平成二十八年九月二十三付、のauのニュースサイト
EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事
「蓮舫民進党の鍵を握る人物」
を企画、取材、執筆しました。
野党第一党の民進党代表選が15日投開票され、蓮舫代表代行(48)が圧勝した。新代表の任期は2019年9月末まで。野党第1党の党首に女性が就任するのは1986年の旧社会党・土井たか子委員長以来。(朝日新聞9月16日付朝刊)
その蓮舫体制に、党内で不協和音が出ているという。同紙21日付朝刊「蓮舫執行部、野田政権カラー濃厚」によると、蓮舫体制で「内定した役員には、野田佳彦幹事長が首相時代に政権中枢を担った議員がズラリ。(中略)蓮舫代表、野田幹事長、大串博志政調会長の3人はいずれも野田グループに所属。大串氏は野田政権時代は首相補佐官だった。山井和則国対委員長は、野田政権の時も国対委員長を務めた。3人の代表代行のうち、2人は野田政権の閣僚。次期衆院選を担う選挙対策委員長に内定した馬淵澄夫衆院議員も、もともとは野田グループ」という状況で、「党内に融和ムードはなく、しらけた空気さえ漂っている」という。
また、同紙18日付朝刊「考・野党 蓮舫民進党 下 『野田幹事長』野党共闘に不安」によると、「野党4党が共闘した参院選直前の6月。野田氏は民進を血液型のA型、共産をB型にたとえ、『B型から輸血してもらったら、死んじゃうかもしれない』と共闘を批判した」、野田氏はこの発言について「当時の私の意見は、具体的に目に見える選挙協力はやりにくいんじゃないかなという印象を申し上げた」と弁明したという。
共産党の小池晃書記局長は「一党員としての発言と幹事長として発言していくことは、おのずから変わってくるのではないか。これまでの(野党の)合意事項を踏まえてやっていただけると思う」と述べたが、「別の幹部は『我々にとっては一番遠い人だ』と漏らした」という。
また、小沢一郎氏率いる生活の党の関係者は「蓮舫・野田体制になったことで、民進党は共闘から離れていくだろう」と言う。「衆院選は小選挙区で、すべてが1人区。共闘できずに野党候補が乱立すれば、勝機が大きく後退するのは明らかだ。衆院の解散時期は安倍晋三首相の腹一つ。民進内では『いま解散を打たれたら終わりだ』(若手)、『野田氏は民主党を殺し、民進党も殺すことになるのか』(幹部)といった不安の声が出始めた」とある。
蓮舫・野田体制については、例えば、安倍自公政権に警鐘を鳴らすニュースサイトIWJは「野田氏といえば、旧民主党政権時代に、国民との約束である『マニフェスト』を破って消費税増税関連法案(社会保障と税の一体改革)を成立させ、3.11以降停止していた福井県の大飯原発を再稼働、さらには党内の反対論を押し切ってTPP交渉参加への道筋をつけるなど、現在の安倍政権が誕生する下地を作った人物です。(中略)野田氏を再び政治の表舞台に復活させるとなると、ほとんど『第2自民党』と言えるような状態になってしまいます。これは、7月の参院選で、『野党統一候補』に期待をかけ、一人区で民進党の候補者に投票した有権者に対する、背信行為ではないでしょうか」と、絶望をつづってる。
そんな蓮舫民進党のなかで、キーマンは誰か。それは筆者の見立てでは、前民進党代表の岡田克也氏である。岡田氏は、都知事選の投開票前日の7月30日に、にわかに、代表引退を表明したが、その3日前27日に野田氏と会談している。そのことについて岡田氏は「野田さんとは強い信頼関係で結ばれている」と30日の引退表明会見で述べた。
さらに28日にも、岡田氏は野田氏と会っている。16日付の日本経済新聞朝刊「『後継を蓮舫氏に』、野田氏と岡田氏連携でレール」には、「民進党代表選は本命視されていた蓮舫氏が(中略)圧勝した。(中略)用意周到に臨めたのは、蓮舫氏の所属グループを率いる野田佳彦前首相と、岡田克也前代表が連携し、後継のレールを敷いたのが大きい」とし、こう書いてある。
「7月28日、都内のザ・プリンスパークタワー東京の一室。岡田氏と枝野幸男幹事長、安住淳国会対策委員長ら執行部と、野田氏が顔をそろえた。
『次は出ません』。岡田氏は代表選に出馬しない意向を明言し、出席者から後継候補に蓮舫氏の名があがった。関係者によると『出席者全員の頭の中は『次は蓮舫氏』だった』。この時点でレールが事実上、敷かれた。(中略)
2日後の7月30日、東京都知事選投開票の前日に岡田氏は不出馬を表明した」
このように、蓮舫代表の誕生には、岡田氏が深くかかわっている。であるがゆえに、今後、蓮舫体制の生みの親である岡田氏は、党内で野田氏に不信感を抱く者をフォローし、裏方として蓮舫氏をバックアップしていくことだろう。逆にいうと、現状、民進党をまとめあげる器量を持つのは、岡田氏以外にいない。よって、代表を辞めても、なお、キーパーソンは岡田氏である。(佐々木奎一)
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