2015年08月28日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで 苦情の内実 七

 「敷地内の行為であり、不衛生な状態が継続しているわけでもないので、餌やりを強制的に中止させることはない」

 まるで敷地外なら餌やりを強制的に中止させることができるかのような言い分であるが、裏を返せば、これは餌やり禁止条例を見越して、図に乗っているようにも見える。

 さらに、役人はこう話した。

 「ただし、周辺住民の中には■■氏の餌やりの状況や避妊去勢の有無などを知らない人もいるため、餌やりと苦情者自身の被害を結び付けて考えることは十分にあり得る。(中略)理解を求めることも必要だと思われるので、是非検討してほしい。また、夜中に餌を出し続けることは、衛生害虫が発生するばかりでなく、不特定のノラ猫や野生動物の餌場になる可能性があるため、たとえ餌やり対象の猫が餌を食べていなかったとしても、夜の早いうちに引き上げるようにしていただきたい。不特定のノラ猫や野生動物が集まることは、今回の苦情の原因となる可能性がある」

 平成25107日、こういうクレームがあった。

 「ななめ向かいの■■氏(■■)が、庭で野良猫にエサをやっており、カラスも集まってくるため、猫の糞尿とカラスの糞で困っている。何年か前にも来てもらったはずだが、そこからほったらかしになっている。責任者を出せ」

 役人が出て、役所としてできることを説明したところ、このクレーマーは、「そんなことは誰でもできる」と言った。

 役人は、猫の餌やりについて禁止する法律がないことを説明した。

 すると、このクレーマーは、「それなら条例を作れ」「町内会と協力してなんとかしろ」責任者を出せ」といい、「責任者から電話をくれたらいい」といって電話を切った。

 平成2662日、「団地隣家の女性(6070代)がベランダにエサを置き与えており、子猫も含め2030匹の猫が集まってきて糞尿等が放置され臭気がひどい。注意してほしい。(■■で、管理会社にも苦情申立しているが、あまり、対応してもらえない。エサをやっている女性が認められないらしい。最終的には、裁判にすることも考えている)」というクレームがあった。

 これに対し、役人の大石・梅川両氏が現地調査をした結果、くだんの女性は、こう答えた。

 「・現在、猫にエサをやっていない。(以前は、衰弱した猫にエサをやった)

 ・団地内には自由に入ることができるので、通行人等が、エサをやることがある。

 ・猫を見たら追い払うようにしているが、13棟付近が猫の溜り場になっており、追い払う為に近付いているが、エサをやっていると勘違いされているのかもしれない。

 ・この間も■■の人が来て、同様の事を言われたので、引っ越しを検討している」

 マンション管理人が、この女性のエサやりは確認できない、と言っているところからみて、クレーマーの勘違いの可能性がある。

 一方、エサをやっていると言われている女性の回答の中の、猫を追い払うために近付いている、というのは、不自然な言い分であり、どうも猫が飢えないようにすることを慮り、エサをやっているのを隠しているようにも、見受けられる。

 (続く)

posted by ssk at 20:00| Comment(0) | 連載
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