さらに、池田大作教のエセバイブル新・人間革命という本の18巻には、滑稽なことに、こう書いてある。
「野村は、青年部は、この一九七四年(昭和四十九年)「社会の年」を、前年に引き続いて「青年の年」第二年と明確に定め、力強くスタートを切ったことを語った。(中略)
伸一(※筆者注:伸一とは池田大作を指す)も、まさに同じ思いで、会長就任以来、青年たちの育成にあたってきたのである。
野村は、「社会の年」の具体的な実践として、青年が座談会運動の牽引力になることなどを訴えたあと、平和憲法の擁護について語った」
と、にわかに、憲法についての話に移り、こう書いてある。
「それは、前年十二月の本部座談会で、山本伸一が平和憲法の擁護を青年たちに託すと語ったことを受け、青年部として検討を重ねた結論であった」
さらに、こうある。
「平和の問題について、学会の青年たちは敏感であった。社会、世界の現実を見すえ、いかにして生命を守り、恒久平和の道を開いていくかを、仏法者の第一義のテーマとしていたからである。
山本伸一が、平和憲法の擁護を訴えたのは、深刻な経済危機が進む日本の行方が、ナチスが台頭したドイツのワイマール体制末期のような事態になりかねないことを憂慮したからである。ワイマール憲法は、民主主義の典型ともいうべき、当時の世界の先端をいく憲法であった。」
と、池田大作教の信者たちは、「平和の問題に敏感」で、当の池田大作は「平和憲法を擁護」し、「日本がナチスが台頭したドイツのワイマール体制末期のような事態になりかねないことを憂慮」しているのだそうだ。
今まさに正反対のことをしている池田大作とその信者たちの滑稽さをみるにつけ、その知的レベルの低さが、このエセバイブルに如実に表れているといえよう。さらに、このニセモノのバイブルには、こうある。
「ところが、深刻な生活不安に悩むドイツ国民は、ナチスという強力な勢力に、その不安の解消を期待した。そして、首相のヒトラーに全権を委任する授権法案が国会で可決されたのだ。
それは、国民が自らの権利を放棄させられたことに等しかった。その結果、ナチスの独裁を許し、ワイマール憲法は形骸化され、人間の尊厳も、民主主義も、無残に踏みにじられ、あの悲惨な歴史がつくられていったのだ。
人びとの幸福を実現するために、「生命の尊厳」と「人間の精神の自由」を、また、「民主主義」を、そして、「平和」を守り抜くのが、仏法思想を実践する創価学会の使命であると、伸一は考えていた。
その意味で、基本的人権の保障、国民主権、恒久平和主義をうたった日本国憲法の精神を守ることの重要性を、彼は痛感していたのである。
もちろん、時代も、社会も大きく変化していく。それにともない、長い歳月の間には、条文の補強や調整が必要になることもあろう。しかし、日本国憲法の精神自体は、断じて守りぬかなければならないというのが、伸一の信念であった。
その思いを、彼は一カ月前の本部総会で語り、青年部に平和憲法の擁護を訴えたのである。」
と、あるが、いうまでもなく、池田大作党こと公明党は、一昨年、あろうことか集団的自衛権の行使を可能にする解釈改憲という詐欺的行為の閣議決定を下し、昨年、その閣議決定にもとづき安保法制を成立させ、日本を、地球の裏側まで戦争に行ける国にした。さらに、池田大作党は、自民党とともに、基本的人権の保障や国民主権を破壊する壊憲草案を実現させようと躍起になって、今夏の国政選挙で、集票マシーンというカルト行為の限りを尽くそうとしている。
それでいて、そのカルト教団のトップである池田大作は、「基本的人権の保障、国民主権、恒久平和主義をうたった日本国憲法の精神を守る」のだという。池田大作は、いままさに正反対のことをしている。池田大作というのは、なんという愚かな教祖なのだろう。ここに、池田教の本質がある。
