2017年04月30日

多発する電車スマホでヒジ打ち、停止ボタン、人身事故…

 平成二十九年四月二十一月付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「多発する電車スマホでヒジ打ち、停止ボタン、人身事故…」


 を企画、取材、執筆しました。



 ニュースサイト・キャリコネニュースで、「満員電車でスマホをいじる人への不満爆発『そこまでしていじりたいか?』『スペースが余っているのを見ると腹立たしい』」という記事がある。(317日付)

 それによると、満員電車のなかでスマホをいじる者がいて迷惑、という不満が多いのだそうだ。

 そもそも満員電車自体が、すし詰めで不満に満ち満ちている上、そこにスマホいじりが加わるということはカオスであり、不満が爆発してもなんら不思議ではない。

 ちなみに、あまり指摘されていないが、電車内のスマホ迷惑行為には、こういうのもある。

 それは、座席に座りながらスマホでゲーム等をすることにより、肘をせわしなく動かし、その肘が横の人の肋骨、脇腹にガンガン当てて顧みない、という迷惑行為である。特に夜になると、注意力のかけらもない酔っぱらいがスマホいじりに夢中になり、肘打ちを繰り返すことが多い。

 スマホを巡っては、電車遅延も多発している。例えば、「落下物で遅延、2割がスマホ、JR東、注意呼びかけ」(16619日付本経済新聞朝刊)によると、「JR東日本の電車の遅れにつながった線路への落とし物の2割は、スマートフォンなどの携帯電話だった(中略)乗降時やホームを歩いている際に落としたケースが多い。駅員が専用の器具を使って拾い上げるが、後続の電車が迫っている場合は運行をいったん止めざるを得ず、遅れにつながってしまう」という。

 よく、電車に乗っていると、いきなり電車が止まり、「非常停止ボタンが押されたため、現在安全確認を行っております、しばらくお待ちください」などというアナウンスが流れることがある。実はそのなかには、スマホを線路に落として非常ボタンを押している者も相当数いるということになる。

 ほかにも、歩きスマホでホームから転落したり、電車にぶつかる、などという呆れた事故も起きている。

 無論、こうした行為は、低劣の証である。(佐々木奎一)

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2017年04月29日

猫忍


 とりためていた猫忍というドラマを、やっと全部観た。
 途中だいぶ中だるみもあったが、最後の3回あたりから、話が急展開し、最終回をみるのが、まあまあ楽しみだった。
 いうまでもなく、このドラマは、主人公である忍者の若者の父親が、にんぽうででっぷりした猫にへんげした、という話で、主人公は猫のことを「父上」と言うのだが、一向に猫は猫のままなので、ひょっとして猫のことを父親だと思い込んでいるだけというオチなのではないか、と思いつつみていたのだが、10回中8回目あたりから、父親の友人が出てきて、むかし父親が、猫にへんげする、という話を飲み交わしたとき言っていた、という回想シーンが出てきたり、へんげの巻き物というのがあり、その巻き物に猫から人間に戻る術が書いてある、という情報が出てきたりして、どうも、本当にこの猫は父親らしい、という感じになってきた。
 なので最終回には、父親が出てくると思い観てみたところ、意外にも、猫は猫のままで、オチはないまま終わってしまった。それはそれで余韻があった。
 それがおわったあと、次回からの番組予告のようなシーンがはじまった。が、それは、テレビ番組ではなく、5月から、猫忍の映画が始まる、という告知で、映画のなかで真相が明らかになる、というようなことを言っていた。
 なかなか商売っ気のある終わり方であり、感心した。
 あの猫は、どうなるのだろう。
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2017年04月24日

「低劣な喫煙者」対策の筆頭

 平成二十九年四月十七月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「「低劣な喫煙者」対策の筆頭」


 を企画、取材、執筆しました。



12日付朝日新聞朝刊に「(1分で知る)たばこ2 子がぜんそくなら禁煙?」という記事がある。そこには、こう書いてある。

 「我が子がぜんそくになれば、親はさすがに禁煙するはずだ。だが、実際はそうとは限らないようだ。

 大阪国際がんセンターの田淵貴大医師が、2001年に始まった厚生労働省の調査に参加した生後半年の時点で親が喫煙者だった約36千人の子どもの家庭を調べた。ぜんそくなど受動喫煙の影響と考えられる病気の子の親も、病気でない子の親も、4年後に禁煙した割合はほとんど変わらなかった。

 子どもを育てている父親の喫煙率は約40%。母親は8%。同じ厚労省の調査に参加した、生後半年〜8歳の約43千人を田淵さんが調べたところ、両親が室内でたばこを吸う家の子は、そうでない子よりぜんそくで入院する確率が1.41.7倍高かった。

 このデータを日本全体に当てはめると、両親ともに禁煙すれば少なくとも21千人の子の入院を減らせる」

 子どもをぜんそくで入院させても、なお、吸い続ける…呆れた低劣ぶりである。なお、この調査をした田淵医師は、「日本における喫煙の学歴格差」という調査も発表している。(同調査は2010年国民生活基礎調査に基づく)

 それによると、喫煙者の割合は、2534歳男性では、中卒68.4%、高卒55.9%、専門学校卒49.5%、短大卒46.8%、大学卒36.5%、大学院卒19.4%、トータル47.9%。

