こうして5分ほど歩いた。
「いつもエサをやるのは、このあたりです」と言う。
竹林が広がり色々な鳥の鳴き声がしている。すがすがしい場所である。
ここで、しばらく猫を待ったあと、「一回食事をやると、出てきませんね」と佐川さんはいう。
だが、その直後、「あ、出てきた、出てきた」と言った。
筆者はパッと前を向くと、たしかに、猫が一匹、のそのそと近付いてきた。佐川さんがエサをあげると、ニャーと喜びの声をあげて、食べ始めた。
さらに、ぞくぞくともう二匹やってきて食べ始めた。
それにしても、どの猫も丸々と太っている。
私事だが、ちょうどこの4日前、筆者は自分の家で野良猫を飼い始めたところだった。うちの猫はやせ細っている。毛も薄い。それに比べ、ここの野良猫たちは、丸っこくて、毛もふさふさとしている。
「どの猫も肉付きがいいですが、エサ食べているからですか?」と筆者は聞いた。
佐川さんは、こう言う。
「朝晩二回食べているんです。この子たち。毎朝やっているのは私と主人で、ほかにあと三人、エサをあげている人がいるんです。週三回、朝5時頃からあげている人が一人と、夜あげている人が二人」
するとニャー、ニャーーーン、ニャン、ニャーンと、さらにもう一匹やって来た。
「いつも来る子なんです」といって佐川さんは、その猫を抱き上げて、エサを食べさせていた。
「ここは何匹くらい普段はいるんですか?」と聞くと、「ここはいつも6匹」という。
写真はやってきた猫たち。
(続く)