さらに、エセバイブルには、こうある。
「平和を死守する人がいてこそ、平和は維持されるのだ。恒久平和とは、平和のための闘争の、連続勝利の帰結なのである。
青年たちは、伸一の意見に大賛成であった。
以来、何度となく討議を重ね、憲法の精神を守るための具体的な運動を練り上げていったのだ。
野村勇は、叫ぶように訴えた。
「われわれは、戦後日本の精神遺産である日本国憲法の精神を、一人ひとりの信条にまで高めていくために、この総会でアピールを採択したい」
そして、力強くアピールを読み上げた。
「われわれは、仏法の『生命の尊厳』『絶対平和主義』の理念に照らし、基本的人権の尊重、国民主権主義の原則とともに、世界に比類なき徹底した平和主義を高らかに掲げた日本国憲法を高く評価し、その理念を死守していくために、次の四点を強く決意するものである」
参加者は、固唾をのんで次の言葉を待った。
「一、日本国憲法に明文化された恒久平和主義の理念を、全世界の世論とし、ひいては世界各国の憲法にその理念を取り入れられることを目標に、そのための積極的な環境づくりを粘り強く展開していく。
二、『人間の精神的自由』をはじめとする基本的人権と、『真実の民主主義』を堅持していくために、人権思想、民主主義思想の定着化および肉化を推進するとともに、日常生活のなかにおける人権侵害の事実に対しては、この救済に努力していく。
三、なかんずく『人間として生きる権利』の実体的保障を規定した憲法第二十五条を、改めて深く確認し、その精神をわれわれのあらゆる日常的生活場面において顕現させ、真に人間らしい文化的生活を獲得するための、新たなる観点からの運動を推進、展開する。
四、憲法を空洞化し、無力化する動きに対しては、常にこれを監視し、警戒するとともに、憲法の基本理念を根本から覆すような重大な問題が生じた場合には、これに対し、断固たる反対行動を展開する」
アピールは、「人類の幸福と平和を願う全世界の人びとと連帯し、スクラムを組んで、この運動を持続的に展開していくことを決意するものである」との言葉で結ばれていた。
野村は全文を読み終えると、こう呼びかけた。
「このアピールに賛成の方は、挙手願います」
「おー」という雄叫びとともに、参加者の手が一斉にあがった。(中略)
野村をはじめ、青年部の首脳たちは、ワイマール憲法をもっていたドイツがナチスの独裁を許したのは、“民主”という憲法の精神が、民衆一人ひとりの信念として根づいていなかったことに、大きな原因があるととらえていた。
憲法も民衆という大地に根差さなければ、どんなに立派であっても、実を結ぶことはない。(中略)
青年部の首脳たちも、日本国憲法を守り抜くため、その精神を民衆の胸中深く浸透させることに力点を置いた運動を推進しようと考えたのだ。
壇上の野村は、演台の水を飲むと、さらに話を続けた。
「われわれは、具体的には、当面、次の運動を進めたい。
日本国憲法の恒久平和主義の理念を世界の世論としていくため、戦争体験者の悲痛な戦争否定の叫びを集大成する一大出版運動に取り組む。
また、昨年来、進めてきた核兵器撤廃、戦争絶滅を要求する署名運動は、現在、三百万を突破したが、これをもう一歩進めて、本年末までにできうれば一千万署名を勝ち取り、われわれの平和への願いとして、国連へ提出する。
このほかに、各地で憲法講座を開催することや、人間の生存権の条件である健康にして文化的生活環境の建設をめざすことを発表した」
と、このように書いてあった。
むろん、これらとまったく正反対のことをしているのが、池田大作とその信者たちである。
池田大作は、度し難く間抜けな教祖として、歴史に名を残した。池田大作教ふうにいうならば、池田大作は、「全世界に」、「絶対的に間抜けな教祖」として、「永遠に」、その汚名を歴史に残したことになる。