2016年04月02日

政治とカネという名のテロリズム

 民進党結党の直後、日刊ゲンダイに、「スキャンダル探しに躍起 安倍政権が狙う“山尾志桜里潰し”」という記事が出た。
 記事によると「前途多難だが、唯一の明るい材料が山尾志桜里衆院議員(41)の政調会長抜擢だ。テレビやスポーツ紙も大きく取り上げている。山尾が前面に出れば、支持率がアップする可能性がある。だからだろう、安倍政権は早速、“山尾潰し”を画策し始めているという。(略)
 ただでさえ自民党議員のゲス不倫や失言の連発で女性票がどんどん減っている上、山尾には国会の論争で徹底的にやり込められているからだ。安倍官邸が「山尾を潰せ!」の大号令をかけ、自民党は山尾のスキャンダル探しに躍起になっているらしい。国民の人気が急上昇している山尾さえ潰してしまえば、民進党は怖くないと考えているようだ。
 「検事時代から政治家になるまでの経歴や政治資金など、金銭関係はもちろんですが、調べているのは山尾本人だけではありません。山尾さんの夫はIT系企業の経営者で、元ライブドア役員。夫の素性を洗いざらい調べれば、何か出てくるのではないかというワケです」(自民党関係者)
 安倍政権の悪辣さはこれだけじゃない。自公は待機児童解消の緊急対策を慌ててまとめ上げたが、そのウラでは「保育園落ちた」の匿名ブログを書いた母親の身元まで調査させているという。自民党担当の全国紙記者がこう言う。
 「複数の自民党議員から、『あのブログを書いた女性のバックは共産党系らしいですね』と言われました。共産党とつながっているという情報を拡散したがっているんだな、と思いました」
 権力を使って何でもやるのが安倍政権だ」
 と、書いてあった。
 するとさっそくその週の週刊新潮で、山尾氏の政治とカネの記事が出た。自公政権の工作員がリークしたのでないか、と疑わざるを得ないタイミングである。
 そして、その政治とカネの内容というのは、ガソリンのプリペイド代が多かったとか、先日、収支報告を訂正していた、といった話。そもそも、野党の、さして権力もない議員の話であり、自公の議員連のように、大臣や部会の族議員や党幹部として、口ききで業者からの賄賂を懐に入れていた、といった類の話ではない。
 例によって、自公政権のプロパガンダ読売、日テレ、産経、フジテレビが中心となって、鬼の首でも取ったかのように騒いでいるが、こんなことで大騒ぎして国会議員の首を斬ろうとするのは、テロリストに等しい。筆者は常々そう思っている。
 なお、筆者はその昔、政治資金収支報告書をよく読むのがきらいではなく、相当読み込んできたし、いろいろと報じてきた。だが、だんだん、政治とカネが、特定の政治家狙い撃ちのためのテロの道具に使われている世の中の構造に嫌気が差してきた。こんなテロ行為に血道をあげても世の中よくならない。とくに今回の件は、野党議員のしよぼいカネの話であり、山尾氏が国民に説明すれば済む話である。
 かりに何かしら非があったとしても、謝って、今後はそういうことのないようにすれば済む話だ。
 第一、こんなことでいちいち辞めていては、自民党議員の半分以上は、辞めなければいけないのではないか。そういう次元のことでプロパガンダが騒いでいる。
 
 
posted by ssk at 19:56| Comment(0) | 随筆
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