2016年01月31日

TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」にて、マイクロビーズについて警鐘を鳴らす

  今日のTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」(日曜朝10:00〜11:55放送)で、マイクロビーズについて、発言しました。(自分の声の音源ではなく、事前に放送作家の人と話し、筆者が、マイクロピースについての説明と警鐘を鳴らし、放送では、ジャーナリストの佐々木奎一さんがマイクロビーズについて云々、という形で、これまで縷々執筆していることを要約する形で発言しました)

 なお、コーナーは、「気になるニュースを深〜く掘り下げます!」(同番組HPより)
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 なお、「番組後記」で、アシスタントの中澤有美子氏が、マイクロビーズについて、こういう感想を記していました。
 「プラスチック由来のスクラブ成分が環境によくないそうですね。
 3種類程、常備している歯磨きチューブのうちのひとつが、スクラブ入りだったような・・・。
 止めることにします。
 中澤有美子」(「中澤有美子の“にち10日記”」同番組HPより)
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2016年01月30日

“核”情報流出…原発再稼働で高まるテロリスク

 平成二十八年一月二十五日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」記事 


 「“核”情報流出…原発再稼働で高まるテロリスク」


 を企画、取材、執筆しました。



23日付朝刊の毎日新聞に、「核検査機関情報流出 複数共有ソフト使用か 昨年10月、不正使用を幹部に報告」という記事が出た。それによると、公益財団法人「核物質管理センター」は22日、職員のパソコンから外部へ不正な通信があったと発表したという。

 核物質管理センターとは、「原子炉等規制法に基づき、核物質が平和利用に限って使われているかを調べる指定検査機関。職員は約160人。原子力施設が保有するウランやプルトニウムの量を調査したり、国際原子力機関(IAEA)の査察に同行して核物質の濃度や組成を分析したりする役目がある。1972年に民間の出資で設立され、99年に指定機関になった。青森県六ケ所村のほか、原子力施設が集まる茨城県東海村にも事務所がある」。

 記事によると、核物質管理センターの「六ケ所保障措置センター」(青森県六ケ所村)勤務の40代男性主査が、「迅雷」という中国製の共有ソフトを無断でインストールし、データが流出した。このパソコンに機密情報は保存されておらず、重大な情報流出はなかったとみられるという。

 また、昨年7月に同センターが購入した台湾製のハードディスクに「ビットトレント」という別の共有ソフトが入り、これを介して米国などのサーバーから698回の不正アクセスを受けた。データ流出はなかったという。同センターは会見で、「この2種類のソフト以外は使用していない」と説明した。

 だが、この会見には虚偽がある。記事によれば、「同センターの内部資料によると、昨年1月には『eDonkey』というさらに別の共有ソフトによる外部との通信が確認されていた。データ流出の有無は確認できていないが、同月末に職員に対してファイル共有ソフトの削除を命じる通知が出された。

 さらに、同センターは昨年8月下旬、情報漏えい対策のため、民間会社に委託して外部との通信の常時監視を始め、その結果をまとめた内部資料に『多くの不正なメール、Web閲覧、P2P(ファイル共有)ソフトの不正使用が検知された』と記されていた。

 この資料は、昨年1029日に開かれた村上憲治理事長ら幹部職員が全員出席する同センターの企画運営委員会で報告された。ところが、22日の会見で責任を問われた村上理事長は『(今月まで)私に報告はなかった』と釈明し、謝罪も拒否した」という。

 つまり、核物質の管理に携わる団体のトップ自らが、“サイバーアタック”にさらされている事実を隠ぺいし、シラを切っているというわけ。

 “サイバーアタック”とは、「インターネットを通じ、企業などのシステムを攻撃する行為。標的とする団体や個人の持つサーバーや個別のパソコンに不正ログインし、そのシステム内のデータを改ざん、破壊、盗むなどするのが一般的である。攻撃対象を社会基本インフラや政府機関をとしたものは、特にサイバーテロともよばれる」(ニッポニカ・プラスより)

 ちなみに、115日付ニューヨークタイムズによると、原子力発電所を乗っ取り、破壊したり、原発の核物質を盗むのを防ぐ機能を麻痺させるためには、“サイバーアタック”が最も効果的で簡単な方法だが、アメリカのシンクタンク「核脅威イニシアティブ」の調査によると、20か国の使用済燃料中間貯蔵施設と原子力発電所には、サイバーアタックを防護するための政府の規制がないという。

 その20か国のなかには、アルゼンチン、中国、エジプト、イスラエル、メキシコ、北朝鮮を含んでおり、日本はリストには入っていないが、実際は、冒頭の事件に象徴されるように、おそまつな実態がある。原発再稼働と称して全国でどんどん原発を動かしつつある日本は、“サイバーアタック”による原発事故というリスクにもさらされることになる。(佐々木奎一)
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2016年01月29日

血税を吸いつくす利権装置UR(都市再生機構) 日刊ゲンダイにて

 1月29日付の日刊ゲンダイの記事「甘利 検察 裏取引か 笑止千万 ハレンチ大臣の美学辞任 とてつもない疑惑が幕を開けたぞ」のなかで、血税を吸いつくす政官財癒着の利権装置「UR(都市再生機構)」について、自分の見解を話しました。

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2016年01月28日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 三十六

 中村氏は、こう言った。

 「世間では餌やりおばさんということで大変悪い方でまだ見る人が多いと。しかしながら、よく分かってる人は、去勢・避妊の手術をした猫に餌をやるというのは、これは1代で終わるということがあり、野良猫対策にもなるんだという、その事業としてはいいことなんですよね。

 野良猫というのは絶対家猫にはならんのですわ。だから、外で1代を終える、そのためには餌もやらなあかんということを分かってやってる人と、かわいそうや、かわいそうや言うて何でもかんでもそういう去勢・避妊もしてない猫を何でもええから餌をやってるというのとは、全然そのやってる行為は見た目は一緒でも中身が違うんですよね。

 だから、そういったところの理解もしてもらえるような啓発の内容のプリント、そういうものも含めた形のやつの今までのプリントを変えていただいて、より市民に、この野良猫対策と同様、どういう形でこれをやってるかということの趣旨を分かってもらいやすい、分かりやすい案内プリントにしてもらって、そして大々的に市民しんぶんに載せるなど、いろんな広報活動をやっていただきたいと思いますので、その点よろしくお願いいたしますが、一つ御決意を聞かせていただいて終わります」

 つまり、エサやりの中でも、いいエサやりと、悪いエサやりがいる、という趣旨である。が、中村氏のいう、いいエサやりとは、まちねこ事業によるエサやりのみを指しており、自腹を切って避妊去勢手術をして片付けているエサやりのことは、排除している。

 その証左として、中村氏のこの発言に対し、高木博司・保健福祉局長は、こう言っている。

 「まちねこ事業の趣旨が市民の皆さんによく理解できるように、特に先生今御指摘の、野良猫に餌をやるという行為は一緒でも、そこにある思い、あるいは動物に対する思いが違うと、そういったことが市民の方々にも理解できるような方面の啓発にも力を入れていきたいという風に思っております。」

 ここでいう、「野良猫に餌をやるという行為は一緒でも、そこにある思い、あるいは動物に対する思いが違う」というのは、つまり、まちねこ事業に参加しないエサやりは、動物に対する思いが欠けている、だから、そういう悪いエサやりは、罰しなければならない。というわけで、この中村氏と役人の、出来レースのやり取りのあと、エサやり禁止条例が、いよいよ形作られていく。

 そして、平成27220日、ついに「京都市動物による迷惑等の防止に関する条例」が可決成立するのだが、このときの京都市会の議長は、中村三之助氏だった。

 (続く)

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2016年01月27日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 三十五

 話を、元に戻す。

 「門川市長は犬猫は好きですか?」と、聞いた自民党の京都市議・中村三之助氏について、である。

 既述のように、くだんのマッチポンプ公明市議・吉田孝雄氏は、2013728日から85日にかけて、他の政党や京都市職員とともに、海外視察に出かけた。そのときの視察団長は、中村氏だった。

 そのときの報告書を、市会が公開している。


 京都市会海外行政調査(動物愛護)報告書.pdf


 その中に、門川大作市長にあてた提言書も付してあり、野良猫対策について、こういう一文がある。

 「まちねこ活動支援の取組強化」

 この一文は、後述のように中村氏の考えが反映されている。そして、まちねこ活動は、地域猫活動とは、似ても似つかぬものである。

 また、平成251017日の決算特別委員会では、中村氏は、マッチポンプ市議・吉田氏を援護する形で、「犬、猫のふん害対策についてでありますが」と、きりだし、犬の糞については、たばこの吸い殻などと一緒に、条例で放置を禁止するよう明記してあるので、「条例が機能するよう、条例を所管する環境政策局を中心に関係局が連携して、まずは行っていくべきやないか」、「そのうえで、出てきた課題を統括して、条例を見直すべきなのか、又は、他都市のように独立したふん害の対策の条例を制定するのか、考えていく必要があるのやないか」と、新たな条例の必要性に言及した。これは、条例で罰則を求める吉田氏を、バックアップする発言である。

 また、のちに吉田氏が「集大成」と吹聴し、実際、後述のようにエサやり禁止条例の流れを決定づけることになった、平成26221日の第1回定例会での発言と、同時期に、中村氏は、こういう発言をしている。(平成2625日の教育福祉委員会にて)

 「御承知のとおり、先般、我々8名が海外視察へ行って(中略)、まちねこ支援事業の充実ということを提言としてうたわさせていただいておりますが(中略)要は、野良猫対策ということで、そもそも私も8年前ぐらいから言ってきた中で、ようやく獣医師会等の御協力も得てまちねこ事業が展開されてきたわけですけれども(中略)、前から何度も言っているように、あんなもんぽつぽつやってたんでは、御存じのとおり、100匹いて要するに8割以上去勢・避妊をせんことには、あと20匹残ってたら1年後また100匹に返るという猫算があるわけですね、あの世界は。だから、その猫算を上回る形のものをせんことには野良猫対策としては効果として上がらん、そういうものを念頭に置いて地域にポイントを設けて設けてやっていかな、あの施策は功を成さん」

 こう言った後、にわかに、エサやりについて、語り始めた。

 (続く)

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甘利明TPP担当大臣の金銭スキャンダル報道

 平成二十八年一月二十二日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」記事 


 「甘利明TPP担当大臣の金銭スキャンダル報道」


 を企画、取材、執筆しました。



 けさの各紙は「甘利氏、与党から進退論 業者と面会認める 金銭授受疑惑」(朝日新聞)、「甘利氏、金銭授受疑惑で『曖昧』答弁に終始、建設業者と面会認める、辞任は否定、『法律違反ない』」(日本経済新聞)、「甘利氏『調査に時間』口利き疑惑 閣僚辞任は否定」(毎日新聞)といった見出しで報じている。

 これは今週発売の週刊文春のスクープである甘利明経済財政・再生相の金銭スキャンダル報道について、昨日の国会で甘利氏が野党が追及を受けたことにまつわる記事。週刊文春のスクープの概要は次の通り。

 告発者は千葉県白井市にある建設会社Sの総務担当者・一色武氏(62、実名)。一色氏は自身も会社を経営しており、甘利氏の支援者でもある。これまでの金銭授与などのやり取りについて、一色氏は、自分の身を守る手段として録音し、いつ誰とどこで会ったかを記録に残し、領収書はメモと一緒に保管してきた。口利きの見返りとして甘利大臣や秘書に渡した金や接待で、確実な証拠が残っているものだけでも1200万円に上るという。

 最初のきっかけは、S社がUR(独立行政法人 都市再生機構)の道路建設を巡り、度々トラブルが生じ、2013年頃、URS社の間で補償の話が持ち上がったことにはじまる。URとの交渉は難航するばかりだったため、一色氏は甘利事務所に頼った。

201359日、一色氏は大和事務所を訪ね、数か月前に知人の紹介で知り合った甘利氏の公設第一秘書の清島健一氏(39)に、「何とかしていただけませんか」と相談。清島氏は真剣に話を聞き、「私が間に入ってシャンシャンしましょう」と言い、URに内容証明を送ることを提案。その後、別の秘書を現地に行かせるなどし、3か月後にS社はURから約22千万円の補償金を手にしたという。

