平成23年9月16日17時20分頃、「マリンの■■氏から電話で、『昨夜(15日)夜9時半頃、餌の回収を含めマリンハイツ敷地周辺を巡回していた住民がいつも餌やりにくる若い男性と口論となり顔を殴られ、傷害事件が起きた。このような事件も起きているので、以前から依頼している周辺の猫をなんとかボランティアさんに保護していただきたい。』と、あらためて依頼があったため、引き続きボランティアさんに協力を求める旨伝えた」
つまり、傷害事件とは、「顔を殴る」という暴行事件だったことになる。
この事件は防ぐ手立てはあっただろうか。
既述のように、餌やりの若い男性に対し、千葉市の役人は、地域猫活動等の説明を35分にわたって説明している。その際、この男性は、「敷地外での餌やりを検討する」と、考え直すそぶりをしていた。
その後も、役人が、動物愛護フェスティバルを誘ったり、マリンタウン敷地内での餌やりをやめるよう説得するたび、若い男性は「検討する」と述べていた。
それに比べ、住民との口論では、暴力に及んだ。
このことは、少なくともケンカ腰でエサやりに挑んでも、問題は解決しないどころか、ますます事態は悪化することを示している。
また、千葉市の役人は、何度も粘り強く接し、地域猫活動、不妊去勢手術の説明を懇々としている点は、餌やりの心にも多少は響いたのではないだろうか。
ただし、これまでの京都の事例を見る限り、餌やりに対して、餌をやるな、と言っても、餌をやめたためしはない。
なので違う方法で説得する必要があったのではないか?
例えば、敷地内の一角に限定して餌やり場にして、置きエサは厳禁にて、住民も協力して地域猫活動をしていく、という具合にである。
英国の動物保護団体「フレッシュフィールズ」の箇所で記したように、、情熱をもって率先してエサやりに接していき、孤立したエサやりを排除するのではなく、巻き込んで参加させて、学んでもらって、いっぱしの野良猫保護の慈善活動家にしていく、という「エデュケーション(教育)」が解決の道である。
なので、この千葉市のケースでは、餌やりの若い男性を説得するだけではなく、住民にも、地域猫活動に参加するよう、情熱を持って語りかける必要があったと筆者は考える。
(続く)