2534歳の女性では、中卒49.3%、高卒23.9%、専門学校卒17.5%、短大卒10.3%、大学卒6.6%、大学院卒4.8%、トータル16.9%。

35歳以降の男女の年齢層も、同様に学歴の低いほど喫煙率が高かったという。

 このように、喫煙者には低学歴の人々が多く、その多くが子どもをぜんそくに陥れてもなお、タバコを吸い続けている。

 こういう手合いに対しては、一体どうすればよいのか。同論文では「喫煙格差を縮小することが明らかにされているタバコの値上げ(増税)などのタバコ対策を推進していく必要がある」としている。

 なお、同氏は、日本の2010年のタバコ値上げの効果についても評価している。それよると、値上げが禁煙、再喫煙の防止につながったことが明らかになったが、社会的弱者における値上げの効果は低かった。その原因は、値上げ後でも日本のタバコの絶対価格は安過ぎることによる、としている。(日本疫学会ニュースレター、平成281015日付)

 要するに、前出の低劣な喫煙者への対策の第一は、議論することではない。受動喫煙の弊害を、こんこんと説くことでもない。そういうことをいくら伝えても、一向にタバコを止めない連中なのである。残念ながら、話し合いの通じる相手ではない。

 ではどうすればよいかというと、対策の第一は、タバコの値段を上げることであるという。それも、これまでのような小幅な値上げではない、ということは、最低でもタバコ11000円以上にする必要があろう。(佐々木奎一)

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氾濫するクックパッドと乳児死亡こじつけ記事


 平成二十九年四月十四月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「氾濫するクックパッドと乳児死亡こじつけ記事」


 を企画、取材、執筆しました。



7日付で蜂蜜が原因で乳児が死亡、というニュースを記者クラブメディアが流した。

 この事件は、東京都足立区内の生後6か月の男児が120日あたりから離乳食として蜂蜜を混ぜて飲ませていたところ、220日、けいれんや呼吸不全となり入院し、蜂蜜に含まれていたボツリヌス菌が原因の乳児ボツリヌス症と診断され、330日に死亡したという事件。同症による死亡は国内初という。

 このニュースの出た翌日8日付でBuzzFeed Japanというニュースサイトが「離乳食で蜂蜜で男児死亡『クックパッド』のレシピ巡り物議」という記事を載せ、多くの人に読まれていた。

 無論、この見出しをみると、乳児の死亡とクックパッドのレシピが関係しているかのように見える。

 だが、記事本文を一瞥したところ、クックパッドと関係があるとは一言も書いていない。要するに、この記事は、クックパッドという巨大サイトの顧客吸引力と乳児死亡というセンセーショナルな言葉を結びつけることで、あたかも魚釣りで擬似エサに食いついて釣られる魚のように読者を釣ろうとする、卑しい記事である。

 ではなんと書いてあったかというと、この擬似エサ記事には、こんな風に書いてある。

 「この報道をうけ、料理レシピサイト「クックパッド」に非難の声が上がった。

 「離乳食 蜂蜜」とGoogleで検索をすると、クックパッドが上位にあがる。サイト内で「離乳食蜂蜜」のキーワードで検索すると、ヒットするレシピは147件(201748日時点)。

 これらは一般ユーザーがレシピを投稿したものだ。

 不正確な医療記事を掲載して炎上したDeNAの「WELQ」(現在は閉鎖)に絡め、「同程度に問題なのでは?」と指摘する声や「殺人サイト『クックパッド』」など過激なものも見られる」

 ここでいう「声」なるものは、どこの誰なのかも明かさない低劣な連中のひしめき合う、ネット内での無責任なコメントである。そもそもクックパッドが原因という情報は絶無なのに、クックパッドを槍玉にあげる点が、うさんくさい。クックパッドの同業他社の従業員かもしれない。

 このような、いかがわしい声、なるものを、この擬似エサ記事は拡散している。しかもこの記事にはクックパッドについてこんな記載もある。

 「では、そのレシピ内容はどうなのか。「蜂蜜離乳食」で検索した際の人気ランキング1位の「離乳食完了期〜きな粉はちみつ湯」を見る。

 そこには「蜂蜜は一歳未満のお子さんには控えてください」と注意書きがある。

3位の「バナナきな粉蒸しパン」には材料にはちみつが推奨されているが、「はちみつは1歳過ぎてから使ってます」とだけある。(中略)

 同社が展開する妊娠や出産、育児などの情報サイト「クックパッドベビー」。離乳食の食べていいものダメなものには、はちみつは1歳未満は「×」になっており、1歳〜16カ月は「△」になっている。

 「ボツリヌス菌の心配があるので」と明記され、決して、クックパッド自体が蜂蜜の危険性に触れていないわけではない」

 このようにクックパッドに非がない点を書いておきながら、他方でクックパッドで乳児が死亡したように書くのだから、悪質である。

 それに、そもそもの話、大抵の蜂蜜の製品の裏側の注意書きには、一歳未満にはたべさせないように、と書いてある。それだから、離乳食で蜂蜜入りのレシピといえば、1歳〜16か月が対象とのは、育児中の者にとっては言うまでもない話である。

 それを食品の注意書きのラベルをみることすらしない怠慢な人目線で世の中を合わせようなどというのは、衆愚である。それに、検索して上位にでてくるからクックパッドを槍玉にあげて吊るし上げる、という発想自体、低劣で卑しい。