 清島氏の尽力に一色氏は、さっそく820日に大和事務所を訪れ、お礼を言い、現金5百万円を持参した。事務所を入った右手に応接室があり、そこで現金を出すと、清島氏はスタッフがいる広い部屋に行き、大きな声で「一色さんは約束を守る人だね」と、現金を見せびらかしたという。その後、500万円分の領収書を渡したが、後日、金額を200万円分に差し替えるよう指示。つまり、300万円は闇金になったという。

 そして、このお礼の後、一色氏とS社の社長は、甘利大臣と面会することになった。1114日、大臣室で、S社社長が、桐の箱に入ったとらやの羊羹と一緒に紙袋の中に、封筒に入れた現金50万円を添えて、「これはお礼です」と言って甘利大臣に手渡した。紙袋を受け取ると、清島氏が甘利大臣に何か耳打ちした。すると、甘利氏は「あぁ」と言って50万円の入った封筒を取り出し、スーツの内ポケットにしまったという。その後、約40分雑談し、記念写真を撮った。

 その後、また新たにURS社が、S社の敷地を巡りトラブルになり、S社にとって不本意な金額の補償金が提示された。そこで、納得できないS社側は、またぞろ甘利事務所に頼った。201421日午前1030分過ぎ、一色氏は、大和事務所の応接室で甘利大臣と会った。一色氏が事情を説明した後、清島氏が「一色さん、例のものを」と小声で言うので、一色氏は現金50万円が入った封筒を大臣に差し出した。甘利氏は「ありがとう」と言って、封筒を受け取った。その後、記念撮影をしたという。
 なお、この二つの甘利氏の金銭授与は、いずれも、現金を銀行でピン札(新札)に替えて、札のナンバーのコピーもとっているという。

 ほかにも、衆院選を一か月前に控える20141120日に、一色氏は清島氏から金銭提供の依頼を受け、S社と一色氏の名義で50万円ずつ寄付したり、20151019日には、知人に頼まれて、ある外国人のビザ申請で便宜を図ってもらおうと、甘利事務所の力を借りた見返りに、清島氏に対し、計20万円を手渡した。

 こうした口聞きの「経費」と、秘書に対する食事やフィリピンパブ代などに費やした「飲食費」は、2014年が経費455万円、飲食費211万円、2015年は経費210万円、飲食費160万円に上るという。

 こういうスキャンダラスな人物がTPP交渉を担当しているということは、ごく一部の特定の業者の口聞きに基づいてアメリカと交渉している、と国民に疑われても仕方がない状況といえよう。(佐々木奎一)

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2016年01月24日

長野スキーバス14人死亡事故、国交大臣の責任

 平成二十八年一月十八日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「朝刊ピックアップ」で記事


「長野スキーバス14人死亡事故、国交大臣の責任」


を企画、取材、執筆しました。



 週末の各紙は、スキーバス事故を大きく取り上げている。これは15日(金)午前155分ごろ、長野県軽井沢町の国道18号「碓氷バイパス」入山峠付近(JR軽井沢駅から南約2km)で、大型バスがセンターラインを越えて対向車線側のガードレールを突き破り、約3メートル下に転落して山林内の立ち木に衝突し、乗客・乗員41人のうち、運転手2人を含む男性9人と女性5人の計14人が死亡し、2人が重体、24人が重軽傷を負った大惨事を指す。死亡した14人のうち、大学生が12人(早稲田大3人、法政大3人、東京農工大2人、東海大1人、首都大学東京1人、東京外国語大1人、広島国際大1人)、残りは2人の運転手だった。

 同日夕刊には、すでに「バスを運行していた『イーエスピー』は、運転手への健康診断などを怠っていたとして、今月13日付で国土交通省から道路運送法違反で行政処分(車両使用停止処分)を受けたばかりだった。国交省は昨年2月、イーエスピーに対し、道路運送法に基づき、2014年度中の業務について定期監査を実施した。その結果、13人の運転手のうち10人について、年1回実施すべき健康診断を受けさせていなかったことが判明。また、運行管理者は運行業務に出る運転手と対面して健康状態などを確認しなければならないのに、312回のうち46回で不適切な対応があったほか、初任運転手への適性診断もしていなかった」とある。(毎日新聞より)

 さらに同紙の16日夕刊によると、事故後の国交省の特別監査により、昨年2月の監査以降も、違法が常態化していたという。            例えば、「ツアー終了後の点呼では、運転手同士の引き継ぎ状況を確認することになっているが、イ社は往路の途中で事故が起きたにもかかわらず『終業点呼簿』に運行終了を認める印鑑を押していた。さらに、今回の事故以外の運行で、国の基準を超えて長時間運転していた社員がいる疑いも浮上」したという。

 さらに、ツアー会社の買いたたきも明らかになっている。そもそも124月の群馬県藤岡市の関越自動車道事故(7人死亡、38人重軽傷)により、国交省は、1日の距離の上限を昼間は原則500km、夜間は400kmに引き下げ、基準運賃の下限を引き上げたりしたが、「今回ツアーを企画した旅行会社『キースツアー』のツアー料金は12泊の宿泊費やリフト代を含めて130002万円程度。別の旅行会社は「(中略)うちのツアーは東京―上高地間の場合、バス料金だけで往復14000円以上する。キ社のツアー料金は非常に安い。かなりコストをカットしていたのではないか」(同紙16日付朝刊)、キースツアーは、「道路運送法が定める貸し切りバスの基準運賃を下回る19万円でバス運行を受注していた」(同紙翌日朝刊)という。

 なお、16日付の日本経済新聞によると、12年の関越自動車道での事故後、上述のように国交省が規制を強めた結果、どうなっているかというと、「大手のバス予約サイトをみると、118日出発の東京―大阪間の最安値は2000円。新幹線自由席の7分の1で『規制強化前より安い』(バス事業者)」という。

 こういう状況なので、消費者は、他より格段に安い業者には裏があるとみた方がよさそうだ。

 なお、国交省は2日前にバス会社を行政処分していたというが、同省HPをみても、そのような記載はない。しかも監査してから約1年も処分に時間がかかっている。そして、ツアー会社が、何というバス会社を使っているのかを知る手だてが、消費者には、ない。こうして何重にも隠蔽し、業界のブラック体質を隠匿、放置していたことが、今回の大惨事を招いた大きな原因である。その最大の責任は、国交省のトップである、昨年2月の監査時の国交大臣だった公明党の太田昭宏、昨年10月から就任した公明党の石井啓一の両氏にある。(佐々木奎一)


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2016年01月22日

NHK仏アナウンサー原発事故避難で失職事件、一部勝訴

 平成二十七年十一月二十九日、auのニュースサイト


EZニュースフラッシュ増刊号「潜入! ウワサの現場」で記事


NHK仏アナウンサー原発事故避難で失職事件、一部勝訴」


を企画、取材、執筆しました。



1116日、福島第1原発事故後にフランスに避難し、NHKから契約を解除されたフランス人女性の判決があり、この女性が勝訴したことをメディアが報じていた。

 筆者は2年半前、このフランス人に取材をしている。そこでマスコミのベタ記事ではわからない事件の内幕をお伝えする。

 事件の原告、エマニュエル・ボダンさん(現58歳)は、もともとはフランスで教育関係の公務員をしていたが、日本に観光で来たのを機に、日本を気に入り、日本に住むことを決めた。

 その後、公務員を辞め、フランスの大学で日本語を習得した上で、今から約20数年前に、日本の青山学院大と慶應義塾大でフランス語の教員の契約を結び、念願の日本に住み始めた。ほどなくして、NHKの翻訳の仕事も始めた。

 それは「ラジオジャパン」という海外向け老舗番組の、フランス語のセクションだった。そこでは、各国のニュース等の原稿が英語で送られてくる。それをフランス語に翻訳して、マイクに向かって話す、という仕事に従事した。

 番組は、生放送のときもあれば、録音する場合もあった。担当する番組本数は週34回程度だった。

 「この仕事は、ニュースをよく知っていて、上手に翻訳文が書けて、上手に話す能力が必要です。さらに、チームワークなどの色々な要素の力が求められるので、誰でもできる仕事ではありません。そのためスタッフの入れ替えは少なく、長く仕事を続けるケースが多いです。フランス語のセクションのスタッフ約10人のうち、一番長く続けている人で30年超、その次に長いのが20数年の私でした」とボダンさんは言う。

 一つの番組は1015分。その翻訳を、ボダンさんほか計3人のスタッフが、5分ずつ担当していた。3人で翻訳していたので、融通はきいた。番組収録の直前で、翻訳スタッフの1人が、子どもが病気になったり、電車が止まったりして、「ごめんなさい。今日は行けません」と連絡が入り、残り2人でやることもあった。時には1人で翻訳しなければならない時もあったが、問題なくこなしていた。

 こうして日本で仕事を続けるなかで、ボダンさんは、都内の語学学校「アテネ・フランセ」でも教鞭をとる時期も経て、2011年時点では、慶應大の教員とNHKの仕事を掛け持ちしていた。収入は、NHKが年間約650万円、大学が約430万円だった。

NHKとの業務委託契約は1年更新で、年度末の前に担当者から契約書を渡され、後日、サインして手渡すのが常だった。ボダンさんは、もう20年以上も続けているので、形式的に契約を取り交わす状態で、最後の契約書についても、担当者が「来年もまた宜しくお願いしますね」といって11223日にボダン氏に手渡しており、あとはサインしてハンコを押す作業を残すのみだった。

 こうしたなか、3111446分、東日本大震災が発生した。

 地震発生後、津波により福島第一原発123号機の非常用電源が使えなくなり、格納容器内の圧力は上昇。その後、以下のように立て続けに事故が起きたのは記憶に新しい。

12日午後336分、1号機の原子炉建屋が爆発。

14日午前614分、2号機爆発。

14日午前614分ごろ、4号機の原子炉建屋損傷。

14日午前111分、3号機の原子炉建屋が爆発。

 ボタンさんのメールには、13日以降、フランス大使館から朝、晩、連日、メールが届いた。

 例えば、13日のフランス大使館のメールは、「緊急メッセージ」というタイトルで、こう発している。「これからの進行状況を考えると、東京に住んでいるフランス人は、なるべく東京地方を離れて、日本の南側か、フランスまで逃げて下さい」14日には、さらに強い避難勧告が出た。

 ボダンさんの部署のスタッフは、13日、14日に計約3人が東京を離れた。その間、ボダンさんのもとには、フランスの家族や友人から「早く逃げて!死んでほしくない!!」といった電話が鳴り響いたという。

 そうした中、ボダンさんは他のスタッフたちと「あなたはどうする?」と互いに連絡を取り合った。ちなみに、NHKの上司に当たる人物N氏は、原発事故以降、一切スタッフに連絡していなかった。

 「私が上司だったら、一人一人のスタッフに電話をして、『もう3人、東京を離れました。あなたは、どうするつもりですか?』と聞きます。それが何にも連絡がない。私はどうすればよいのか、悩み、すごいストレスでした」(ボダンさん)

 そして、15日を迎えた。この日は午後14時出社、14時半から番組収録がある日だった。この日、ボダンさんは、朝早くから、三人の翻訳者のうち、最年長で30年以上続けているベルギー人男性B氏に電話をして、今日仕事に行くかどうか確認した。すると、そのベルギー人は「私は行きます」と言うので、ボダンさんは「それでは私の分までお願いします」と伝えた。上述のように、翻訳業務は1人でも十分こなせる。

 そして、出社の3時間前の11時頃、上司のN氏に電話をし、「ごめんなさい。今日から1週間、東京を離れます。今日の仕事は、B氏にお願いしているので、心配しないでください」と伝えた。すると、N氏は、全然驚かずに、こう言うのみだったという。

 「はい、わかりました」

 その後、ボダンさんは、心配だったのでもう一度、ベルギー人B氏に電話をして「もう会社に着きましたか?何か問題は発生していませんか?」と問うた。すると、B氏は無事NHKのオフィスに着いたという。それを聞いて、ボダンさんは安心して東京を離れた。

