2015年11月01日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで 苦情の内実 六十九

 なお、昨年111日のシンポジウムから2か月弱が経過した年も押し迫った頃、京都市は、にわかに野良猫へのエサやりを禁じる条例についてのパブリックコメントを募集し始めた。

 その後、新年を過ぎ、間もなく猫エサやり禁止条例を提出する、というさなかの今年27日、「京都市・野良猫餌やり禁止条例と野良猫保護――今みんなで考える問題・猫餌やり禁止 新しい形の殺処分――」(主催:THEペット法塾、京都野良猫保護連絡会、共催:全国動物ネットワーク、NPO法人グリーンNet)という集会が、京都市内の池坊短大で緊急開催された。

 そこでエサやりで通報された佐川眞人さんが登壇し、「現場からの報告」と題して語った。ただ、そのときは、登壇者が十人以上いて、全体的に時間が押せ押せになっていたため、詳しく語っていなかった。

 そういうことがあり、京都市が条例を市会に提出し、可決成立した後、筆者は今年5月、佐川久子さんに、エサをやっている現地を取材したい、できれば通報されて警察に囲まれた旦那さんの眞人さんから直接話を聞きしたい旨のアポイントを取ったのだった。

 このやり取りのなかで、佐川久子さんは、ニュートン見たんですか?という趣旨のことを言っていた。なんでも、ちょうど科学の月刊誌「ニュートン」の今月号に旦那さんが出ていたのだという。後述のように旦那さんは驚くべきキャリアの人物だったのであるが、筆者は、そうとは露知らず、「いえ読んでいないです。それなら読んでみます」と言った。このときは、よく行く図書館にたしかニュートンがあったはずなので読んでみよう、と思っていた。だが、アクセクと調べ物や執筆をしていた時期だったこともあり、結局、読まずじまいだった。

 そして、エサやりは、早朝6時に行っているという。時間が早いですが平気ですか?佐川さんは言われたが、「平気です、行きます」と筆者は答えた。こうして5月下旬に現地へ行く約束をした。

 だが、筆者はこのとき、めまいがする程のミスをしてしまった。朝6時に現地待ち合わせにもかかわらず、なぜか事前に調べているときから、いつものように6時前に起きれば、20分ほど余裕を持って現地に着くことができる、と思い込んでいたのである。なんでそんなことを考えてしまったのか自分でもわからない。

 こうして当日、アラームをセットして6時前に起きて、外出する準備をしている時に、佐川さんから電話がかかってきた。この期に及んでも電話の意図がわからず、どうしたんだろう、と思い電話に出た。

 「今、どこですか?」と佐川さんはいう。

(続く)

posted by ssk at 21:53| Comment(0) | 連載
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