では、自民党の京都市議・中村三之助氏は、黒幕といえるだろうか――? そのことを検証する。
前述の、「門川市長は犬猫は好きですか?」と聞いてから約1年半後、中村氏は京都市会で、こう質問した。(平成21年10月7日普通決算特別委員会第2分科会にて)
「まず、初めに、今回の代表質問で保健福祉局に対してお願いしたことが2点ございました。一つは、野良猫対策についてであります」
といい、京都市が同年3月に策定した「京都市動物愛護行動計画」を取り上げている。
京都市が作成した「京都市動物愛護行動計画の進捗状況(平成21年度)」によると、同計画の「計画期間」は、「平成30年度までの10年間」。つまり、現在進行形の計画である。
そこには平成30年の目標として、犬猫の殺処分数60%減、失踪及び保護犬の飼主の判明率65%、失踪及び保護猫の飼主の判明率40%などとある。
そして、それらの目標達成のための施策として、終生飼養の徹底、咬傷事故の未然防止の徹底、保護・収容動物等の返還、譲渡の推進といったテーマごとに、現状の数字を示している。
そのなかには、「犬猫の苦情件数」という項目もある。そこには「犬猫の不適切な飼育や取扱による糞の放置、鳴き声、臭い等の迷惑問題に対して、適正な飼育管理方法の啓発及び指導を推進する。」と、のちに野良猫エサ禁止条例のできる過程で散々、指摘されることになる数字が、この時点で、すでに出ている。(写真は「京都市動物愛護行動計画」より)
さらに、同計画には、「所有者不明猫対策の推進」として、こう明記している。
「所有者不明猫への無責任なエサやり行為防止に向けた取組」
このように、門川大作市長になって、にわかに、京都市動物愛護行動計画」という10年もの長期計画ができて、その中で、明確に、「野良猫への無責任なエサやり行為防止」が、掲げられた。それは野良猫エサやり禁止条例が当初から仕組まれたものだったことを物語っている。
さらに、その下には、「避妊・去勢手術の推進(所有者不明猫への拡充)」とあり、その下に、枠囲みの中に星マークで下線入りの、超重要事項として、こう書いている。
「『まちねこ活動支援事業』の実施に向けて(社)京都市獣医師会と検討してきました」(写真は「京都市動物愛護行動計画」より)
(続く)