 なお、3人の翻訳スタッフのうち、もう1人の女性は、ボダンさんがN氏に電話した約5分後に、メールで「ごめんなさい。今日は行けません」と送信して、東京を去ったという。結局、311日以降、ボダンさんの部署のスタッフ約10人のうち、東京に残ったのはベルギー人を含めたった3人だけだった。

15日の番組は、問題なくオンエアされた。

 なお、ボダンさんは例年、3月下旬に一週間、フランスに帰国するのが常で、この年も23日から29日まで帰国することを、31日時点で伝えており、会社側は了承していた。

 こうして東京を離れて約1週間後の324日、「もうすぐ帰りますから」とボダンさんは、上司にメールを送った。

 すると、上司から1行のメールが返ってきた。

 「添付の書類を見て下さい。以上」

 その書類をクリックしてみると、驚くべきことに「契約解除及び申し込み撤回通知」とあり、その下にこう書いてあった。

 「貴殿と平成22325日付けで締結している業務委託契約を本日をもって解除することを通知します」「貴殿との間で、平成23年度の契約を締結しませんので、その旨通知します」

 寝耳に水のボダン氏は、何かの間違いだと思い、10回くらい読み直した。

 「信じられませんでした」とボダンさんは振り返る。

 その後、日本に戻ると、NHKの上司から電話があり、「入館証を返してください。あなたの入館証は無効にしたので、もう入れません。二度と来ないで下さい」という趣旨のことを言われたという。

20年以上も働いたNHKにこのような仕打ちを受けたボダン氏は、ショックで、それ以来NHKのある渋谷には近づけないという。

 ボダンさんは涙ぐみながら声を震わせて、「外国人はすぐ逃げられるからいいよね、という人もいますが、今までの20数年の人生を全部捨てて逃げるなんて、あり得ません。日本は私の国です。私の子どもは、日本人のように日本語を話せるし、日本にたくさんの友達もいます。今は、フランスより日本の方が母国と感じているのです」と語る。

 なお、同僚約6人が同じように東京を離れたにもかかわらず、契約解除になったのはボダンさんただ一人だった。

 その後、ボタンさんは都内の、はなみずき法律事務所の西岡弘之弁護士らに依頼。ボタンさんとNHK、双方の弁護士がやり取りを交わす中で、NHKは契約解除の理由をこう述べ始めた。

 「315日のニュース放送の原稿の翻訳を担当していたにもかかわらず、翻訳2時間前、放送3時間半前になって、『NHKに来られません。状況はお分かりでしょう」と、一方的に電話で通告しただけで、当日の『ラジオジャパン』アナウンス業務及び翻訳業務などを放棄し、当協会の報道業務に多大な混乱と影響を与えました。これにより、当協会は、やむを得ず、契約を解除した次第です」

 だが、上述のように、翻訳業務はベルギー人B氏に頼み、滞りなく放送できていたので「多大な混乱と影響」は与えていなかった。NHKの言い分は不可解といわざるを得ない。

 契約解除が、先にありき、で、理由はあとから取ってつけたかのように見える。ボダンさんとNHK20数年もの付き合いであるがゆえに、原発事故で避難したことに、理屈抜きの感情が噴出したのではないか。本当は自分たちも逃げたいのに逃げられず、仕事をしている。最古参のベルギー人も残っている。それなのに、二番目に古参のボダンさんは逃げた――。その事に対する、恨み、つらみ、裏切られた、という感情である。

 その後、ボダンさんは、なんとか話し合いで契約解除無効の道を模索したが、両者は平行線を辿り、ついに2013115日、NHKを相手取り、地位確認、未払い賃金や慰謝料等1571万円、提訴以降、毎月538千円の支払いを求め、裁判を起こした。

 その判決が今月16日にあり、東京地裁の吉田徹裁判長は、労働契約とはみなさなかったものの、「生命の安全を優先して国外避難した人を無責任と非難できず、契約解除は無効」として11年度分の報酬に相当する約514万円の支払いを命じた。

 会社から理不尽な仕打ちをうけている人は、ボタンさんの姿勢を参考にしてほしい。(佐々木奎一)
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2016年01月21日

検証「育鵬社の教科書」 反知性的封建主義、愚民下政策のトゥールとして 三

P3839Pは、「法と私たちの生活」という大見出しの章。大見出しの下には、破線入りで、「なぜ法は必要なのでしょうか。また、法を守るためには何が必要でしょうか」とある。

 さらに、「法を守らないと罰則が適用されることもあります」という文言や、交差点で交通整理をする警察官や、サッカーの試合の写真入りで、「身近なルールを守ることが大事です。」「ルールが守られるからこそ、ゲームも円滑に行われます。」とあり、「社会の秩序を維持し、みんなの自由や安全を守るためには、ときとして各(おのおの)が少しずつ不自由をがまんする必要があります」と、秩序維持のために自由を制限し我慢するよう説いている。

 そして、「法に基づく政治」という小見出しで、「行政は、すべて法に基づいて行わなければなりません。これを法治主義とよびます。法は、国家の基本となる憲法を頂点として、法律、命令・規則があります」とあり、「法律は国の唯一の立法機関である国会で制定され、その法律は憲法の精神に基づいたものでなければなりません。法律とは国民自身が定め、守ると決めたルールであり、これを守らなれば罰せられることもあります」と、国民が憲法にのっとって定められた法律というルールを守らなければ罰せられることが強調されている。

 さらに本文の横には、ピラミッドの形の図があり、頂点に「憲法」、真ん中に「法律」、下に「命令・規則」があり、「法の重要さによっていくつかのランクがあります」という説明が付されており、憲法が国の最高法規であることを示している。

 そして、本文には、「法を守る心」という小見出しの箇所で、「法を守ろうとしない人々に対しては、警察や裁判所などの、強制的な力をともなうしくみが必要となります」と、ここでも、ルールを守らないと罰せられることを強調したうえで、こう書いてある。

 「人々が『刑罰があるからしかたなく法を守ろう』という考え方をするようになると、秩序が乱れ社会が混乱します。だれも見ていなければ、あるいはつかまらなければ何をしてもいい、という考えにつながりやすいからです。法を正しく運用されるためには、人々の法を守ろうという意思が必要です。」

 と、このように、法を守るべきなのは、まるで国民だけであるかのように、しつこく書いてある。そこには、国家権力が憲法を守らなければならない、という立憲主義の視点が抜け落ちている。

 育鵬社の教科書を読む限り、憲法を頂点とした法は、国民がひたすら守るべきものということになる。そして、政府が憲法を犯すことについては、何も触れていないに等しい。

 それは政府与党を選挙で選んだのは国民自身、だから政府は何をやってもいい、解釈改憲と称してこれまで当然違憲とされてきたことを合憲にしてもオッケィ、憲法はあくまでも国民を縛るためのもので、憲法は政府を縛るためのものではない、という安倍自公政権の思想にリンクする。そこには、国家の暴走を食い止める手立てはない。

 他方、帝国書院の公民の教科書には、ちゃんと、「憲法は、基本的に国家の権力を制限して人々の権利を守るという性格をもっています。このような憲法にもとづく政治のあり方を立憲政治(※筆者註 立憲政治は太字)」というと、明記している。

 育鵬社の教科書で学ぶと、権力にとって都合のいい、羊のように国家権力につき従うイエスマンが大量に生まれることになるのは、想像に難くない。(写真は育鵬社「中学社会 新しいみんなの公民」より)

  

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 (続く)

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海と、天地の生き物を汚染するマイクロ・プラスチック 五

 これら無回答企業は、説明責任を果たす意思すらない“ブラック企業”と言わざるを得ない。

次に、回答した企業をみてみよう。

 まず、特筆すべきは、資生堂である。

2014年夏のマイクロビーズ取材の折、筆者は資生堂製品をいくつかピックアップして質問した。そのとき、資生堂は、こう返答していた。 

 「ご指摘の製品にはマイクロビーズは入っていませんが、その他の製品には普通に使用しています。(表示成分名称「ポリエチレン末」)。製品名については回答差し控えさせて下さい」

 このように肝心の製品名をオープンにしないので、こちらで調べたところ、資生堂のハンドクリーム「薬用モアディープ」とベビー用品「ベビーパウダー プレスド」にポリエチレン末が含まれていた.

 こんなところにも使われているのか、と驚いたが、その一方で、「色々な製品に普通に使っている」というわりにはあんまり使ってないなぁ、もっと口紅とかまさに色んなところに使っているのかと思ったのだが、という印象を抱いた。

 だが、既述のエクセル表のように、ポリエチレン末の入った資生堂の製品が十数個なのに対し、ポリエチレン表記のものは優に200を超えていたのである。製品の種類も、アイケア、アイリンクルクリーム、ゴマージュ・ピーリング、コンシーラー、コンディショナー、ジェル・クリームチーク、ジェルアイライナー、トリートメント、パウダーチーク、パウダーファンデーション、フェイシャルマスク、プレストパウダー、ペンシルアイライナー、ポイントリムーバー、ボディソープ、ボディ洗浄料、マスカラ、リップグロス、リップケア、リップライナー、口紅、洗い流すパック・マスク、洗顔料、頭皮ケアと、化粧品全般に及ぶ。

 そこで資生堂が「普通に使用しています」と言っていたことに合点がいったが、ポリエチレン末としかいわず、ポリエチレンと言わなかったことに、だまされた、と思った。

 そこで、こういうふうに質問した。

 「昨年78月にマイクロプラスチックビーズについて、御社に質問した折、マイクロビーズについて、色々な製品に『普通に使用しています。(表示成分名称『ポリエチレン末』)」との回答でした。しかし、当時、筆者が他社にも同様の取材を重ねたところ、マイクロビーズを、『ポリエチレン』と表記しているメーカーがいくつかありました。そこで御社の『ポリエチレン』表記の化粧品を調べたところ、数百の製品がありました。

 そこで質問なのですが、当時、『ポリエチレン』と回答しなかった理由をお教え願います」

 (続く)

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2016年01月19日

日本国内2400万人が使うフェイスブックの闇

 平成二十八年一月十五日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」記事 


 「日本国内2400万人が使うフェイスブックの闇」


 を企画、取材、執筆しました。



 けさの朝日新聞に、驚いたり爆笑している絵文字やハートマーク、親指を突き立てグッドのポーズをしている絵文字の画像入りで、「『超いいね!』『悲しいね』FB、日本でも6つの絵文字に」という記事がある。

 それによると、「世界最大の交流サイト『フェイスブック(FB)』は14日、日本国内でも、利用者が互いのコメントや写真に共感を示す時に押す親指マークの『いいね!』に加え、悲しみや怒りを示すボタン5種類を、同日から順次使えるようにすると発表した」「『いいね!』ボタンを長押しすると、新たに『超いいね!』『うけるね』『すごいね』『悲しいね』『ひどいね』を示す絵文字やマークが浮かび上がって選べる。すでにスペインやポルトガルなどで導入し、日本が6カ国目」という。

 ちなみに、フェイスブックの利用者数は、世界全体で約13.5億人。日本では2,400万人が使っている。(セレージャテクノロジー、153月発表の数字より)

 だが、フェイスブックにはこんな欠点がある、という記事が13日付のジャパンタイムズの記事(ブルームバーグ配信)にあった。

 それは、フェイスブックを使うと、人々は、どのようにして間抜けになるか、という挑発的な見出しの記事。

そこには、こう書いてある。

 なぜ、ソーシャルメディアでは、誤った情報が、急速に拡散するのか?なぜ、それは訂正されないのか?正しい情報を見つけることはとても簡単なのに、なぜ、人々はウソを受け入れるのか?フェイスブックユーザーに焦点を当てた最新の研究では、それは「確証バイアス」のためである、という強い証拠を提供する。(※「確証バイアス」とは、「自分の願望や信念を裏付ける情報を重視・選択し、これに反証する情報を軽視・排除する心的傾向」。デジタル大辞泉より)

 確証バイアスは、オンラインのエコー室(※「演出効果を高めるため人為的に残響・反響を作り出す部屋」広辞苑第六版より)をつくるうえで、重要な役割を果たすことがわかった。

