古舘伊知郎が、3月18日放送のテレビ朝日「報道ステーション」では、安倍・大作の自公政権が今夏の国政選挙後に目論んでいる憲法改正の緊急事態条項について、ワイマール憲法下のナチスの手口と比較して語っていた特集していた。そのことは、下記のシャンティ・フーラHPに詳しい。
[報道ステーション]ワイマール憲法から学ぶ自民党憲法草案緊急事態条項の危うさ (文字起こし)【前半】
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=108461
[報道ステーション]ワイマール憲法から学ぶ自民党憲法草案緊急事態条項の危うさ (文字起こし)【後半】
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=108372
こういう状況のなか、池田大作教団の信者たちは、今夏の国政選挙でも、例によって、小選挙区制という今の選挙システムの中で、自民党を勝たせる決定的な役割を担おうとしている。もはや、日本が壊憲したら、池田大作のせい、といっても過言ではない。
なお、ネットをみていたら、池田大作が、ワイマール憲法やナチスに言及している、という記載があった。それは池田大作がゴーストライターに書かせた新人間革命という本だという。この本は池田大作教の信者たちにとっては、聖書にあたる。
だが、本当にこのエセバイブルには、ナチスのことが書いてあるのだろうか。そこで調べてみたところと、たしかに書いてあった。たとえば、新人間革命4巻には、こうある。
「ヒトラーがナチスの党首になったのは一九二一年七月。そして、彼がドイツの首相に任命され、遂にナチス政権が誕生するのは、十一年半後の、三三年一月三十日であった。
それから一カ月後、ベルリンの国会議事堂が炎上するという事件が起こった。すると、ナチスは、この事件は共産主義者の陰謀だと騒ぎ、人びとの不安と危機感を利用して、共産主義者など反ナチ勢力に大弾圧を加えていった。
さらに、国難に対処すると称して、巧妙に世論を操作し、国会の選挙に勝利すると、議会に圧力をかけ、ヒトラーに全権を委任する法案を承認させてしまう。
続いて、ナチス以外の政党を解散・禁止し、翌年の八月には、ヒトラーは首相と大統領を兼ねた「総統」に就任するのである。
こうして、ドイツ第三帝国――ヒトラー独裁の暗黒時代が始まったのである。
山本伸一は、かいてつまんで、ヒトラーが独裁者となるまでの経緯を語った。」
なお、山本伸一というのは、池田大作のことである。つまり、自分を主人公にした小説を、ゴーストライターに都合よく書かせた本が、このエセバイブルである。なので、実際に、伸一こと大作が、ナチスのできる経緯をこういうふうに話したのかは、はなはだ疑問だが、そのことは差し置くとして、この本にはさらにこう書いてある。
「すると、黒木昭が、不可解そうな顔で尋ねた。
「でも、どうしてヒトラーの独裁を許してしまったのでしょうか。ドイツには、当時、世界で最も民主的といわれたワイマール憲法があったはずなんですが……」
「うん、それは、大事な問題だね」
伸一は、さらに、歴史的な背景を語っていった。」
とあり、ドイツの不況やユダヤ人を取り巻く状況などについての記載が続いたあと、こうある。
「山本伸一は、ヒトラーのユダヤ人迫害の経緯を語ったあと、強い口調で言った。
「忘れてはならないのは、ヒトラーも、表向きは民主主義に従うふりをし、巧みに世論を扇動し、利用していったということだ。
民衆が、その悪の本質を見極めず、権力の魔性と化した独裁者の扇動に乗ってしまったことから、世界に誇るべき“民主憲法”も、まったく有名無実になってしまった。これは、歴史的事実です(略)民衆の側に、国家権力の横暴に対して、共通した危機意識がなかったことが、独裁者を容易にした利用の一つといえるだろうね」
さらにこういう記述もある。
「伸一の話を頷きながら、谷田が言った。
「今のお話は、本当に大事な問題だと思います。日本にも平和と民主のすばらしい憲法があっても、それが踏みにじられることになりかねないですね」
「そうなんだよ。たとえば、明治憲法でも、条件付きながら、信教の自由は認められていた。それが、なぜ、かつての日本に、信教の自由がなくなってしまったのか。
政府は、神社は『宗教に非ず』と言って、神道を国教化していった。やがて、治安維持法によって、言論、思想の自由を蹂躙し、宗教団体法によって、宗教の統制、管理に乗り出した。そして、いつの間にか、日本には、信教の自由はおろか、何の自由もなくなっていた。小さな穴から堤防が破られ、濁流に流されていくように。
こうした事態が、これから先も起こりかねない」
このように書いてあった。それでいて、池田大作党は、今まさに、世界の誇るべき民主憲法である日本国憲法を有名無実にして、自民党と共に壊憲草案を実現させて、日本を再び治安維持法のできるような時代にしようとしている。
要するに、池田大作は愚劣である。池田大作が愚劣でなければ、いまの池田大作党の有様にはなりようがない。
(続く)