 それに、そもそもクックパッドというのは、素人がレシピを投稿するサイトで、料理研究家や料理人などのプロに比べ、レシピの数が膨大で、口コミの評価が可視化されていて、プレミアム会員でも月額280円と料金が安く、無料会員でもある程度はサイトをみれるのが売りだ。

 もちろん、素人のサイトゆえに、レシピがおいしくても、栄養にどこまで気を使っているかは疑問、というデメリットもあるが、これはメリットと表裏である。もしも、いちいちのレシピを栄養士がチェックしたら、料金もあがるだろうし、ダメ出しされるかも、と萎縮して素人が気軽に投稿できなくなり、クックパッドの持ち味である活気もなくなってしまうことだろう。

 こういうサイトの特性にもかかわらず、検索で上位になったから、などという、クックパッドになんら非のない点を理由にして、乳児死亡に無理矢理こじつけて批判する、というのは週刊誌の低劣な手口そのものであり愚劣である。

 無論、記者クラブメディアも例によって、「蜂蜜危険な乳児ボツリヌス症ネットには離乳食レシピも」(11日付毎日新聞電子版)などという追従記事を載せたりしている。

 批判しているジャーナリズムもどきのほうが、批判されているほうよりもよっぽど低劣で批判に値する、という哀しい構図になっている。無論、本物のジャーナリズムは、これらとは一線を画すが、果たして今の日本に本物のジャーナリズムは、ありやなしや。(佐々木奎一)

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トランプ大統領のシリア攻撃と安倍自公政権

 平成二十九年四月十月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「トランプ大統領のシリア攻撃と安倍自公政権」


 を企画、取材、執筆しました。



 シリア政府が4日にシリア国内の反政府勢力支配地区に対してサリン兵器を使ったとして、アメリカのドナルド・トランプ大統領が6日、シリア空軍基地へのミサイル攻撃を命じ、米軍艦が巡航ミサイル「トマホーク」約50発をシリア政府拠点に発射した。

 そのことについてトランプ大統領は、シリアのバシャール・アル・アサド大統領は「独裁者」で、「罪のない市民に恐ろしい化学攻撃を実施した」「私は今晩、シリアの殺戮と流血を終わらせ、あらゆる種類とあらゆるタイプのテロリズムを終わらせるため、我々と協力するようすべての文明国に呼びかける」という声明を出したという。(7日付CNNより)

 なお、トランプ大統領が攻撃を命じた日、ちょうど中国の習近平国家主席が、フロリダ州のトランプ大統領の別荘に居た。

7日付ジャパンタイムズ電子版の記事によれば、トランプ大統領の上記声明は、北朝鮮がもしも核実験と長距離弾道ミサイルの発射実験をやめないならば、同じように攻撃する、というサインであり、北朝鮮にやめさせるよう、習近平国家主席に暗黙のプレッシャーをかけている、と日本政府高官は見ているという。

 無論、この事態は日本にとって対岸の火事ではない。安倍自公政権が20147月、解釈改憲と称して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をし、翌年9月に安保法制を強行採決したことにより、安倍自公がアメリカの戦争に参加する可能性がある。

 また、こういう記事もある。41日付ロイター電子版のコラム「トランプ大統領、北朝鮮に『禁断のカード』切るか」には、こうある。

 「ティラーソン米国務長官は今月、北朝鮮に対する「戦略的忍耐」はすでに終わり、同国の核開発の野望に歯止めをかけるために「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と警告した。その言葉通り、米韓両軍の部隊は幅広い軍事シナリオに向けて準備を進めている。

4月末まで行われる米韓の合同軍事演習には、実に30万人が参加する。1953年に朝鮮戦争が停戦して以来、朝鮮半島ではこうした演習が日常的な光景となっている。近年では、その規模は拡大し、より現実的なものとなった(中略)金正恩朝鮮労働党委員長が率いる北朝鮮が核弾頭やミサイル実験を進めるなかで、多くの専門家は、米国政府が最終的に軍事行動に踏み切る可能性は徐々に高まっていると考えている」

 そして、具体的な攻撃として、北朝鮮のミサイル・核兵器関連とみられる施設に対する、奇襲による空爆などを挙げている。が、「多くの専門家は、こうした攻撃によっても多くの施設が無傷で残ってしまい」、北朝鮮が「日本やグアムなどにある域内の米軍基地にミサイル攻撃を仕掛け、韓国に対して圧倒的な砲撃を浴びせる可能性を懸念している」。

 「北朝鮮による砲撃の効果について、アナリストらの見解は分かれている。北朝鮮の砲兵部隊は最初の1時間で最大50万発の砲弾を韓国の首都ソウルに撃ち込めるとの声もあれば、より懐疑的な意見もある。

 また、北朝鮮が自国のミサイルと弾頭が狙われていると考えた場合、先手を打って発射してくる恐れがある。標的として最も可能性が高いのは日本だろう。

 いずれの行動も、米韓両政府による北朝鮮制圧に向け準備されたシナリオの発動を促し、恐らく北朝鮮の現体制は終焉を迎えることになるだろう。

 ここ数年、米韓両国軍は、北朝鮮の攻撃を阻止するための演習から、非武装地帯(DMZ)を越える全面的な侵攻作戦の立案へと関心を移している。

 これは本格的な作戦行動であり、近年の歴史において米国やそれ以外の国が戦ってきたどんな戦争よりも大規模なものになろう。攻撃部隊は山岳地帯、組織的な抵抗に加え、化学兵器や核兵器、放射線兵器といった潜在的な脅威に立ち向かわなければならない。