 この発見は、大統領選や国際紛争など、多岐の問題に関係する。

 イタリアのコンピューター社会科学研究所のミッシェラ・デル・ビカリオらによる、その新しい研究は、20102014年のフェイスブックユーザーのすべての投稿をベースに、どのようにFBユーザーが、誤った情報を拡散させたか調査したもの。

 その結果、その研究者たちは、似た考えの人々が集まったたくさんのコミュニティが拡散させているのを発見した。そこでは、たとえ情報に根拠がなくても、誤った情報は、急速に、そのコミュニティ内で拡散する。

FBユーザーは、彼らが信じているメッセージを含んだ話はシェアし、信じていない情報は無視した。そして、その話が、すでに人々の間で信じられている事にまつわること、つまり、いかにもありそうな話であればあるほど、より一層、かれらはその誤報に興味を持って拡散させた。

 確証バイアスの結果、「FB上では、たくさんの均一なクラスター(集団)を形成します。これらのクラスター内では、新しい情報は、友人知人間で、ものの数時間で一気に広まります。その結果、根拠のないウワサ、怪情報、妄想による偏った話が急速に拡散されます。それはFBだけでなく、ツイッターなどのほかのソーシャルメディアでも同様の事態がおこるのは、ほとんど疑いないことです」

 また、同類の集団内で、誤報が広まるとき、人々は、互いに誤報に関与することで、より誤報を信じていくことになる。それに、一度、人々が、いいね、などで他人の同意を得ることを発見したら、彼らはより自信をもつようになり、一層、極端に、誤報を拡散するようになる。例えば、自分自身、半信半疑で、FBに投稿した情報でも、多くの人が同意すると、自分の投稿に自信をもつにようになっていき、誤報を拡散させていく。このように、確証バイアスにより悪循環に陥るという。

 フェイスブックやツイッターなどのSNSのユーザーは、そのことを熟知した上で使った方がよい。(佐々木奎一)

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2016年01月17日

三国志にみる今の政治、軍師のいない野党

 平成二十八年一月八日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」記事 


 「三国志にみる今の政治、軍師のいない野党」


 を企画、取材、執筆しました。



 けさの朝日新聞に「考20164 三国志の教訓 三国志学会事務局長・渡邉義浩さん 1強に対抗、戦略を」という記事がある。

 これは同紙の野党担当記者・菊地直己氏が「安倍晋三首相が率いる自民党1強に対し、多弱な野党は離合集散を繰り返して対抗勢力になりきれない。野党担当記者として、もどかしさを感じてきた。古代中国で三つの国がせめぎ合い、多くの英雄が生まれた『三国志』。日本でも人気の高いこの物語から、今の日本政治に得られる教訓はないだろうかと、研究家のもとを訪ねた」というコンセプトの記事。

 尋ねた先は、三国志学会事務局長、早稲田大教授(中国古代史)で、赤壁の戦いを描いた映画「レッドクリフ」の日本語版監修も務めた渡邉義浩氏。

 同記者が、渡邉氏に対し、自民党に独走を許しているのは、野党陣営の自滅に原因があるのではないか、と問うと、渡邉氏は、こう答えた。

 「後漢末期から三国時代に1強を目指したのが曹操です。漢帝国が混乱して民が飢える中、新たな政治を起こそうと挙兵。天下統一目前まで迫ります。これに対抗したのが孫権と劉備。三国志の物語です」「迫り来る曹操と戦うか降伏するか、孫権陣営は大もめでした。そこで軍師の魯粛(ろしゅく)が主戦論を主張して劉備と同盟を結び、『赤壁の戦い』で曹操を撃退。魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備が天下を三分する三国時代を迎えます。面白いのが天下を三分する目的です。孫権は自国の生き残りのため、劉備は漢再興の足がかりのため。目的は違えど、戦略で一致できたため、共闘したのです」

 これに対し同記者が「弱い勢力が手を結ぶのは理がありますが、簡単に利害が一致するものでしょうか」と問うと、渡邉氏は、こう言った。

 「戦略を実現するため優先順位をどう考えるかだと思います。注目すべきは最も弱小だった劉備に、孫権側が領土を貸し与えたことです。当初は孫権自身も含め国中が猛反発したのですが、魯粛が『劉備が弱いままでは三国の均衡が崩れる』と説得し、反対論を封じ込める。この一報を聞いた曹操は、驚きのあまり筆を落としたと言われています。巨大与党に対する野党の戦略につながる話かもしれません」

 そして、「三国志から現代政治が学び取るべきものとは」との問いに対しては、こう答えた。「志を持つことです」

 最後に取材後記として「大きな目的の前には妥協も辞さなかった三国志を教訓に、党益の追求だけではなく、この国の未来を見据えた野党共闘に注目したい」と記者は記している。

 たしかに、志を持ち、この国の未来を見据えた野党共闘に期待する人は多いに違いない。

 ちなみに、三国志の時代には、「軍師」がいた。劉備には諸葛公明、呉には周瑜や魯粛、魏には郭嘉や荀ケ、そして曹操自身も兵法に精通していた。

 いまの日本はどうか。安倍自公政権は、いいわるいは別にして、平和憲法の改憲という目的の実現のため、緻密に戦略を立てているように見受けられる。例えば、リスク要因は、火種が大きくなる前に摘み取り、国会では野党の分裂状態の継続を心がけている。その手法には、軍師の影がちらつく。軍師の戦略のもと、統率がとれているように見える。

 他方、野党第一党・民主党はどうか。そもそも民主党は、前回の参院選では結党以来最低の17議席で、比例の得票数はなんと公明党にすら及ばない壊滅状態だというのに、風頼み、運頼み、行き当たりばったりで、どうしてよいかわからないまま各自がバラバラに動いているのが実情ではないか。死に体であり、勝てるわけがない。

 三国志でいうなら、いまの野党は、諸葛孔明のいない頃の劉備軍のようなもので、連戦連敗で風前の灯火。

 では、野党に軍師がいないのかといえば、そうではない。国会の外に、野党を勝たせるための戦略を持つ軍師はいるように見受けられる。例えば、慶應大学名誉教授・小林節氏だ。野党は、軍師を迎え入れて、軍師の戦略のもとに動かなければ、赤ちゃん対大人の戦いのようなもので、いくさにならない。(佐々木奎一)
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2016年01月16日

杉本彩、野良猫エサやり禁止条例を「他の地域を牽引していく進歩的な考えで、手本となる」と絶賛

  1月11日付の朝日新聞京都版の朝刊に、「どうですやろ? 京都 市長選を前に 2 センスの良いリーダーを 女優・杉本彩さん」という記事がある。
 その記事には冒頭、「今の京都市政に必要なものはセンス。様々な観点から物事を見られて、センスの良いリーダーが必要だと思う。古い物と新しい物を融合させて、京都の町をさらに素敵にしていくのはすごく難しいこと。歴史は取り返せるものではないので、京都の良さを理解し、大事にしてくれる方が必要だと思うんです」
 とあり、その下に、こう書いてある。
 「人間と動物の共生のために野良猫などへのえさやりのルールを定めた条例など、京都から他の自治体に広がった事例もあります。全国が京都に注目してあこがれを持っています。他の地域を牽引していく進歩的な考えで、手本となる責任を感じるべきです。」(写真はくだんの記事)
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2016年01月15日

検証「育鵬社の教科書」 反知性的封建主義、愚民下政策のトゥールとして 二

P33には、日本地図に原発立地を示し、「市に原子力発電所の開発計画が持ち上がった! 国家規模の政策については、どのように考えればよいのでしょう」とある。

 そして、「現状」は「原子力発電は日本の総発電電力量の約4分の1を担っています」とし、「賛成派と反対派(対立)」として、こう書いてある。

 「市では1960年代に原子力発電所の建設計画が明らかになり、その後長い間、住民が賛成派と反対派に分かれて住民運動を行ってきました。(中略)もしも事故が起きれば重大な被害が予想されるため、開発の是非について世論が分かれています」

 この教科書は、福島第一原発事故直後の発行なので、誰もが原発事故にリアルティをもつことは疑いないが、その後の一文は、「原子力の技術的な発展や安全性、環境問題や資源問題、エネルギー保障などを総合的に考える必要があります」となっている。

 そして、「話し合い(効率と公正)」とあり、エネルギー自給率は日本は「原子力を除くと4%」であり、「国の将来を考え、対立を合意に導く努力が求められます」と、原発再稼働に誘導している。

 そして、「結果の実行(合意)」とあり、こう書いている。

 「計画の推進か中止かについて住民投票が行われることになりました。その結果を受けて、市議会では審議が始まります。地域振興や漁業補償などの配慮がなされ、建設を受け入れることになった場合は、放射能漏れの防止や使用済み燃料のリサイクル、高レベル放射性物質の廃棄、人的ミスや制度的ミスへの対応、大地震や津波に対する耐久性などの課題があります」と、推進寄りの記載をした挙句、「原子力と共存して安心して生活できるよう、国や市や事業者が全力で取り組むことが求められます」と、結局、徹頭徹尾、原発を大前提としたことしか書いていない。

 そして、このページの一番下に、小さく、「(注)2011311日に発生した東日本大震災による原発事故の影響を受け、日本各地では原子力発電やエネルギー政策のあり方について、見直しの議論が行われています。」とある。だったら、原発推進の話を長々と書くのはおかしい。まるで原発事故などなかったかのように、失敗に目をつぶる態度は、同じ過ちを繰り返す元凶である。なお、今の安倍自公政権が、この育鵬社の教科書に書いてある通りの思想で原発政策を行っているのは周知の事実。(写真は育鵬社「中学社会 新しいみんなの公民」より))

  

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 (続く)

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2016年01月14日

マレーグマ脱走謹慎と動物園という名のプリズン

 平成二十八年一月十一日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」記事 


 「マレーグマ脱走謹慎と動物園という名のプリズン」


 を企画、取材、執筆しました。



7日付の毎日新聞夕刊に、こんな記事がある。それは「マレーグマ 脱走防止、壁改修 昨年『未遂』後謹慎、外遊びやっと 名古屋の動物園」という記事。

 それによると、「昨年5月、獣舎の壁をよじ登り外へ逃げ出しそうになって以降、屋内で“謹慎”生活を送っていた東山動植物園(名古屋市千種区)のマレーグマ『マーチン』(3歳、雄)が、8日から広い屋外運動場へ再び出られることになった。脱走を防止する壁の改修工事が完了したためだ」という。

 昨年の脱走とは、具体的には、昨年55日、屋外運動場のコンクリート壁(高さ約5メートル)の上にマーチンがよじ登っているのが見つかり、職員がデッキブラシなどを使って制止する騒ぎになったというもの。壁のつなぎ目のゴム(幅約3センチ)に爪を引っ掛けたり、壁の突起物に脚を掛けたりして器用に登ったとみられている。突起物は「平らな壁だと殺風景」との判断で取り付けられたが、ゴムや突起物を削り取り、隣接するメガネグマの運動場の壁にも同じ改修をした。

 脱走騒ぎ以降、マーチンは13平方メートルの屋内施設に収容されていた。ストレスから脚をかきむしるなどの行動がみられ、樹脂製のドラム缶で遊ばせるなどして、発散させてきたという。

 一見ほのぼのした記事だが、脱走したのは、狭い獣舎に閉じ込められた生活が嫌だったからではないだろうか?

