2015年10月10日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで 苦情の内実 五十

 話を、京都市の野良猫に対する苦情に、戻す。

 置きエサ・撒きエサ、多頭飼育以外に、こういう苦情も目立つ。

 「◇平成26102日 相談内容」

 「■■の中に野良猫がたくさんおり、有志団体で費用を出し合い、避妊・去勢手術を行っているが費用がかさむのでまちねこ活動の手術枠を適用したい。

 ・陳情者はまちねこ活動についてのリーフレットを読みながら電話をしてきた。

 ・まちねこ活動の主旨を説明しようとしたが、「主旨はどうでもいい」と聞き入れられなかった。

 ・陳情者に、まちねこ活動申請に必要なものとして『まちねこ活動を行う町内会長を含む3名の署名』を伝えたところ、『今までの避難・去勢活動にも協力してもらえていないので、■■に了解をとれるわけがない。』と激怒された。

・『まちねこ活動を■■でもできるように行政は誠意を見せるべきである。』との一点張り」

 ここでいう「まちねこ活動」とは、地域猫活動を骨抜きにした、京都市独自の事業「京都市まちねこ活動支援事業」を指す。

 これは京都市に「認定」されると、野良猫への避妊去勢手術の費用が京都市から助成される、という事業。

 認定要件は、以下の3点。

 「地域で世帯の異なる3名以上で、活動団体をつくる」

 「町内会長など町内会の同意を得る」

 「猫用のトイレや餌やりの場所は、私有地内に限る」

 これまで見た通り、野良猫とエサやりを邪見にする住民は多いため、町内会の同意を得るのは至難。しかも、エサをやる私有地のいない人は多い。町内に3人以上の仲間をつくるのも容易ではない。

 京都市は、こうやって「狭き門」にして、エサやりを排除している。

 その結果、まちねこ事業に認定されない人たちは、市の支援ゼロで、自腹を切って避妊去勢手術をしている。

 他方、まちねこ事業に認定されると、なんと手術費用はゼロ円。つまり、全額京都市が負担するという「差別待遇」がまかり通っている。


まちねこ資料.jpg

 (写真上は、「まちねこ活動登録届出書」。活動家3人が署名している。写真下は「まちねこ活動承諾書」。町内会三人が合意の署名している。こういう町内会は極めて少ない)


 さらに京都市は、圧倒的多数のエサやりを支援しないどころか、「エサをやるな」というお題目を唱え続けた挙句、ついにエサやりは罰するという前代未聞の条例を定める始末。

 こうして、みすみす避妊去勢手術できない猫を大量発生させている。必然的に、野良猫たちは子猫を産み放題となり、野良猫が増えるので、住民との摩擦も増し、殺処分される子猫も産み出す、という悪循環に陥っている。

 (続く)

posted by ssk at 22:56| Comment(0) | 連載
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