2015年10月30日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで 苦情の内実 六十七

 京都市の野良猫の苦情文書の中には、野良猫にエサをやったという理由で警察に通報されるケースもある。

 そもそも、筆者が京都市の情勢に関心を持ったのは、京都市民が野良猫にエサをやって警察に通報されて警官に取り囲まれた、という話を聞いたのが、きっかけだった。

 それを聞いたのは、昨年111日、大阪市中央区内にあるドーンセンターでのTHEペット法塾のシンポジウム「野良猫は全て地域猫である−現場からの報告と今後の活動の方向−」でのこと。

 私事だが、筆者はその一週間前から大阪に滞在していくつか取材をしていた。その一つが、猫の譲渡会で、猫を引取った男が、大事に飼っている、と言いながら、実は猫がいなくなっていた、という事件の話。この事件は今年19日付のサイゾーのニュースサイト「Business Journal(ビジネスジャーナル)」の記事「猫大量虐待?殺処分・遺棄横行か…動物実験や皮・肉の闇市場へ売却疑惑も」でまとめた。

http://biz-journal.jp/2015/01/post_8532.html

 この取材で、くだんのあやしい男に猫を渡して、猫を返してほしい、と訴えている原告の被害者のうち3人と、大阪駅前で取材した。そこで話をひととおり聞いた後、取材者の一人でメジャーリーガーのイチローと外見と雰囲気の方から、この事件を担当しているのは植田先生という弁護士で、この方は、そこらの弁護士とは全然違って、すごく動物の問題に熱心な方で動物事件にも詳しくて、取材にも協力してくれるはずだから、是非、一度会って話を聞いてみるといい、とアドバイスを受けた。

 筆者はその二日後に、当時住んでいた東京に帰ることになっていた。ただ、この取材の翌日は時間があったので、このアドバイスを受けてから30分位後の外はもう暗い時分に、植田弁護士の事務所に電話をして、明日もし可能なら、ほんの少しでも話を聞きたい旨を秘書の男性に伝えた。

 すると、その秘書は、昼の時間なら可能ですという。こうして植田弁護士に会い、くだんの譲渡会で猫を奪略してどこかへ消している男の話を詳しく聞くことができた。その話のあとの雑談で筆者の自己紹介をしたりもした。この取材のたしかしょっぱなに、植田弁護士は、明日ちょうどシンポジウムがあるのでよかったら来たらどうか、ということで筆者にシンポジウムのチラシを渡した。このときは、翌日午後、姫路で取材を入れていたので、今回は難しいですが、次の機会には是非参加したいです、と伝えたのだった。

 だが、翌朝、にわかにアポイントを取っていた人から電話が入り、体調を崩したのでキャンセルします、また次に関西に来たときに連絡ください、という内容の留守電が入った。

 こうしてポッカリ時間が空いたため、筆者は、シンポジウムに参加してみたのだった。

 そこではたくさんの識者が話したが、なかでも最も興味深かったのが野良猫にエサをやって通報されたという話だった。

 (続く)

posted by ssk at 20:21| Comment(0) | 連載
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。