 いくつかの兆候からすると、米国は単に北朝鮮体制上層部を抹殺することで、戦闘激化を防ごうとするかもしれない。

 韓国の聯合ニュースによれば、今月の演習には米海軍特殊部隊シールズの「チーム6」も参加している。2011年にアルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者の暗殺を実行した部隊だ。引用された韓国軍幹部の発言によれば、チーム6は韓国側特殊部隊とともに、北朝鮮首脳陣に対する攻撃シミュレーションに取り組んでいるという。

 こうした選択肢の実行は非常に難しいだろう。北朝鮮の防空網によりヘリで部隊を送り込むのは困難で、金正恩氏は厳重に警護されていると見られている。

 今のところ正恩氏は、誰からも妨害されることなく核開発計画を強化していけると考えているようだ。だが米政府としても、それをただ指をくわえて見ているつもりはないかもしれない。

 トランプ氏は米国の歴代大統領のなかでも最も予測困難な人物の1人だ。北朝鮮に対する軍事的選択肢を行使するというリスクを冒すような米国の指導者がいるとすれば、それがトランプ大統領だったとしても不思議はない」

 このように記している。なお、これまでの言動を観る限り、安倍自公政権は、トランプ大統領が北朝鮮を攻撃することをバックアップし、戦争に参加しようとすることだろう。そうなると大量の日本人が犠牲になる。平和憲法を持つ日本でありながら。(佐々木奎一)




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2017年04月15日

遺族年金「男女差別」合憲判決の“副作用”

 平成二十九年四月七月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「遺族年金「男女差別」合憲判決の“副作用”


 を企画、取材、執筆しました。



322日付の朝日新聞朝刊に「遺族年金の性差、合憲 地方公務員、夫受給に年齢制限 最高裁初判断」という記事がある。それによれば、「地方公務員災害補償法の規定で、遺族が妻の場合は遺族補償年金を年齢制限なく受け取れるのに、夫の受給資格については「55歳以上」とされていることが憲法違反かどうかが争われた訴訟の判決で、最高裁第三小法廷(山崎敏充裁判長)は21日、この規定を「合憲」とする初の判断を示した。(中略)

 男性は1998年、市立中学校教諭だった妻を労災で亡くし、遺族補償年金を請求したが、男性が当時51歳だったために不支給とされた。第三小法廷は、遺族補償年金制度について、憲法25条が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を実現するための社会保障の性格を持つとした上で、「男女の賃金格差や雇用形態の違いなどから妻の置かれた社会的状況を考えると、夫側にのみ年齢制限を設ける規定は合理的」とした。

2013年の大阪地裁判決は、規定は「性差別で違憲」と判断。だが、15年の大阪高裁判決は「配偶者の死亡時に生計を維持できない可能性は、妻の方が高い」として合憲だと判断していた」という。

 さらに「先進国で性差『日本くらい』」という小見出しでこうある。「「非常に残念。男女格差解消の流れに水を差す判決だ」。東京都内で会見した原告の男性は、無念さをにじませた。夫の受給する場合にだけ、55歳の年齢制限を設けた規定は、地方公務員の労災だけでなく、国家公務員災害補償法や民間の労働者向けの労災保険法、遺族厚生年金にもある。一方、受給要件などでの男女格差を解消する動きもある。低所得の母子家庭に支給されていた児童扶養手当は、2010年から父子家庭にも支給されるようになった。労災で顔などに傷痕が残った場合、女性の障害等級を男性より高く認定していた基準については、10年に京都地裁が「違憲」と判断して確定。112月に男女で統一された。

 東京大学社会科学研究所の大沢真理教授(社会政策)によると、遺族補償などで男女に差がある制度は、海外では1990年代に見直しが進み、「先進国で残っているのは日本くらい」という。「遺族の所得を受給要件にすることで社会保障の目的は達成できるはずで、年齢で男女別に条件を設ける必要は元々ない。最高裁判決からは、立法に問題提起する姿勢も見えない」」とあり、「男女で格差がある主な制度」として、ほかに次の事例を挙げている。

<寡婦(寡夫)控除> 死別や離婚で一人親になった時に受けられる所得控除で、父子家庭は所得500万円以下なら控除額27万円。母子家庭は500万円以下なら控除額35万円、500万円超なら27万円」

 なお、ほかにも例えば、国民年金には「寡婦年金」、厚生年金には「中高齢寡婦加算」といった、夫を亡くした妻に対してのみ支払われる給付金もある。

 これらは、専業主婦が1千万人以上いた時代の名残である。(1980年は専業主婦1,114万世帯、共働き614万世帯。2015年は専業主婦687万世帯、共働き1,114万世。政府統計)

 また、共働きが増える中で、「勤続年数10年以上」の女性労働者の割合も、198524.9%から、201232.2%に増加してきた(厚生省「賃金構造基本統計調査」)。管理職に占める女性の割合も1989年時点では、部長1.3%、課長2%、係長4.6%だったのが、2012年には同4.97.914.4%と、少しずつすこしずつ増えてきている(同)。無論、まだまだ世界最低レベルではあるが、これから徐々に女性の管理職も増えていくことだろう。

 その時代の変化に無頓着なことによる制度疲労により、本来、国民のセーフティーネットであるはずの社会保険の網の目からこぼれ落ちる人がでてくる。例えば前出の男性ような人たちだ。

