2016年01月15日

検証「育鵬社の教科書」 反知性的封建主義、愚民下政策のトゥールとして 二

P33には、日本地図に原発立地を示し、「市に原子力発電所の開発計画が持ち上がった! 国家規模の政策については、どのように考えればよいのでしょう」とある。

 そして、「現状」は「原子力発電は日本の総発電電力量の約4分の1を担っています」とし、「賛成派と反対派(対立)」として、こう書いてある。

 「市では1960年代に原子力発電所の建設計画が明らかになり、その後長い間、住民が賛成派と反対派に分かれて住民運動を行ってきました。(中略)もしも事故が起きれば重大な被害が予想されるため、開発の是非について世論が分かれています」

 この教科書は、福島第一原発事故直後の発行なので、誰もが原発事故にリアルティをもつことは疑いないが、その後の一文は、「原子力の技術的な発展や安全性、環境問題や資源問題、エネルギー保障などを総合的に考える必要があります」となっている。

 そして、「話し合い(効率と公正)」とあり、エネルギー自給率は日本は「原子力を除くと4%」であり、「国の将来を考え、対立を合意に導く努力が求められます」と、原発再稼働に誘導している。

 そして、「結果の実行(合意)」とあり、こう書いている。

 「計画の推進か中止かについて住民投票が行われることになりました。その結果を受けて、市議会では審議が始まります。地域振興や漁業補償などの配慮がなされ、建設を受け入れることになった場合は、放射能漏れの防止や使用済み燃料のリサイクル、高レベル放射性物質の廃棄、人的ミスや制度的ミスへの対応、大地震や津波に対する耐久性などの課題があります」と、推進寄りの記載をした挙句、「原子力と共存して安心して生活できるよう、国や市や事業者が全力で取り組むことが求められます」と、結局、徹頭徹尾、原発を大前提としたことしか書いていない。

 そして、このページの一番下に、小さく、「(注)2011311日に発生した東日本大震災による原発事故の影響を受け、日本各地では原子力発電やエネルギー政策のあり方について、見直しの議論が行われています。」とある。だったら、原発推進の話を長々と書くのはおかしい。まるで原発事故などなかったかのように、失敗に目をつぶる態度は、同じ過ちを繰り返す元凶である。なお、今の安倍自公政権が、この育鵬社の教科書に書いてある通りの思想で原発政策を行っているのは周知の事実。(写真は育鵬社「中学社会 新しいみんなの公民」より))

  

33ページ.jpg


 (続く)

posted by ssk at 23:45| Comment(0) | 連載
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