2016年01月02日

海と、天地の生き物を汚染するマイクロ・プラスチック 四

 さらに同報告書には「実際に、これまで実海域で採取された甲殻類や魚類の内蔵より微細片が発見され、あるいは貝類体内への微細片の移行を確認した実験結果もある(磯辺ほか, 2012)。」「微細片には有害物質が含まれ、これが誤食を介して生物体内に摂取される可能性がある。最近になって、微細片を体内に取り込んだメダカに、肝機能障害が発現したとの実験も報告された(Rochemanetal. 2013)」とある。

 それにしても、洗顔剤などのスクラブの粒々は、いかにも海に流れ出る頃にはビーズ状になりそうな感じはするが、口紅、マスカラ等々に含まれるプラスチック成分は、ビーズ状とは言い難い。本当にマイクロビーズといえるのか。

 そこで、マイクロプラスチックを担当する環境省の海洋環境室サエグサ氏に、電話で聞いたところ、口紅などに含まれる微細なプラスチックもマイクロビーズです、と言う。サエグサ氏によると、今年のG7の首脳宣言でマイクロプラスチックは世界的問題と宣言されており、宣言の付属書には、マイクロビーズは自発的な廃止、マイクロプラスチックを含む廃棄物は海に出ないよう力を入れるという趣旨のことが書かれているという。

 そして、サエグサ氏によると、大きいプラスチックが海に出て小さくなり、微細なプラスチックになっていくものを「二次的マイクロプラスチック」というのだという。これはペットボトルやビニール袋などのいわゆるプラスチックゴミが微細になってできるマイクロプラスチックである。

 そして、化粧品などに入っている、もともと小さいままの微細プラスチックは、「一次的プラスチック」といい、たとえビーズ状でなくてもこれを「マイクロビーズ」というのだという。

 この定義でいくと、筆者が調べた上記化粧品リストは、やはり、れきとしたマイクロビーズということになる。

 そこで、マイクロビーズの入っていることが確認できた化粧品会社7社に対しては、製品名を列挙した別表をつけ、マイクロビーズが確認できなかった19社に対しては別表を除いた上で、国連の報告書が今夏出たことを示し、「マイクロビーズの環境問題について、どういう取組みをしているか?」「御社の製品でポリエチレン末、ポリエチレン、ポリプロピレン以外に、プラスチック成分の表記名があれば、どういう表記か?」など聞いた。

 すると、ディオール、ケンゾーパルファム、ジバンシイ、メイクアップフォーエバーなどのブランドでマイクロビーズが入っているLVMHは、電話で要件を伝えたところ、「取材は受け付けていません」と言って電話を切られた。説明責任ゼロである。

 また、エレガンス、ポール&ジョーボーテ、エクシアALなどのブランド計208製品でマイクロビーズが入っているアルビオンや、カバーマーク、パピリオなどのブランドで入っていたピアスや、メイベリンニューヨークなどのブランドで入っている日本ロレアル、ホーユー、ナリス化粧品、ライオンは、無回答だった。

 (続く)
posted by ssk at 20:00| Comment(0) | 連載
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