 こういうことがまかり通ると、管理職などの高収入のポストは男こそふさわしい、働く場所は男が中心であり、女は男に席を譲るべき、という風潮になり、女性が能力を存分に発揮する場所を奪う結果になってしまいかねない。(佐々木奎一)




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肛門に入れず下剤も服用せず…大腸がん新検査

 平成二十九年四月三月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「肛門に入れず下剤も服用せず…大腸がん新検査」


 を企画、取材、執筆しました。



  「大腸がん」は、がんの死亡数の部位別で、男女計で2位(女性で1位、男性で3位、2014年、国立がん研究センター)となる。

 この大腸がんの検査について、当コーナーは14519日付「肛門から入れずに飲むだけ…大腸がん内視鏡検査」でふれた。そこでは、「便潜血検査で陽性になって内視鏡による精密検査が必要になっても、実際に受けたと確認できたのは6割程度」という低い数字にとどまるワケは、多くの人が肛門に内視鏡を入れるのに抵抗を覚えるため、と見受けられる点を指摘。

 そうした中、「カプセル内視鏡」と呼ばれる長さ3.1cm、直径1.1cmのものを飲むことにより、1秒間に435枚の画像が撮影され、その画像が腹などに貼った電極を通して、肩からさげたレコーダーに記録。カプセルを飲む前後に下剤を服用することで、平均4時間ほどでカプセルが体の外に出てくる、このカプセルは使い捨てである。

 要するに、カプセル内視鏡により、肛門に内視鏡を入れずに検査をすることができる。この画期的な検査方法が、保険適用されることとなった、ということを紹介した。

 その後、この検査は普及した。

 ちなみに、カプセル内視鏡のデメリットとしては、「下剤の服用量が約34L(通常内視鏡では約2L)と多い」、「検査時間が長く、日中ほぼ1日かかる」、「費用が保険適用の3割負担で約3万円かかる」(順天堂医院消化器内科HP)などがある。

 そうした中、さらに負担の少ない大腸検査の方法が編み出されたという記事がある。

329日付読売新聞電子版によると、「島津製作所(京都市)が開発した高精度の質量分析計を使い、早期の大腸がんを9割以上の高い確率で発見できる検査方法を開発したと、神戸大や同社などの研究チームが発表した。

 年内にも京都市内の病院で一般の受診者に試験運用して、有効性を確かめる。

 研究チームによると、質量分析計は、同社独自の技術で物質を1000兆分の1グラムのレベルまで高い精度で計測できる。この分析計で血液検査を行い、大腸がんの指標となるアミノ酸など8種類の物質が含まれている量を分析する。分析は数滴の血液で可能という。

 早期の大腸がん患者300人に検査したところ、9割を超える精度で早期がんを確認できた」という。

 血液数滴で大腸がんの検査が可能になれば、大腸検査に対する人々の抵抗は絶無に等しくなることだろう。今後のゆくえに注目したい。(佐々木奎一)

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認知症ドライバーあぶり出し制度


 平成二十九年三月三十一月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「認知症ドライバーあぶり出し制度」


 を企画、取材、執筆しました。



 ザ・ドリフターズの高木ブー(84)が、警視庁の交通事故防止イベントで、運転免許を返納したという。高齢者の事故が増加するなか、「家族の一言で返納を決めた」のだという。交通事故を起こすと本人だけではなく、無辜の市民を傷つけることになる。それだから、家族が運転をやめるよう勧める、という高木ブーのようなケースは、ありがちな構図である。

 ただし、車が生活に欠かせない、だとか、自分は認知症でないから大丈夫、とか、車に乗らないで何の人生か、と言うほど車が大好き、といった理由で、免許を返納しない人が大半である。(昨年、65歳以上の高齢者で運転免許証を自主返納した人数は全体の4%にとどまる。警視庁より)

 そうした中、今月12日より、70歳以上の運転免許更新手続きが改正された。これは、一言でいうと、認知症のドライバーをあぶり出し、強制的に免許を取り消し・停止する制度である。

 この改正をザックリ説明すると、75歳以上は、まず、約30分の「認知機能検査」を受けることになる。同検査は、「手がかり再生」(16種類の絵を記憶し、何が描かれていたかを回答)、「時計描画」(時計の文字盤を描き、指定された時刻を表す針を描く)など。

 このテストの点数により、「認知症のおそれのある人」と認定されると、後日、「臨時適性検査」と呼ばれる専門医の診断を受けるか、医師の診断書を提出しなければならない。医師が認知症と認定した場合、運転免許の取り消し、または停止となる。

 また、「臨時認知機能検査制度」なるものが新設されることとなった。

 これは、以下18の違反行為をした場合に適用される。

 信号無視(例:赤信号を無視)

 通行禁止違反(例:通行禁止の道路を通行)

 通行区分違反(例:歩道を通行、逆走)

 横断等禁止違反(例:転回禁止の道路で転回)

 進路変更禁止違反(例:黄の線で区画されている車道で、黄の線を越えて進路変更)

 しゃ断踏切立入り等(例:踏切の遮断機が閉じている間に踏切内に進入)

 交差点右左折方法違反(例:徐行せずに左折)

 指定通行区分違反(例:直進レーンを通行しているにもかかわらず、交差点で右折)

 環状交差点左折等方法違反(例:徐行せずに環状交差点で左折)