 そもそも日本の動物園は、動物たちにとって“無期懲役の刑務所”という指摘は多い。例えば、7日付ジャパンタイムズに掲載された時事通信配信の記事によると、つい先日、こういうことがあったという。それは東京都内の「井の頭自然文化園」という動物園にいる、国内最長齢のアジアゾウ・はな子(69歳)の話。

 記事によると、昨年10月、英語のブログで、「日本にいる最長齢の、捕われの身の象は、1949年にタイから日本の動物園に連行された。そこが彼女の終生のプリズン(刑務所、監獄)になることだろう。彼女は、一人ぼっちで、狭くて、無機質で殺伐としたセメント製の檻の中で、絶望的に安心できず、刺激もないまま、ほとんど死んだように、フィギュアの人形のように突っ立っている、と記し、悲しそうな、はな子の写真を載せた。

 この投稿は、フェイスブックやその他のSNSでまたたく間に拡散し、はな子をもっと快適で、ほかの象と触れ合える新しい場所に移すよう嘆願する、30万もの署名が集まった。

 それに対し、園側は、はな子が高齢であり、移動がストレスになることや、はな子は人気があり、この動物園のシンボルであり、はな子が去れば、多くの人たちが悲しむ、といった理由で、はな子を移動させることに反対している、という。

 なお、「とらわれの野生 動物園のあり方を考える」(著者:ロブ・レイドロー、監修:山崎恵子、訳:甲賀珠紀/リベルタ出版)」には、「ホッキョクグマ、ゾウ、イルカ(シャチを含む)、大型類人猿(ゴリラ、オランウータン、チンパンジー)は、動物園にいるべきではありません。動物園では実現困難な、広大な自然空間がなければならず、多くは大家族を必要としているからです」とある。

 そして、動物園には、「5つの自由」が必要という。これは1960年代のイギリスで農場動物を保護するため提唱されたもので、以来、世界中の政府や動物関係団体によって使われるようになった指標。「5つの自由」とは、以下の通り。

1 飢え、渇き、栄養不良からの自由(栄養のある食餌と新鮮な水)

2 肉体的苦痛と不快からの自由(適切な避難場所と快適な気候)

3 苦痛、外傷、疾病からの自由(適切な手当てと獣医師による治療)

4 正常な行動を表現する自由(広く自然な空間とか豊かな環境)

5 恐怖や不安からの自由(隠れ家と動物の気持ちを尊重する飼育員)」

 この中の特に4が、日本の狭い動物園ではネックなる。無論、井の頭自然文化園、東山動植物園だけではない。商業的に成功しているとされる北海道の旭山動物園を含めた多くの動物園で、「動物のプリズン」がまかり通っている。(佐々木奎一)

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2016年01月13日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 三十四

 なお、このTHEペット法塾の交流会の終了後、ちょっとした懇親会があり、十五分程度、懇親会の参加者は会場を出たところで待つことになった。

 そのとき、佐川さんと、吉田真澄氏、それに元東京都新宿区の保健所衛生課職員・高木優治氏が、イスに座り、テーブル越しに話していた。佐川さんに対し、吉田氏は、京都市は条例上問題ない、という言い方をしており、高木氏も、吉田氏に同調し、二人して、京都市は大丈夫、と佐川さんを説得している様子だった。

 ちなみに、吉田真澄氏は、この日の話のなかで、三権分立のなかで、立法、司法は、やることが明確だが、行政は不明確でどんどん肥大化していく傾向がある、という意味のことをいい、行政が国民・住民の権利を侵害していると感じた時は、行政に対し、「それはどの法律・条文を根拠にしているのか?」と問いただしていく必要がある、今日も何人かいますが、特にこういうときは法律家が役に立つ、という意味のことを言っていた。

 この話はまさに佐川さんのケースで当てはまる。つまり、佐川さんが直面しているのは、吉田氏のいうところの行為責任ではなく結果責任である、という条例の中身とは違う解釈をしている警察や住民が、エサやり行為そのものを犯罪扱いしている。本来なら役所は、犯罪人扱いされて虐げられている住民を守るため、条例を曲解している住民、警察に対し、周知徹底する義務があるのに、それをしていない。動物を愛する弁護士なら、その不作為を指摘し、ただしていかなくてはならない。公道でエサをやるなといっている役人も、法的に問い詰めていく必要がある。

 そういう話を吉田氏はしていたのに、京都のことになると、村社会の原理が働き、何もできないどころか、逆に佐川さんに対し、京都市は問題ないと説得している始末。

 もちろん、吉田真澄氏が、公然と京都市のおかしさを追求するとなると、たしかに色んな人間関係が悪化するのは火をみるより明らか。それでも行政を追及するなら、村八分に耐えるか、京都から引っ越す覚悟が必要であろう。それは難しいのが現実。

 京都市の動物行政には、そういう村社会の原理がある。その事を示す意味で、吉田真澄氏の事例をあげた。

 なお、吉田真澄氏は、この日の話のなかで、「できるだけ動物愛護活動に携わっている方は、個々的ではなしに、全体的に、色々な形で協力し合うということが非常に重要になってくる」「小異を捨てて大同につく、この姿勢が非常に大切になってくる」、2000年に、東京の団体に招かれた折、動物愛護団体は、(団体同士が)非常に仲が悪い、そのような状態ではだめだ、小異を捨てて大同につかなければならない、と言って講演をはじめたことがあるが、ここにおいても同じことをまた申し上げなければいけないのは残念、という意味のことをと語っていた。

 筆者は、昨年2月に都内で開催した動物愛護イベントでも、500人以上の聴衆の前で、吉田氏が全く同じ話をしていたのを聞いたことがある。なので、この言葉は、何十年も動物愛護行政の改善に取り組んできた吉田氏の、後世へのメッセージという気がしている。

 吉田真澄氏は、京都市の野良猫エサやり禁止条例については、ポジション上、今後も相談に乗れないと筆者は思うが、いうまでもなく、京都以外の動物愛護にまつわる問題については、頼もしい弁護士である。

 何がいいたいかというと、筆者は動物を愛する人たち同士で仲たがいをするのを望んでいるのではない。事実は事実として、こと京都市に関しては、吉田真澄氏は前述のとおりの状態なので、そのことは把握しておかないと、惑うことになると思うので記した次第。

 (続く)

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2016年01月12日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 三十三

 筆者は、昨年1120日に、既述の京都市で地域猫活動を続けている佐川久子さんや、佐川さんと手分けしてエサやりをしている主婦二人に取材し、夜のエサやりにも同行した。エサやり禁止条例の施行後の、驚愕の実態は追って詳報するが、1121日のTHEペット法塾の交流会の席で、佐川さんは、「京都市条例制定後の猫の餌やりの状況について」と題する報告をしていた。

 それによると、エサやり禁止条例の罰則が適用されて間もない201510121930分頃、エサやりをしている佐川さんの仲間に対し、近隣住民が「猫が大事だったら持って帰れ」「餌をやるのは条例でダメだと(京都市が)言っている。条例違反なので警察を呼んだ」「餌やりは悪いことだ」と罵った。

 既述のように、佐川さんらは、エサやりをした後の後片付けをキチンとしている。トラブル要因である置きエサ・撒きエサで人々に迷惑をかけているわけではない。

 それなのに、条例違反の犯罪者扱いされて、警察を呼ばれた。

 その後、警察官がやってきて、「餌をやったらいけない条例がある」「路上で餌やりをすることは、地域住民の了解がないと、餌やりは出来ません」「町内の方が納得しないことをする事が、間違っている」などと言ったという。このとき佐川さんは、警察は条例について間違った解釈をしている、と思った。

 その一週間後の1019日の午前6時過ぎには、以前から「猫に餌やるな」と罵声を浴びせる住人が、竹ぼうきを振り回して「餌をやるな」と威嚇してきたという。

 このことに不安を感じた佐川さんは、京都市保健医療課の動物愛護担当の獣医師の職員と面会をした。その席で、佐川さんは「もし条例で京都市が餌をやることを禁じた時、野良猫はどうするのですか?」と問うた。すると、その獣医師は「どうもしません」「虫でも食べて生きていくでしょう」と返答したという。

 また、「京都市は、道路上での餌やりを禁止し、事実上の餌やり禁止条例にして、私たちや野良猫を苦しめています。恐怖、不安をもってエサをやっている人はたくさんいると思う」と語っていた。

 道路、つまり、公道でエサをやるな、エサやりは、権限のある私有地、つまり、自宅でやれ、というわけだ。

 それにしても、公道で野良猫にエサをやってはいけない、自宅でエサをやれ、というのなら、筆者の住む横浜市栄区で地域猫活動をしているご婦人たちも、おそらく100%アウトであろう。無論、横浜だけではなく、全国いたるところで地域猫活動ができなくなってしまう。

 (続く)

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原発プロパガンダ「讀賣新聞」 敗戦、占領下 十一

 この「原子力講演と映画の会」という読売新聞社主催のイベントの社告のでた翌月、194972日には、そのイベントの講演者の一人に名を連ねる東大助教・吉川春寿の手記が出た。タイトルは「原子力と癌 原子医学の現状 放射性同位元素の新品」。

 そして、その翌月819日に、にわかに、こんな告知が出た。

 それは点線の四角囲みで、「原子力文明」とあり、こう告知している。

 「読売新聞社科学部編(近刊)時代の寵児『原子力』について、理論と実際の両面から、現代および将来にわたって興味深く説いてある。電車のなかでも、ねころんでいても気らくに読める手ごろの科学解説書(八〇円、高山書院刊)」(写真)


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 要するに、自分のところで出す本の広告である。それにしても、讀賣新聞による、電車のなかでも、ねころんでいても読める原子力の解説書とは、一体どんな本なのか――。

 そこで通販サイト・アマゾンで売っているかもしれないと思い調べてみると、該当する本はヒットした。が、タイトル「原子力文明(1949) 古書」とあるが、本の表紙の写真すらなく、「この本は現在お取り扱いできません」となっている。

 一体どんな本なのか。さらに調べてみると、国会図書館で読めるようなので、行ってきてた。

 その本の表紙は、右下に「高山書院」、左上に「讀賣新聞科学部編 原子力文明」とあるのみのシンプルの極致のデザイン。(写真)


原子力文明  表紙.jpg


 冒頭の「はしがき」は、こうはじまる。

 「原子力の発見は、熱源としての太陽がもつ秘密の発見である。二十世紀文明は、原子力を中心としてくりひろげられるにちがいない。

 原子科学の理論は、もちろん、原子力の本質を知るに必要であるが、原子力に直接関係があるのは、実験物理学における原子核の研究である。原子核の研究は、ベックレルが一八九六年ウラニウムの放射線を発見したときに」云々と続き、「一九三三年にはアメリカのローレンスによって原子核破壊実験装置としてのサイクロトンがつくられ、ついに原子爆弾の発明にまで発展した。

 この間僅か五十年、この原子力知識の発展に信頼するならば、近い将来における原子力の平和的利用に刮目すべきものあるは、論をまたないであろう。発電に、交通機関に、医学に、家庭燃料に、農業に、その実用化は、すでに時日の問題となっている。特に工業への活用は、かつての産業革命も及ばない大規模なものとなり、それによる生産力の発達は、人類の思想と生活に大きな変革をもたらすであろう」

 と、夢がかたられている。

 (続く)
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2016年01月11日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 三十二

 そして、吉田真澄氏は、こう語った。

 「京都市の条例をつくった人、といってよいと思います。この人とお目にかかって、条例の中身をいちいち点検していきました。法律家という視点からして、読めるのは、どうだ、と。すると、京都市は、もともとは、エサやり行為そのものに対して、規制をつくるということをベースに考えていた、ということで、そう新聞にも書かれていましたが、条例は、縦からみても、横からみても、どこからみても、そうはなっていない。つまり、結果責任。それによって、周辺環境を悪化させる、という状況が出てくれば、それに対しては罰則の対象にする、こういうことになっていたわけです。

 それで私が、『これは行為責任ではなしに、結果責任ですよね?』と確認をしたら、担当者は、かなり青い顔をして、そのあとは、言葉もほとんど出なかった、という状況でした。

 京都市のこの条例は、もともとはエサやり行為そのものを規制の対象にし、それについて何らかの状況があれば罰則をと、こういうことを考えていたようですが、私が指摘をしたことに基づいて、これは結果責任以外には無理だ、という判断をせざるを得なかった、そこだけは実は私がたしかに、かかわりをもったといえば、かかわりをもったところであります」

