票広報協議会が行う広報のための放送を国民投票広報協議会が行う広報のための放送を除き、テレビやラジオの広告放送は制限されます」とある。

 要するに、憲法改正原案が、衆参の憲法審査会で審議されたのち、衆議院本会議、参議院本会議で3分の2以上の賛成で可決されると、憲法改正の発議を行ったこととなり、そこから60日〜180日以内に国民投票にかけられる。

 安倍自公政権は、国民への十分な説明が必要、といった名目で、最大の180日間かけることだろう。この間に、「国民投票運動」なるものが行われる。上記のように、政府広報によると、「投票期日14日前」からは「テレビやラジオの広告放送は制限」されるとあるが、これは裏を返すと、小西氏の指摘のとおり、国民投票の15日以前までは、広告が無尽蔵に打てるということになる。そうなると、改憲勢力のプロパガンダが、この国を席巻することだろう。要するに、「国民への十分な説明」というお題目で、半年かけて、大量の改憲広告の嵐により、国民の脳ミソに改憲を刷り込んでいくというわけ。

 そして、冒頭の記事からして、この改憲プロパガンダの看板として、突破力のある、橋下徹を担ぎ出して、壊憲を成就したい、というのが、安倍晋三氏の思惑である。

 この国民投票運動になると手の打ちようがない、と言う、前出の小西氏は、こう語る。「なので、憲法審査会の前に、戦いを仕掛けなければいけません。安倍総理が行ったこと、解釈改憲は、インチキです。論理でもなんでもないんです。いまから40年以上前につくられた古い政府見解のなかに、集団的自衛権は合憲と書いてある。それが唯一の安倍内閣の合憲の主張なんです。しかし、その昭和47年の政府見解をつくった人たちが、つくるきっかけとなった国会答弁で、全否定してるんです。つくり手の一人、角田禮次郎元内閣法制局長官、いまも御存命で95歳は、新聞社のインタビューでも、そんな文書ではない、と明言してるんです。

 つまり、憲法がよって立つ、立憲主義と法治主義そのものが破壊されている。憲法の議論以前だ。憲法がよって立つ、立憲主義と法治主義、これを取り戻す、憲法を持てる社会に戻るのが、いまの私たちの最大の課題だ。これを国民世論にして、そして、憲法や立憲主義を破壊した安倍総理には退陣してもらう。この運動を7月、8月、秋の臨時国会が開かれるまでにできるかどうかが、国民のみなさんの命運、私たちの社会の立憲主義や法治主義の命運が決まることになると思います」

 さらに、小西氏は、「運動」について、「例えば、自治体議員立憲ネットワークのみなさんが、公開質問状を各政党に出して頂く。野党、戦えてないですよね、野党の党首や野党宛てに、皆さまも私も国会議員も、憲法99条で、憲法尊重擁護義務を全議員、地方議員も国会議員も、みんな持ってるんです。(※日本国憲法第九十九条には「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とある)

 憲法尊重擁護義務を持つ立場として、安倍総理のこの解釈改憲のインチキを、なぜ野党は国会で追及しないんだ。そういう公開質問状を出して頂く。あるいは皆様の地元の首長、いま、都知事選行われていますけど、東京都知事も、憲法尊重擁護義務を持っているんです。その首長に対して、公開質問状を出す。あるいは、地方紙に、解釈改憲の法治主義、立憲主義を破壊しているこのインチキをちゃんと社説で書いてくれ、と、そういう問いかけの公開質問状をしていただく。そのような運動を是非して頂いて、全国の各地域から安倍政権を包囲する、火の手を、しずかに、この7月、8月に仕込んでおいて、9月の頭に一気にバッとあげて、臨時国会開いた瞬間に、安倍政権を追い詰めていく」と語った。