 優先道路通行車妨害等(例:交差道路が優先道路であるのにもかかわらず、優先道路を通行中の車両の進行を妨害)

 交差点優先車妨害(例:対向して交差点を直進する車両があるのにもかかわらず、それを妨害して交差点を右折)

 環状交差点通行車妨害等(例:環状交差点内を通行する他の車両の進行を妨害)

 横断歩道等における横断歩行者等妨害等(例:歩行者が横断歩道を通行しているにもかかわらず、一時停止することなく横断歩道を通行)

 横断歩道のない交差点における横断歩行者等妨害等(例:横断歩道のない交差点を歩行者が通行しているにもかかわらず、交差点に進入して、歩行者を妨害)

 徐行場所違反(例:徐行すべき場所で徐行しない)

 指定場所一時不停止等(例:一時停止をせずに交差点に進入)

 合図不履行(例:右折をするときに合図を出さない)

 安全運転義務違反(例:ハンドル操作を誤った場合、必要な注意をすることなく漫然と運転)

 これら「18基準行為」をおかして捕まると、自宅に通知書が届き、1か月以内に「臨時認知機能検査」なるものを受けなければならない。そして、この検査の結果、認知症のおそれがある場合と判定されると、前出の同じように医師の診断を受け、認知症と認定されれば、免許取り消し、または停止となる。(参考、警視庁HP

 なお、この制度の肝心要は、18基準行為をどこまで取り締まることができるである。例えば、神奈川県なんかに住んでいると、18基準行為など日常茶飯事である。例えば、交差点で対向車が直進しているのに、わずか12秒で衝突するタイミングで右折する車や、横断歩道で歩行者があるいているのに、一時停止せず、歩行者の前や後ろをタッチの差で通過する車などは、異様に多い。こうした輩を、どこまで取り締まれるのか、どこまで野放しにするのか。

 なお、上記18基準行為をおかすのは、いうまでもなく、高齢者に限らない。というより、高齢者以外の輩のほうが、圧倒的に多いのが現実である。それだから、認知症をあぶり出すだけではなく、この際、高齢者以外の、危険運転をする輩も厳しく取り締まるべきである。

 なお、将来は、自動運転技術の進化により、認知症の人でも、目的地を指定するだけで車が勝手に安全運転で人を運ぶ時代が来る、かもしれない。(佐々木奎一)

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2017年04月08日

「現代の治安維持法」共謀罪

 平成二十九年三月二十七月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「「現代の治安維持法」共謀罪」


 を企画、取材、執筆しました。



22日付の朝日新聞朝刊によると、「自民、公明両党の幹事長と国会対策委員長が22日、会談し、『共謀罪』新設法案について、今国会中の成立を目指す方針を確認した」という。

 共謀罪については17日付当コーナーで指摘した通り、刑事法の基本原則を揺るがすとんでもない法案である。そして、よくいわれるように共謀罪は、戦前の治安維持法に似てる。政府の答弁まで、戦前と酷似している。

 例えば、どうしてこの法案が必要なのかという点について、1925年の治安維持法を巡る答弁では、「過激運動者が不穏な行動に出る傾向はますます増加」「取り締まり法規が不十分」『若槻礼次郎内相、3月、貴族院)と述べている。これに対し、今年1月の安倍晋三首相の答弁は「今までの判例ではテロを未然に防ぐことができない。たくさんの人が死ぬ危険性がある」(衆院)と、やはり危機感を煽る発言をしている。

 対象拡大をするのではないか、という点についても、1925年では「抽象的文字を使わず具体の文字を用い、決してあいまいな解釈を許さぬ」(若槻内相、2月、衆院)、これに対し、安倍首相は「解釈を恣意的にするより、しっかり明文的に法制度を確立する」(参院)と述べている。

 一般人も対象にするのでは、という点についても、1925年では「無辜の民にまで及ぼすというごときのないように十分研究考慮を致しました」(小川平吉司法相、3月、貴族院)、安倍首相は「国民の思想や内心まで取り締まる懸念はまったく根拠がない」(参院)と、酷似している。(朝日新聞15日付朝刊より)

 なお、共謀罪については、内田博文・神戸学院大学教授がこう警鐘している。(22日付同紙朝刊)

 「共謀罪はじめ近年の法整備などの動きは、戦前をほうふつさせます。国の安全保障に関する情報漏れを防ぐ特定秘密保護法が2013年に成立、14年には集団的自衛権行使を容認する閣議決定がされ、15年には自衛隊の海外での武力行使を可能にする安全保障関連法が成立しました。この流れの中に、共謀罪の制定があります。戦時体制を支えた、左翼思想を取り締まる治安維持法、軍事機密を守る軍機保護法や国防上の重要な情報を守る国防保安法などの戦時秘密法、すべての人的、物的資源を戦争のために使えるようにする国家総動員法、家族や民間団体を統制する戦時組織法制を整備していった戦前に重なるのです」

 共謀罪のどこが問題か、との問いには、「『社会に有害な結果を生じる行為がなければ処罰されない』という近代刑法の基本原則に反します」と指摘し、「治安維持法を審議した帝国議会でも、『この法律は思想、信条を処罰するもので、近代刑法の原則に反する』という強い批判が出ました。それに対し、政府側は『社会の敵を対象とするので近代刑法の原則にのっとらなくてもいい』と答弁しています」「共謀罪の法案が成立することになれば、行為や結果を中心として処罰してきたこれまでの犯罪観を一変させます」と述べている。

