2015年09月15日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで 苦情の内実 二十六

 京都市北部みどり管理事務所に連日クレームをした人物のように、憎しみの情念の募らせてばかりいると、人格が壊れてしまい最悪の事態になりかねない。そうならないためには、他のことを考えたり、第三者を介在したりして、精神のバランスをとる必要があるのではないか。

 なお、今回の事例にもいえることだが、もし「置き餌」をしなければ、ここまでトラブルになることはなかったことだろう。

 なぜ、置き餌をやめないのか――。

 これまでみてきた事例にもいえることだが、野良猫に餌やりでトラブルになっている人のなかには、社会との接点が少なく、自分の殻に閉じこもって、他人の話を一切受け付けずに、餌をやっている人がいるのも事実。中には精神疾患の人もいるという。そういうことを、筆者は、神奈川県内の熱心な野良猫保護ボランティアの人から聞いたことがあるし、元保健所職員や動物保護の弁護士の口からも、餌やりのなかには社会性に乏しい人もいると聞いたことがある。

 そういう餌やりに対して、置き餌をしないよう、役人や近隣住民が言っても、なかなか聞く耳を持たないし、強引に餌やりを止めさせようとしても、納得していないので止めるわけもなく、人目の付かない夜中や早朝の時間帯にこっそり餌をやるのがオチで、一向に問題解決しない。

 では、どうすればよいか。

 まず、置き餌と撒き餌はしてはいけないという事を、社会通念にしていく必要がある。避妊去勢手術をしている、いわゆる意識の高いボランティアの中にも、置き餌をする人がいる現状を見るにつけ、迂遠なようだが、まず、そこから始める必要性を感じるのである。

 置き餌をしてはいけない、という共通認識が、この国にはない。

 それには環境省の“失政”が大きい。

 平成266月、環境省は「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトアクションプラン」を公表した。これは同プロジェクト発起人の牧原秀樹・環境大臣政務官の名を冠し、「牧原プラン」と呼ばれる。

  

牧原秀樹.jpg

 (写真は、牧原秀樹氏。今年619日の院内集会「野良猫保護、実験動物の福祉、被災動物と動物愛護法改正」」(主催:THEペット法塾 共催:全国動物ネットワーク)で撮影)

 牧原氏は、こうつづっている。「日本をどんな国にしたいですか?そう聞かれたら皆様はどのように答えるでしょうか?私たちは、「優しさあふれる国にしたい」と思っています。「優しさ」とは思いやりです。そして「心」です。(中略)私たちは、殺処分をできる限りゼロにしたい。そして、人と動物が共に幸せに暮らし、優しさあふれる社会を実現したい、そんな思いから本プロジェクト「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」を平成2511月に立ち上げました。

 その後、私たちは様々なご意見を伺い、現場に足を運び、日本だけではなく世界の事例を調べ、何よりも日本中の現場の皆様からご意見を伺い、殺処分をなくすための手段について徹底的に話し合いを行いました。その結果、このたび「牧原プラン」として発表させて頂くことになった次第です。このプランには、時間がかかる事項、予算が必要な事項、法律改正が必要な事項から運用改善できる事項まで、様々な事項が混ざっています。不十分な点があるかもしれません。

 プラン発表後も、それで終わりではなく、これからも皆様のご意見も伺い、追加修正しながら、しかし「殺処分をなくす」というゴールに向かって歩みを止めることなく、命を守っていきたいと思っています」

 (続く)

posted by ssk at 20:00| Comment(0) | 連載
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