2016年03月23日

風評被害みんなで渡れば怖くない


 J−CASTニュースに、TOKIOのラーメンに「福島の小麦から作った麺なのかよ。人殺し」 作家のツイートが大炎上、アマゾンレビューにも延焼中
という記事がある。
 炎上した作家・藤岡真のツイッターでの表現は、ネトウヨみたいでやな感じはする。だが、言いたいことはわかる。さらに炎上後、ブログに「わたしの言いたいこと」という記事を載せているという。同記事を読む限り、その文言にいたっては、ツイッターとは打って変わって冷静であり、その内容には共感をおぼえる。
 が、ネットでは、例によって風評被害だ、とかいわれてこの作家は批判にされされている。
 先日記したとおり、海外では、韓国、中国、ニューカレドニア、レバノンが、福島県や関東近県等のすべて、あるいは、ほとんど全ての農水産物を輸入停止。アメリカ、ロシア、シンガポール、フィリピン、香港、マカオ、台湾も、福島県や関東近県等の、一部の食品を輸入停止している。また、インドネシア、アルゼンチン、エジプトなどでは、日本の全ての食品に対し、放射能の厳格な検査証明書を要求。EUやブラジルは、福島県や近県の食品の証明書を要求している。(農水省の「諸外国・地域の規制措置(平成28年2月26日現在)」)
 同盟国のアメリカも、輸入停止している。こういう状況を当の日本人のほとんどが知らないというのは、風評という言葉にかこつけて、現実から目をそらしている、といわれても仕方がないのではないか、と筆者は考える。
 なお、この「風評被害」批判現象のたびに、ツービートが昔に言っていた言葉を思い出す。それは次の言葉。 
 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
 それと、戦時中に亡国の戦争を批判すると「非国民」といって非難されていたというが、それもいまの風評被害現象と似ていたのではないか、という気もする。
 こういう、内部被ばくのリスクがまともに議論されない、タブー視する、現実から目をそらす、という現象は、いまの自公政権による原発再稼働ともつながっている。つまり、風評被害批判現象により、たとえ関西で原発再稼働して、原発事故が起きて、琵琶湖が放射能汚染されたとしても、福島第一原発の事故のあとの福島県産の農作物がそうであるように、何の問題もない、内部被ばくなどない、放射能など怖くない、という考えが増長することになり、それだから、原発再稼働をしても何の問題もない、という考えになり、性懲りもなく原発を再稼働していくことになる。
 風評被害で片付けて、内部被ばくのリスクに向き合わないことが、原発再稼働を推し進める、ひそかな原動力になっている。
posted by ssk at 15:07| Comment(0) | 随筆
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