2015年09月29日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで 苦情の内実 三十九

 筆者自身、昨年1129日に、東京都渋谷区内にあるヤマザキ動物専門学校で、「共感を育む動物福祉教育〜190年の歴史を誇る英国RSPCAから学ぶ〜」((公社)日本動物福祉協会主催セミナー)と題し、RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)の国際部長ポール・リトルフェアー氏が講演するというので行ってきた。

 そこで、RSPCAの創設者の一人で議員のリチャード・マーチンが1822年に世界最古の動物虐待禁止法マーチン法をつくり、翌年RSPCAを設立したり、RSPCAの創設者の一人で議員のウィルバーフォース卿は1833年に奴隷制度廃止の法律をつくったという話や、現在のアニマルポリスの活動などを聞き、深い感銘を受けた。また、講演者のリトルフェアー氏が、檻に入った動物園の動物を暗に批判したことに、衝撃を受けた。筆者は講演に聞き入り、文明の光芒を目の当たりにした心地になった。

 それだから、なおさら、「牧原プラン」をつくるための会議にRSPCAが参加し、猫に餌やりをやらないよう指南していたのを知り、愕然とした。その上、上述のように、RSPCAがイギリス本国で、日本では考えられないような虐殺を断行しているのを知り、今では嫌悪感を抱いている。

 それにしても、190年以上も昔に虐待防止を唱えておきながら、一体この惨状は何なのか――。

 さらに調べたところ、実は英国は法律により、野良猫を「害獣」とみなしていた。法的に、野良猫は、野良猫の居る土地の所有者のものとされている。つまり、土地所有者は、いつでも、自分のところに居る野良猫を殺してよい。そういう掟になっている。ただし、毒殺や銃殺といった残酷な殺し方をするのは、違法とされいて、もしも殺す場合は、人道的な方法で殺さなければいけない。そういう法律になっている。(「FERAL CAT CONTROL IN THE UK」、Sarah Hartwell著や、英国の動物保護団体「SaferPetsHPより)。

 要するに、野良猫は「害獣」とみなしているから、RSPCAは通報を受けて駆けつけ、その場で猫を捕まえて平気で殺す。

RSPCAが「野良猫にエサをやるな」と環境省の役人に話したのも、つまるところ、「野良猫は害獣」という思想がベースになっている。

 もし、当時の環境大臣政務官・牧原秀樹氏と、環境省の役人たちが、RSPCAの名声にまどわされて、上述の実態を知らなかったすれば、「野良猫にエサをやるな」という話で、変だと気付かなければおかしい。野良猫にエサをやらなければ、飢える。無論、それは動物虐待である。虐待防止がモットーのはずのRSPCAが、エサをやるな、というのはおかしい、と気付くはずである。

 筆者の実体験に照らすと、筆者の家で飼っている猫は、今年5月までの野良猫だったことは既に述べたが、この猫は飼った当初は、栄養失調で全身がげっそりして体重は2.4kg、シッポは縄跳びのヒモのように細かった。それに野良猫のときはストレスで自分の胴体の毛を噛んでむしりとっていたため、人間の手のひらサイズ分、胴体の毛が抜けて地肌が出ていた。ほかの部分の毛も全体的に薄く、キジトラの模様もかすんでいた。もう少し遅れていたら、死んでいたかもしれない。それがペットフードを与えるうちに、どんどん毛がはえてきて、模様もはっきりしてきて、シッポも太くなり、体重も少しずつ増えてきた。

 その原体験からも、野良猫にエサをやらない、というRSPCAの行為は虐待と思う。

 (続く)

posted by ssk at 20:00| Comment(0) | 連載
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