2015年08月31日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで 苦情の内実 十

 この執拗なクレーマーに対し、京都市の役人は「前回の相談から何度か■■氏を訪問しているが不在のため会えていない。また面会のうえ指導を行う」と回答。

 その後、平成2511月の1419日に訪問したが不在。

 翌2011時頃、このクレーマーから、「保健センターから指導に行っていただけたか?」と連絡が入った。

 役人は「不在の事が多く面会できていない」と回答し、「次回面会時に町内から強い申入れがある旨を伝える。しかし、法的強制力がなく、改善には時間がかかる事もある」と言った。

 すると、このクレーマーは「保健所に行ってもだめなら市の上層部に伝えないと改善されないか?町内会長へも相談に行く予定をしている」と迫った。

 役人は、それも一つの方法である、こちらとしても面会できるまで訪問をする予定である、と答えた。

 同日14時頃、■■氏宅を訪問。この日は、在宅だった。

 「前回の指導以降の経過を聞いたところ、餌やりの回数は減らしているとの事。できるだけやらないようにしているが、車の出し入れ時だけは餌で猫を引寄せ入庫している。また、自分以外にもガレージに餌や水を置いていく人がいる。(誰かは特定できていない)以前に比べて猫の頭数も減ってきている」という。 

これに対し、役人は、「自身が管理するガレージで起こった事は所有者の責任になるため、他の人が餌を与えに来る状況であれば、『保健所からの指導を受けている事や近隣から苦情がくるのでやめてほしい』旨掲示するか、直接会えるのであれば伝えるよう指導した。なお、車庫入れ時の餌やりをなくすために、猫よけ器を1台貸出し、ガレージに設置するよう依頼した」。

 その後も、翌月129日に、役人は■■氏宅を訪問し、「猫よけ機がきかない」「角度かえたら?」「私じゃない人が角度かえてる」「えさやり やらないようにしている」といった会話をした。

 なお、この執拗なクレーマーは、まずはじめに「餌を撒いている」ようだ、と言い、役人を向かわせたが、役人は、餌が撒かれている事を確認した形跡が一切ない。しかも、餌やりの場所は、私有地のガレージであることがわかった。それなのに役人たちは、餌をやるな、と再三命じるだけで、猫トイレ設置といったオーソドックスな対処は一切講じなかった。また、子猫を産んだ、という情報が入ったにもかかわらず、不妊去勢手術の必要性にふれていない。しかも、餌やりは「以前に比べて猫の頭数も減ってきている」と発言しているので、手術をしている可能性もあるのに、役人はその有無すら確認した形跡がなく、クレーマーに言われるがまま、餌をやるな、と連呼するしか能がなかった。

 他方、餌やりの方も、ガレージに知らない人が餌や水をあげたりしている、とにわかには信じ難いことを言っており、役人を適当にあしらっているようにも見受けられる。

 また、役人は、「法的強制力がなく、改善には時間がかかる」とこぼしている。この箇所は、餌やり規制条例さえできれば、公然と罰することができるのに…という役人の本音が滲み出ている、といえよう。

 なお、この執拗なクレーマーは、「市の上層部」に言う、とも迫っている点が注目に値する。後述のように、京都市の餌やり規制条例は、市の上層部と、とある議員によってつくられた、という情報もあり、執拗なクレーマーの突き上げにより、上層部や議員が動いて、あの条例ができきたことを窺わせるもので、このクレーム報告書は示唆深い。

 (続く)

posted by ssk at 20:00| Comment(0) | 連載
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