平成二十七年八月三十一日付、のauのニュースサイト
EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事
「国会を埋め尽くすデモのうねり」
を企画、取材、執筆しました。
けさの新聞は、国会正門前の車道や沿道を人々が埋め尽くす写真入りで、「安保法案反対 大規模なデモ 国会周辺埋め尽くす」(日本経済新聞)、「声出す、世代超え 法案反対、最大デモ」(朝日新聞)といった見出しで報じている。
それによると、「午後2時すぎ、国会議事堂の正門前。『戦争NO!』『9条壊すな』などと記された、赤や青、黄色のプラカードを手にした市民で、東西に延びる幅50メートル近い車道が埋め尽くされた。拡声機から流れる『戦争法案いますぐ廃案』のかけ声に合わせ、『ハイアン・ハイアン』と声をあげる。車道全体を覆うほどの人々が集まったのは、安保法案に反対する市民の抗議行動のなかで初めて。『どんどん人々がやって来て、自然発生的に歩道からあふれていった』(実行委事務局)」、「正門前の車道に加えて、国会をぐるりと囲む約1.3キロの歩道や、周辺の地下鉄駅の通路まで人波は延びた。流れを規制するバリケードの前で『ア・ケ・ロ』『ア・ケ・ロ』と声をあげる人々や、正門前にたどり着けず、『議事堂も目にできないなんて』と嘆く男性も」。「抗議のうねりは全国各地にも広がった」という。(朝日新聞より)
なお、主催者によると、この日国会に集まった人数は「12万人」。一方、警察は、人数についてノーコメントだった(ジャパンタイムズより)。ちなみに、1960年6月15日の60年安保反対デモでは、国会周辺に集まった人数は、主催者発表で33万人、警察発表で「13万人」。その1か月後、岸信介首相は退陣した。現在の主催者側のカウントは、当時よりも正確になっていることも予想される。55年前に近いかもしれない。
ちなみに、ふだんはほとんど政治的発言をしないエンターテイメント業界の間でも、今回ばかりは反対の声が上がっている。例えば、アドレス「abe-no.net」のサイトには、「安倍政権のままだとこの国はおしまいでしょう」(ラジオDJ・ピーター・バラカン)、「わからないふりをされてるのか、ほんとにおわかりにならないのか、お話しが全く通じないみたいなので、とりあえず別の方に代わっていただけますか」(歌手・二階堂和美)、「戦後70年、憲法9条を掲げて私達の国は平和を作り守ってきた。たった一つブレずにちゃんとやって来た。これから先何年も平和主義を誇り、世界に堂々と顔をあげていよう。私達は争うために生まれてきたんじゃないんだ。」(歌手・SAY)。ジャパンタイムズよると、指揮者の小澤征爾、映像監督の高畑勲、アイドルグループ・制服向上委員会、タレント・SHELLYや、そのほか漫画家、画家、彫刻家、作家、俳優、ラッパー、料理家といった人々が声を上げている。
国内外のデモ研究に詳しい五野井郁夫・高千穂大学准教授は、「今まさに文化的な抗議運動が起こっていることは、明白です」といい、こう述べている。
総選挙が近くに予定されていない中、人々は、社会的、文化的デモによって、外側から政治を変えようとしています。
ハリウッドでは、著名人は、一般的に、政治声明を出すことを避けようとしません。通常、彼らは大統領選挙で誰を支持するかを表明します。しかし、日本のエンターテイナーは、争点となる政治問題に対し、黙り続けてきました。自分の意見を言えば、仕事を失ってしまうという恐怖からです。
しかし、福島第一原発事故以降、その流れは変っていき、特にアーティストとミュージシャンの間で、政府の政策に反対する人々が増えています。それを見た人々は、仕事を干されるんじゃなかろうかと心配したが、お気に入りのアーティストやミュージシャンが、自由に政治的意見を述べているのを見て、政治的発言をして政府を批判してもOKなのだ、と気付き始めています。
日に日に高まるデモのうねり――これは特定の組織票を持つ団体ではなく、一介の市民が、この国の政治を動かし始めていることを示しているといえよう。(佐々木奎一)
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