2015年10月31日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで 苦情の内実 六十八

 通報された、という話をしたのは、アニマルネットワーク京都の佐川久子さん。佐川さんは一昨年5月、自宅から5分ほどのところにある、「竹林の寺」とも言われる臨済禅宗の寺で伝教大師の作といわれる延命安産の地蔵菩薩を本尊としている「地蔵院」の周辺に、たくさんの野良猫が棲みついていることに気づき、この地域の人に、京都市が行っているまちねこ事業の、地域住民の合意があれば、猫の不妊手術を無料で受けられるというチラシを配り、活動を呼び掛けた。

 しかし、8月下旬になっても住民の反応がなかったため、佐川さんは、このまま放置して、野良猫がこれ以上増えることを危惧し、ボランティア2人とともに猫の不妊手術を自腹で行うことに決めた。その後、昨年1月までに27匹の猫の不妊手術を実施した。1匹あたりの手術代は1万円かかったという。計27万円である。

 そして、その過程で数々の嫌がらせを受けたという。例えば、佐川氏が手術させるため猫を捕獲しているとき、この地区の自治会の副会長S氏に「猫の鳴き声がうるさい! 迷惑しているので猫をどこかにもっていってくれ!!」と怒鳴られたたり、12月にはボランティアの女性T氏が猫にエサをやっていると、サングラスの男が現れ、「エサをやるな」といって、犬のリードをのばして、犬に猫を追い回させたという。(これは危険な愚行で、そのせいで猫が死ぬケースも多い。そのことは「摩川河川敷で虐げられる猫を護る『孤高の侍』小西修」で記した通り。)

 そして昨年3月には、佐川さんの夫の眞人さんが、朝7時頃、猫にエサを与えていると、犬を散歩していた男性が「人に迷惑やろ!」と怒鳴り、エサを入れているケースを蹴飛ばした。エサは四方八方に飛び散り、エサのケースは壊れてしまった。

 そして、ついにその時が来た。

 それは昨年511日のこと。佐川眞人さんが、朝6時半〜7時頃にエサやりをしていると、住民H氏が警察に通報し、パトカーがやってきて、警官に取り囲まれたという。

 しかも、そのあとも、昨年517日朝6時半頃、佐川さんがエサやりをしていると、自治会副会長S氏が車に乗って現れ、「この間警察を呼んだのに、まだ猫のエサをやっとるんか!」と怒鳴り散らしたという。

 さらに同時期、ボランティアH氏が猫にエサやりをしていると、近所の男性O氏が車で追い越すとき、H氏の顔を覗き込み、窓越しに睨らみつけたり、急な坂道でH氏の隣に車をつけてエンジンをふかしたり、猫をみつけたら物凄いスピードで猫を車で追いかけ回したりしたという。

 明らかに、ただ事ではない。現場をみてみたい、と筆者は思い、今年5月下旬、現場へ行ったのだった。

 (続く)

posted by ssk at 20:00| Comment(0) | 連載
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