2015年08月16日

『原子力爆弾』と表裏一体の『原子力発電』


 平成二十七年八月十日付、auの「朝刊ピックアップ」で記事 


 「『原子力爆弾』と表裏一体の『原子力発電』」


  を企画、取材、執筆しました。



 けさの各紙は一面トップに、右手で天を指し、左手を水平に伸ばした「平和祈念像」の写真付きで、「70回目 長崎原爆の日 安保 真摯な議論を」(毎日新聞)、「平和、危ぶむ長崎 平和宣言、安保法案に懸念 被爆70年」(朝日新聞)、「戦争 風化に警鐘」(読売新聞)という見出しで報じている。

 それによると、昨日、長崎市の平和公園で平和祈念式典が行われ、田上富久・長崎市長は平和宣言のなかで、参院で審議中の安全保障関連法案について「憲法の平和の理念が揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっている」と指摘し、「慎重で真摯な審議」を求めたという。

 また、「式典では、被爆者を代表して長崎原爆被災者協議会の谷口稜曄(すみてる)会長(86)が、『平和への誓い』の中で、安倍政権の姿勢について『集団的自衛権の行使容認を押しつけ、憲法改正を押し進め、戦時中の時代に逆戻りしようとしている』と指摘。参院で審議中の安全保障関連法案について『平和を願う多くの人々が積み上げてきた核兵器廃絶の運動、思いを根底から覆そうとするもので、許すことはできない』と述べた」という。(朝日新聞より)

 他方、安倍晋三首相は、6日の広島の式典から一転して、非核三原則の堅持に式典で言及。しかし、その後の長崎の被爆者5団体との面会では、「『戦争元年』とも表現すべき危機感を禁じ得ない。私たちは何回も撤回を求めてきた』と長崎県被爆者手帳友の会の井原東洋一(とよいち)会長(79)が迫ると、安倍首相は「国民の命、平和な暮らしを守り抜くために、必要不可欠なもの。圧倒的多数の諸国から支持と評価をいただいている」「戦争を未然に防ぐためのもの」と従来通りの見解を述べ、議論はかみ合わないままだったという。(同紙より)

 また、式典後の記者会見でも安倍首相は、安保法案について「戦争を未然に防ぐためのもので、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくために必用不可欠」「国民の意見に真摯に耳を傾け、丁寧に説明していく」と述べたという。(毎日新聞より)

 その一方で、「川内原発、再稼働秒読み」という記事がけさの日本経済新聞にある。それによると九州電力の川内原発は「今日の最終点検で問題がなければ、準備が整い次第、原子炉を起動する」という。つまり、明日にも原発再稼働する事態になっている。

 けさの毎日新聞には「川内再稼働 反対57% 本社世論調査」とあるが、民意を無視して強行する態度は、安保法制と原発に共通する。

 ちなみに、「原爆の問題は、原発の問題と密接に結びついている」と、社会学者の宮台真司氏が7日付のTBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」で述べてる。宮台氏は、広島、長崎の原爆による被爆と、195431日、マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験により被爆した遠洋マグロ延縄漁船・第五福竜丸を挙げ、「僕たちは被爆大国なんです。にもかかわらず、原子力の平和利用にアクセルを踏み、4度目の大被爆、福島第一原発事故を経験している。これは一体なんなんだろう?」と問いかけ、こう語っている。

 「実は、『潜在的な核抑止力』という言葉がある。いざとなったらすぐに原爆をつくれるぞ、という体制にある事そのものが、核抑止力になる、と言う話なんです。これは石破茂さんの自論でもある」「石破さんは、2011年の秋にある雑誌で『原発を維持していくことが、核の潜在的抑止力になる』と強く主張しています」、さらに、核拡散防止条約を締結した時期の「1969年の外務省の内部文書には、『核兵器製造のポテンシャル、潜在能力は常に保持する』という一節があります。すなわち、もともと推進勢力にとっては、原爆のための原発だ」

 このように被爆者の平和の願いをよそに、「原子力爆弾」とコインの裏表の関係にある「原子力発電」と、「安保法制」を、安倍自公政権はゴリ押しして、被爆者を侮辱して傷つけている。(佐々木奎一)

posted by ssk at 20:00| Comment(0) | 連載
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