 これが事実とすれば、たしかに、京都市は、条例成立後に市民に告知したパンフレットや市民しんぶん、KBS京都(京都放送)のCMで、表向きは、「餌やりは周囲に迷惑をかけないようにしましょう」「条例では、野良猫に餌を与えるときは周辺に迷惑とならないよう適切な方法で行うことを定めています。野良猫への適切な餌のやり方の基準を守り、周辺の皆様の理解も得られるよう、お願いします」「残飯ごみの放置や周囲に悪影響を及ぼすえさやりをしない」「えさやりにも周囲への思いやりが必要」「餌やり 迷惑をかけない。ふん尿の始末などを」と言ったフレーズを流していた。それは、あたかも、置きエサ、撒きエサという、明らかにトラブルになるエサのやり方でなけば問題なし、というニュアンスだった。

 このように京都市が、置きエサで近隣に迷惑をかけなければ、野良猫にエサをやってもオッケィーであるかのように表向きはなったのは、吉田真澄氏の話が事実なら、吉田真澄氏が、この条例の罰則対象は、行為責任ではなく結果責任である、と釘を刺したことが功を奏したことになる。そうであるならば、そのことについては、野良猫たちも一定の評価をしているかもしれない。

 だが、この直談判をしたという話の直後に、吉田真澄氏は、こう語った。

 「それ以外のことについては、あまりにも私は、京都では、私は、申し上げたように、色んな関係があるので、私の発言というのは、非常に重要なものになってくるはずだから、できるだけこれについては、公の場では、唯一、植田先生のその会合で、この条例はあまりできがよくない、という話はした、と記憶をしておりますが、それ以外は特にはやってこなかったというわけであります」

 つまり、京都市については、色々な人間関係が濃厚にあるので、言えない、もの申せない、というわけ。京都村の動物行政のなかで重要な立場としての人間関係があるので、波風立つことは言えない、ということであり、これはまさに、京都市役所という権力との良好な関係を維持しようとするばかりに反対できない、という、村社会特有の事情が働いていることを、正直に吐露したことになる。

 では、条例ができたあとの現実はどうかといえば、事態はまさに、猫エサやり禁止条例“発動”の様相を呈しているのである。

 (続く)
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2016年01月10日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 三十一

 その席で吉田真澄氏は、動物愛護行政の歴史を話したあと、全国で、以前よりは整備が行き届いた施設である動物愛護センターができてきている、と述べた後、こう語った。

 「色々と今日の話のなかでもでてきた、京都の動物愛護センターというのも、一連の(全国的な)流れのなかで出てきたものだ、というふうに理解をしてよいと思います。そして、京都の場合には、今日の一つの重要なテーマであった、野良猫へのエサやりというものが非常に重要な対象になっている条例というものができ、それが効力をもつ施行された時と、おおむね、この京都動物愛護センターの開所が重なったものですから、『どうも、ウサンくさい』というような言い方がされているということではないか、というふうに思っております。

 さらにいえば、私個人では、私がこの条例の中身を決めるについて、深くかかわったのではないか、という、そういうウワサが一時流れた」

 つまり、全国一ともいわれる動物愛護センターというアメダマと引き換えに、エサやり禁止条例という痛すぎるムチが導入された、そして、その条例の作成に、動物法の権威である法律家の吉田真澄氏は深く携わった、このように巷では疑いの目で見られているというのである。

 次いで吉田真澄氏は、こう語った。

 「私はもちろん京都市の議員あるいは職員のことは比較的よく知っている立場にはあります。それで、たまたま植田先生の会で2月に京都市の条例をテーマにした集会があり、そこで私が基調講演を頼まれて話をする、ということになった」

 これは前述した27日の集会である。

 なお、この時点では、京都市の条例の条文は明らかになっていなかった。その後、議会に正式に提出されて可決成立し、その後、京都市は条例の施行規則等をつくった。こうして形が鮮明になっていく中で、吉田氏は、京都市の条例をつくった中枢の人物と会ったという。

 (続く)

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2016年01月09日

京都市“猫エサやり禁止条例”ができるまで  エサやり禁止プロジェクトチーム 三十

 感じる、というよりも、実際に吉田真澄氏は、そういう意味合いのことを、自ら言っている。

 吉田氏が公の場で、京都市の野良猫エサやり禁止条例について発言しているのを初めて筆者が見たのは、201527日のこと。この日、THEペット法塾が急遽、「京都市・野良猫餌やり禁止条例と野良猫保護――今みんなで考える問題・猫餌やり禁止 新しい形の殺処分――」と題する緊急集会を、京都市内の池坊短大で開催した。

 その集会の冒頭、吉田眞澄氏は、こう語った。

 「本来的にいえば、京都市が、あるいは京都市民が、この問題について、自分達が一体いかように考えればよいのか、ということを、真っ先に、この種の会合をつくって議論するのが、良い形ではないか、というふうに思っていましたが、なかなか、そういうことに手を上げる組織がない、ということは、京都市にとって残念なことであります。他方で、この会を、先頭に立って開催したTHEペット法塾、とりわけ、植田代表には、心から敬意を表するものであります」(写真は吉田氏。同集会にて)


吉田氏.JPG


 そして、吉田氏は、「私は京都市民であります。生まれも育ちも京都であります」といい、これまで京都市が「動物愛護推進計画」をつくり、理想的な「動物愛護センター(仮称)」を建設することに決め、さらに世界的にも珍しい「京都動物愛護憲章」を定めたことに、誇りと期待をもってきたが、もしこの条例(野良猫餌やり禁止条例)ができてしまえば、京都は日本のなかでも、かなり突出してペットの受け入れの門の狭い街になる。そうすると、京都に動物が入ってくると、(住民から)奇異の目で見られる。はっきり言ってそれが一番怖い。そういう目があれば、果たしてここで安らかに動物たちが散歩することができますか?答えはノーであります。およそヨーロッパの様々な街と比べれば、京都は“非常に異様な街”だとヨーロッパの人たちに思われる。そして、日本人にさえ、「自分たちの街と京都の街は違う」と思われる、と懸念を吐露した。

 そして、野良猫の餌やりが悪いことだと思っていません。構造的にいえば、一番悪いのは、その猫を遺棄した人であります。遺棄は、いうまでもなく犯罪です。京都市は、遺棄をする人については、何も触れていない。これは野良猫の問題を根本的に解決しようという姿勢がない表れ、と痛烈に批判した。

 ことの成り行きに不安をおぼえる人々にとって、この吉田真澄氏の発言は心強かったに違いない。

 その後、野良猫エサやり禁止条例が成立した後、THEペット法塾は、2015326日に東京の参院議員会館で集会を開いた。このとき、代表の植田勝博・弁護士は、野良猫エサやり禁止条例について、吉田真澄氏とは意見が合わなかったため、今回は吉田先生は参加しない形となった、という趣旨の説明をたしかちらっと言っていた。

 その後も、THEペット法塾の東京の集会があったが、やはり吉田真澄氏は参加していなかった。

 だが、前述した20151121日にTHEペット法塾が大阪市内で開催した「動物問題交流会」に、久々に吉田真澄氏が来ていた。

 (続く)

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2016年01月08日

離婚した男の、子どもとの「面会交流」の実態

 平成二十七年十二月二十一日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」記事 


 「離婚した男の、子どもとの「面会交流」の実態」


 を企画、取材、執筆しました。



 けさの毎日新聞に「離婚後も続く『親子』 子どもの視点必要」という記事がある。それによると、横浜市の商社経営・清水知行さん(32)は前妻と憎しみ合い、口を開けば悪口ばかりの関係となり2011年に離婚。離婚協議では長男との面会を巡り対立し、親権を持つ前妻は「子どもにはもう会わせたくない」とかたくなだったが、清水さんは「父親は自分一人しかいない」と説得し、前妻も納得。こうして長男との面会を重ねるうちに、前妻から声がかかり、運動会など保育園のイベントにも「パパ」として顔を出すようになった。双方、再婚し、今年は互いに新たに子どもも産まれる中で、長男との親子関係は続いているという。

 だが、こういう親子ばかりではない。日本では近年、離婚数は年間20万件以上で推移している。(直近の2013年度は231,383件)。同年の結婚数は660,613件。離婚率は35%、実に3組に1組は離婚していることになる。しかも離婚したうち、子どもがいるケースは135,074件(58%)に達する。そして、親権を持つのは実に84.2%が妻である。

 そうした中、切実に子どもと会いたがっている父親は多い。例えば、離婚した元プロ野球選手の清原和博は、ブログに、「久しぶりに 息子達3人で 焼き肉を食べた あっと言う間に 時間が過ぎた」「別れ際に 最後まで手を振る 2人に涙がでた」、「昨日は久しぶりに 息子と3人でご飯たべた その後 ひとしきり泣いた」「息子が使ってたグラブを見て 今日も1日 生きよう」といった哀愁漂う文面をつづっている。清原は、「息子の存在がなければ、この世にはいなかった」とテレビで打ち明けたこともあり、子どもが人生の支えとなっていることがわかる。

 離婚して親権を渡す多くの父親は、清原のような心境になる。もしも、清原のような父親が、子どもと会えなくなってしまうと、徐々に人格が壊れていくことが多く、最悪の場合、子どもと無理心中をはかってしまう。

 それほど深刻な状況にもかかわらず、世の中には、子どもを連れ去り、父親が「子どもに会いたい」と言っているのに、面会交流をさせない、というケースもある。

 例えば20121029日付AERAの記事「『連れ去り』容認する司法 『子に会えぬ』現役副市長が実名で告発」によると、「栃木県那須塩原市副市長の渡邉泰之氏(39)は、2年前から5歳になる一人娘と一度も会えていない。2010年春、妻が突然、実家に長女を『連れ去』ったためだ。教育方針などをめぐり、妻とは意見がすれ違っていたという。それでも当初は何度か娘に会えていたが、やがて身に覚えのないDVを受けたと裁判所に訴えられ(後に相手方が取り下げ)、以降も様々な理由から、面会がかなわなかった」と訴えている。

 記事では、「夫婦が別居や離婚する際、一方の親が子を連れ去ってしまう『連れ去り』が近年、社会問題化している。子を連れ去ってでも面倒を見続けた方の親に対し、裁判所が監護者の地位を認めることが圧倒的に多かったからだ」という。ここでいう「監護者」とは、子どもを養育する権利と義務である。つまり、連れ去って親になるというわけ。

 なお記事では、「親に会えなくなった子どもは、両親に育てられたり、離婚後も両方の親に会っていた子よりも『自己肯定感』が低くなるという調査結果もある。たとえ離婚しても、両方の親が子育てにかかわるべきだというのが最近の潮流だ」とある。

 子どもを連れ去る、という日本の“悪しき風習”は、国際問題にもなっている。19日付のジャパンタイムズによると、国際結婚後に海外で離婚した日本人が、海外から子どもを連れ去るケースが相次いでおり、“子ども誘拐”の“ブラックホール”として、日本は海外で有名という。

 しかも、日本も締結しているハーグ条約という国際条約では、親権をどちらにするかはもともとの居住地で判断することになっているため、勝手に日本に連れ去るのは違法なのだが、日本の裁判官の多くは、連れ去った親を合法とする判決を下す。また、違法との判決が出ても、母親に子どもの居場所を12か月間隠すよう、弁護士がアドバイスしたりする。そうするよう助言しているウェブサイトもある。1年面倒をみれば、「監護者の地位」を認められるケースが多いためだ。

 そんなわけで、海外から日本に連れ去られた子どもの返還率は3%でしかないという。

 この不名誉な因習をただす必要がある。(佐々木奎一)
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2016年01月07日

党利党略と新聞利権の産物「自公の軽減税率」

 平成二十七年十二月二十五日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」記事 


 「党利党略と新聞利権の産物「自公の軽減税率」」


 を企画、取材、執筆しました。



 けさの朝日新聞に「池上彰の新聞ななめ読み 新聞への軽減税率適用 重み増した報道の責任」という記事があり、こう書いている。

 「20174月から消費税が現行の8%から10%に引き上げられます。これについて朝日新聞1217日付朝刊は、次のように報じています。

 〈最大の焦点だった174月の消費税率10%引き上げ時に導入する軽減税率は、酒類と外食をのぞく食品全般のほか、週2回以上発行する新聞を定期購読する場合の税率を8%に据え置く。法人実効税率は現在の3211%から、16年度に29.97%に引き下げ、企業の負担を軽減する。来夏の参院選を意識する首相官邸の意向が色濃く反映された内容となった〉

