さらに出席者のうち、獣医師会を含む数名が、こう言った。
「グループは地域住民を含んだ複数名」
「獣医師会としてはハードルを下げすぎると営業妨害にもなり、会員の了承を得られなくなる」
「モデル地区を市内で3か所とするのがよいか、各行政区に設けるか」
「手術の可能頭数は、器具や医薬品、収容設備、術者の都合により変ってくる。
地域管理猫の目印として耳カットまで行わなくてもよいのではないか。愛護の観点から、二重オペになってもかまわない。設備や環境で手術を受けない獣医師もいるとみられ、耳カットまですると参加する獣医師が減少するかもしれない」
「耳カットは目印のほかに飼い猫を偽って持ち込むことを防止する意味もある。他によい識別法があればそれでもよいと思う」
このように獣医師会も、「ハードルを下げすぎると営業妨害」と言い切っており、野良猫を増やさないための取り組みに熱心でないことを見せつけている。「ハードル」を上げることで、市民は不妊去勢手術できず、結果的に野良猫が増える。すると猫の殺処分が、増える。獣医というのは無論、動物の命を守る職業なのに、京都市の獣医師会は、猫の殺処分を増加させる政策に加担している。
なお、「二重オペでもかまわない」という暴論を伴う耳先Vカットの有無については、結局、現在は猫の両耳に入れ墨をいれている。
次に平成21年12月11日、午前9〜10時にかけて、家庭動物相談所で、3回目の会議が行われた。
そこでは、モデル地域の数を「各行政区1〜2箇所わりあてる」「その中から、まず1地区について集中して(捕獲、手術を)進める」「申請が殺到する場合の対応を考えておく必要がある。応募として抽選するよりも、書類選考して、実地、面接等を行い、進める地区を選定するのがよい。申し込みに当たっては、餌の対応やトイレの始末、苦情の有無と内容などを盛り込んでおく」
また、こういう発言もある。
「飼い猫ではないというお寺の猫や会社にいる猫の扱いは、世話をしていれば、飼い猫という見方もできる。また、地域で特に問題となっていないのであれば、地域猫として考えていく必要がないと思われる」
ここでいう「地域で特に問題となっていない」猫は、「地域猫として考えていく必要がない」というのは、つまり、京都市の役人の頭では、地域猫とは地域で問題化している猫、ということになる。
だが、筆者は、地域猫の創始者・横浜市保健所職員で獣医師の黒澤泰氏の、地域猫について講演を聞いたことがあるが、京都市の言うようなことは全く言っていない。
結局、創始者の考えが、全国で浸透していないから、京都市のような自治体がでてきてしまう。
そこで筆者が今春にまとめた黒澤氏の講演録と、京都市のエサやり禁止条例についての黒澤氏の見解を記した文をリンクする。是非参考にしてほしい。
その一
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/2cd79e5d0b4d8efd3f6907e29e2f31df
その二
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/d58fdf1ed4757368ec7ea071de4833fb
その三
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/e5df3db54335f9981c4941991add2f5e
その四
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/0f553d7ebf0eb2dcd7d7fc951b983c93
その五
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/3c7602a2b657ea8af37def5c041e91c8
その六
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/2921326a504584ca3e12cf436303c975
その七
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/f0654b1e7a49bc0f8ba19a15fea4a742
その八
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/7a71170c1281baa443cc9f2009489765
その九
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/35be35a33b63c02b198b832d7ffa5ab6
その十
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/5a714aaa2aaba2ab7caf9c3a72ff3d5f
その十一
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/7cf9a589afdafd0bd8012bbabb343f34
その十二
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/382f3b121f885534e95cd2188d2f6b44
その十三
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/d5cea0b765eb29a610a90b6c234b03ce
その十四
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/3e1b2dbe91a723b6c37116f5a3ba5651
その十五
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/a477ebafce6335f22ba94689fba52c02
その十六
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/565c80aeb8397dac56c13ca8257466c0
その十七
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/ebe4b52b7fdb37985dfc6a7ad68870c6
その十八
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/a7508989a7e167ed4f7ecccd3c25e26d
その十九
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/3c8d87a93726c0cd70d43e436b8062d0
その二十
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/ba41f6da2e1798d23e3f7a65024cb131
その二十一
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/0bf8a523ebbb23aa2d4ac5ed30ddb263
その二十二
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/647792bedfb450beff441119d64101b9
京都市の猫エサやり禁止条例についての黒澤氏の見解
http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/da2c7ecff130b8ed8eb751514a0f5397
(続く)