 かねて「今の状況は昭和31928)年に似ている」と指摘する同氏は、「昭和3年は、公共の安全を守り災厄を避けるため緊急の必要があり、帝国議会閉会中に政府が発布できる緊急勅令によって、治安維持法が改正されました。それまでの取り締まり対象だった共産党に加え、労組なども共産党の『外郭団体』だとして取り締まり対象に加えられました。これ以降、プロの活動家だけでなく普通の人が取り締まられるようになり、拡大解釈で戦争に反対する勢力を弾圧するため使われました。戦況が悪化した昭和181943)年以降は、反戦的な傾向がある小規模の新興宗教への適用が目立ちましたが、反戦思想は治安維持法の対象ではなかったので、国体を否定することが口実とされました」、共謀罪も「すでに拡大解釈される仕掛けがあるのです。『共謀』という概念について最高裁の判例は、明示的なものである必要はなく、暗黙の共謀でもいいとしています。たとえば、米軍基地建設反対運動をしている市民団体が威力業務妨害罪で摘発された時に、その妨害行為をするための話し合いに参加していなくても、その話し合いがされていることを知っていて黙認した人も『暗黙の共謀』があったとして起訴されるかもしれません。さらに、共謀罪に幇助(ほうじょ)罪が成立するという解釈を採れば、共謀と直接関係のない家族や友人も摘発される可能性もあります」という。

 そして、共謀罪法案が成立すると、治安維持法のように「普通の人々」の「普通の生活」が処罰の対象になりますか?との問いに同氏は、こう答えている。

 「行政の施策への反対やあらゆる権利運動が対象になるでしょう。共謀罪の成立要件とされている『組織的犯罪集団である団体』の活動については、組織的犯罪処罰法では会員制リゾート会社による詐欺的な預託金募集といった企業の営業も対象になると解釈されています。また、偽証罪も共謀罪の対象犯罪とされていますから、例えば弁護士が証人との打ち合わせで、『次回の口頭弁論でこう証言しよう』などと、普通に話し合っただけでも偽証罪を疑われ、共謀罪に問われかねません。戦前、治安維持法違反事件を弁護した多くの弁護士が、同法違反で起訴された事件を思い起こさせます」

 安倍自公政権は、テロにかこつけて「現代の治安維持法」を成立させようとしている。(佐々木奎一)



posted by ssk at 22:27| Comment(0) | 記事

猫とテレパシー


 かつて筆者が、二階建の賃貸にいたときの話。筆者が窓を少し開けて寝ていたところ、ぼんやりとみたていた夢をさえぎるかのように、にわかに、強いインパクトで、猫が現れ、言い寄ってきた。
 夢にしてはぼんやりしていない強烈な感覚に襲われ、ハッと起きた。そして部屋を見渡したところ、窓の開いているすきまから、猫が身を乗り出して、こっちをジッーと見ていた。筆者が驚くと、猫のほうも驚いて逃げていった。
 その一件以来、筆者は、猫には、念を送ってコミュニケーションを取る能力があるのではないか、つまり、猫にはテレパシーがある、と考えるようになった。
 よく、空き地などで、夜になると、猫が集まり、円陣を組んで、一言も鳴かずにジーッとしているのを前によく見かけたものだが、ああいうとき、猫たちは、テレパシーで会話をしているのではないか。
posted by ssk at 18:13| Comment(0) | 随筆

2017年04月05日

禁煙をはばむ第一の要因は「悪友」論

 平成二十九年三月二十四月付、のauのニュースサイト


   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「禁煙をはばむ第一の要因は「悪友」論」


 を企画、取材、執筆しました。



 今週の朝日新聞朝刊に「患者を生きる 依存症 タバコ」という連載記事が載っている。そこには、どこにでも転がっているような話のほんの一例として、沖縄の女性二人の事例が載っている。

 記事によると、この二人は高校時代からの友人関係(共に46歳)。そのうち一人は20154月、同僚から話を聞いて禁煙外来に受診し、禁煙補助薬「チャンピックス」を処方され、服用初日から吸いたい気持ちがなくなった。

 そのことを聞いたもう一方も受診する気になり、翌月、禁煙外来へ行った。が、「チャンピックスを飲むと胸がムカムカして気持ち悪くなった。介護福祉士として施設で働いていたが、仕事もおぼつかないくらい気持ち悪い。それでも、タバコを吸いたい欲求がすっかり失せ」た、という。

 このようにチャンピックスには、副作用があることは、当コーナーで再三指摘している通り。なお、筆者の経験では、副作用のないニコチンガムにより余裕で禁煙できる。が、それではどうしてもタバコを止めれないという始末におえない人は、チャンピックスでもくらうより仕方がないのではないか。

 話を元に戻す。こうして二人はタバコをやめたかにみえた。が、落とし穴があったのだそうだ。

 翌月、後者は、「次男が所属する野球チームの母親の飲み会に参加した。普段は飲まないワインを炭酸で割ると、おいしくて、数杯飲んでしまった。ほろ酔い気分で店を出ると、友人の母親が、細いメンソールのタバコを箱から取り出した。『吸うけどほしい?』と聞かれた。『いいの?』。手が伸びた。5月に禁煙して以来、4カ月ぶりに吸うタバコ。おいしいと思った。2本もらってその場で吸い、別れ際に家で吸いたいからと、さらに1本もらって帰った。翌朝、仕事に出かける前に吸った。『朝1本だけなら大丈夫』。自分に言い聞かせた。朝だけのつもりが昼にも吸い、翌日、コンビニエンスストアで1箱買った」