 さて、ここで『来夏の参院選を意識する首相官邸の意向』とは、何を指すのでしょうか。食品全般を軽減税率の対象にしたことでしょうか、『週2回以上発行する新聞を定期購読する場合』も参院選を意識しているのでしょうか。

 安倍政権は、新聞に軽減税率を適用することで新聞社に恩を売った。そう受け止めている読者も多いはずです。新聞社は、安倍政権に対し、新聞に軽減税率を適用するように要請していました。頼みを聞いてもらったら、相手から何らかの見返りを要求されること、よくありますね。安倍政権は今後、新聞報道に対し、見返りを要求することはないのか。あるいは、それを仄(ほの)めかすことはないのか。(中略)もちろん現場の記者に、そんな意識はないでしょうが、編集幹部なり経営幹部なりが安倍政権の意向を忖度(そんたく)して指示を下す……。こんなことは考えたくもありません。(中略)

 同日付の紙面で、朝日は日本新聞協会の白石興二郎会長(読売新聞グループ本社社長)の談話を掲載しています。

 〈新聞は報道・言論によって民主主義を支えるとともに、国民に知識、教養を広く伝える役割を果たしている。このたびの与党合意は、公共財としての新聞の役割を認めたものであり、評価したい〉

 新聞協会は、軽減税率に関する与党合意を評価しています。これは新聞に軽減税率を適用することに対する評価でしょうが、これでは、軽減税率全般に関する批判的報道はしにくくなるのではないでしょうか。

 今回の軽減税率は、安倍政権が公明党に配慮して決断したと指摘されています。来夏の参院選で公明党の選挙協力が欲しいからだと。そんな批判を、今後新聞は書けるのでしょうか」

 このように指摘している。

 そもそも新聞社は、ただでさえ記者クラブ制度により言論統制されている上、秘密保護法により、一層萎縮圧力が強まっているというのに、今後は、「軽減税率を外すぞ!」と脅され、さらにさらに萎縮することが容易に予想される。これのどこが、「新聞は報道・言論によって民主主義を支える」姿なのか。

 ちなみに、公明党にとって新聞の軽減税率といえば、支持母体・創価学会の信者たちが定期購読している聖教新聞である。聖教新聞は税抜きで1790円。それが消費税10%になれば1,969円。8%に据え置けば1,934円で、毎月35円、年間420円の差がある。この小さき利権で歓心を得ようようというわけ。

 また、池上氏は「来夏の参院選で公明党の選挙協力が欲しいから」、軽減税率を安倍政権が認めた、と書いているが、これは参院選だけではなく、「衆参ダブル選」での協力が欲しいためだという指摘を1215日付のジャパンタイムズはしている。

 今月はじめ、自民党の幹部から衆参同日選挙の可能性がある、との発言があり、波紋を広げた。このとき、公明党の山口那津男代表は「衆参ダブルは望ましくない」「衆参共に選挙区と比例区がある非常に複雑な選挙で、有権者に党名や候補者名を徹底する大変なエネルギーがいる。(自民、公明両党の)選挙協力の点から決して得ではない」と指摘した。(123日付朝日新聞夕刊より)要するに、ダブル選は、集票マシーンである創価学会の信者の負担が重過ぎる、だからやりたくない、というわけ。

 そうした中、安倍政権は、軽減税率で公明党の言い分を丸のみした。その見返りとしての衆参ダブル選という洞察である。ダブル選で自公が勝てば、憲法改正が現実味を帯びてくる。

 自公の軽減税率は“党利党略”と“新聞利権”の産物である。(佐々木奎一)
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2016年01月06日

自公の「軽減税率」で奈落に落ちる低所得者

 平成二十七年十二月十八日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号の「朝刊ピックアップ」記事 


 「自公の「軽減税率」で奈落に落ちる低所得者」


 を企画、取材、執筆しました。



 今日の朝刊は休刊。昨日の朝刊各紙は一面トップで一斉に「軽減税率 食品全般で合意 消費税増税時 財源1兆円規模」(読売新聞)、「軽減税率 外食除く 自公『1兆円』決着 財源明示は先送り」(毎日新聞)といった見出しで報じている。

 それによると、自民、公明両党は12日、消費税率を10%に引き上げる際、現在の8%に据え置く軽減税率の対象品目について、酒類と外食を除く、食品全般(生鮮食品・加工食品)にすることで合意した。「軽減税率に必要な財源(※筆者註:消費税増税で見込んでいた財源から軽減税率により減った分の財源)は、消費増税に伴う低所得者対策分の4千億円を振り替えると決めたが、残る6千億円のめどは立っていない」(朝日新聞)という。

 ちなみに、この財源4千億円の「低所得者対策」とは、「総合合算制度」を指す。総合合算制度は、「医療・介護・保育などにかかる家計の過重な負担を軽減するため、自己負担の合計額に上限を設け、超過分を国が負担する制度。20128月に成立した消費税増税法には、消費税の逆進性を和らげるため低所得者対策の一つとして検討が明記されている。財源は年4000億円を見込む。自己負担の上限は年収の一定割合とし、自己負担額の把握には社会保障と税の共通番号(マイナンバー)を活用する」(時事通信より)

 なお、法律に明記されているというのは、具体的には、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法」の、第七条に、「消費課税については、消費税率(地方消費税率を含む。以下この号において同じ。)の引上げを踏まえて、次に定めるとおり検討すること」とあり、こう書いてある。

 「イ 低所得者に配慮する観点から、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(中略)の本格的な稼動及び定着を前提に、関連する社会保障制度の見直し及び所得控除の抜本的な整理と併せて、総合合算制度(医療、介護、保育等に関する自己負担の合計額に一定の上限を設ける仕組みその他これに準ずるものをいう。)(中略)の施策の導入について、所得の把握、資産の把握の問題、執行面での対応の可能性等を含め様々な角度から総合的に検討する」

 この「総合合算制度」を削って軽減税率を導入するというわけ。

 いうまでもなく、今回の軽減税率を執拗に主張してきたのは公明党である。

 その公明党の井上義久幹事長は昨日の会見で、「軽減税率に必要な財源」について、「社会保障といえども、重点化や効率化は常にやらねばならない課題だ。そういうことを含めて安定財源をきちっと確保する」と述べている(日本経済新聞より)。つまり、年金・医療・介護の支出をカットしようというわけ。

 そもそも公明党は、これまで軽減税率について、「低所得者ほど負担感が重くなる逆進性や消費者の痛税感を緩和し、消費税の引き上げに対する国民の理解を深めることだ」(井上幹事長、1026日付公明新聞)、「低所得者ほど負担感が重くなる逆進性を緩和する視点が重要だ」(山口那津男代表、116日付同)、「Q なぜ軽減税率導入が必要か。A 一つは、所得が低い人ほど負担感が重くなる逆進性を緩和するためです。低所得者は高所得者よりも、家計の消費支出に占める食料費の割合(エンゲル係数)が高くなります。その負担感を軽くするために、食料品の税率は抑える必要があります」(Q&A1124日付同)などと、「低所得者のため」と繰り返してきた。

 それがあろうことか、この軽減税率による、消費税増税分で見込んでいた財源の埋め合わせとして、「低所得者対策」の「総合合算制度」に必要な財源「4千億円」を丸々充てることを決定したのだから、度し難い。

 総合合算制度については、宮本太郎・中央大教授が、125日付毎日新聞朝刊で、こう指摘している。「総合合算制度とは、医療、介護、障害、保育の自己負担分について上限を設けようというものである。医療費の窓口負担、介護保険や障害者福祉サービスの利用者負担、保育料負担は増大傾向にあるが、その総額について、たとえば世帯所得の10%といった上限を決め、それを超える分は公費負担とする。(中略)

 医療などの自己負担および社会保険の保険料は、消費税以上に逆進性がはっきりしている。そして今日の困窮は、病気、障害、高齢者や子どものケアなどの要因が連鎖しつつ深刻化する傾向がある。(中略)

 総合合算制度は、こうした世帯に支援を集中できる仕組みであった。また、今年度にスタートした生活困窮者自立支援制度との組み合わせも期待できた。すなわち市町村が取り組む自立相談支援事業を通じて、困窮者を適切な医療、障害者支援、保育のサービスにつなげることができれば、生活保護の手前の段階での就労支援も効果をあげうる」

 このように低所得者を支援する制度を廃止する公明党は、事実は「低所得者」を奈落の谷に突き落とすような悪政を行っているに等しい。

 もちろん、総合合算制度以外に削除できる財源がないわけではない。

 例えば、1026日付の当コーナーで記載した通り、大雨時に役に立たないダムに毎年2000億円を支出している。そのなかには総額1兆円の八ッ場ダムも入っている。また、たったの120メートルの建設に47億円もかかるスーパー堤防よりも安価で効果的な方法がある。

 ほかにも需要の少ない高速道路やハコモノ、港湾鉄道など、今年度の国の公共事業費は59711億円に上る。

 また、1019日付の当コーナーで伝えたように、ノーベル経済学賞ディートンは対外援助は、無駄なばかりか発展途上国の政治をっかさせるだけだ、と批判しているが、日本の今年度のODA予算は5,422億円に上る。また、存在自体が無駄といわる、高速増殖炉もんじゅの維持費は今年度197億円に上る。ほかにも無数にある天下り先の人件費に、補助金、委託費として血税が注がれている。

 これらを見直せば、食品の税率は8%よりももっと下げることができる。(佐々木奎一)


 ※法律条文の個所を加筆した。

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2016年01月05日

満州事変、真珠湾攻撃にみる、戦争モードへシフトの常套手段

201613日に掲載した記事「2016年 国内政治編 壊憲の有無を決する今夏の国政選挙」のなかで、筆者は、こう書いた。

 「日本国内でテロが勃発したり、南シナ海や尖閣諸島で、同盟国や日本と、中国との間で紛争が起こり、国民がパニック心理に陥った場合、自公維政権は、それを機に、他国への武力行使や核武装の必要性を訴え、平和憲法を消す憲法改正を発議することだろう」

 ここでいうテロや中国との紛争というのは、不測の事態だけではない。テロリストを泳がせて、わざと日本国内でテロを起こさせたり、工作員がテロリストの仕業とみせかけた工作をしたり、日本国民には秘密のまま、中国を挑発し紛争に持ち込み、日本国民をヒートアップさせ壊憲へと駆り立てる、という事態が歴史を振り返ると有り得る。

 例えば、日本の敗戦にいたる戦争の始まりである「満州事変」。

 これは日本の関東軍が1931年(昭和6918日午後10時半、中国の奉天郊外の柳条湖村で満鉄線路を爆破、これを「中国の張学良軍の仕業」と称して軍事行動を起こした。(「日本大百科全書」より)

 そして、翌日の当時の大手二紙(朝日新聞と東京日日新聞(現毎日新聞))は、軍の発表をそのままタレ流し、奉天軍(中国軍)が攻撃してきたので日本が反撃して交戦、という記事を載せた。その後も、号外ラッシュで戦況を報じ、国民の戦争熱を煽った。陸軍の謀略により、日本は、一夜にして戦争モードとなった。

 なにしろ自公野合政権は、「ヒトラーに学べ」と公言して実践する政権なので、「関東軍に学べ」と言って実践しても、何ら不思議はない。(写真は、柳条湖事件の翌日の二紙の朝刊より。「奉軍」「奉天軍」とは中国軍のこと)

  

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東京日日新聞19310919朝刊.JPG




 アメリカでも似た事例がある。それはアメリカを戦争に導いた「真珠湾攻撃」である。

 真珠湾攻撃とは、1941年(昭和16128日午前320分(現地時間7日午前750分)、日本海軍の機動部隊が、ハワイのオアフ島真珠湾にあるアメリカ太平洋艦隊の基地に加えた奇襲攻撃。この攻撃時に、日本側は交渉打ち切りの最後通告をアメリカ側に手交してもおらず、そのため日本のだまし討ちとされた。アメリカ議会は同日1票を除き全会一致で対日宣戦布告を可決。太平洋戦争開始のきっかけとなった。(「日本大百科全書」より)

