2016年09月11日

ゾウ大量殺戮の主因、象牙のハンコと日本

 平成二十八年九月五日付、のauのニュースサイト


    EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」で記事 


 「ゾウ大量殺戮の主因、象牙のハンコと日本」


 を企画、取材、執筆しました。


92日付の朝日新聞朝刊に「アフリカゾウ、7年で3割減 密猟主因、ペース加速」という記事がある。それによると、「野生のアフリカゾウは18カ国に約35万頭生息し、7年間で約3割減っていることが、NGOや研究者などで作るプロジェクトチームの調査でわかった。チームは象牙を狙った密猟が主な原因だと推測している。(略)アフリカゾウをめぐっては、象牙を狙った密猟が横行しており、テロ組織の資金源となっている恐れも指摘されている」という。

 また、読売新聞3日付夕刊にも同様の「アフリカゾウ3割減 草原生息調査 象牙密猟原因か 07年以降」という記事があり、「今回の調査は、(中略)1日に米ハワイで始まった国際自然保護連合(IUCN)総会に合わせて発表された」「調査費として700万ドル(約72000万円)を提供した米マイクロソフトの共同創業者のポール・アレン氏はIUCNの会議で『我々には行動を起こす連帯責任がある』と強調した」とある。

 なお、両記事は、肝心要が抜け落ちている。が、それでも他の全国紙よりは、まだましである。日本経済新聞の5日付朝刊の記事「アフリカゾウ3割減、07年から7年間、NGO調査」は、「象牙」というキーワードが一切ない。毎日新聞にいたっては、紙面で一切報じていない。

 では、記者クラブメディアが触れない真実とは何か。それは、アフリカで横行するゾウの大量殺戮、象牙密猟の主因の一つは、他ならぬ日本にある、という致命的な汚点である。

 そのことは、815日付のジャパンタイムズに詳しい。同紙によると、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、145月現在180か国・地域が締約)のレポートには、2010年からの3年間で、およそ10万頭のゾウが殺された。そのことがアメリカと中国の象牙市場の閉鎖の決定を促した。それにより今年924日〜105日に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開催するワシントン条約締約国会議が近付くにつれて、日本に対する市場閉鎖の圧力が高まっているという。

 日本の主要な象牙を使った製品は、「象牙のハンコ」である。

 では、現在、どのようにして、日本で象牙製品を買うことができるかというと、それは、ヤフー、楽天といったオンラインサイトである。なかでも最大の取引場は、ヤフーオークションである。

 ワシントンに拠点を置く団体など計32の環境保護団体は、ヤフーオークションを運営するヤフージャパンとソフトバンクに対し、象牙製品(そのなかには未登録で違法な製品もある)の販売を禁止するよう求めており、813日現在、ウェブサイトの嘆願書に140万人が署名している。

 嘆願書には、「この破滅的な象牙取引をストップして下さい!」「象牙取引は、ゾウを絶滅の淵に追いやっています。そして、グーグルやアマゾンといったビックブランドが象牙販売を拒否している中、ヤフーは、象牙で大儲けしてます」とある。

 なお、昨年9月、アメリカのバラク・オバマ大統領と中国の習近平国家主席は、それぞれの国内の合法的な象牙市場をクローズすることに同意した。

 これにより、アメリカでは、今年76日から、ほぼ完全に象牙取引は禁止された。中国も今年後半から来年前半に、象牙市場を閉じるスケジュールを発表することになっている。

 また、今年610日付の同紙(共同通信配信)によると、アメリカの環境保護団体の調査で、日本の貿易業者が、日本国内で中国人に象牙を売りさばき、その象牙が中国に密輸されていることが判明したという。この環境保護団体は、日本の千葉、岐阜、大阪、静岡の貿易業者4人が、その違法取引の実体を証言しているのを、ひそかにビデオカメラで撮影。例えば、岐阜の業者が、「違法かどうかは気にしない。もう三つ、象牙を手に入れるつもりだ」と語ったり、静岡県浜松市の業者が、「中国人の客は、いつも象牙を、独自ルートで持ち返っている」と語っており、明らかに中国に違法に輸出されているのを知っているという。

 こうした日本に対する不名誉な国際的批判を無視する安倍自公政権と、それに追随する記者クラブメディア。この国の民度は急速に低くなっている。そのことが、象牙からも見てとれる。(佐々木奎一)

posted by ssk at 22:42| Comment(0) | 記事