 そして、「最後に、憲法審査会は、実は、安倍政権の墓場にすることができます」といい、こう語った。「710日、安倍総理は選挙が終わったその日の夜に、憲法審査会を動かしていく、とぬけぬけと言い始めましたけども、実は憲法審査会こそ、安倍政権の墓場にできるんです。なぜかというと、憲法審査会は、国会法によって、二つの役割が与えられているんです。一つは、憲法の改正案を審議するための唯一の委員会です。

 もう一つは、日本国憲法について、広範かつ総合的に調査を行い審議する、と書いてあるんです。つまり、憲法審査会の前身に憲法調査会という委員会がありました。それと同じ使命役割を担っているんです。つまり、日本国憲法のよって立つ立憲主義や法治主義が、どのようなインチキで破壊されたか、それを審議するための唯一の委員会なんです。

 さらに分かりやすく言えば、『日本国憲法違反』の法律について審議する、唯一の、そのために税金で置かれている委員会なんです。

 この憲法審査会、開いたならば、真っ先に審議するのは、解釈改憲のインチキを全ての野党の党首が先頭に立って総攻撃できるような、そういう根回し、そういう国民運動を7月、8月にできるかどうかで、平和憲法を守り抜いていけるかどうか決まると思います。

 夏に、この国民世論の形成ができなかったら、わたくし、昨年、ぶん殴られるまで戦わせて頂いた国会議員ですけれども、今回、改悪仕掛けられたら、火の玉になって政治生命をかけて戦います。でも、正直申し上げます、防げないと思います。改正の議論に持ち込まれたら絶対に防げないです。改正の議論じゃなくて、立憲主義と法治主義を守り抜く、自治体議員立憲ネットワークの名前にかけて、この団体の名にかけて、立憲主義を守り抜く、この夏に、みなさんと共に戦っていきたいと思います」

2016710日の参院選で、国民の多くが安倍自公政権に投票し、あるいは投票を棄権したことにより、改憲勢力が衆参の三分の二を占めた。それにより日本国憲法は、今、危機的な状況に陥っている。(佐々木奎一)






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2016年08月02日

相模原の障害者施設で19人殺傷、26人重軽傷事件

 平成二十八年七月二十九日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「相模原の障害者施設で19人殺傷、26人重軽傷事件」


 を企画、取材、執筆しました。



26日午前2時頃、神奈川県相模原市で、凄惨な事件が起きた。同市緑区千木良(ちぎら)の障害者施設・津久井やまゆり園の建物内に、同施設の元職員の男(植松聖(さとし)、26歳)が侵入し、知的障害者ら入所者19人を惨殺し、26人に重傷等のけがを負わせた事件である。

 朝日新聞によれば、犯人が同施設の常勤職員として働き始めたのは134月から。だが、障害者を見下す態度は当初から表れていた。同年56月頃にはすでに、犯人が入所者の男性の手の甲に、黒いペンでいたずら書きをしていたという。

 その後、遅刻や早退が目立ち、健康保険証を3回なくしたり、昨年1月には入れ墨が見つかり、利用者から見えないようにするよう厳重注意されたが、短いTシャツ姿で園内を歩いたりしていたという。

 そして、今年2月からは犯人の言動が急変。業務中、同僚に「障害者は死んだ方がいい」と口走るようになった。「障害者なんて、生きる意味なくないですか」「障害者なんて死んだ方がよくないっすか」と笑みを浮かべながら話しかけていたという。

 また、215日には、衆院議長公邸に赴き、職員に土下座で頼み込んだうえで、議長あての手紙を渡していた。

 そこには、手書きで、こんなことが書き連ねてあった(毎日新聞より)。

 「衆議院議長大島理森様

 この手紙を手にとって頂き本当にありがとうございます。

 私は障害者総勢470名を抹殺することができます。

 常軌を逸する発言であることは重々理解しております。しかし、保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳、日本国と世界の為と思い、居ても立っても居られずに本日行動に移した次第であります。

 理由は世界経済の活性化、本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと考えたからです。