 この真珠湾攻撃について、アメリカ陸軍参謀総長アルバート・ウェデマイヤー将軍は自著「ウェデマイヤーは報告する!」のなかでこう書いている。

 「真珠湾攻撃の前日、日本の暗号文を解読した結果、ルーズヴェルトは奇襲を事前に知っていた。大統領顧問が予防措置をとるよう進言したが、ルーズヴェルトはその必要なしと答え、『民主主義のためには、立派な記録を残せるよう事態の進展を待たなければならない』と語った」

 また、イギリス首相ウィンストン・チャーチルの自著「大同盟」には、こうある。

 「ルーズヴェルトは、中立を守っているアメリカを戦争に介入させるよう強く望んでいた。しかし彼はその方法を知らなかった。そのため日本軍の真珠湾攻撃は、アメリカ国民全体を一致団結させ、ルーズヴェルトの戦争介入の責任を大きく軽減させたのである」(両書は「東京が壊滅する日 フクシマと日本の運命」(著:広瀬隆/ダイヤモンド社)より孫引き)

 つまり、当時のアメリカ大統領ルーズヴェルトは、わざと日本軍を泳がせて真珠湾で奇襲攻撃をさせ、アメリカの世論を一気に戦争突入に持っていった。

 当時のアメリカと、平和憲法をもつ今の日本は、戦争に参加しない、という点で状況は似ている。

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2016年01月03日

2016年 国内政治編 壊憲の有無を決する今夏の国政選挙

 平成二十八年一月一日付、のauのニュースサイト


  EZニュースフラッシュ増刊号


 「あのニュース今年はどうなる 国内政治編」の記事 

 「壊憲の有無を決する今夏の国政選挙」

 を企画、取材、執筆しました。


 2016年の国内政治の注目日程は、ズバリ、夏に行われる参院選である。

 この選挙は、自公政権側の視点に立ったシナリオ、野党サイドのシナリオが、いくつか考えられる。

 シナリオ1は、衆参同日選挙である。これは当コーナー1113日付で詳述した通り、衆院の任期は201812月までだが、20174月に予定されている消費税増税が実施されれば、国民の激しい反発により、解散は難しくなることが予想される。

 そうすると、衆院選は今夏の参院選に合わせてくるというのが有力になってくる。

 シナリオ2は、参院選のみ実施するパターンである。

 重要なのは、シナリオ12いずれにしても、焦点は、憲法改正である点だ。つまり、憲法九十六条にある憲法改正の発議には、各議院の総議員の三分の二以上が賛成した上で、国民投票で過半数の賛成が必要とする。その「衆参の総議員の3分の2以上」を、自公政権プラスアルファの改憲勢力でとれるかどうか。これが与党の判断基準となる。プラスアルファというのは、橋下徹氏のおおさか維新の会等である。

 シナリオ1で自公維が衆参で3分の2以上を確保すれば、衆院の任期は2020年夏までとなる。つまり、東京オリンピックイヤーと重なる。すると、お祭りムードのなかで、衆院選の勝算を立てて、じっくりと時間をかけ地ならしをした上で、20182019年辺りに憲法改正を仕掛けてくることが考えられる。しかも、その間、もしも日本国内でテロが勃発したり(もしくはテロリストを泳がせてテロを誘発したり、工作員がテロリストの仕業とみせかけた工作をしたり)、南シナ海や尖閣諸島で、同盟国や日本と、中国との間で紛争が起こり(もしくは日本国民には秘密で中国を挑発して紛争を誘発して)、国民がパニック心理に陥った場合、自公維政権は、それを機に、他国への武力行使や核武装の必要性を訴え、平和憲法を消す憲法改正を発議することだろう。

 安倍官邸が軽減税率で公明党の要求を丸のみしたのも、衆参同日選への布石である。つまり、自民党幹部連が衆参同日選を口にしはじめたとき、公明党は集票マシーンである池田大作教団の信者たちの負担を懸念し、衆参同日選に否定的な発言をしていた。そのタイミングで、ちょうど自民幹部たちがしぶってた公明党のいう軽減税率を、官邸は受け入れた。要するに、安倍晋三首相は、公明党に対し、「貸し」をつくった。衆参同日選を決行するとき、今度は公明党に無理をのんでもらいますよ、という「貸し」である。軽減税率の実現と引き換えに、日本国憲法が改憲され破壊される、という党利党略の取引である。

 シナリオ2の参院選のみ行われた場合はどうか。参院は現状、自民が115(議長含む)、公明20で計135と、3分の2の「162議席」を下回る。ただし、改憲に前向きな維新、次世代の党、新党改革の野党勢力を合わせると、現状で150議席を超えているので、今夏の参院選後の3分の2以上は十分見込める。(参考:1553日付日本経済新聞朝刊)

 ただし、その場合、衆院選の任期が201812月までとなるので、20174月予定の消費税増税後の改憲発議は、衆院選に不利と判断する可能性が高く難しい。となると、9条改正の改憲発議は、今年後半から来年初めくらいしか、選択肢はなくなる。するとテロなどの不測の事態でもない限り、国民投票で却下される可能性が高い。そのため、自公維側は、手始めに、憲法に「環境権」を加えるといった、当たり障りのないもので、改憲の先例をつくることだろう。この場合、その後の衆院選で、与党で3分の2を維持できるかは未知数。つまり、野党が党勢拡大すれば、平和憲法をなくすための憲法改正は、立ち消えになる。

 次に野党の視点でみてみよう。シナリオ3は、野党第一党の民主党が党名を変えるパターンだ。すでに民主党執行部内では、党名を変えないと選挙を戦えない、という共通認識はできているといわれる。あとはいかに党内の軋轢なく党名変更ができるか、はかっている状態。党名が変われば、党の綱領も当然変わる。綱領で自公維の改憲勢力に対峙するスタンスを明確に打ち出し、党名を、立憲民主党、立憲自由党といった、憲法を護ることを国民に知らしめる名にすれば、改憲阻止につながっていく。

 ただし、そうなるには、共産党との緊密な協力が不可欠である。そもそも衰退する野党の中で、党勢拡大を続けているのは、共産党だけである。全国の比例の投票数でみると、共産党は、12年の衆院選での368万票(千以下の端数切り捨て、以下同)から、13年参院選515万票、14年衆院選606万票と、うなぎ昇りだ。その間、自民党の補完勢力である宗教政党の公明党は、700万票台で推移し、直近の14年は731万票。昨年の安保法制の国会審議以降、共産党の主張への共感は拡がっており、公明党の平和の看板は地に落ちていることを鑑みると、次の選挙で共産党が公明党を凌ぐことも十分あり得る。

 そうなると、これまで一人区で自民党は、公明票の上積みで競り勝つことが多かったが、その公明票分を共産党が相殺してお釣りがくる状況なので、一気に政権交代も視野に入ってくる。14年の衆院選の比例の票数でみると、自公合わせて2497万票。他方、野党を合わせると2821万票。野党が結集すると、すでに自公を凌いでいる。もっとも、14年時点では維新の会の838万票が野党に換算されている。このうち、旧みんなの党の多くが野党に残るとしても、仮に旧維新の票のうち6割が与党にいくとすると、自公維で3002万票。一方、野党は2318万票となる。そこから、安保法制、改憲への国民の反対の意思、脱原発の意思表示、民主党の党名変更、共産党とのタイアップを加味すると、いい勝負となるのではないか。そうなると、与党は、ダブル選挙に打って出れなくなる。

 つまり、シナリオ3になった場合、今年の衆院選の芽はなくなることだろう。そうなると、前述のように、当面の改憲は難しい情勢となる。

 シナリオ4は、民主党が何もかわらないまま、“共産アレルギー”により、共産党とも疎遠なまま選挙に突入するというパターン。これは、野党のボロ負け必至で、だからこそ、ダブル選を与党は仕掛けてくる。こうなると、先述のとおり、憲法改正が現実味を帯びてくる。

 シナリオ14のいずれかの組み合わせに向かい、今後進んでいくことになるが、有権者に突き付けられるのは、自公維による改憲の動きをよしとするか、それよりは野党を選ぶか、という選択である。特定の支持政党を持たない多くの有権者にとって、それは、どっちがましか、という、期待感の薄い選択になるかもしれない。そういう状況でも政治に絶望しない、オプティミズム(楽観主義)が今こそ求められる。(佐々木奎一)


 ※軽減税率について加筆した。(2016年1月3日付)


 ※テロや、中国との紛争が、日本政府の不作為や工作、挑発により誘発される可能性について、加筆した。(2016年1月5日付)

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2016年01月02日

海と、天地の生き物を汚染するマイクロ・プラスチック 四

 さらに同報告書には「実際に、これまで実海域で採取された甲殻類や魚類の内蔵より微細片が発見され、あるいは貝類体内への微細片の移行を確認した実験結果もある(磯辺ほか, 2012)。」「微細片には有害物質が含まれ、これが誤食を介して生物体内に摂取される可能性がある。最近になって、微細片を体内に取り込んだメダカに、肝機能障害が発現したとの実験も報告された(Rochemanetal. 2013)」とある。

 それにしても、洗顔剤などのスクラブの粒々は、いかにも海に流れ出る頃にはビーズ状になりそうな感じはするが、口紅、マスカラ等々に含まれるプラスチック成分は、ビーズ状とは言い難い。本当にマイクロビーズといえるのか。

 そこで、マイクロプラスチックを担当する環境省の海洋環境室サエグサ氏に、電話で聞いたところ、口紅などに含まれる微細なプラスチックもマイクロビーズです、と言う。サエグサ氏によると、今年のG7の首脳宣言でマイクロプラスチックは世界的問題と宣言されており、宣言の付属書には、マイクロビーズは自発的な廃止、マイクロプラスチックを含む廃棄物は海に出ないよう力を入れるという趣旨のことが書かれているという。

 そして、サエグサ氏によると、大きいプラスチックが海に出て小さくなり、微細なプラスチックになっていくものを「二次的マイクロプラスチック」というのだという。これはペットボトルやビニール袋などのいわゆるプラスチックゴミが微細になってできるマイクロプラスチックである。

 そして、化粧品などに入っている、もともと小さいままの微細プラスチックは、「一次的プラスチック」といい、たとえビーズ状でなくてもこれを「マイクロビーズ」というのだという。

 この定義でいくと、筆者が調べた上記化粧品リストは、やはり、れきとしたマイクロビーズということになる。

 そこで、マイクロビーズの入っていることが確認できた化粧品会社7社に対しては、製品名を列挙した別表をつけ、マイクロビーズが確認できなかった19社に対しては別表を除いた上で、国連の報告書が今夏出たことを示し、「マイクロビーズの環境問題について、どういう取組みをしているか?」「御社の製品でポリエチレン末、ポリエチレン、ポリプロピレン以外に、プラスチック成分の表記名があれば、どういう表記か?」など聞いた。

 すると、ディオール、ケンゾーパルファム、ジバンシイ、メイクアップフォーエバーなどのブランドでマイクロビーズが入っているLVMHは、電話で要件を伝えたところ、「取材は受け付けていません」と言って電話を切られた。説明責任ゼロである。

 また、エレガンス、ポール&ジョーボーテ、エクシアALなどのブランド計208製品でマイクロビーズが入っているアルビオンや、カバーマーク、パピリオなどのブランドで入っていたピアスや、メイベリンニューヨークなどのブランドで入っている日本ロレアル、ホーユー、ナリス化粧品、ライオンは、無回答だった。

 (続く)
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2016年01月01日

猫づくし

 今日は、テレビ神奈川で1月1日に放送した映画「猫侍」「ねこタクシー」「酔拳」「蛇拳」をみた。
 このうち、「猫侍」「ねこタクシー」はもちろんのこと、ジャッキー・チェン主演の「蛇拳」も、蛇といつつ、実際は、猫を技に取り入れ、ニャーと言って繰り出す「猫拳」だった。猫づくしの正月である。
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新年

あけましておめでとうございます。
posted by ssk at 11:06| Comment(0) | 随筆