 もう一人の方も、「教会へ礼拝に出かけた日曜日、知人から1本もらって吸ってしまった。翌日、仕事中は我慢したが、終わると喫煙者の同僚のいる職場まで車を運転して出かけ、1本だけもらった。火をつけ、煙を肺いっぱい吸い込んだ。『箱だけは買うまい』。その気持ちは堅く、3週間ほどは同僚や知人から1本ずつもらう生活を続けていたが、結局、箱を買うようになった」という。

 これはありがちな話だ。いったんタバコをストップして出戻るのは、大抵、周囲の喫煙者から、1本だけ、とか、今日だけ、とか言ってタバコをもらうためである。

 これは筆者が呼吸器科の医師から直接聞いた話なのだが、こういう時に禁煙している人にタバコを手渡す者は、「悪友である」という。

 悪友扱いするのは極論だという人もいるかもしれない。が、実際のところ、悪友とみなす気概、覚悟がなくては、タバコは大抵やめれない。

 なお、前出の記事中では、「職場の飲み会で喫煙者から「吸う?」と聞かれて断ると、申し訳ない気持ちになった」とあるのだが、こういう感情は真っ先に捨てるべきである。

 そもそも、タバコをやめている者の前で、タバコを手渡すなどというのは、本当の友達のすることではない。悪友そのものである。

 たとえ己は吸っていようと、友達が禁煙しているなら、その友の前ではタバコは吸わない、タバコの煙のある環境は居させない、というのが、良友の姿といえよう。

 では、良友がおらず、悪友しかいない場合は、どうすればよいか。悪友は遠ざけ、新たな出会いを重ねることをお勧めする。(佐々木奎一)


posted by ssk at 21:03| Comment(0) | 記事

2017年04月02日

プランテーションの観のある森林組合


 平成二十九年三月二十月付、のauのニュースサイト

   EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「プランテーションの観のある森林組合」


 を企画、取材、執筆しました。



1日付の日本経済新聞朝刊に「森林組合『人手不足』9割」という記事がある。そこには、こうある。

 「日本の森が危機にひんしている。日本経済新聞が実施した『林業調査』によると、全国の森林組合の93%で人手が足りないことが分かった。戦後に植えたスギやヒノキが十分な大きさに育っているが、丸太価格の安さもあって多くが放置されている。荒廃を防ぐため、林業の担い手確保が大きな課題となっている。(中略)

 日本は国土の3割近くを人工林が占める。多くは戦後、木造住宅の木をまかなうために植えられた。今は半分以上が伐採できる樹齢に達しているとみられる。だが1980年に14万人を超えていた林業従事者は、2015年時点で5万人に届かない。

 背景には木材需要の減少による丸太の値下がりがある。調査で森林組合に林業の課題(複数回答)を尋ねたところ『丸太の販売価格の低さ』(78%)が『従事者の不足』(57%)や「国産材需要の少なさ」(43%)を上回りトップだった。

 林野庁によると、スギ中丸太やヒノキ中丸太の1月の平均価格はピークだった1980年の2~3割だ。値下がりが生産意欲をそぎ、離職を招いている。人手不足の解消に必要なこと(複数回答)を森林組合と住宅メーカーに聞くと『賃金・待遇の改善』がそれぞれ90%74%に達した。

 人口が減るなか、住宅需要に頼るのは難しい。国産木材の需要を伸ばすのに必要な取り組みを複数回答で聞いたところ『非住宅分野の拡大』との答えが57%あった」

 と、このようにあるのだが、改善の余地はないのだろうか。例えば、ヒノキのベッドやテーブル、本棚、机、タンス、まな板、桶、風呂といった生活品に対する需要は、それほど少ないだろうか?

 例えば、卑近な例でいうと、筆者は前に、ヒノキの家具を注文しようと思い、探したところ、大半が地方の森林の豊富なところにある中小零細メーカーがつくっていた。ヒノキ製品なので、価格は結構する。そして、驚いたのは、家具の納期を聞いたところ、ある業者では、数か月先になるという。要するに、繁盛している。

 特に都心部のように、自然の乏しい環境下にある自然貧乏人にとって、家のなかにヒノキのような木材製品があると、豊かな気持ちになれるものである。しかも、それが国産品であれば、なおさら良い、と思う人は多いに違いない。

 だから、記事にあるように、住宅分野の木材品の需要が少ない、というのは、にわかには信じ難い。

 さらに記事中で不可解なのは、「丸太の価格が安い」という点である。前出のように、ヒノキで家具をつくっている会社は、数十万円単位でいいモノをつくり商売している。それなのに、その原材料である丸太がベラボウに安いというのは、まるでプランテーションである。つまり、第一次産業が、家具という付加価値をつけれないばっかりに、搾取される構図になっているのではないか。

 要するに、森林で木を伐って丸太をこしらえる林業従事者、家具をつくる職人、家具を都心部などで売る小売業者まで、ちゃんと利益を分け合う形で商売していけば、本来、日本の宝である林業は発展するにちがいない。(佐々木奎一)

posted by ssk at 22:48| Comment(0) | 記事